野良ベーシストは運命と出会う   作:なんJお嬢様部

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続きました。
初ライブ編最終回中編その2!

これ書いてる時点で日間ランキング9位、総合で14位でした。ありがたや、ありがたや。

この作品が多くの人の目に触れているのも、支えてくださった皆様と『バンドリ』という素敵コンテンツのお陰!

皆さんの期待を裏切らぬように、『バンドリ』らしさが出るように頑張りまぁす!

今回はオリジナルバンド《ハニースイートデスメタル(HS DM)》との控え室での絡みがメインになります。

(きた)るライブシーンに向けて、ギアを一つあげていくゾッ!


野良ベーシストは仲間を信じる(中編2)

 《ハロー、ハッピーワールド!》と俺が控え室に入ってからしばらくたった。《Afterglow》のメンバーと和気藹々と話しているうちに、もう一つのバンド《セントラルパーク》も控え室に入り、ますます少女たちの話には花が咲いた。

 

 そして、やっぱり《セントラルパーク》は俺が知っていたグループではなくて、女子高生三人組の3ピースバンドだった。

 ただ、まるっきり前の《セントラルパーク》と無関係ではないらしく、どうやらギターの子がオリジナルメンバーとの知り合いらしい。「私たちはバンドで世界を救う」なんて熱いことを言っているので、ペグ子たち《ハロハピ》と方向性が似ている気がしないでもない。

 

 ……つーか、《セントラルパーク》のドラムの子、どっかで見たことあるんだよなー。もしかして、実はもう有名人だったりするのか……?

 

 そんなどうでもいいことを考えていると、《Afterglow》の羽沢さんが「あっ!」と声を上げた。

 

「どうしたの、つぐみん?」

 

 羽沢つぐみと北沢はぐみで名前が似ていることから、かなり仲良くなっていた北沢さんが羽沢さんに声をかける。

 

「お喋りに夢中になってて忘れてたけど、ひまりちゃん、戻るのおそいなーって」

「ああ、実は私もそう思ってた。少し心配だな」

 

 羽沢さんの言葉に美竹さんも同意する。

 

 確かに、挨拶回りにしては少し帰りが遅いと俺も思う。

 

「ひまりのことだから迷子になってたりして~」

「ははは、あり得ない……って言い切れないよな、ひまりだし」

 

 青葉さんが軽口を叩いて、宇田川さんがそれに同意する。なんだかひどい扱いのようだが、それでも言葉の端々には上原さんへの気遣いが伺え、それが《Afterglow》のメンバーの間に流れる確かな絆を感じさせる。

 

 ……じっくり関わったことはなかったけど、いいバンドだな《Afterglow》。

 

 このバンドとここで絆を結べたのは《ハロハピ》にとっては想像以上に大きな収穫だったかもしれない。

 

 そんなことを考えながら、俺はゆっくりと椅子から立ち上がる。

 

「それじゃあ、うちの《ハロハピ》が挨拶がてら上原さんを探してみようか?」

「えっ! そんな、ご迷惑じゃないですか?」

 

 俺の申し出に羽沢さんが慌てて立ち上がろうとするが、それを手で制する。

 

「いや、上原さんが戻って挨拶してから挨拶回りに伺う予定だったけど、このままだといつになるかわからないからね。そろそろ動こうと思ってたタイミングなんだ」

「そうだったんですか」

「うん、もし上原さんに会えたらそこで挨拶もできるから一石二鳥だし。まぁ、任せといてくれよ」

「では、申し訳ありませんがお願いします!」

 

 羽沢さんが頭を下げると、他の《Afterglow》のメンバーもそれに続く。

 

「不束者ですが、ひまりのこと、どうかよろしく~」

「それ、なんか違うぞモカ。でも、よろしくお願いします基音さん」

「ひまりのこと、頼みました!」

 

 《Afterglow》のメンバーに頷くと俺は《ハロハピ》のメンバーたちの方を向く。

 

「ということだ、今から挨拶回りもかねて上原さんを探すぞ」

「おー!」(×5)

 

 俺の言葉でみんなが威勢よく立ち上がる。

 

 ……さてさて、この挨拶回りが、吉と出るか凶と出るか。

 

 上原さん捜索でうまい具合にカモフラージュされてはいるが、《ハロハピ》にとってはこれが最大の壁となる《HS DM》との初遭遇(エンカウント)となる。《HS DM》のメンバーを前にした《ハロハピ》は平静を保てるのか、あるいはプレッシャーに呑まれるのか。

 

 ……ま、なるようになるか。

 

 細かいことはことが起こってから考えることに決めて、俺は控え室の扉に手をかけた。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 控え室を出て十数分、本丸である第二控え室を残して、俺と《ハロハピ》は第一と第四控え室への挨拶を済ませていた。

 挨拶に対する他のバンドの反応はおおむね好意的で、特に第一控え室で今回のライブのトップバッターを務めることになった《Poppin'Party》のメンバーは、同じ世代のガールズバンドということもあり、もっと話がしたそうな雰囲気を醸し出していた。こんな形で色々な同年代のバンドと繋がれるのは《ハロハピ》にとっては大きな収穫だったといえるだろう。

 

 しかし、肝心の《HS DM》への挨拶はまだこれからだし、《Afterglow》のリーダーである上原さんともまだ出会うことができていない。

 

 もしも上原さんがいるとするなら、残された場所は《HS DM》もいる第二控え室しかあり得ない状況である。

 

 そういえば、薫と同じ羽丘女子学園出身なら上原さんも《HS DM》にとっては後輩なんだよな。もしかすると、そのせいでメンバーに絡まれてたりして。

 

 そんなことを考えながら俺たちはいよいよ最後の扉、第二控え室の前に辿り着いていた。

 足音が止まるのを確認してから、ゆっくりと後ろを振り返る。

 

「よし、挨拶回りもいよいよラストだ。この第二控え室に《HS DM》が、そしておそらく上原さんも一緒にいる。準備は良いか?」

 

 みんなの首が縦に振られ、ペグ子が一歩前に進み出る。

 

「もちろんよ! さぁ、扉を開けて頂戴、鳴瀬!」

 

 流石ペグ子、ずいぶんと勇ましいじゃないか。やっぱりこいつはリーダーの器だな。

 

 俺は少し微笑んでから、ペグ子の言葉に力強く頷いて、扉に手を伸ばす。三回ノックしてから中に向かって呼びかける。

 

「すみませーん!」

 

ハーイ!ダレカナー?

 

 中から返事の声が聞こえる。《HS DM》のメンバーだろうか?

 

「演奏順がこの部屋の次になる《ハロー、ハッピーワールド!》です。挨拶に来ました、入っても宜しいですかー?」

 

ドウゾー!

 

 許可の言葉が聞こえたのを確かめて、全員に聞こえるように「いくぞ」と呟く。

 

 そして、ついに俺はその扉を開けた。

 

 そこで俺と《ハロハピ》が目にしたものはーー

 

「キャー! ひまりちゃんかわゆーい! うちらの妹になってー!」

「そ、そんな、照れますね……! でも、やっぱり皆さんのスタイルは凄いですね……。私、ちょっとこの衣装はウエストがきついです……ううっ(涙)」

 

 ーー《HS DM》のメンバーに囲まれてファッションショーをしている《Afterglow》リーダー、上原ひまりの姿だった。

 

「え、なんだこれ? どういう状況だ?」

 

 よく解らない状況に頭が追い付かないでいると、涙目の上原さんを《HS DM》のメンバーが次々にフォローし始める。

 

「あ、ひまりちゃん泣かないで! 全然大丈夫だよ、可愛いよ!」

「そーそー、それってオレの衣装だからすっげぇ細身に作ってるもん。オレって健康診断だと痩せすぎっていっつも言われるからさ」

「うんうん、そんなことないって! それくらい肉付きがよかった方が男どもの食い付きがいいんだよ! なぁ、あんたもそう思うだろ!?」

「えっ、俺!? ま、まぁ、普通にかわいいと思う、よ? うん。」

 

 ……しまった、なんか普通に答えてしまった!

 

 まさか《HS DM》のドラム担当、AKIRA(晶)さんから急に話を振られたられたせいで、上原さんのスタイルを咄嗟に評価する羽目になるとは。

 

「そ、そうですか! ありがとうございます!」

 

 上原さんもお礼を言ってはいるものの、恐らくよく知らないであろう男の俺から急に評価されたせいで、恥ずかしさから顔を真っ赤にしている。

 

 ……き、気まずい!

 

 しかし、そんな俺と上原さんの気持ちなどお構いなしに《HS DM》の面々は再び上原さんを褒め称える。

 

「だから言ったじゃ~ん! ひまりちゃん、マジでかわいいって!」

「あ~、なんかオレ、ひまりちゃん見てたら、もう男じゃなくて女の子でもいいかって気分になってきたな」

「それな! 分かりみがスゴイ!」

「ね~、ひまりちゃ~ん、本当にうちらの妹にならな~い? なんなら《Afterglow》のバンドごとだっていいよぉ~?」

「えっ!? あの、その、こ、困ります!」

 

 ……はっ! 駄目だ、話がまた元にループしている気がする!

 

 《HS DM》の熱烈な歓迎を受けて困惑する上原さんを見て俺は正気に戻った。自分以上に混乱する人間が目の前にいたら相対的に冷静になれるというやつだ。

 

 俺は上原さんに助け船を出すため、「パンパン」と手を二回叩いて全員の注意を引き付ける。

 

「すみませんがちょっとよろしいですかね?」

「んー?」「あらら?」「んぁ?」「お?」

 

 俺の言葉に《HS DM》の4人の顔がようやくこちらを向く。どうやらリーダーのギターボーカルのYUKI(結城)さんがいないみたいだが、取りあえず今のメンバーだけにでも挨拶を済ませた方がいいだろう。

 

 俺は頭を軽く下げて一礼してから挨拶の口上を述べる。

 

「改めまして、本日《HS DM》の後に演奏させていただく《ハロー、ハッピーワールド!》の基音鳴瀬です。今日はよろしいお願いします」

「おぉ、なんだ? オレは《ハロー、ハッピーワールド!》はスタッフからガールズバンドって聞いてたぞ?」

 

 俺の挨拶に真っ先に反応したのは、ベーシストのRYOKA(涼華)さんだ。身長公称142cmでやせ形の体型の彼女は見た目は女子中学生に見える。しかし、その強烈なパフォーマンスはリーダーに負けず劣らずで、スレッジハンマーでマネキンを頭頂部から叩き潰す、ネイルガンで蜂の巣にするなど凶暴性は《HS DM》最強とまで言われる。

 

 彼女が告白してフられた男は、二度と陽の目を見られない姿にされて、未だにどこかの地下に監禁されているというのはファンの間では定説になっている。

 

「そうです。RYOKAさんの言う通りで俺はバンドのアドバイザーでステージには立ちません」

「おー、そうなのか。マネージャー的なあれか?」

「どちらかというと演奏指導がメインですけどね」

「なるほどな」

 

 俺の答えにRYOKAさんが納得といった様子で頷く。

 

 ちなみに、《HS DM》のメンバーは全員が女子大生でRYOKAさんは三回生なので、実は二回生の俺よりも一つ年上だったりする。俺の言葉遣いが丁寧なのもそのためだ。

 

「というわけで、こっちがステージに立つ《ハロー、ハッピーワールド!》のメンバーです。リーダーは真ん中の弦巻こころがやってます。よし、みんな挨拶して」

「よろしくお願いします!」(×5)

 

 軽く紹介を入れて俺が脇に退くと、ペグ子たちが前に進み出て頭を下げる。特に怯んだ様子もなく、堂々としたその態度に一安心する。

 

「おいおいおい、こいつら全員めちゃくちゃレベル高いじゃねえか! 美少女だぞ、美少女!」

 

 《ハロハピ》の挨拶に真っ先に反応したのはAKIRAさんだ。身長180cm超えの彼女は可愛いものに目がなく、歴代の彼氏も全員彼女より頭一つぐらい身長が低い逆身長差カップルだったのだが、毎回彼氏をあまりに可愛がってしまうために、耐えきれなくなった彼氏が夜逃げ同然に逃げ出してしまうらしい。

 

「あら、ありがとう! でも、あなたもとってもかわいいわよ!」

 

 容姿を褒められたこころが素直にお礼を言ったその瞬間、AKIRAさんが音を立てて椅子から立ち上がる。

 

「……LENA。空いてる衣装ケースってあったか? この子、詰めて家に持って帰るわ」

 

 えぇ……マジか……。

 

 目の前で堂々と繰り出される犯行予告に、ペグ子を除く一同がドン引きしていると、話を振られたキーボードのLENA(麗奈)が(たしな)めるように口を開く。

 

「ダメだよAKIRAさん。確かにこころちゃんが可愛らしいのは分かるけど、せめて今日のライブが終わるまでは我慢しなきゃ!」

 

 いや、その窘め方はおかしい!

 

 俺と奥沢さんは反射的にツッコミを入れそうになったがすんでのところで踏みとどまった。

 

「おー、そうだったな! いやー、悪い悪い。こころちゃん、ライブが終わるまで待っててくれよな!」

「なんのことかはよく解らないけど、いいわよ! 後で一緒に沢山お話しましょう!」

「くぅ~! おい、さっさとライブを終わらせようぜ! スタッフに前倒しにできないか誰か頼んでくれよ!」

 

 ……いかん、このままではガチでペグ子が拉致される。

 

 ペグ子を奪われまいとする黒服の人たちと、それを千切っては投げるAKIRAさんが修羅のような争いを繰り広げる光景が鮮明に頭に浮かんだ。

 

 流石に口を挟まないとヤバいと思ったその時、今まで事態を静観していたギタリストのFUMINO(文乃)が口を開いた。

 

「ちょっとAKIRAー、法に触れることはチョメチョメだぞー?」

「え、これって法に触れるのか!?」

「いや、思いっきり誘拐だと思うんですが」(×2)

「おー、ナイスツッコミあざまーっす!」

 

 流石に我慢できなくなった、俺と奥沢さんがツッコミを入れると、FUMINOさんがすかさず持ち上げてくれる。

 こんな気配り美人のFUMINOさんを彼女にしておきながら、他の女と浮気する男が世の中にはいるのだからけしからんことである。

 

「いやー、でもお持ち帰りしたいってAKIRAの気持ちもわかっちゃうなー。《ハロー、ハッピーワールド!》、どの子もレベル高いしー、そこの背の高い子なんて王子様みたーい」

「お褒めに預かり光栄です」

「きゃー! 仕草まで王子様っぽーい! 最高ー!」

 

 FUMINOさんはどうやら薫が気に入ったようでペタペタとボディタッチしている。

 

 そして、気がつけばいつの間にか他のメンバー同士もなんだかんだで歓談モードになっている。

 

 俺は松原さんと話し込んでいる上原さんを見つけると、すかさず側へと駆け寄った。

 

「上原さん、お世話になります。《ハロー、ハッピーワールド!》基音鳴瀬です。さっきは失礼をして申し訳ない」

「あっ、どうも! 《Afterglow》のリーダーをさせてもらってます、上原ひまりです。こ、こちらこそさっきは取り乱してしまって……」

 

 そう言って上原さんは頬を染めて俯いてしまう。やっぱり恥ずかしかったらしい。

 

「いや、あれは全面的に俺が悪かった、ごめんな」

「いえいえ、いいんですよ。私も誉めてもらって嬉しかったですし。それと、間違いだったら申し訳ないんですが、基音さんって前に別のバンドでお会いしませんでしたか?」

「そうそう、ちょっと前まで《バックドロップ》ってバンドで活動してたときに《Afterglow》とは何度かご一緒させてもらってるよ」

 

 俺が答えると、上原さんはその顔に笑顔を浮かべる。

 

「やっぱりそうでしたか! 前とは違う形ですが今日もよろしくお願いします!」

「こちらこそ。……そうだ、あんまり帰りが遅いから美竹さんたち他の《Afterglow》のメンバーが心配してたよ。一度控え室に戻ったら?」

「あっ、いけない!」

 

 上原さんはハッとした表情で口元を押さえる。

 

「《HS DM》の皆さんの相手は《ハロハピ》でやっとくから、すぐに戻りなよ」

「何から何までありがとうございます。はぁ~、帰ったらまたモカたちにからかわれるんだろうな~」

 

 がっくりと肩を落としながら上原さんは部屋の入り口に向かう。

 

「すみません、ちょっとメンバーが呼んでるみたいなので失礼します! 《HS DM》さん、《ハロー、ハッピーワールド!》さん、また後でよろしくお願いします!」

「ひまりちゃんありがとね~! またライブで会いましょ~!」

 

 FUMINOさんが去り行く上原さんの背中に手を振って、他の全員も上原さんを見送る。取りあえず、上原さん捜索のミッションはこれで完了だ。

 

 そして、もう一つのミッションである《HS DM》との挨拶なのだが。

 

「これはもう成功してるな」

 

 世代は少し違うとは言えどやはり同じガールズバンド、話の種には事欠かないらしく俺の心配は急にだったようだ。

 

 これで後はリーダーのSAKI(咲)さんに挨拶できたら大丈夫かな。

 

 そんなことを考えていると、俺の背後で控え室のドアが勢いよく開いた。

 

 全員の視線がドアに集まるなかで、ゆっくりと控え室に入ってきたのは他でもない《HS DM》のリーダーSAKIさんその人だった。

 

「悪い、遅くなった。スタッフがそろそろうちらのリハだから楽器を用意しろってさ」

 

 喋りながら入ってくるSAKIさんは、俺の姿に気がつくと怪訝な表情を浮かべる。

 

「あれ? 《バックドロップ》の鳴瀬君じゃん?」

「あ、俺のこと覚えてくれてましたか。そうです、《バックドロップ》のときに何度かライブで一緒になった鳴瀬です。今日は俺がアドバイザーをしてるバンド、《ハロー、ハッピーワールド!》がステージでご一緒するので挨拶に来させていただきました」

 

 なるほど、怪訝な表情だったのは俺のことを覚えてくれていたからか。それにしても、共演したのは《ハニースイート》時代なのによく覚えてくれてたな。

 

 SAKIさんの記憶力に舌を巻きながら頭を下げる俺に、彼女は笑いながらヒラヒラと手を振る。

 

「おいおい、年下だからってそんなにかしこまらなくていいよ。いっこ差なんてタメみたいなもんだろ」

 

 そう言って気楽にしてくれという態度のSAKIさんに、俺はあくまでも目上への態度を崩さない。

 

「いえ、やっぱりちゃんとスジは通しておきたいんで。それにSAKIさんも含めて、《HS DM》はメジャーデビューを決めた大先輩なんで尚更ですよ」

 

 やはり、同じ道を歩むものとして先達への礼儀というものは大切だと俺は思う。

 例えそれが大成しなかった人たちだとしても、彼らが歩いたからこそ俺たちが今歩いている道がそこにできたのだ。その尊い歩みを疎かに扱うことなど自分にはできない。

 

 そんな俺をじっと見つめるとSAKIさんはにんまりと笑ってから、急に腕を開くと俺の頭をその脇に抱え込んだ。

 

「ええっ!? ちょ、SAKIさん、なにやってるんすか!」

 

 突然の暴挙に戸惑う俺。

 

 そして、それ以上に俺を戸惑わせることが一つ。

 

 む、胸が! 胸が当たってますSAKIさん!

 

 脇に頭を抱えられたことによって、俺の頬の片方には腕が、そしてもう片方には柔らか胸が当たっていたのだ。SAKIさんもそのことには気付いているだろうが、全く同様などは見せないで(顔は見るとこができないが多分そうに違いない)いる。

 

「ふふふ、可愛い奴め。ちょっとお姉さんとお話ししようぜ鳴瀬君」

「分かりました! 分かりましたから頭を放してください!」

 

 必死に解放を要求するも、それが聞き入れられることはなく俺は頭を拘束されたまま控え室の中央まで運ばれて椅子に座らされる。

 

 運ばれていくときに、頬に胸を押し付けられている俺を見て一部の《ハロハピ》メンバーが白い目をしていたのは多分気のせいだと思いたい。

 

 だってしかたないじゃん! 相手は先輩なんだから!

 

 

 

◇◇◇

 

 

「へぇ、鳴瀬君は今は《バックドロップ》抜けてフリーなのか」

「ええ、残念ながら方向性の不一致というやつですよ」

「ははっ、それ、人生で一度は言ってみたいセリフだな」

「笑わないでくださいよ、こっちは大変なんですから」

「悪い、悪い。でも、鳴瀬君のベースの腕が陽の目を見ないのはもったいないな」

「お褒めに預かり光栄です。まぁ、俺もまだバンドは諦めてないですよ」

「ああ、鳴瀬君はバンドを諦めない方がいいよ。これは女の勘だ」

 

 SAKIさんに椅子に座らされてからしばらく、俺はSAKIさんとずっとサシで話していた。俺は《ハロハピ》のことをもっと話しておきたかったが、話題の中心はいつの間にか俺の近況のことにシフトしていた。

 

「はい、だからバンドから離れないために今は《ハロハピ》のために動いてます。後輩の指導をするのもこれでなかなか楽しいもんですよ」

「ははっ、後輩を育てるのに楽しみを見出だすほど枯れる歳でもないだろうに」

「まぁ、そうなんですけどね」

 

 そう言って俺が溜め息を一つ吐いたその時、SAKIさんの目が怪しく光る。

 

 ……なんだ? この目の輝き、なにかで見たぞ?

 

 激しい既視感(デジャブ)の正体に俺が思い至る前にSAKIさんの口が開く。

 

「枯れる、と言えば鳴瀬君。君、合コンに興味とかないか?」

「……はい?」

 

 SAKIさんの口から唐突にこぼれた「合コン」という言葉で、控え室の雰囲気ががらりと変わったのが分かった。周囲のみんなは先ほどまでと変わらず談笑しているように見えるが、明らかに俺たちの会話に耳をそばだてている気配がする。

 

「いや、あれだ。私たちは一応《彼氏絶対デスメタル系》バンドを標榜してはいるが、別に彼氏がいらないわけではないんだ。実際、ホームページなんかでも堂々と彼氏募集中って書いてあるしな」

「はぁ……」

「それで、鳴瀬君は都合がいいことに私たちと同じ大学生、しかも大学は名門早応大学ときてる」

「なっ、マジかよ!?」「おいおい、鳴瀬、お前早応大だったのかよ!」

 

 「早応大」というワードに、ついにRYOKAとAKIRAの二人が完全にこちらに反応した。

 

「早応っつったら、全学部の平均偏差値63ぐらいあんだろ?」

「ええ、まぁ、そうですね」

「早応の名前出すだけで合コンなんて開きたい放題っていうのもマジなのか?」

「俺は興味がないのでやったことないですけど、確かにそういうの目的にしてるサークルは週に何度もやったりしてますね」

 

 二人の質問に答えた瞬間、その目がキラキラと輝き出す。いや、ギラギラの方が適切かもしれない。

 

 なんだ、この目は絶対に見たことがある! どこだ、どこでなんだ!?

 

「そこでさ、鳴瀬君の力を借りて早応の男の子を何人かいいところ見繕って一緒に合コンしようじゃないかって話さ」

 

 SAKIさんがそう言い終わるや否や、今まで静観していた二人も含めて《HS DM》のメンバーが爆発した。

 

「うぉー! 最高じゃねえか!」

「きゃー! リーダーナイスアイデア~!」

「鳴瀬、オレは細マッチョみたいな男がタイプだ! 最低一人は連れてきてくれ!」

「あ、それなら私は細身で長身の知的なタイプがいいな~」

「おいおい、FUMINO、男は全員早応生だぞ? みんな知的に決まってるだろ!」

「それもそうね! なら私は紳士的な人にしてもらおうかな~」

「私は低身長ショタ顔、守ってあげたくなるタイプで頼む!」

 

 箍が外れたように俺に群がる《HS DM》のメンバーを見て、俺はようやくデジャブの正体に気付いた。

 

 ……そうか。あの目は、この間ナショナルジオグラフィックのサバンナ特集の回で見た目だ。ライオン、チーター、ハイエナ……。

 

 そう、それは餓えた肉食獣の目に他ならなかった。

 

 そして、サバンナの、ではなく《HS DM》の女王(リーダー)、SAKIさんも餓えた獣の目で俺を見つめる。

 

「どうやら私以外も期待しているようだ。頼むぞ鳴瀬君。ちなみに、私のタイプはバンドマンだ。前の男は私のバンド活動に理解がなくて逃げられてしまったからな、バンドマンの男なら絶対にその心配はないだろう」

「いや、その、まだやると決まった訳じゃ……!」

 

 抗議の声を上げる俺の頬をSAKIさんの指先が妖しい手つきで這い上がる。それはまるでムカデかクモのような多足の捕食者が這っているかのような錯覚を覚える手つきだ。

 

「ああ、もし手頃な男がいなかったら私は鳴瀬君でもいいな」

「えっ!?」

 

 突然の指名に驚く俺の、その驚愕が抜けきる前に畳み掛けるようにSAKIさんが耳元で囁く。

 

「鳴瀬君は私が求める男の条件を完璧に満たしている。バンドに理解があって、頭も切れて、顔も悪くない。どうかな、もし君さえ良ければ合コンなんか開かなくても私とーー」

「ーーそれはダメよ!」

「っ!?」

 

 SAKIさんの言葉を遮るように、声を発したのはペグ子だった。

 そんなペグ子は、今まで俺が見たことのないような鋭い眼光でSAKIさんの顔を見つめている。

 

 ……もしかして、怒ってるのか?

 

 珍しいペグ子の怒りの表情を受けて、SAKIさんはそれでも余裕の表情である。

 

「おや、可愛らしいリーダーさん。どうしたのかな?」

 

 猛獣の目から爬虫類の目を思わせる粘着質な眼光に切り替わったSAKIさんの視線を浴びて、それでもなおペグ子は怯まない。

 常人なら目をそらしてしまいそうになるその目をじっと見つめ返して、ペグ子はSAKIさんの顔にビシッと指を突きつける。

 

「残念だけど、鳴瀬はあなたとはお付き合いできないわ!」

「おや、それはどうしてだい? 日本ではいつから自由恋愛ができなくなったのかな?」

 

 SAKIさんは涼しげな表情で、突き付けられたペグ子の指を横に払う。それでもペグ子は怯まない。

 

「鳴瀬は私と《ハロー、ハッピーワールド!》を世界を笑顔にできるバンドにしてくれると約束したのよ! だからあなたとはお付き合いしている暇なんかないわ!」

 

 ペグ子のこの言葉に他の《ハロハピ》メンバーも大きく頷き、口々に追随する言葉を放つ。

 

「Mr.鳴瀬は私たちに必要な存在だ。いくら先輩といえどもこればかりは譲れないな」

「鳴瀬くんはベースを教えるのがすっごく上手いんだ! 多分鳴瀬くん以外だったらはぐみはステージに立てるまで達してなかったと思うんだ。だからはぐみもこれからも鳴瀬くんに教えて欲しい!」

「わ、私も今ここに《ハロハピ》のドラマーとして居られるのは鳴瀬さんのお陰です! 鳴瀬さんから学びたいことがまだまだたくさんあるんです!」

「いやいや、このバンドの貴重な常識人をそんなに簡単には手放せませんっての!」

「…………」

 

 成り行きでなってしまった《ハロー、ハッピーワールド!》のアドバイザー。

 

 もちろんバンドに関わる上で手を抜くことなど一切なかったが、それでもどこか自分の居場所はここではないような気持ちが心の片隅にずっと居座っていた。

 

 でも、彼女たちはそんな俺を全力で必要としてくれている。強大な相手にも怯まず立ち向かおうとしている。

 

 ……そうだ、俺は大切なことを見落としていた。

 

 俺はバンドに対して手を抜かないことばかり考えていて、彼女たちとは真剣に向き合いきれていなかった。

 

 考えてみれば、居場所がないなんて当たり前のことだった。だって俺は彼女たちを、《ハロハピ》を最初から一時の関係だと決めつけて距離を取っていたのだ。

 

 俺はまだ、彼女たちの居る場所に辿り着いてすらいなかったんだ。

 

 ようやく気が付いた真実に頭を鈍器で殴られたような衝撃を受けて動けないでいる俺を置いて、事態はどんどんと進んでいく。

 

 《ハロハピ》メンバーからの一斉攻撃を浴びてなお、SAKIさんはその涼しい表情を崩さない。

 それどころか、まるでつけ入る隙ができたと言わんばかりの嗜虐的な表情を浮かべている。

 

「ふむ。確かに、鳴瀬君は今は君たちと契約しているのかもしれない。しかし、例え先に契約を結んでも、違約金を払って後からより良い条件の契約で上書きすることも可能なはすだ」

「あら、あなたにそんな条件が提示できるのかしら」

「もちろん。私たち《HS DM》はメジャーレーベルからのデビューがすでに内定している。当然、レーベルの関係者とも既にかなりの付き合いがある。もし、鳴瀬君を手放してくれるなら私は違約金がわりに君たちも鳴瀬君もレーベルの関係者に紹介してあげることができる」

「…………!」

 

 ……なるほど、自信たっぷりに言うだけあって提示された条件はかなり魅力的なものだ。

 

 メジャーレーベルの関係者とお近づきになれる機会など滅多にないし、しかもそれが現在日本で十指に入るガールズバンドの紹介でとなれば関係者の覚えもめでたいはずだ。少し前の俺ならころっとそちらになびいていたかもしれない。

 

 でも、今はーー

 

「ーーお断りよ!」

 

 甘い甘い蜜の言葉。誰もが手を伸ばしてしまいそうになるそれをペグ子は堂々とはね除ける。

 

「わたしは、誰かに与えられた力で世界を笑顔にしたいんじゃないわ! わたしは、わたしたちの力で世界を笑顔にしたいのよ!」 

 

 その言葉に一切の瑕疵はなく。

 

「わたしの、薫の、はぐみの、花音の、美咲の、ミッシェルの、そして鳴瀬の、《ハロー、ハッピーワールド!》全ての力で世界を笑顔に変えるのよ!」

 

 故に、その言葉は俺の胸に深く響いた。

 

「……なるほど」

 

 その言葉を聞いたSAKIさんの表情から初めて余裕の色が消える。

 それはすなわち、ペグ子が彼女にとって対等の敵として認識されたことに他ならなかった。

 

 SAKIさんの雰囲気の変化は察しのいいペグ子も気づいたところだろうが、それでも彼女は攻めの姿勢を崩さない。

 

 なぜならそれこそが、その前しか向かない姿勢こそがペグ子ーー弦巻こころの真骨頂なのだから。

 

「でも、このことはここできっちりけりを着けないと駄目だとわたしは思うの。だから勝負しましょう!」

「ほう、では勝負の内容はどうしようか?」

「勝負の内容はもちろん今日のライブよ! もし、今日のライブが私たち《ハロハピ》全員が満足がいくものなら私たちの勝ち! あなたは鳴瀬から手を引いてね!」

「ふむ……」

「もし私たちの一人でも満足ができなかったらそのときは私たちの負けよ。残念だけど鳴瀬はあなたたちに進呈するわ」

「えっ、勝手に進呈されても困るんだけど!? ちょっと!?」

 

 ペグ子の口から恐るべき人身売買の言葉が飛び出したことに対して抗議するも、俺の言葉を無視して二人のリーダーのやり取りは続く。

 

「……その条件ならば、もし満足していないのに満足しているとそちらがいくらでも偽ることができる。勝負にならないのでは?」

「わたしは、絶対に自分の気持ちに嘘なんかつかないわ! 他の《ハロハピ》のみんなだってそうよ!」

 

 ペグ子の言葉に全員が即座に頷く。

 

 その様子を見たSAKIさんは大きく首を縦に振った。

 

「その勝負乗った! もし私たちが勝てば、鳴瀬君の身柄は即刻私たちが確保させてもらうがいいかな」

「ねぇ、ちょっと待って」

「もちろん! 煮るなり焼くなり好きにしてくれていいわ!」

「あの、俺の意思は……」

「ふっ、ライブ後が今から楽しみだよ」

「もしもーし」

「ええ、本当にね!」

「聞こえてますかー?」

「鳴瀬君!」

「うわっほい!?」

 

 突然の話を振られた俺は変な声で返事してしまう。

 

 SAKIさんは俺の手を取ると熱の篭った瞳でじっと俺の目を見つめる。

 

「今日のライブ、《ハロー、ハッピーワールド!》には一切の満足感を与えないほどに完璧に仕上げてみせる。ライブのアフターは空けておいてくれ。今夜は君を帰さない」

「えっ、あっ、はい」

 

 呆気に取られて空返事してしまった俺の手を離すと、彼女は満足気に優しい表情で微笑む。

 

「言いたいことはそれだけだ。今はまだ君は《ハロー、ハッピーワールド!》の鳴瀬君だ。ライブ後に《HS DM》の鳴瀬君になるまで少しの間お別れだ。大丈夫、すぐに迎えにいく」

 

 SAKIさんの言葉が終わるか終わらないかの内に、控え室の扉が叩かれる。

 

「すみませーん! 《HS DM》の皆さん、リハの順番が来ましたー! 機材を持ってステージまでお願いしまーす!」

「わかりましたー! よし、《HS DM》出るぞ!」

「応!」(×4)

 

 リーダーのSAKIさんの言葉にメンバーが力強く応え、彼女たちは次々に控え室を飛び出してゆく。

 

 最後にSAKIさんが俺にウインク一つ残して去り、控え室には俺たち《ハロハピ》のメンバーだけが残された。

 

 嵐は去った。

 

 そのことを確かめてから、俺は一つ大きく深呼吸をする。

 

 息を吸い。

 

 そして吐く。

 

 心を十分に落ち着けたことを確認して、それから俺はゆっくりと口を開いた。

 

「ど、ど、ど、どうしよう!? なんか勢いで凄い約束をしてしまった気がする!?」

 

 ダメだった。全然落ちつけなかった。

 

 というか、こんなの落ち着けるわけないだろちくしょー!?

 

「お、落ち着いてください鳴瀬さん!?」

 

 奥沢さんが俺を宥めてくれるが、いまの俺の心にはその程度の言葉では染み込まない。

 

「お、落ち着く!? お、落ち着くってどんな状態!?」

「ふっ、それは心の中に儚さを忘れない状態のことさ」

 

 薫は薫でいつも通りよく分からないことを言ってまったくためにならない。

 

「いや、全然わかんないから! あー、もー、ヤバいヤバい! このままじゃ俺、今夜襲われるんですけど!?」

「お、おそっ!? ふぇぇぇ!?」

「鳴瀬くん襲われちゃうの!? はぐみ、ソフトボールのキャッチャーのプロテクター借りてこようか!?」

 

 「襲われる」という言葉を聞いた瞬間、松原さんの顔が真っ赤に染まり、北沢さんはちょっとずれた勘違いをしていた。

 

「大丈夫よ鳴瀬! 私たちが絶対に勝つわ!」

「いや、絶対って相手は本気モードの《HS DM》だぞ!?」

 

 いつも通り何の根拠もないペグ子の言葉に、俺はすかさずツッコミを入れる。

 しかし、ペグ子はその意思の強い瞳でじっと俺を見つめたままだ。

 

「それでも勝つわ! 私たちを信じて!」

「……こころ」

 

 再び重ねられるペグ子の力強い言葉に、俺の中の焦りがスッと引いていくのが分かる。

 ペグ子は、俺の目を、その奥底まで射抜くように真っ直ぐに見て更に言葉を紡ぐ。

 

「だって、わたしたちは最高のバンドマンに育ててもらったんだもの。鳴瀬、あなたが育ててくれたわたしたちを信じて!」

「…………!」

 

 そうだ、何を焦ってたんだ俺は。

 

 俺はペグ子たちと真剣に向き合うって決めたじゃないか。

 

 彼女たちが本気で俺を信じてくれるように。

 

 俺も本気で彼女たちを信じればいい。

 

「信じて、いいんだな?」

 

 俺の問いに《ハロー、ハッピーワールド!》が頷く。

 

「当然よ!」

「ふっ、最高に儚い演奏を約束しよう!」

「もっちろん! 鳴瀬くんのためなら全力全開!」

「わ、私も頑張ります!」

「ま、メンバーを横から持っていかれるのは癪ですからね」

 

 ああ、本当に彼女たちは俺に大切なことを教えてくれる。

 

 ただ、偶然駅でベースを弾いていただけの、本当にそれだけの縁で出会った俺に。仲間に裏切られ、人を信じることを忘れていた俺に。

 

 彼女たちと出会えたことは俺にとって最高の運命だったようだ。

 

「分かった、信じよう。みんなが俺を信じてくれるように、俺も同じだけの熱意でみんなのことを信じてみようじゃないか!」

「……鳴瀬!」

「最高のバンドマンの俺が育てたバンドが負けるはずがない。さぁ、みんな行くぞ。今日ここから《ハロー、ハッピーワールド!》を始めようじゃないか! 最高に楽しみ(ハッピー)に行こうぜ!」

「おー!」(×5)

 

 この瞬間、俺と《ハロー、ハッピーワールド!》は本当の意味で繋がった。

 

 《ハロー、ハッピーワールド!》は未だ成らざる大きな器。

 

 彼女たちの完成への物語は、今ここで産声を上げたのだ。

 

 

 




鳴瀬「《ハロハピ》について本気だして考えてみたら 意外に悪くはないんだと気が付いた 僕は《ハロハピ》について失礼だったみたい も一度丁寧に感じて 拾って集めてみよう」

ということで(?)鳴瀬くんと《ハロー、ハッピーワールド!》の物語はここから本番です。

というか、書いていてオリジナルバンドの《HS DM》が当初の想定と全然違うバンドになってしまった……。本当はステージではやべぇやつらだけど、ステージから降りたら素敵なお姉さまになる予定だったのに、ステージ降りてもやべぇ奴らになってしまった。

まぁ、いいか!(ポジティブ)

次は(本当に)いよいよライブ本番です。

もしかすると今回(13000字超え)よりも長いかもしれません(死)

それでもお付き合いいただける皆様、どうか鳴瀬君と《ハロハピ》の今までの一つの集大成、どうかその目に焼き付けていって下さいませ。

奥沢さんのサイドストーリー、読みたいのはどちら?

  • 結婚式場ルート。着ぐるみで疑似結婚式。
  • 田舎ルート。おばあちゃまの家でお泊まり。
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