ストリートライブ編の3です。
年末に向けて色々立て込む前に連投連投ぅ!
この回でいよいよ様々なガールズバンドが《ハロー、ハッピーワールド!》と繋がり始めます!
どのバンドがどう関わって来るのかはお楽しみに!
【アンケート協力のお願い】
ついに最後の1人のサイドストーリー、美咲ちゃんの分を募集しています! なんと既に100名以上の方から投票いただき、過去最高の投票速度です!
???「今分かりました。《ハロハピ》の心はミッシェルだったんですね!」
ルートは「ミッシェル結婚式ルート」か、「美咲おばあちゃんの田舎訪問ルート」の二択です。詳細は前回のお話の前書きにあるので、確認してから読みたいお話に投票をお願いいたします!
あなたの一票で『野良ベーシスト』の未来が変わる!
「はーい、みんな! 元気にしてたー?」
「あー! こころちゃんだぁ!」
「うわー! ほんとだー!」
「みんなかこめー!」
「かもすぞー!」
ストリートライブ一発目。
ペグ子のお気に入りの公園で、彼女がチビッ子に声をかけたその瞬間、どこからともなく現れたチビッ子たちの群れに、俺たちは一瞬にして取り囲まれてしまった。
ペグ子の口から「わたしは公園のアイドルなのよ!」とは聞いていた(聞き流していた)が、まさかこれほどまでとは誰が思うだろうか。
もしもペグ子が笛でも吹き始めたら、現代のハーメルンの笛吹がこの世に解き放たれることは想像に難くなかった。
「うへぇ!? なんだよ、このこころの人気っぷりは!」
「なんか、パンくずに群がる鳩みたいになってますよ!?」
あまりの事態に戸惑う俺と奥沢さん in ミッシェルにも、チビッ子たちは物怖じせずに突っ込んでくる。
「わぁ、ピンクのクマさんだぁ!」
「あ、み、みんな大好きミッシェルだよー、よろしくねー」
「かわいい! ねー、ぎゅってしてもいいー?」
「や、優しくおねがいね?」
「わーい! お許しが出たぞー! みんな、かかれー!」
「え、ちょ、まっ、ああぁぁ……」
ミッシェルの集客力は相変わらず凄まじく、笑顔を振り撒くこころと同じレベルでチビッ子が群がっていく。ぎこちない動きで抱きついてくるチビッ子の海に沈んでいくミッシェルは、どこか溶鉱炉に親指を立てて沈んでいく某殺戮マシーンを彷彿とさせた。
すまん奥沢さん。しばらくチビッ子たちを引き付けておいてくれよ。
そう、心の中で奥沢さんに謝りつつ、俺は手早くライブの準備を始める。ちなみに、他の《ハロハピ》メンバーは、自分の楽器の搬入などの真っ最中だ。
俺は演奏をするわけではないのだが、アンプやキャビネットの調整のために、先行してそれらを持ち込んでセッティングしようとしていたところ、このチビッ子ギャングたちに囲まれてしまった訳である。
「とりあえず、キャビネット置いて音だしせにゃならんな……」
小型のバッテリーにアンプとキャビネットを繋ぎ、自前のMB-40をそれに繋ぐ。
そんなことをしているうちに、俺の方にもいくらかのチビッ子が寄ってきて興味深々といった様子で俺に話しかけてくる。
「おにーちゃん、これなにー?」
まだ、小学生にもなっていないような女の子がとことこキャビネットに近寄ってそれを指差しながらこちらに話しかけてくる。
「んー、これはアンプとキャビネットっていって大きな音を出す機械だよー」
「音が出るのー?」
「そうだよー、今からこころたちが歌ったり楽器を演奏したりしてくれるからねー」
「こころちゃん、歌うの!? やったぁ!」
ペグ子が歌うと聞いた瞬間、女の子は跳び跳ねて喜ぶ。本当にペグ子の子どもに対する求心力の高さは目を見張るものがある。
そして、その様子を眺めていたチビッ子たちがさらに俺の方に流れてくる。どうやら今のやり取りで俺も話し相手になるとロックオンされてしまったらしい。
「おにーちゃんも楽器弾くのかー?」
「そーだよー」
「スゲー! にーちゃんの楽器かっちぶーだな!」
「そうだろう、そうだろう。これはベースっていうこの世で一番カッコいい楽器なんだぞー、君は見る目があるねぇ」
「ねーねー、にーちゃんはこころちゃんの彼氏なのかー?」
「ははは、そんなわけないだろう。君は見る目がないねぇ」
チビッ子たちをそこそこにあしらいつつ、セッティングを終えた俺はベースを構えると弦を爪弾く。
ーーベベッ、ベベッ、ボボボン、ペーーーン。
ツーフィンガー、スラップ、スライドでさらっと音出しを確認。どうやら特に問題はないらしい。
「よし、大丈夫だな。これで問題はーー」
「ーーわー! 音出た!」
「スゲー!」
「カッコいい!」
「うぉう!?」
俺がベースを弾いた瞬間、目をキラキラさせたチビッ子たちが一瞬で俺のところに群がり始めた。
音を出したのは軽率な行動だったと、今さらながらに分かったところで最早後の祭りである。俺はチビッ子ギャングたちの猛攻に曝されることとなった。
「ねー、もっと弾いて弾いて!」
「おにーちゃん何弾ける? わたし『きらきら星』歌えるよ!」
「カッコいい! おにーちゃん、これ触らせて、触らせて!」
「あっ、僕も弾きたい! おにーちゃん、いいでしょ?」
怒濤の勢いでわちゃもちゃにされながらもなんとか俺はチビッ子たちを手で制する。
「ああ、わかった! わかったから順番な、順番。みんないい子だから、お兄さんと約束できるよな?」
「「「できるー!!」」」
「んじゃ、みんなでじゃんけんして負けた子は勝った子の後ろに並んでいきな。最後まで勝った子から順番だからなー」
「「「はーい!」」」
元気よく返事をして、すぐにじゃんけんを始めたチビッ子たちを眺めて俺はほっと胸を撫で下ろす。これでつかの間の平穏が約束されたわけだ。
……まあ、マジでつかの間なんだけどな!
俺はこの後起こるだろうチビッ子たちへの対応を思ってがっくり肩を下ろす。気が付くといつの間にか隣にはチビッ子に群がられたままの奥沢さん in ミッシェルが立っていた。
「……はぁ、なんか思ってた以上に大変なことになったな」
「……ですねー」
ライブが始まる前からどっと疲れた俺は、同じくくたびれたポーズでチビッ子に為すがままにされる奥沢さん in ミッシェルと顔を見合わせて苦笑いするのだった。
◇◇◇
「はーい! それじゃあ今日のライブは終了よー! みんなー、楽しかったかしらー!」
「楽しかったー!」「すごかったー!」「こころちゃん、また来てー!」「また一緒にうたってねー!」
ペグ子が最後のMCをして、チビッ子たちにミッシェルマイクを向けるとチビッ子たちが大声で返事をしてくれる。
「んー! みんな最高よ! それじゃあ《ハロー、ハッピーワールド!》のライブは今日はおしまい! みんな、まったねー!」
ワー!ワー! パチパチパチパチ……
ペグ子が軽くお辞儀をしてから《ハロハピ》のみんなが手を振ると、辺りが拍手の渦に包まれる。初のストリートライブは大成功だ。
最初はチビッ子だけかと思ったが、気が付くとチビッ子の保護者の方や、通りすがりの人、そして、実は俺がこっそりネットで告知していたのを見て集まったであろうファンもいれて100人はいそうな人だかりができていた。ストリートでこれだけ集められるバンドは中々ないだろう。
「鳴瀬、鳴瀬!」
「お、こころ」
そんなことを考えて会場をボーッと眺めているとペグ子がぴょんぴょん跳ねるようにこちらに近づいてきた。
「んー! 今日のライブは大最高ね!」
そう言って嬉しそうに伸びをするペグ子に俺は肯定の相づちを送る。
「そうだな、選曲も子ども向けにしたのも正解だったなー」
「ええ、『ドレミファロンド』と『とっとこハム太郎』から始めたのはよかったわね! みんな
「だなー。いやぁ、チビッ子のパワーってすごいなぁ」
今回のライブに先だって、俺は《ハロハピ》メンバーに子ども向けの楽曲をいくつか宿題として出していた。その中で、彼女たちが選んだ二曲をトップに持ってきたのが功を奏して、三曲目の『えがおのオーケストラ!』までチビッ子たちのノリを崩さずにライブを終えることができた。
まぁ、チビッ子たちの様子を見るに、どんな曲でも楽しく踊ったのかもしれないが、それはそれだ。
「みんながこんなに楽しめたのは鳴瀬のおかげよ。ありがとね!」
ペグ子が頭を下げるのに、俺は首を横に振って応える。
「いや、今回に関しては俺はそんなにだろ。こころやみんながよくやってくれたのがでかいよ」
元々、ここはペグ子のホームグラウンドでチビッ子も彼女の人徳が集めたものだ。そこに、しっかりと課題の演奏を仕上げてきたみんなの力が合わさることで今回の成功が生まれたと言える。俺の力など微々たるものだ。
それでも、俺の言葉に今度はペグ子が首を振る。
「ううん、違うわよ鳴瀬。今回のストリートライブも、鳴瀬が自由に場所を決めてもいいって言ってくれなければなかったもの。演奏する曲の内容や順番も鳴瀬が考えてくれたし、やっぱり今日の成功は鳴瀬のおかげだわ。ありがとね、鳴瀬」
そう言いきって微笑むペグ子を見ると俺はこれ以上反論ができなくなって思わず苦笑いしてしまう。
やっぱり、ペグ子には敵わないな。
「……そこまで言うならありがたくもらっておきますよ」
「そうしておいて! それじゃあ、わたしはみんなの相手をしてくるわね!」
「おう、俺は機材の片付けをしとくよ」
お客さんにひっきりなしに話しかけられている他のメンバーのところに駆けて行くペグ子の背中に軽く手を振ると、俺は機材を片付けるために反対方向へ向かう。
すると、そんな俺の目の前にスポーツドリンクのペットボトルが差し出される。それを眺めた俺は一瞬、怪訝な表情を浮かべる。
「んん……?」
……《ハロハピ》のメンバーは全員向こうにいる。じゃあ、このペットボトルを差し出してくれたのは誰だ?
不思議に思って顔を上げた俺の前に立っていたのは黒髪に一房の赤いメッシュを入れた女の子だった。
「鳴瀬さん、ライブ、お疲れ様です」
「あ、美竹さんか。こんにちは、聴いてくれてたんだね」
ペットボトルの主は、なんと《afterglow》の美竹さんだった。よく見ると彼女の後ろには他のメンバーも勢揃いしている。
「はい。実は、鳴瀬さんのネットの告知をモカが偶然見つけて、それで」
「そーなんですよ。蘭ったら、話した途端に『聴きに行かなきゃ』ってすごくあわてちゃってー。ライブは二日後だったのにすぐに飛び出そうとしたんですよー」
「あっ、こら、モカ! 余計なこと言わないの!」
青葉さんが横から茶々をいれて、美竹さんが頬を染めながら彼女の頭をぽかりと叩く。
「あーうー。蘭にぶたれた~。ひーちゃん、慰めて~」
「今のはモカが悪いとおもうよ……でも、よしよし」
頭を叩かれた青葉さんは芝居がかった仕草で、上原さんにもたれ掛かり、上原さんはその頭をよしよしと撫でている。美竹さんはそんな青葉さんにあきれた視線を送り、宇田川さんと羽沢さんは苦笑いを浮かべてやり取りを眺めていた。
「とにかく、わざわざ見に来てくれてありがとう。飲み物もありがたくいただくよ」
「あ、はい、どうぞ」
変な空気を断ち切るように、俺は差し出されたペットボトルを受けとると、すぐにキャップを開けて中身を喉に流し込む。裏方と言えど、機材の搬入や調整、チビッ子の相手で疲れた体にスポーツドリンクはよく染みた。
俺がペットボトルから口を離すと同時に、待ち構えていたように美竹さんが声をかけてくる。
「《ハロー、ハッピーワールド!》は、これからはストリートがメインなんですか?」
「んー、そのつもりだね。初のライブでいい思いさせ過ぎたからね。少しストリートでバンドの厳しさに揉まれるのもありかと思ってたんだけど、今回は思ったよりもこころがチビッ子を集めて当てが外れたみたいな感じかな」
俺の返答に美竹さんは頷く。
「なるほど……、やっぱり鳴瀬さんは色々考えてらっしゃるんですね。ということは、《ハロー、ハッピーワールド!》も、やはりストリートの後はどんどんライブハウスにくる感じになるんですか?」
更に探りを入れるような美竹さんの質問に、少し疑問を感じながらもやはり俺は首肯する。
「そうそう。とりあえずは、冬のでかいフェスのどれかを目指して下積みかな。幸い、うちは薫がいる限りチケット販売に関しては心配いらないし、スポンサーもついてるから。ライブハウスに舞台を移してからはガンガン攻めるつもりだよ」
「そうですか……あの……」
俺の話を聞いた美竹さんは、途中まで言葉を出しかかってから少し伏し目がちになって言葉を止めた。
しばらくの躊躇いの後、美竹さんは意を決したようにこちらを見つめ再び口を開いた。
「あの、もしよければなんですが、今度《afterglow》と《ハロー、ハッピーワールド!》で対バンさせてもらえませんか?」
「……! 俺の一存では決められないけれど、多分あいつらならオーケーだと思う。でも、いいのか? こっちははっきりいって、まだ、ひよっ子のバンドだ。《afterglow》とは経験値的には差があると思うんだけどね」
実際、俺のこの言葉に嘘はない。既にバリバリライブをやっている《afterglow》に対して、こちらはライブハウス一回、ストリート一回と明らかな経験値不足だ。
対バンはバンド同士の質が近いほど熱くなるので、《afterglow》にとって《ハロハピ》は役不足な相手だと思われた。
しかし、美竹さんは黙って首を横に振る。
「……《STAR DUST》の《ハロー、ハッピーワールド!》のライブ、袖から見させてもらいました。あの熱狂を、あの感動を呼び起こせるバンドが役不足だとは決して思いません」
「……」
俺が黙って次の言葉を待つと、美竹さんはより強い決意の籠った視線で俺を見る。
……これは覚悟だ。彼女は何か人生を左右する大きな覚悟を以てここに臨んでいる。
燃える美竹さんの瞳からそれを読み取った俺は姿勢を正す。次の彼女の言葉は軽々に聞いていいものではないことが同じバンドマンとしての魂で理解できた。
「私には、どうしても私の想いを伝えなければならない人がいます。それも、言葉ではなく、演奏で、歌で伝えなければならない。その期限はもうすぐそこまで来ているんです。だから、私は少しでも多くの強いバンドと競って、自分の答えを見つけたいんです!」
最後は半ば叫ぶような言葉を放ち、美竹さんは頭を下げた。
「自分勝手なことを言っているのは分かってます。でも、あのライブで、あの《ハロー、ハッピーワールド!》の姿を見せつけられて、こうせずにはいられなかったんです!」
「わ、私からもお願いします!」
「……! ひまり……!」
美竹さんの言葉に一歩前に進み出てきたのは《afterglow》のリーダー、上原さんだ。
「もしかすると、蘭は《afterglow》を抜けることになってしまうかもしれないんです」
「……なんだって!?」
上原さんの口からこぼれた驚愕の事実に俺は思わず言葉を発していた。
《afterglow》の、荒削りな力強さは美竹さんあってこそのものだ。もし彼女を失えばこのバンド全く別のものになるだろう。そして、それはあまりよくない
「蘭がバンドを続けるためにはある人を歌と演奏で説得しなければならない。そのために、蘭だけじゃない、私たち全員が成長しないといけないんです!」
上原さんの言葉に、他のメンバーも大きく頷く。
その姿、その気迫。友のために魂を燃やす、熱き血潮の流れる乙女の姿がそこにはあった。
「これは《ハロー、ハッピーワールド!》を踏み台にしようとする無礼なお願いだとは解っています。それでも! どうか私たちと対バンをやってくれませんか!」
「お願いします!」(×5)
上原さんの言葉で、《afterglow》全員が頭を下げた。その顔は伺い知れないが、きっと彼女たちは最高に覚悟が決まった表情をしているに違いない。
ならば、俺が言うべき言葉は1つしかない。
これ以外にはあり得ない。
「……
「……えっ」
「バンドにとって最も必要なもの。それは
「…………」
売れるバンドの絶対条件。
それはバンドが
俺たちがこの世で一番演奏が上手い。
俺たちがこの世で一番若者の支持を集めている。
俺たちがこの世で一番のパフォーマンスを見せている。
俺たちが。俺たちが。俺たちこそが。俺たちだけが。
世界で一番なんだ。
その狂信にも似た覚悟こそが、
その覚悟こそが、人の魂を奥底までを抉るのだ。
美竹さんが想いを届けたい人間が誰なのかはわからない。
だが、そんなことはどうだっていい。
この想いに、応えないのはバンドマンじゃない。
ならば、答えはひとつだ。
「今の君たちは最高の
「……っ! 鳴瀬さん!」
《afterglow》の顔が上がる。
「やろうぜ対バン! その代わり死ぬ気で来いよ《afterglow》! 油断してると逆にこっちが喰って踏み台にしちまうからな!」
注げるだけ油は注ぐ。
その方が派手な
多少爆発しちまっても構わない。
その方が寝ぼけた野郎共の目を覚ませるだろうさ。
「もちろん! 《afterglow》、全力で対バンをやらせてもらいます!」
美竹さんの顔には先程までと変わらぬ決意が浮かぶ。
変わったのは、先程まではそれが悲壮感に彩られていたのが、今では滾る激情に縁取られ、入る間際に最後の残光を放つ夕焼けのようだ。
果たしてその光は誰を居抜くのか。
それを知るのは彼女たちのみである。
◇◇◇
「オッケー、それじゃ、ライブの条件が決まったら連絡を取り合うということで」
「分かりました。よろしくお願いします」
「こちらこそだよ、美竹さん、上原さん。最高の対バンにしよう」
「……はい! それではまた!」
「ああ。また、ライブでな」
あれから、連絡先を交換しあった俺たちは対バンを固く約束して別れた。
正直、今日のライブそのものよりも、この《afterglow》との約束を交わしたことが最高の収穫だ。
《ハロー、ハッピーワールド!》は、夢を追う側だけではなく、追われる側にもなっている。これは彼女たちを更なる高みへと誘うだろう。
スマホに登録された連絡先を眺めて、思わず笑みをこぼしそうになる俺の視線に、ふとある連絡先の番号が映る。
《タク》 XXX-XXXX-XXXX
「…………」
その瞬間、俺の顔からは笑みが消え、俺はスマホの電源ボタンを乱雑に押して画面を消すと、追われるジーンズのポケットに押し込んだ。
……《ハロハピ》は確実に前に進んでいる。じゃあ、俺はどうだ?
もちろん今では俺も《ハロハピ》の一員だ。当然、ペグ子たちと一緒に前に進んでいる自覚もある。
しかし、
半年近く一線を離れ、《ハロハピ》のサポートに徹した俺のバンドマンとしての
そんなことを考えた瞬間、一迅の風が後ろから俺の横を駆け抜けた。
「……寒いな」
そんなことを思わず呟く俺の脇をすり抜けて、風は数枚の落ち葉を巻き上げながら天に向かって融けていった。
というわけで、最初の絡みは《afterglow》でした。
まだまだ、他のガールズバンドも絡んでくるのでお楽しみに!
奥沢さんのサイドストーリー、読みたいのはどちら?
-
結婚式場ルート。着ぐるみで疑似結婚式。
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田舎ルート。おばあちゃまの家でお泊まり。