野良ベーシストは運命と出会う   作:なんJお嬢様部

63 / 77
続きました。
投げれる時には連続で投げるのが投げキャラ使いの定め……。

あっ、画面端で待って飛び道具を撃つのはやめてくだち!


野良ベーシストは240時間戦える 【9日前・午後】

「……という訳で、『G4S project』は開催が決定した」

 

 《arrows》のいつもの店内、練習ブースに集めた《ハロー、ハッピーワールド!》のメンバーにその事実を告げると、一瞬の静寂の後に、歓声の輪が弾けた。

 

「やるじゃなーい! わたしはきっと鳴瀬がやってくれるって信じてたわ!」

「いつもよく知る商店街で、商店街初めてのライブ。日常と非日常が混ざり合う世界! ああ、なんて儚い……!」

「わーい! 鳴瀬くんありがとー! お母さんも喜ぶよー! コロッケたくさん売れるかな~?」

「ふええ……、路上でこんなに大きなライブ、もっと頑張らないと……」

「私はある意味ホームグラウンドに帰ってきた感じですね……。まぁ、少しは緊張も解れるかな」

「ま、色々思うところはあるだろうが、皆よく聞いてくれ」

 

 口々に様々な感想を述べ合うメンバーの間に割って入ると、皆の視線が俺に集まる。

 

「何かしら、鳴瀬。あ、道具のことなら心配しないでね! もう、黒服の人たちに頼んであるわ!」

「はえーな、おい! 通りで、黒服の人達が何人か減ってる訳だよ……。えーっと、道具の手配は後で頼もうと思ってたんだが、今大切なのは別のことだよ」

「えーっと、また何か面倒事ですかね……?」

「あ、いや、そんなに特別なことをしてもらうとかじゃないから安心してよ、奥沢さん」

 

 俺の言葉に何か嫌なものを感じ取ったのか、奥沢さんが若干げんなりした調子で呟いたが、俺は首を左右に振って否定した。

 

「俺が言いたいのは、心構えの話だよ」

「ふむ、心構えか。ステージに立つからには私はいつだって全力を尽くすさ」

「その、全力以上を出しに行ってほしいんだよ」

 

 いつもと変わらぬ自信に満ち溢れた口調の薫に釘を刺す。

 

「全力以上、ですか?」

「そう、今から本番までの8日間、《ハロハピ》にはまたひとつ上のステージに登ってもらいたいと思っている」

「おー! パワーアップするってことだね! はぐみ、頑張るよ!」

 

 松原さんの疑問に答えていると、俺の言葉の意図を察した北沢さんが嬉しそうに拳を握りしめた。

 

「でも、パワーアップって言っても、具体的にはどんな風にパワーアップするんですか?」

「ふむ、その疑問は最もだ、奥沢さん。だから、今からパワーアップの方向性を伝えさせてもらう。皆、よく聞いてくれ」

「はーい!(×5)」

 

 なんだかんだで、タイミングバッチリで返事をする《ハロハピ》メンバーに、俺は今回ここに全員を集めた核心となる目標を口にする。

 

「俺が今回のライブで全員に求めるのは《個人力の向上》だ」

「《個人力》?」

「そうだ」

「わたしたち、バンドなのに?」

「そうだ、今から詳しく言うからちょっと待て」

 

 首を傾げるペグ子や、まだ納得がいっていない他のメンバーに向けて、詳しく説明するために俺は再び口を開いた。

 

「簡単に言うと、これから一週間は『個人のスキルを伸ばす』、これに集中してほしいんだ」

「ふむ、連携ではなく自分自身でどこまで子猫ちゃんたちを魅了できるか、というわけだね」

「お、薫が珍しくまともなことを言ってる。そう、皆には、これから自分の力だけで人を惹き付ける演奏を意識して欲しいんだ」

「Mr.鳴瀬、どうやら君と私の間には見解の相違があるようだね? そのことについてはいずれ二人でじっくり話し合うとして、言っていることは理解できたよ」

「え、薫とサシで話し合いなんて普通にヤダよ」

「えーっと、それってつまり今以上に頑張って歌えばいいのよね?」

「そう、ただし他のメンバーの力を借りずにな」

 

 とりあえず、何やら喚いている薫のことは無視して、俺はペグ子からの疑問に答える。

 

「今まで、俺たち《ハロハピ》は、バンドの力を最大限に利用してきた訳なんだが、そのせいで個人の技術力については少しそれぞれの自由に任せていたところがあった。自分の殻を破ろうとしていた奴にはアドバイスを送ったし、よっぽど演奏の和を乱すようなこと以外は、まぁ、なんだかんだで許容してきた」

「そうですね……」

 

 松原さんが、俺の言葉に深く頷く。

 彼女は、元から一定の水準にあったスキルを更に伸ばすためにかなりもがいた。そのため、かなり細かいアドバイスを出したし、出しただけの成長はしてくれたと思っている。正に彼女は「打てば響く」というやつだった。

 

「《ハロハピ》の和を乱す……? そんな人物が私たちの中にいたとは思えないがね!」

「いや、お前の演奏中の無駄な決めポーズのことだからな? 自覚しような?」

 

 そして、こちらは全く自分の立ち位置を理解していない薫にツッコミを入れて、「ゴホン」と一つ咳払いをしてから俺は話を続けた。 

 

「でも、スキルについてなあなあで終わらせるのはここまでだ。これから先、《ハロハピ》が世界に羽ばたくには、個人のスキルの向上は避けては通れない命題となるからな」

「そうね、わたしたちは世界に笑顔(ハッピー)を届けるんですもの!」

 

 ペグ子の合いの手に俺は頷く。

 

「そう、《ハロハピ》は世界に飛び立つ。しかし、そうなると当然、今以上に大きなライブや選考会で、今以上に目や耳の肥えたオーディエンスや審査員を満足させる必要がある。それができなければ、最悪ステージにすら上がれないことだって考えられる」

「うん、はぐみ分かるよ! ソフトボールだって、ちゃんと練習してない子は試合に出してもらえないからね!」

 

 北沢さんは、真剣な目で俺の言葉に何度も頷いている。ソフトボールという勝負の世界に身を置いて久しい彼女には、ちゃんと努力を積み上げ力をつけた者だけが輝くステージに上がれることを身を以て知っているのだろう。

 

「なるほどね、ステージにすら上げてもらえないのは少し困るね」

 

 薫もここまできて少し認識を改めたようだ。

 彼女はステージの上の住人に違いはないが、「勝負」の世界の住人ではないため、この辺りに認識の差が出ているのだろう。

 

「ようやく薫もわかってきたな。選考会では、ライブの前に音源の確認があって、そこではデモテープオーディションがほとんどだ。デモテープには演奏の音しか持ち込めない。純粋にスキルが試される訳だ。ということで、今回のライブまでの目標はこれな。じゃあ、あとは各自練習ということでよろしく。明日は、ここの大部屋借りて他のバンドとの打ち合わせとかするからそのつもりで。各バンドとの連絡担当者は連絡忘れるなよー」

「おー!(×5)」

「じゃ、俺は別件で動くことがあるから、少し席を外すぞ。何かあったらスマホに連絡よろしく」

「はーい!(×5)」

 

 5人の反応を確かめて、俺はブースを後にする。

 受け付けに着くと、そこでは四方津さんが、今日は珍しく一人で小型のアンプヘッドをバラしていた。

 俺の視線に気付くと、四方津さんは作業の手を止めて、「よっ」と軽く右手を挙げて俺を手招きした。

 

「調子悪いんですか、そのアンプ」

「ああ、ガリが出るっつーんで接点活性剤を打ったんだが、あんまり改善しないんでな。配線のほうかと思ってバラしたらドンピシャよ」

「それでハンダ付けですか」

「そーなんだが、俺も歳でな。目がしょぼしょぼするから代わりにやってくれないか」

 

 そう言うと、四方津さんは半田の線と半田ごてを俺に手渡してくる。

 半田なんかはギターやベースを少しイジる人間なら誰でも使うことができる。ギターやベースのピックアップやスイッチの載せ替えには、必ずと言っていいほど半田の付け外しがあるからだ。

 そして、ご多分に漏れず俺も半田付けは中々の腕前を誇っている。元々、機材オタクなところがあるから、《バックドロップ》のときはよくタクのギターのピックアップもいじってやったものだ。

 

 ……つーか、今思えば何個か俺のピックアップ返してもらってねぇな。そういえば、一緒にパーツを買ってやったときの代金もまだもらってねぇ!

 

 なんだか嫌なことを思い出してやる気がガクンと落ちたが、それでも四方津さんには普段(主にペグ子のことで)お世話になっているので、この程度で作業を断るなど言語道断である。

 

「……任せて下さい。代わりますよ」

「何か、間があったけどいいのか?」

「はい、ちょっと過去の記憶がフラッシュバックしただけです」

「そうか? ならいいんだがな。ほら、ここのとこだよ」

「あー、断線してますね、これ。すみません、追加でニッパーもらえますか? ちょっと線切って被膜向いてから結線します」

「ほいよ」

 

 俺は、ニッパーを手渡しながら気遣わしそうな視線を送ってくる四方津さんの前で、手際よく半田で基盤と導線を繋いでゆく。古い半田を溶かして、ハンダ吸いに吸わせ、銅線を剥がす。先端を切って形を整え、被膜を向いて長さも整える。そこに新しい半田を丁寧に溶かして銅線の端が見えないように基盤へと付ける。

 最近は、《ハロハピ》への演奏指導ばかりで中々のこういうことをする機会がなかったが、長年染み付いた技術力は容易には抜けてはいかないようだ。

 

「付きましたよ、ちょっと組み立てる前に繋いで音出してください」

「わかった。いや、相変わらずいい手際だな」

「手際が良くても、ちゃんと直ってないと意味がないですから。確認お願いします」

 

 俺がそう言うと、四方津さんは貸出用のストラトをアンプヘッドに繋ぎ、アンプと一緒に持ち出してきたのだろうキャビネットとも繋ぎ合わせる。

 そのまま、電源を投入し、カッティングでジャカジャンとギターをかき鳴らすと、ガリのないクリーンな音がキャビネットから溢れた。

 

「おー、完璧だよ。まったく、ウチのバイトにも見習わせたいよ。最近は修理どころか機材のチューニングも怪しい奴が混じってるからな~」

「最近のギターは安物でもデフォルトのセッティングがいいのが多いですからね。こだわらなければ、バラさなくても一生使い続けられますから」

 

 実際、昨今のガールズバンドブームによって、各社のエントリーモデルにも質のいい楽器は増えた。昔は、安かろう悪かろうで若者を騙すことができたのが、ネット社会の今では、そういうものはすぐに悪評が立って淘汰される。結果、よい機材が市場に供給されやすくなっているのだ。

 反面、機材の進歩は人のスキルを奪ってゆく。最近のバンドマンは機材の質の上に胡座をかいて、自分で自分の欲しい音を作ろうという気概が無い者が増えた。

 技術の進歩にも良し悪しがあるということだ。

 しかし、中には技術の進歩ではどうにもならない、機械には代替不能な優れた技術を持つ人間もいるもので。

 

「いや、助かったよ鳴瀬! そういえば、外に出ようとしてたが、こころちゃん達を置いてどこに行くんだ?」

「あー、実はですね、『トミーさん』にそろそろ声かけとこうと思いまして……」

 

 ーートミーさん。

 

 その言葉が俺の口から出た瞬間、四方津さんが音を立てて立ち上がり、カウンターに身を乗り出した。

 

「マジか!? ということはつまり……」

「ええ、そうです。《ハロハピ(・・・・)()()()()()()()()()()、作りにいきますよ」

 

 《ハロハピ》初の公式ミニアルバム。

 俺は、今後の《ハロハピ》の活動を見据えて、この路上ライブの後にレコーディングスタジオを使ったミニアルバムの録音を計画していたのだ。

 

 恐らく、今回のライブで《ハロハピ》には新しい化学反応(ケミストリー)が生まれる。その勢いのままに、最高に生きのいい、今までの《ハロハピ》の集大成になるような音源を作り上げる!

 

 そのために、俺たち《ハロハピ》には優秀な『耳』が必要だった。つまりそれは、《ハロハピ》の魅力が120%伝わるような、完璧なレコーディングをしてくれるエンジニアに他ならない。

 トミーさんは、この界隈で5本の指に入るエンジニアだ。

 いや、少なくとも俺はこの界隈では最高のエンジニアだと思っている。ただ、トミーさんはあまりにも完璧を求めてリテイクを繰り返し、しかもかなりの喧嘩腰で突っかかることが多いので、それが一部のバンドマンの不興を買っているのだ。

 だが、それもひとえにトミーさんの完璧な音を求める真摯な姿勢の裏返しに過ぎないのだ。そして、その事実に気付いたバンドマンは、挙ってトミーさんのアドバイスを求めてレコーディングスタジオに向かう。俺もその一人だ。

 俺の《バックドロップ》が、初めてのミニアルバムを作ったときにお世話になったのがトミーさんならば、タクとシュンの二人と喧嘩別れに終って立ち消えとなった、フルアルバムのレコーディングをお願いしようとしたのも、このトミーさんだった。

 

 《ハロハピ》は、本物のバンドだ。俺が本気をかけるに値するバンドだ。だからこそ、彼女たちには最初から最高のハードルを飛び越えてほしいんだ。

 

 そういう思いが俺の内にはあるのだが、如何せん、《ハロハピ》は未だに若輩のバンド。ハードルを乗り越えるためにはいくつかのブーストを使う必要があった。

 そんなときに、お(あつら)え向きに転がってきたのが今回の《G4S project》だった、というわけだ。

 

 イベントまでの期間を助走にあてて、イベントという踏切板を使えば《ハロハピ》はハードルを越えられる!

 そして、冬のライブの選考会に送る音源を録るのは今がベストだ!

 

 これが俺の描いた《ハロハピ》メジャーデビューの青写真だ。音源の録音は、もう少し後に延ばそうと思えば延ばせるのだが、恐らくトミーさんとのレコーディングは熾烈なものとなる。そこが《ハロハピ》にとっての一つの山となるのは明白で、最悪そこが目標地点となったまま、燃え尽きた状態で冬のライブに臨むリスクが捨てきれない。

 そう考えると、例え一度燃え尽きても充電期間が得られる、この秋のタイミングがベストなのだ。

 

 俺のその想いを察したのか、四方津さんも凛々しい表情になって俺を見つめる。

 

「いよいよ、こころちゃんたちも夢に向かって羽ばたく時か。早いもんだな、才覚のある若者の成長というのは」

「ええ、本当に。彼女たちはいつも俺の想像を超えてくる。逸材ですよ」

「ふふっ、どうやら久しぶりに壁のサインが増えそうだな」

 

 そう言って四方津さんが見つめる先、カウンターとは反対側の壁には十数個のサインが刻まれている。

 これは、このスタジオ《arrows》からメジャーデビューしたバンドのサインだ。サインと共にステッカーやバンドの写真が貼ってあるその壁は、もうここ5年ほど新しいサインを刻んでいない。

 

「《ハロハピ》は、マジでここに名前を残しますよ。期待していいですよ、親父さん」

 

 そう言って俺がニヤリと笑うと、四方津さんも釣られてニヤリと笑った。しかし、すぐにその笑顔を引っ込めると、四方津さんは真剣な目で俺の顔を見つめた。

 

「そうかい、期待してるぜ。……じゃあ、その次に刻まれるサインは《バックドロップ》で決まりだな」

「……それは」

 

 言葉に詰まった。

 四方津さんはまだ、俺の《バックドロップ》の可能性を信じているのだ。

 実際、四方津さんには《バックドロップ》は感謝してもしきれないほど面倒を見てもらった。「お前らには、俺の息子以上に目をかけてるかもしれんな」と冗談交じりに言われたこともあった。

 

 《バックドロップ》は俺の中では終わった話です。

 

 そう言おうと思った矢先、四方津さんの口から意外な言葉が漏れた。

 

「実はな、来てるんだよ」

「えっ、何がです?」

「タクとシュンだよ。お前がいないタイミングを見計らって、《arrows》に顔を出してるんだ」

「そ、れは……」

 

 絶句する、とはこういう状態を指すのだと、俺は今身にしみて実感した。

 言葉が詰まるのではない。人はあまりにも強い衝撃を受けると、出る言葉が一つもなくなってしまうのだ。

 

 タクとシュンが? ここに? なんで? 俺のためか? いや、ありえない。 じゃあ、なんだ? 何なんだ? 分からない。 わからない。 ワカラナイ。WAKarANai.

 

 口にする言葉を考えるたび、思考がそれを否定して、言葉は散り散りになって消えていく。

 そんな俺の内面を見透かしたように、四方津さんは何でもない普段通りの世間話という体で再び話を進めた。

 

「まぁ、話すことは《バックドロップ》のことじゃなくて、当たり障りのない世間話だがな」

「そう、ですか……」

 

 辛うじて、返事だけはすることができた。返事は思考を伴わなくて済むからだ。

 

「ま、あいつらもここの利用者だし、出禁にしてる訳でもないからな。そりゃ、顔ぐらい出すだろ」

「そう、ですね……」

「……鳴瀬、お前があいつらに思うところはあることは、俺は十分に分かってる。でも、あいつらもお前について思うところはあるんだ。お前にはそれを知っておいて欲しい」

「…………」

 

 返事はできなかった。これは思考を放棄してしていい返事ではないことを、ショートしそうな俺の頭は辛うじて理解していた。

 

 あいつらに思うところがある? それで俺に何ができる? 何をすればいい? ああ、ダメだ。分からない。わからないんだ。俺は……………

 

「……すみません。電話かけてきますから」

 

 分からないことを考えても仕方がない。

 そう判断した俺は、強引に話題を変えることを選択した。そうでもしないと、言葉だけでなく脳までもが散り散りになりそうだった。

 

「……分かった。呼び止めて悪かったな」

「いえ、じゃあ少し外に出ます。また、戻ってきます」

「ああ」

 

 最低限のやり取りを済ませ、俺は《arrows》の扉をよろよろと潜って外に出た。そのままフラフラと歩いて、公園に入ると、最初に目に付いたベンチに倒れ込むように座った。

 

 ……疲れたな。少し、疲れた。

 

 思えばここ最近は、《ハロハピ》のライブのために、純粋に音楽とはいえないことばかりに時間を割いていた。今考えがまとまらないのも、多分、きっと俺が疲れているせいだ。

 

 少し、眠ろう。眠れば、また俺は動けるさ。

 

 そうして、ベンチに深く沈み込んで、俺はゆっくりと微睡む。秋晴れの午後の空の下、俺の意識は(ゼロ)になっていく。

 

 今だけ、今だけだ。起きたら、俺は、元の、俺、だ

 

 それを最後に、俺の意識はことりと落ちた。

 

 次に俺が目を覚ますのは、夕日が西の空に落ちようかという時間だった。

 トミーさんに電話をしていないことを思い出し、慌ててスマホを取り出すと、ペグ子からの着信が100件以上入っていて、別の意味で意識を失いかけた。

 結局、その日、俺はすぐに《arrows》に戻り、怒れるペグ子のドロップキックを甘んじて鳩尾に受けることになった。いつもなら、抗議の声を上げるであろうペグ子の暴挙がもたらした痛みが、ようやく俺を現実に引き戻してくれたのだった。




シリアスパートは疲れますわね!

でも、とりあえず話は進みましたわ!

奥沢さんのサイドストーリー、読みたいのはどちら?

  • 結婚式場ルート。着ぐるみで疑似結婚式。
  • 田舎ルート。おばあちゃまの家でお泊まり。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。