ポケモンの世界が思った以上に面倒だった件! 作:gpアナガキ
「それで、次は誰が俺の相手をしてくれるんですか?」
俺が挑発的に聞くと、後ろでずっと座っているサカキが立ち上がった。
「威勢の良い小僧だ。」
「なりませんサカキ様!この者の相手は私が、」
「既に勝負に負けてるなら割り込んで来るなよ下っ端。」
「おのれクソガキ!貴様なんて精々サカキ様の準備運動程度で負けるのが関の山だ。」
「そこまで言うなら徹底的にやってやるよ。いくぞコダック!」
「コダッ!」
コダックは両手の指先を前に出して何か集中していた。指を向けている方向はマサキさんを指している。
「な、なんや?どんどん眠たくなってしもうたわい、………zzz。」パタン
マサキさんは床にうつ伏せになりながら眠ってしまった。これ、さいみんじゅつか?コダックなら覚えることは知っていたが、少々覚えるのが遅くないか?ま、どうでも良いや。モンスターボールの中にマサキさん戻そう。
「コダッ!」
コダックは胸を張って『どうだ!』とばかり俺に主張してきた。はいはい、後でナツメさんに預けてやるから今はもうちょっと集中してくれ。その瞬間、サカキはクスクスと笑い出した。
「面白いポケモンを連れているじゃないか。喋るポケモンを見たのはさっきのニドキングで二度目だ。」
「二度目?他にどんなポケモンが喋るんだよ。」
「そこまでは言えないな、計画の柱を聞かせることになる。それに、小僧。お前は一生そのポケモンを見つける事が出来ない。見ることが出来るとすれば、私達ロケット団が世界を滅ぼす時だ。」
「なら、その計画を全力で止めさせてもらうよ。」
その瞬間、サカキが前に歩くに連れて『ドン!』と衝撃が建物の中で響いた。
「な、なんだ!?」
「アポロ。」
「はい、今の衝撃は何者かが侵入してきたようです。」
「ふん、1匹や2匹程度の鼠も捉えることが出来ないとは………失望したよアポロ。」
「申し訳ございません。今すぐ対処して参ります!」
アポロがそう言うと、部屋を直ぐに出て走って行った。俺以外にも侵入してきた?誰だろう?まあ、この人さえ倒せばなんの問題も無いんだけど。
「どうやら私は思った以上に舐められているようだ。良いだろう、少しだけ本気でやってやる。いくぞペルシアン!」
「ミャオ!」
「ふん、ペルシアン如きで俺のコダックは倒れない!コダック、さいみんじゅつ!」
「コダ〜〜〜。」
コダックはペルシアンに向けて両手の指を向けて何かを念じている。
「ペルシアン、ねこだまし。」
「ミャオ!」
ペルシアンはコダックに正面から前足の2つを勢いよく当ててコダックを怯ませた。
「コダ!」
「つめとぎからのきりさく攻撃で終わりだ。」
「ミャーーーオ!」
コダックはペルシアンから攻撃を受けた瞬間壁にまで吹き飛ばされていた。なんて威力なんだ、これ絶対普通のペルシアンが出せる威力じゃ無い。だとすれば、
「何か道具で補強してるな。」
「当たり前だろう、ポケモンバトルの基本だ。私のペルシアンは何を持っているか当てて見るんだな。」
きりさくはノーマルタイプの技で急所が出やすい、しかもつめとぎで攻撃力と命中率が上がっている。それに威力を上乗せするなら、やはりノーマルタイプの技の威力を底上げをするアイテムの筈だ。なら、ペルシアンの持っている物は!
「コダック、この部屋中にみずてっぽうをかけまくれ!」
「コダッ!」
「何をしても無駄だ。ペルシアン、つめとぎからのシャドークロー。」
「ミャーオ!」
「悪いが、そのペルシアンが動いた時点でアンタの負けは確定してんだよ。コダック、水浸しにした部屋の水分も尻尾に集めながらアクアテール!」
「成る程、この狭い空間を使って強制的に部屋の温度を下げたのか。確かにあまごい状態に出来るが、俺のペルシアンは負けない、何故なら………、」
その瞬間、コダックのアクアテールとペルシアンのシャドークローがぶつかり合った。2体同時に床へ背中を預けたが、立ち上がったのはペルシアンだった。コダックは仰向けのまま気絶している。
「何故なら、私はロケット団のボスであり、トキワシティのジムリーダーでもあるからだ。因みにさっきの勝負でもう気づいていると思うが、ペルシアンにはシルフのスカーフを身につけさせている。次に小僧、お前と会うとしたらシルフカンパニーで会おう。そこで決着を付けてやる。」
そのままサカキはペルシアンをモンスターボールに戻して、この部屋から出ていった。俺は目の前が真っ暗になり、コダックをモンスターボールに戻して、急いでポケモンセンターへ向かった。
ポケモンセンター
「どうぞ、ポケモン達は元気になりましたよ。」
「ありがとうございますジョーイさん。それでは、」
俺はそう言いながら外へ出ると、目の前にはエリカ先輩が立っていた。
「ウフフ、どうでしたか?ロケット団の基地は、」
「一言で言うと、俺にはまだ早かったです。だから、もっと強くならないといけない、もっと強くなってジムリーダーのエリカ先輩もロケット団のサカキも現チャンピオンのワタルも、倒せるようにならなくちゃいけない。だから、俺はアンタを倒すよ。エリカ先輩、」
「よく言えました。それでは明日、ジムで待ってますわ。全力で貴方をお相手してあげます。因みに、負けたら私と一緒にブルー君の実家へ行って逆プロポーズする荊で良いですわよね。」
「すいません、やっぱさっき言った事無しで!」
その瞬間、誰よりもエリカ先輩は目の色を濁っていた。
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