真菰の骨は綺麗にくっ付いたので
機能回復訓練は狭霧山で行うとの事で
送り届ける事が決まった
早朝、真菰に肩を貸しながら
玄関まで歩いていく
「ん…よっと!ん~まだ本調子じゃないなぁ」
「真菰、無理しないでよ?」
「あら…雅晃くんお早う。真菰ちゃんもお早う♪退院かしら?」
玄関で任務に出るカナエさんと会った
火打ち石で送り出す格好の
しのぶさんも一緒だ
「そっか、真菰さん退院か。あんたが居るなら道中平気ね…しっかり送るのよ」
「任せて下さい。しのぶさん、研究頑張ってね」
「えぇ、見ていなさい!すぐ、柱にまで駆け上がってやるわ…またね?怪我をしたらすぐに来るのよ。治療してあげるから」
カナエさんが微笑みながら
「あら~しのぶが随分素直ねぇ…再会の約束まで。相当、雅晃君が気に入ったのね♪お姉さん焼けちゃうわ」
「姉さん!何言ってるのよ。あんたもさっさと行きなさい!あ、真菰さん無理はしないでね?」
「ふふっ…お世話になりました」
顔を真っ赤にしながら言う、しのぶさん
しのぶさんをからかうカナエさんに見送られて
狭霧山へ真菰と共に出発した
━━━━━━━━━━
道程は順調だったが、まだ狭霧山まで
自力で向かうのは流石に難しかった
休み休み移動していたが山道となると
休む場所もなかった為、僕が背負う事にした
「えっと…ごめん、重くない?」
「なんで?軽いくらいだよ、ちゃんと食べてるのか、心配になるくらいさ」
真菰を背負いながら山を登っていく
狭霧山には、ある程度登ると修行用の罠があり
真菰の指示通りに歩かないと危険らしい
「結構、空気薄くなるから気を付けてね」
「心配無用…鍛えてるから」
水中での訓練も自主的にやっていたので
今では無呼吸戦闘もお手の物だ
水の中で炎の呼吸使えるか分からなかったし
もしも血鬼術で呼吸を封じられては困るし
体内に少しずつ酸素を貯めておければ良いのだが
やがて、ひとつの小屋が見えてきた
「あ!みえた!あれだよ雅晃」
「やっとか…ん?真菰、ちょっと降りて」
「え?なんで日輪刀抜くの?」
日輪刀を抜いて呼吸を整える
次の瞬間、天狗の面を付けた男が
戸を破り襲い掛かって来た
【水の呼吸 漆ノ型 雫波紋突き】
【炎の呼吸 参ノ型 陽炎気楼】
水の型最速の突きと
炎の迎撃技が激突した
「随分な歓迎ですね…元水柱、鱗滝左近次さん」
「儂の可愛い弟子を一月以上も軟禁しておいて、ほざくな小僧!今ここで引導を渡してやるわぁぁ!!」
軟禁?
烏に手紙を渡したのに?
「あのようなヨダレだらけの手紙があるかァ!!」
「あんのクソ烏か!!」
引退したとはいえ、流石は元柱だ
鋭い攻撃と体捌き、加減が出来るかわからん
「ぬぅ…既に甲…いや柱の最低水準を越えておる」
「ならこの辺りでやめないか?」
つうか真菰止めろよ
あ、キラキラしながら見学してる
やれやれ、正気にさせなくちゃな
「たわけ者!貴様はここで斬る!!」
「ちっ、仕方ないか」
【水の呼吸 拾ノ型 生生流転】
【炎の呼吸 八ノ型 炎竜】
回転しながらの連撃は激しさと鋭さを増していき
遂には水の龍が見えるまでに
対して政晃も炎の型の中で、自らが使える最強の技
その場で鱗滝の連撃を捌き、徐々に回転し
最後に炎の龍に変化した
━━━━━━━━━━
「むぅ…儂は負けたか…老いたものよ」
「いや、強かったよ。流石は真菰の師匠だ」
日輪刀は鱗滝に突き付けられた
状態で寸止めされていた
「強いとは思ってたけど、鱗滝さんに勝つなんて…凄すぎて止めるの忘れてたよ」
「いや、止めてくれ…生きた心地しなかった」
「小僧…いや、雅晃殿。すまなかったな。選別で合格したのは聴いていたのだが、一月過ぎても帰って来ないので…我を忘れてしまったのだ」
鱗滝さんは俺達に中へ入るように促した
それに従い、真菰に肩を貸しながら
中へ入った