忙しくて投稿が遅れて申し訳ない
書きたいことがまとまらず
前後編になりました
よければご覧下さい
家の中に入ると中央に囲炉裏があり
釜戸や水の入った瓶(かめ)が置いてある
恐らく真菰の為に作ったであろう
鉄鍋が炭火で煮込まれていた
「良い猪が取れてな…雅晃殿、今夜は泊まってくれ。先程の詫びをしたいのだ…どうだろう」
「承知しました。一宿一飯、詫びとして遠慮なくお受けしましょう」
「ふっ…良い良い!男はそれくらい強気な方が良い。政晃殿の強さはその若さで大したものだ。師は槇寿郎か?」
鱗滝さんは元々、柱だったらしい
鳴柱と水柱が引退し、育手へ
炎柱である槇寿郎さんが未だに現役らしい
「そもそも雷の呼吸の使い手が少ない上に、大成する才の持ち主がそうそう見つからん。水は数こそ多いが…儂の力不足でなぁ。危うく真菰も失うかと」
「あの鬼は雑魚鬼とは違いました。恐らく最終選別で生還者が少なかったのは、奴の仕業でしょう。血鬼術こそ使いませんでしたが…1歩遅ければ真菰は…間に合って良かった」
火加減を調節しながら鍋をかき混ぜる鱗滝さん
最後に味噌を加え、味を整えた
「真菰が湯浴みから戻ったら食おう。自分で言うのも何だが、儂の飯は旨いぞ」
面で表情は見えないが口元が笑っている
優しさが皺に滲み出ている
鱗滝さんは情が深いのだろう
真菰が羨ましいな
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side 真菰
雅晃のおかげで無事に帰ってこれた
鱗滝さんはよく戻ったって抱き締めて
頭を撫でてくれたんだ
ほんと、天狗のお面に隠れた表情は
凄く優しいんだよ
錆兎兄さんも強くて優しかったなぁ
1回もそう呼んだことはなかったけど
来たばかりの私を鍛えてくれた
「真菰。お前は力はないが、速さには光る物があるな」
「諦めるな!俺がいつでも側に居てやる」
「心配するな。帰って来たら、お前の作った飯を食わせてくれるんだろ?精進しておけよ」
それから私は修行も料理も頑張った
全てはまた錆兎兄さんに誉めて貰いたくて
でも、錆兎兄さんは帰って来なかった
いけない、いけない
早く上がらないと二人が待ってるね
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side out
真菰が湯浴みを終えて戻った所で
鱗滝さんが用意してくれた鍋を囲んだ
猪肉をしっかり血抜きを行い
香味野菜と舞茸などが味噌で味付けしてある
いわゆる牡丹鍋である
「野生の獣は血抜きをせねば食えぬ。だが、総じて処理を怠らねば最高に旨い物だ…鹿を食うたことはあるか?非常に美味だぞ」
「私も紅葉肉を頂いたことはあるけど、凄く美味しいのよ?」
昔は豚や牛以外の肉は禁忌とされ
それでも平民は獣の肉を食べていたと聞く
それが、花の名を隠語として使った
さくら…馬
紅葉…鹿
牡丹…猪
という風になる
「うん…猪特有の獣臭さはまったくなく、しっかりと味がつけられている。野菜の甘味とみその風味…色からすれば濃そうだけど、あっさりかつ猪の旨さを引き出していますね」
「ふむ、お主は料理をするのかね?」
「はい。師匠の奥方に手解きを受けました」
以前から知識として知ってはいたが
修行の合間に瑠火さんの手伝いで
料理もするようになった
「もーいいから食べようよ。私はお腹がすいたの!」
「ははは…食べよう。政晃殿も、さぁ」
炊きたての白米と猪鍋をいただく
その味はとても温かく旨かった
不思議な事は深夜に起こった
なかなか寝付けなかった俺は山を進んでいた
不思議と迷う事はなく、まるでよく知る道を
歩いているかの様だった
森を抜け開けた場所に出た
そこには狐の面を着けた
一人の剣士が立っていた