夜が明け、薪割りをしていた
鱗滝さんに挨拶がてら
昨夜の錆兎について、聞いてみた
「錆兎に会ったのか!?あ、すまぬな…あの子は…最終選別から帰って来なかったのだ…恐らくは鬼に…そうか」
「彼は俺と手合わせした後、真菰を頼む…と」
少し迷ったが
彼の言葉をそのまま伝えた
「うむ…錆兎に真菰は懐いていたからな…心残りだったのだろう」
鱗滝さんはそのまま作業を終えると
小屋に入って行った
カァーカァー
俺の烏が飛んできた
「サクラ、なんだい?」
「カァー!マサアキノカタナ、トドクヨ!」
どうやら刀鍛冶の方がもうすぐ着くらしい
さて、想像通りの物が出来ただろうか
やって来た刀鍛冶は火男面を着けた
筋骨隆々の男だった
「貴様が雅晃だな?儂は富岳(フガク)だ!貴様の刀と武装を作ってやったぞ!まずは刀を抜いてみろ」
「初めまして、富岳さん…雅晃と申します。ありがたく頂戴します」
渡された刀を抜いてみると
じわじわと刀の色が変化し始め
最初は赤く、そして紫の波紋が走る
紅紫(アカムラサキ)色に落ち着いた
「ほぉ…貴様は炎の呼吸を使うんだったな?赤は炎の、そして紫は前例がない。すなわち、新しい呼吸に派生したのやもしれんな…まぁ、良い!次はこれだ」
猩々緋砂鉄と猩々緋鉱石を使用して作られた
【鉄甲】【帷子(かたびら)】
雅晃は炎の型の他に体術も使う為
攻撃手段と鬼の爪や斬撃をある程度
防ぐ装備を頼んだのだった
「当然、日輪刀と同じく鉄甲も色変わりである。そしてこれが最後だ。小太刀二振りだ。隊服に収納出来る…しかし、三本もどうするのだ?」
「はい。先程、富岳さんが仰った通り、新しい呼吸法と型を考案していましてね。その為には刀が複数必要なんです」
俺には玖ノ型が合わない
勿論、真似事は出来るが充分ではない
ハの型以降は作るしかない
具体的なイメージはもう出来ている
後はモノにするだけだ
「ほぉ…壊れたり手入れが必要なら連絡しろ!」
「富岳さん、これからも宜しくお願いします」
富岳さんは豪快な歩みで立ち去った
此方を振り返らずに
「さて、刀が来たら次は…」
「カァー!ニンム!ニンム!」
「だよね」
此処から北北西の町にて
鬼の出没情報あり
直ちに迎えとの事
俺は既に起きているであろう
真菰に伝える事にした
療養中の真菰は暫く任務に出られず
暫くは此処に留まるのだから
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「そう、行っちゃうんだね」
「任務だからな…直ぐに出発する」
貰ったばかりの日輪刀を腰と隊服に差し
立ち上がると、真菰も立ち上がる
その手には火打ち石があった
「いってらっしゃい…武運を!」
カッカッカッ
「!…体を治したら追い掛けて来い。待ってるぞ!!」
高飛車過ぎる気がしたが
今の彼女にはこれぐらいが
丁度良いと思ったんだ