鬼滅の焔~輪舞曲(ロンド)   作:北ノ覇王

17 / 19
蝶屋敷、再び

柱になる条件として

 

階級が甲であること

鬼を50体以上倒している

 

更に強い鬼を倒すことが出来れば確実だろう

 

または

 

現役の柱が引退する際に指名すること

実際にカナエさんはしのぶを指名したらしい

 

驚きだったのは、しのぶが既に甲になっていた

鬼の首を斬れなかったのだが、新たな戦い方を開発

破竹の勢いで階級を上げたのだとか

 

 

~蝶屋敷

 

隠の方に背負われ、蝶屋敷に到着した

位置バレを防ぐ為の処置らしい

藤の家紋の家や、隊士の回復拠点だしなぁ

 

「ありがとう。これ、良かったら道中で」

 

俺はサクラにあげる金平糖を渡す

常時、金平糖や菓子を携帯しているので

柱になったら、甘味柱とか言われそう

 

屋敷の中に入ると

見慣れぬ少女とばったり会った

 

「すまない。河上雅晃と言います。胡蝶カナエさんかしのぶさんはご在宅でしょうか?」

 

「はい。カナエ様は自室にて療養、しのぶ様は研究室にいらっしゃいます!お呼びしますか?」

 

少女は神崎アオイさんと言った

元隊士で、今は後方支援をしているらしい

 

「カナエ様、アオイです。河上様という方が訪ねておいでですが」

 

「あら…こほっ…お通しして?」

 

カナエさんの部屋には色とりどりの花が飾られており

花の香りに包まれた、カナエさんらしい部屋だ

中央には布団が敷いてあり、カナエさんが寝ていた

 

「久しぶりねぇ、雅晃くん。ごめんなさいね?こほっ…こんな姿で…ふふっ」

 

「いえいえ、生きていてくれてありがとうございます。これからは自分の為に…健やかに生きてください」

 

「大丈夫よ。こんな私でも、一緒に生きたいって言ってくれた人が居るもの…うふふ」

 

「なるほど…良かったです。ところで…しのぶは」

 

ピシャッ!!

 

「カナエ!変わりねぇかァ!!」

 

白い羽織に白髪の全身傷だらけの男が入ってきた

 

「あら、実弥くん。任務終わったの?」

「おう!速攻で終わらせた…で、誰だァてめぇ」

 

ギロリと睨んできた男は確か

 

「はっ!風柱様、階級乙!河上雅晃です。胡蝶カナエ様とは兼ねてからの知り合いで、見舞いに参りました」

 

「へぇ…アンタ、俺を知ってるのかィ?」

 

「はっ!鬼殺隊に連なる者で柱を知らぬ者は居ません」

 

槙寿朗さんとカナエさんが引退したのだが

 

その実力は鬼殺隊の中でも最精鋭の剣士達

 

様々な分野で秀でし、才を持つ者達だ

 

「実弥くんは毎日お見舞いに来てくれるのよ♪」

「ば、馬鹿…ま、まぁ、恋人を心配しねぇ男はいないだろォ」

「そ、それでは、私はこれで失礼します。お大事に」

 

二人の世界に入ったので、逃げるように

部屋を出て、先ほどのアオイさんに声をかけて

しのぶの居る研究室へ安内してもらった

 

 

「それで、姉さんの部屋から逃げてきたって訳ね。久しぶりね、雅晃」

 

「あ、あぁ…まさか、柱が来るとはな。驚いたよ」

 

「不死川さんには、困ったものよ。姉さんが上弦の弍に襲われたって聴いて、まだあたしと任務中なのに、凄い速さで走って行くのよ?」

 

心底、カナエさんに惚れているのだろう

 

「雅晃。久しぶりに来たんだから食事でもどう?貴方に紹介したい子も居るしね」

 

「神崎アオイさんならさっき会ったぜ」

 

「違うわ。あたしの妹よ!血は繋がってないけど」

 

 

縁側

 

 

「栗花落カナヲです」

 

コインを投げてキャッチしてから挨拶を淡々とする少女

表情からは感情が読み取れず、常に笑顔を貼り付けている

 

「この子ね、親に人買いに売られていたのを姉さんが助けてね。養子にしたのよ。その時から感情が希薄で、なにもする意志がなかったの。それで姉さんがコインを上げて、これを投げて決めなさいって、それで好きな子でも出来れば変わると…ね」

 

 

俺が見るに、この子は辛い経験をしたのだろう

感情を表に出さないのではない

 

"出せないのだ"

 

心に加負荷がかかり、壊れかけているのだ

カナエさんの言うのも分かる

 

この子のひび割れた心を癒す

太陽のような存在が現れれば

あるいは

 

 

 

日も暮れ、夜を迎えた

 

俺はしのぶと夕食を囲む

カナヲは任務、アオイはカナエの介助だ

 

用意して貰った夕食は

 

白米、ニシンの生姜煮、味噌汁、漬物

 

生姜はしのぶの好物だったな

 

「んー♪やっぱり生姜が効いてるわ」

「旨そうに食べるなぁ」

 

柔らかく煮られたニシンを箸でほぐし

 

口に運びつつ、素早く飯を食べる

 

味噌汁をすすり

 

漬物で口の中をさっぱりさせ

 

またニシンに箸をつける

 

「ふふっ…貴方も夢中で食べてるじゃない」

「いや、うまいからさ。今度はしのぶの作った料理も食べてみたいな」

 

「あら。いつでも作ってあげるわよ(毎日でも…ね)」

 

 

食後、のんびりしていると

 

ふわりと藤の花の香りが漂う

 

これは…しのぶか

 

 

「こんばんわ。月が綺麗ね」

「あぁ。綺麗だな」

 

 

二人で並んで月を眺める

 

その間、言葉を発する事はなく

 

ただ、静かに穏やかな時を過ごした

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。