蜜璃ちゃんは杏寿朗の弟子で、変わった体質を持つ女性だ
なんでも常人の八倍の筋力を持ち、女性特有のしなやかな動きを活かした体術を併せ持つらしい
「蜜璃ちゃん。俺も体術も使うし、自由に来ると良い」
「は、はい!」
構えると蜜璃ちゃんが斬り掛かって来る。木刀で受けようとすると、突然蹴りが飛んで来た
「んぐっ」
受けた衝撃で思わず目を見開く
「はぁぁぁ!!」
アクロバティックな動きで斬撃と蹴りを織り交ぜた攻撃を繰り出す蜜璃ちゃん
「うん。良い攻撃だ、しなやかな動きからは想像出来ない威力だな。」
木刀で斬撃を弾き、蹴りを蹴りで相殺する。縦横無尽に駆け回りながら攻撃を繰り出す蜜璃ちゃん
「やあああ!」
【炎の呼吸 弐の型 昇り炎天】
蜜璃ちゃんの木刀を下段からの切り上げで弾き飛ばす。しかし踊るように宙に飛び、木刀をキャッチ。そのまま回転斬りを繰り出してくる
「中々面白い攻撃をする。だが、まだ型が定まっていない様だ」
【炎の呼吸 陸ノ型 焔連撃・対空】
回転斬りを弾き、なおも無数の連撃を空中で避ける事は出来なかったのだろう。被弾し、落下した
「それまで!!」
残心を終えると、倒れ伏す蜜璃ちゃんに手を差し出した
「痛たた…あ、ありがとうございます!」
「すまない。蜜璃ちゃんの動きが素晴らしくてな。つい、本気で打ち込んでしまったよ」
蜜璃ちゃんは俺の手を取り、立ち上がる
「うむ!見事な手合わせだった。甘露寺も雅晃の連撃を咄嗟に呼吸で身を硬くして受けていたな。」
「杏寿郎、良い継子を育てたな。柱候補って所か」
「え?えぇぇぇぇぇ!?あ、あたしなんてまだまだですよ!」
「謙遜することは無い。型が形になれば、頭角を表すだろうね。応援してるよ」
あたふたしている蜜璃ちゃんと、何処かを見ながら快活に笑う杏寿郎。こんな平和がいつまでも続けば良いのに
だが、鬼達は…待ってはくれない
「カー!チョウヤシキカラ、ヨウセイヨ!」
藤の家紋の家で休んで居ると、蝶屋敷から瑠火さんの薬の材料が切れそうだと、使いが来た。あの薬は河上家の秘伝の為、材料を記録に残せないのでしのぶとカナエさん、俺しか知らない。
「あぁ、ありがとうサクラ。ご褒美だ」
サクラの頭を撫でて、口に金平糖を入れてやる
「カー!ビミ!コレコソ、シコウノビミ!」
瑠火さんの薬は数種類の薬草と藤の花から出来ている。薬草の知識、調合の知識、危険地帯に群生している物などが必要で、隠の方々には調達が難しいのだ
次回予告
とある山中で薬草を採取していた俺は、ある男と出会う。
「君が河上雅晃か…南無阿弥陀仏」
「貴方は…岩柱 悲鳴嶼行冥様」
ジャラジャラと大玉の数珠を鳴らしながら、涙を流す大男
次回、「岩柱 悲鳴嶼行冥」