そういえば刀を持っていたんだ
だが、あの硬い身体をこんな刀で斬れるだろうか
痛みに堪えながら、なんとか立ち上がり刀を構える
化物は左右の爪を力任せに振り回してきた
「ぐっ…なんて力だ、腕が痺れる」
刀で受け流すもだんだん辛くなってきた
「さっきの蹴りは痛かったぜぇ、おかえし…だ!」
「うぐっ!?」
たった一発の蹴りで全身が砕かれた
そう感じる程の激痛と衝撃、再び吐いた
地面を転がりもがく、それを心底楽しそうに笑う
「さて、そろそろ喰ってやるか。もたもたしてると、鬼狩りがきちまうかもしれないしな」
今だ、やるしかない
煉獄さんに叩き込まれた
呼吸
シュウウウウ
「おぉぉぉ!!」
「なっ…?」
両手で刀を握り、立ち上がる際の屈伸運動を利用した視覚外からの左斜め斬り上げを放った
刀は防ごうとした腕を斬り裂いて、首に半分程到達したが止まってしまった
「このガキィ」
残った腕で振り払われ倒れてしまうが、諦めずに化物に向かっていく…狙いは刺さったままの刀だ
「まだ終わってないぞ!」
呼吸により高められた筋力で痛みを緩和させ
化物の残った手による攻撃を受けても構わずに
全速力で走り、刀を掴むと振り抜いた
「ば…バカな…鬼狩りでもない…ガキに」
それが化物の最期の言葉で
化物は首と体が塵になって消えてしまった
直後に自分の体が限界を越えていたのを思い出す
「あれ…骨、砕けたかな」
力が抜けて倒れてしまう
意識を失う直前、久しぶりに煉獄さんを見た気がする
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数ある藤の花の家の中で
我が妻、瑠火の薬を作ってくれていた家
そこで面白い小僧に出会った
薬が出来るまで滞在が決まり、風呂を頂いたのだが
「ねぇ叔父さん、僕の身体を強くする方法が知りたいんだ。どうか教えてくれないかな?」
「…今の小僧には辛く厳しい。それでも聞きたいか?」
気紛れだった
どうせ子供だ、すぐに飽きると思いキツイ訓練を課した。喘息を治すには、肺を鍛える事と、身体を強くするのが良いだろう
予想に反して小僧は訓練に耐え抜いた。1ヶ月も言われた通りにこなしてみせた。俺は興が乗った、小僧に炎の呼吸法と全集中の呼吸を教えた。普通は剣技も教えるのだが、やめておこう
薬が完成し、屋敷を離れる日が来た
小僧は全集中の呼吸をも身に付けた
できる限り、全集中の呼吸を続けよと言った
もしも常中を身に付けたなら剣技を教えよう
数年が過ぎ、瑠火も薬のお陰でだいぶ良くなった
任務で再び小僧の屋敷に立ち寄ると異変に気付く
「鬼の気配…これは…酷いな。小僧は」
中に踏み込むとあまりの惨状に顔が歪む
明らかに鬼の所業だ、食い散らかされ
療養中の一般隊士まで殺されている
中庭に出てみると小僧が鬼と戦っていた
傷だらけになりながらも日輪刀で
鬼の首を落とした所だった
「あれは…全集中の呼吸で身体能力を高めている。雑魚とはいえまさか鬼を倒すとはな。よくやった!」
小僧を介抱し、とりあえず俺の屋敷まで連れ帰ろう
無意識に全集中の呼吸をしている
柄にもなく笑ってしまった
杏寿郎の良い刺激になるだろう