通常の鍛練に加えて型の稽古を始めて
既に一年が過ぎていた
ここにきて杏寿郎の成長速度が光る
既に9つの型全てを習得した
だが、僕は玖の型だけを習得出来なかった
恐らくこの"煉獄"は煉獄の名を冠する者だけの
型なのではないだろうか。型を真似る事は容易い
しかし、しっくりこないのだ。自分の物に出来ていない
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最近は杏寿郎との稽古が多い
弟の千寿郎は剣の才能がなかったらしく
木刀すらまともに振れず、早々に剣の道を諦めていた
「行くぞ雅晃!」
「負けないぜ!」
【【壱ノ型・不知火】】
両者の踏み込みがあまりに速く、振り抜かれた
木刀がぶつかり合い、ミシリと木刀が鳴る
直後に地面が抉れた
「ふふふ、一気に決めてやろう」
【陸ノ型・焔連撃】
全集中・常中から繰り出される必殺の連撃
【八ノ型・炎竜】
素早い連撃に対して雅晃が選んだのは八の型
その場で回転しながら気を練り上げ、炎の竜を放つ
しかし、この技は攻守一体なのだ。
仮に炎の竜が出来なくとも
防御しながら回転斬りが出来る
双方残心をもって、手合わせを終えた
「よもや防がれるとは…あっぱれだ!これでも丙の隊士なのだが修行が足らんな!」
「丙?」
「階級の事だ。隊士の階級は甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の十段階なんだ。俺は柱と言ってな隊士の上役だな…柱になるには柱の空きがある場合か、引退する柱に推薦を受けること。他には甲の状態で鬼を50体殺すか、十二鬼月を倒す」
杏寿郎の話を槇寿郎さんが補足してくれる
つまり杏寿郎は三番目、槇寿郎さんは幹部なんだ
「そうだな。雅晃もそろそろ受けてみるか?最終選別。杏寿郎相手にここまで出来るんだ、余裕だろ」
「うむ!既にそれくらいの力はあると思うぞ」
炎の型は八まで修めたけど
玖の型は仕方ないので
僕だけの奥義を作るしかない
稽古を終えて井戸から水を汲んで
身体を拭いていると
背後から声を掛けられた
「あら?雅晃君じゃないの、頑張ってるわね」
瑠火さんは乾いた洗濯物を持っていた
瑠火さんの病は藤の花から作られた特効薬で
日常生活が出来るまでに回復したらしい
「瑠火さん、僕も手伝いましょうか?」
「ふふふ、良いのよ。雅晃君は水浴び?まずは身体を拭かないとね…そうだ!私が拭いてあげるわ」
縁側に洗濯物を置くと手早くタオルを用意していた
え、はやっ、今何したか見えなかった!?
「うふふ。私実は凄く強かったのよ?病に伏せって、なまってしまったけどね…さ、拭くわよ~」
「あ、はい」
少し照れ臭かったけれど
瑠火さんの優しさに甘えてしまう
まるで母の様な深い愛情に