星屑を見上げて   作:ねむみ。

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なんでハメにプレセアメインのss無いんですか?(憤怒)
記憶を掘り起こしながら書いていきますのでおかしな点は出てくるでしょうがよろしくお願いします。手元にないねんな……TOS……。漫画とアニメはあるけど………。あと更新は亀が歩くより遅いと思います。
こんなんでもお付き合いいただけたら幸いです。



プロローグ

 

 

 

 テセアラ。シルヴァラントより流れ込む潤沢なマナを使って繁栄した星。その星の内にある、四つ大陸に分かたれた大地の北。四つある大陸の内、したから数えた方が早い大きさの陸地の北東には背の高い木々に隠された小さな村がある。名を、オゼット。わざわざ旅人が立ち入るような場所ではない。何せ森には魔物が居るし、木々以外のものは見当たらない。まるでエルフの隠れ住むヘイムダールのようだ。良く言えば自然豊か、悪く言えば虫や動物の住み処。

 そんなへんぴな村にやって来たのは、腹を空かせて行き倒れた青年だった。

 ボロボロのマントを身に纏い、汚れていて汚ならしい。よく見れば、血痕とおぼしきものもちらほら。ぐうぐうと腹の音を鳴らしているくせに、体はピクリともしない。

 

「……っへへ、死ぬ。これは……死ぬよ、うん……。うえっ、気持ちわるっ」

 

 等とのたまわっているので、この男が命を失うにはもう暫く時間がかかりそうだ。見るからに不審者、或いは汚物、ないし浮浪者が村の入り口に倒れているのに、この村の住民は姿を見せない。何故なら、今は夜だからだ。天を遮らんばかりの枝葉の隙間から、月と星の光が降り注ぐかのような、真夜中である。

 果たしてこの男は朝まで生きていられるのか。腹が減りすぎてピクリとも動けないのであれば、魔物や野獣なんかの餌にされてしまうだろう。現に、彼の周囲には腹を空かせた狼の群れが集結し始めているようだ。

 

 ズルッ……ズルッ……

 

 何か重たい物を土の上で引きずるような音が闇夜の森に響く。その音は、徐々にではあるが確実に男の元へと近付いている。

 

 ズルッ……ズルッ……

 

 遠くより近付いてくる何かに、狼達が意識を向けた。群れの長とおぼしき一頭が、牙を見せて唸り出す。すると、他の狼達も遠くの何かに向かって牙を見せる。

 月と星の光の中で、腹を空かせた狼の群れが目にしたものは、年端も行かぬ少女だった。

 

 ただ、見るからに只者ではない少女である。

 

 背中には身の丈程の大斧。細い腕が、馬鹿デカい丸太をズルズルと引きずっている。先程から聞こえていた音は、どうやら少女が丸太を運んでいる音だったらしい。

 

「…………」

 ズルッ……ズルッ……

 

 行き倒れた男にも狼にも目をくれず、少女はただ黙々と丸太を運ぶ。彼女の視界には、自分の目的以外目に入って居ないようだ。

 

「グワォッッ!!」

 

 狼の長が、一吠えと同時に駆け出した。向かう先は、丸太の少女。細く、それでいて太い四足は力強く大地を蹴り、灰色の獣体を目にも留まらぬ早さで動かす。続いて、他の狼も吠えながら少女へ向かって駆け出した。死にかけの男の肉より、少女の柔肉に食らい付きたいのだろう。或いは、いつでも手に入る獲物より遠くの危険を迎え撃つことに決めたのか。どちらにせよ、可哀想な話だ。

 肉を求める狼達は、今宵この場で惨殺されるのだから。

 

 先頭を走る長が、牙を剥いて大きく跳躍した。標的は眼前に迫った少女。黄色く汚れ、悪臭さえする牙は、容赦なく柔肌を喰い裂くことだろう。しかし。

 狼は、少女の肌に傷を付けることもなく首を落とされて絶命した。

 

「……ふいー、あっぶな。そこのお嬢さん、助けてあげるからご飯ください。空腹で死にそうなんだよ俺ってば」

 

 地に伏していた青年が、上体を起こして地面に座っている。手には木剣。だがただの木剣ではない。刃の周囲に、猛烈な緑の風が渦巻いている。さっきまで彼は行き倒れたフリでもしていたのか。

 何にせよ、長を失った狼達はその半数が男の方へ振り向き、半数が少女へとそのまま向かう。

 

「……ウィンドカッター」

 

 男の一言で、木剣の先から渦巻く風の刃が飛翔する。それらは標的へ向かって直進。避ける間を与えることもなく、直撃した。

 ウィンドカッター。それは、風を操り刃とする術技。つまりは、魔術だ。そんなものの前に、毛皮など無意味である。毛皮どころか、血肉も骨も、命すらも。

 次々と射出される風の刃は、狼達の命を根こそぎ奪った。彼が魔術を行使して、僅か数秒の出来事である。

 

「……よしっ……と。じゃあそこのお嬢さん、助けて貰ったお礼に飯を……」

 

 ……ズルッ……ズルッ……

 

「…………へ?」

 

 青年の、飯を得るための薄汚い策は残念ながら無駄だったようだ。狼の群れがバラバラ死体になるなり、少女は何事も無かったかのように丸太を引きずり出す。まるで、男も狼も意識には無いように。

 

「あの、ちょっと……」

 

 ズルッ……ズルッ……

 

「も、限界なんだけど…………」

 

 魔術を使ったのが止めだったのだろう。青年は仰向けに倒れ、動かなくなってしまった。

 

 ズルッ……ズルッ……

 

 丸太を引きずる音だけが、男の耳に届く。結局飯にありつくことが出来なかった彼は、渇いた笑い声を浮かべながら涙を流す。涙で滲んでいても、空に輝く星は綺麗なものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

【星屑を見上げて】

 

 

 

 

 

 

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