夢花と一緒に紅音のプレゼントを選びに行った数日後。ついに3月25日がやってきた。きちんと事前にアポもとってあるし、服装も夢花にアドバイスを貰いつつちゃんとしたのを選んだ。抜かりはないっ・・・・!
「・・・・まだ待ち合わせには時間があるけどもう行っていいかな・・・・いや、そんなに早く行ってもどうなんだ?」
うーむ、わからん。早く行った方がいいよな?良い・・・・のか?いいか。行こう。
「じゃあ、夢花。行ってくるなー」
「あ、もう行くの?行ってらっしゃーい、頑張ってねー」
「おー、頑張ってくるわ。あ、後ありがとな。プレゼント一緒に選んでくれて。助かったわ」
「・・・・ふふ、お兄ちゃんのためですから!頑張ってね!」
「ん、行ってくる」
待ち合わせ場所は近所の公園。いざ、鎌倉ァ!!
「・・・・・・んー、流石に早すぎたか?」
時計を見れば待ち合わせ時間の30分前。やっぱこれ早すぎたか。まぁ、幸い今日は気温もさして低くはないし適当に公園ブラついてるか・・・・お、菜の花が咲いてる。もうすぐで桜も咲くかな。去年は行けなかったけど今年は夢花連れて花見に来るのもいいかもな・・・・あ、見つけた。
「おーい、紅音ー」
「あ、伊鈴くん!すみません、待たせちゃいましたか?」
「あー、全然待ってない。割といまさっき来たとこだから」
「そうですか!・・・・・・・・あの、私伊鈴くんに一つ聞きたいことがあるんですけど!」
ん?聞きたいこと?何だろ、この言い方だと今日呼び出した理由じゃないだろうし・・・・
「別にいいけど、聞きたいことって何?」
「そ、その・・・・えと・・・・・・」
んー?何か歯切れ悪いような。何か言いにくいようなことということだろうか。こう言ってはなんだが、割と言いたいことはオブラートに包まずにズケズケと言う紅音がここまで躊躇うことってなんだ・・・・・・?
「あ、あの!私見ちゃったんです!!伊鈴くんが女の子と一緒にカフェでパンケーキを食べてるところ!!そ、それに店員さんがカップルって・・・・!どういうことですか!?」
・・・・・・あ、ああーー、そういうやつね。ってかそれって絶対この前夢花と一緒に行ったやつだろ。マジでか。あの場にいたということですか。え?プレゼントのこと知られてないよね、大丈夫?
「・・・・・・何も言わないって言うことはそういうことなんですか?」
ちょい待ち。違うから。
「えっとね、それは・・・・」
「伊鈴くんのバカっ!!私は伊鈴くんと付き合うことになってとっても嬉しかったのに、伊鈴くんは違うんですか!?今日だって私誕生日なんですよ!!それなのに何も言ってくれないし・・・・・・!!」
目から大粒の涙を流しながら紅音が叫ぶ。ただ待って欲しい。誤解だから。マジで。
「いや、だから」
「きっと伊鈴くんは私の事なんてどうでも良いって思ってるからっ・・・・!?」
どうでも良い?そんな訳あるか。強引に抱き寄せた紅音を抱きしめながら囁く。
「どうでも良いとか、そんなわけないだろ。紅音は俺にとって何者にも代えられないくらい大切な存在だ」
「不安にさせたなら謝るよ。ごめんな。卒業式以来ほとんど会えてないし・・・・でも、忘れてなんかないさ。ほら」
紅音を離し、用意しておいたプレゼントを渡す。
「改めて、紅音誕生日おめでとう。・・・・・・大好きだよ」
「・・・・・・ぇ、あ・・・・・・ありがとうごじゃいましゅ・・・・・・」
「それに、紅音が見たっていう女の子は妹だよ。誕生日プレゼント一緒に選んでもらってな、それのお礼にカフェに付き合っただけ。紅音が心配してるようなことはないよ」
「え、い、妹さん?ほ、ホントですか?」
「ホントホント。何なら電話かけるか?普通に今家いるし」
「だ、大丈夫でしゅ・・・・・・」
なんかさっきからどんどん紅音の顔が赤くなってるし、涙目になってるんだけど。あれ?何か選択肢ミスってる?
「そう?ならいいけど。・・・・・・あのね、紅音。何回でも言うけど、俺は紅音のことが大好きだし、ずっと一緒にいたい。もちろん紅音の気持ちが冷めたら身を引くけど、それまでは絶対に浮気なんてしないよ」
「・・・・・・ごめんなさい!!伊鈴くんは私の事ちゃんと考えてたのに早とちりしちゃって!」
「いーって、いーって。彼氏が知らない女と街歩いてたらそりゃあ不安にもなるでしょ。それよりほら、プレゼント開けてみて?」
「はいっ!えーっと・・・・あ、ヘアピンですか!?・・・・・・どうでしょう、似合ってますか?」
はー、可愛い!!すごく、可愛い!!!
「その、とっても似合ってる、と思います、うん」
語彙力ぅ!帰ってこい、俺の語彙力!!
「えへへ、良かった・・・・あ、もう一本あるんですね!」
「え、あ、ああ。ほら、紅音陸上部だし、一個目みたいなやつはあんまり良くないかなって」
「ありがとうございます!大事にしますね!!」
あー、良かった。喜んでもらえるかとか引かれないかとか色々考えてたけど、もうこの笑顔見れただけで十分ですわ。
「あの、伊鈴くん!せっかくですからちょっとおしゃべりしながら歩きませんか?・・・・・・その、まだ1回もデートしてませんし・・・・・・」
デートしないかだって?そんなの決まりきってるわ。
「もちろんいいよ。行こっ?」
「はいっ!!」