刃隠心得。職業:忍者のみが覚えられる技。その特徴は印を結ぶことで従来の魔法に必要であった詠唱をせずに発動できるという点である。もちろん普通は両手を使って組む印。複数発動するようなことは出来ない。であれば、潤沢な魔力と一度に印を複数結べるような手段があるならば・・・?
「刃隠心得蛸の巻・奥義【大海嘯・鯨呑】!」
紫電を纏った黒い触手を携え、巨大な津波が敵対者を飲み込まんと暴威を振るう。
「うははははは!成功成功!実践でも行けるもんだなぁ!」
印を複数結ぶことによる刃隠心得の同時発動。手が2本しかない人間範疇生物には出来ないことであり・・・・・・改宗によって蛸の魚人となった俺には出来る。
「避けられると思うなよ?特別製だ!」
本来津波を生み出すだけの大海嘯。威力と範囲には優れているが1度避けられてしまえばそれで終わりな微妙な技。そこに触れた相手に強制的な行動不能を与える触手を網のように張り巡らせる!津波から逃げようとしても触手に捕まって動けないうちにジ・エンドだ!我ながら完璧すぎる・・・・・・!触手パイセン、マジパネェっすわ!
「うおおおおぉっ!?」
「何だこれ、触手!?」
うははははは!見事に引っかかてくれた奴らのセリフが気持ちいいねぇ!さーて、秋津茜を追うかね。とりあえずポーション渡しといたとはいえ、ノワリン共々瀕死だったし・・・・・・ぎっ!
「おいおい、今のほとんど当たってたろ・・良くもまぁあそこから動けたな。さっきの子といい自信無くしちゃうぜ、全く。」
飛翔する剣による死角からの斬撃。後一瞬でも反応が遅れればバッサリいかれてただろう。刺身になっちゃうとこだった。・・・・・・蛸だけに。
「いやいや、まさかあの津波をくぐりぬけてくるとはねぇ・・・・・・天首領だっけ?やるねぇ!」
天首領・・知らない名前だけど確か秋津茜が剣聖って言ってたな・・・・・・まさか修正前剣聖・・?ヤバない、それ。俺の能力的に正面戦闘で勝てる気がしない。
「んー、ひょっとして天首領さんてば修正前剣聖でいらっしゃるー?」
「あ?ああ。そうだが?てか、俺の事知らない?一応天ぷら騎士団の団長やってんだけど。」
天ぷら騎士団ー?知らない名前ですねぇ。でも、修正前剣聖かー。そもそも俺はPvPそこまで得意じゃないしー、蛸忍聖に慣れてないことも考えると・・・・・・
「戦略的撤退!」
「あ、テメー待てこら!普通ここは戦うところだろ!」
知らん知らん!無意味に戦ってリソースを食い潰すのは愚者の思考よ!
「えー、天首領さんこっわーい。すーぐそうやって戦おうなんて良くないゾ☆(ロリボ)」
「え?は?中身女の子?いや、でも、え!?」
ははは、これぞ必殺だいたいロリボで適当なこと言っとけば大体の男は煙に巻けるの術!なお、変声技術は自前で用意してな!ははははは・・・・・・・・はぁ。あー、ヤダヤダ。逃げよ。
「ちっ、逃がすかよ!」
あれは・・・・・・
「天丼くーん!」
「あーそーぼっ!」
「お覚悟死ねコラァーッ!」
「何っ!?」
それは正しく奇襲。不特定多数が入り乱れる戦闘領域で一人の獲物だけを狙ったがゆえの隙をついた完全なる襲撃。
「PKerだと……!? っつーかテメーらまさか、いやだが何故ここに……!!」
「嫌われてナンボのPK稼業!」
「足を洗うならド派手にな!」
「我らが偉大なる先駆者様からの情報提供、もはや躊躇う理由もなし!」
「ティーアスたん俺がケジメつけるとこ見てて……」
ぶっちゃけ言うと誰だこいつら。全く知らんやつらがでてきたな。だが助かる!えーっと、顔隠して、こう、触手を縮めることで体格を女の子っぽくして・・・・・・
「そこの剣聖さんに襲われてたんです!助けてくれてありがとうございます!(ロリボ)(むしろ襲ってた)」
「いいってことよ!(誰だろう・・・)」
「可愛い子のためなら!(おのれ、天首領!)」
「ティーアスたーん!(ティーアスたんハァハァ)」
はははははは、戦略的撤退!使えるものはPKでも使えってね!