龍ノ忍×蛸ノ忍   作:ゆくゆく

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黄金貫く光

 「さてと・・・・・・」

 

 どうしたものか。秋津茜を助けるといういまいちクリア条件の分からないこのクエスト(星忍の寵愛)。一時的なピンチを助けると言うだけだったら、さっき天首領から助けたことがカウントされてなくてはおかしい。ということはやはり・・・・・・

 

 「新大陸で起こってる全プレイヤー規模の謎クエスト・・・・・・それのクリアまで手伝えってことか」

 

 てなると早急に秋津茜を探す必要があるか。どうもさっきから謎の光線が飛び交ってるし・・・・・・これどう見ても発狂形態とかそういう奴では?

 

 「きゅっ!きゅきゅー!」

 

 「んあ?・・・・・・ああ、ハムスター、お前まだ居たのか。ちょうどいい。秋津茜の所まで案内してくれ」

 

 「きゅっ!」

 

 ん?何か向こうの方を指してる・・・・・・あ、いたいた。何か黒い・・・・ああ、ノワリンじゃん、あれ。と一緒にいるな・・・・・・って!

 

 「うっそでしょ!どんだけピンチになるの!?」

 

 恐らく元々は美しい黄金におおわれていたであろう、しかし今では見る影もなくボロボロになった黄金の龍王。そいつから放たれた光線が一直線に秋津茜に迫る。

 

 「いや、さすがに間に合わん・・・・・・!くっそ、何でよけねぇんだっ・・」

 

 着弾。それなりには離れてるこの辺りにまで爆風が押し寄せてくる。が、確かに見た。黄金の光が全てを飲み込まんと襲いかかった瞬間、昏い光が2人を覆った瞬間を。

 

 「ゲホッ、ゲホッ!・・・・あー、ひでぇ目にあった。無事かよ、あいつら・・・・・・あ?」

 

 黒と青の少女。全身の肌は青く、角を生やし、翼を生やし、体の各所を黒い鱗におおわれたその姿は正しく竜人とでも呼ぶべき姿で・・・・・・垣間見える顔は確かに守れと依頼された少女の顔だった。

 

 「・・・・・・え、何あれ。合体?そんなの出来るの?って早ァ!!」

 

 自身の視界に映ったものがあまりにも非現実的であり、目を擦った瞬間に竜人の少女・・・・・・秋津茜は凄まじい速度で戦場を駆け抜けていった。

 

 「ハムスタァーッ!!全力で追うぞ!!」

 

 「きゅー!!」

 

 ドゴンッ!どう考えてもあんな小さい体の生物が放つ音とは思えない音を立ててハムスターは暗い森を、そして黄金が照らす戦場を駆け抜けていく。

 

 「うぉぉおおお!さすがにハムスターには負けたくなぁーい!!」

 

 連打連打連打ァ!!ポーションの連続服用でみるみるうちに回復していくMPをそうはさせるかとばかりに使い潰す。え?これでもまだ足りないの?どんだけだよ・・・・・・

 

 「ええい、こうなりゃ自棄じゃい!【加速する群走(アクセル・スタンピード)】!【一点突破】!【追い求める陽炎(ブリュムドゥルール・チェイサー)】!!」

 

 ああああ、金が飛び去っていく音が聞こえるぅー!!が、俺の財布を犠牲にしただけはあって秋津茜の姿が見えかけていた。・・・・・・あれ?なんて声かけよう。正直、あの龍相手に俺ができることとかなくない?これって無駄足では?何かこう物陰から援護するとかでよかったような・・・・・・

 

 『あっ、葵さん!無事だったんですか!良かったです!』

 

 わーい、バレた。ちくしょう、もう逃げられないやんけ。にしても近くで見るとホントに姿変わってんな。狐面も取れて・・・・・・?何かデジャブ感?あれー?

 

 「あー、うん。無事よ、無事。オールグリーンですわ。秋津茜こそその姿どしたの?ノワリンは?」

 

 『誰がノワリンだ!食いちぎられたいのか!!』

 

 ひょえっ。・・・・・・あー、うん。把握したわ。

 

 『ちょ、ノワルリンドさん!えっと、これはですね!』

 

 「あ、大丈夫。聞いといて悪いけどだいたい分かった。ノワリンと合体したんでしょ?それよりも戦況が知りたい。とりあえずあのでっかい黄金のやつを止めるってことでいいんだよね?」

 

 『はいっ!ジークヴルムさんを止めないと新大陸が消し飛ぶそうです!』

 

 ふーん、随分とそれはまた・・・・・・

 

 『ふん、貴様は今更何をしに来たのだ。その傷ではろくに戦えないだろうに』

 

 え、バレた?ははは、まさかぁ・・・・・・

 

 「え、もしかして秋津茜ちゃん? なにそれ! 変身? おねーさん初耳なんだけ──」

 

 『・・・・・・あ゛? なんだ貴様』

 

 「・・・・・・ぁあ゛?」

 

 「ひょえっ」

 

 あ、やべ。ついつい癖で・・・・・・!?!?急に話しかけてきたこいつのこの顔・・・・・・天音永遠。このゲームのキャラクリの自由度を考えると何もおかしいことではないが・・俺はこの顔を好んで使いたがるやつを知っている。・・・・・・いや、ねぇか。さすがに。なんせここはシャンフロ。神ゲー中の神ゲー。あんな世紀末円卓にいるようなやつがここにいるはずがない。

 

 『あ、ペンシルゴンさん!』

 

 「ペンシルゴォン!?」

 

 「え、何いきなり。というか君誰?知り合いって訳でも無さそうだしぃ・・・・・・」

 

 「いやいやいや、なんでもないですよ!ええ!」

 

 『あれ?葵さん、ペンシルゴンさんと知り合いなんですか?』

 

 ちょい!秋津茜、シー!静かに!

 

 「葵ー?うーん、聞いたことない名前だけど・・・・私の名前に反応したってことはひょっとして()()関係?」

 

 ギクッ・・・・・・

 

 「いや、なんスかね、円卓って!聞いたことないゲームだなぁ・・・・・・あっ」

 

 「ほほーう?私、円卓がゲームだなんて一言も言ってないけどねぇ・・?」

 

 詰んだ。なんて楽しそうな笑顔してやがる。鉛筆王朝時代が思い返されるな。・・・・・・まぁ、別に知られて困るというわけでもないが・・いや、またパシられそう。さすがにもう一回城ごと爆破されんのはお断りだ。

 

 「・・・・・・()()()()()。これ以上は後で話そうか・・・・・・()()()()

 

 「・・・・・・え、マジで?」

 

 「マジよ、マジ。大マジ」

 

 「へぇー・・楽しくなりそうだねぇ!」

 

 それに関しては否定できそうにもない。被害にあったやつには悪いが、アーサー・ペンシルゴンと組んで起こす大爆発ってやつは・・・・・・()()()()()()()()()()

 

 『・・・・あのー』

 

 「「あ」」

 

 秋津茜のこと忘れてた。すまぬ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「つまり、君はジークヴルムの逆鱗の場所を知っていると?」

 

 『はいっ!』

 

 「そうか・・・・・・」

 

 アーサーに連れられ、秋津茜と一緒に言った先に待っていたのは凄まじい威圧感を放つ女性だった。何と言うか凄いできる人オーラが漂っている。得意なタイプではないかなぁ・・・・・・ていうかぶっちゃけ苦手である。ただでさえ、俺この場では浮いてるんだからさぁ!やめてよぉ!

 

 「それで、そちらの御仁は?」

 

 「ああ、彼?私の旧友って感じかな。それなりには役立つんじゃない?」

 

 「いや、紹介適当かよ。もうちょいなんか無かったのか」

 

 「えー、だって私ブルー・・・・・・葵だっけ?葵君がどれくらい強いのか知らないしさー」

 

 「まぁ、それもそうか」

 

 「あー、話し込んでるところ悪いがノワルリンドは?倒されたのか?」

 

 『ノワルリンドさんですか?』

 

 「ああ・・・・・・というかその姿は?」

 

 『ふん、この我に何か用か』

 

 「・・・・・・・・・・」

 

 強者感の漂う女性・・・・サイガ-100が沈黙する。いや、分かるよその気持ち。秋津茜の顔でノワルリンドの仕草するの違和感しかないもんな。何やらアイコンタクトをしていたらしいアーサーが答える。

 

 「あー……こちら、忍者の奥義で合体した秋津茜inノワルリンドさんです」

 

 『跪いて驚愕する事を許す』

 

 「あれか? 【旅狼】は人間をやめたやつしか入れないとかそういうルールでも課したのかお前は?」

 

 「いや、頭おかしいのはサンラク君だけ───」

 

 ちょっと待て、サンラク?あいつ(革命騎士)もいるのか。

 

 直後、メカメカしい鳥を全身に纏った小柄な少女が炎を噴き出しながら降りてきた。

 

 「……集まってたので来た」

 

 いや、誰よ。マジで知らない人が来たぁ・・・・・・つーか、シャンフロにこんなメカメカしい物体あったんだ。俺の知らない間に地上では色んなことがあったんだなぁ・・・・・・

 

 「何かやらかすの? ぶっちゃけ手持ちのリソースが尽きてるんだけど……」

 

 増えた!誰だよ、もう!

 

 「信じてたぜカッツォ君! 凡庸魚類は伊達じゃないね!」

 

 カッツォ・・・・カツオ・・・・・・カッツォタタキ!サンラクがいる時点で何となくそんな気はしたがやっぱりか!

 

 「うん、素手でも戦ってやるよ。手始めにPKデビューかな?」

 

 「こっちは聖槍使うけど」

 

 「こいつ……!」

 

 うわー、この感じ懐かしいな。あいつら良く煽りあってたからなー。

 

 「何か葵君、他人事みたいな顔してるけど君も大概人外の見た目してるよね?」

 

 おっと、こっちにまで火の粉が飛んできた。

 

 「あれ?そういえばその人誰?ペンシルゴンの知り合い?」

 

 「ふふふ、彼に関してはカッツォ君も知ってるはずだよー?何せ我が鉛筆王朝の最強騎士、ブルーベル君だからね!」

 

 「は?え、マジで!?」

 

 「マジだねぇ」

 

 「マジだなー、改めてよろしく。カッツォタタキ」

 

 「あ、よろしく。後ここじゃ俺オイカッツォだから」

 

 結局カツオじゃねーか!・・・・・・ふふふ、なんだかんだ言いつつもやっぱり昔のゲーム友達に会えるのは楽しいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、ペンシルゴン主導のもとジークヴルム討伐計画が立てられた。途中で・・・・・・何だっけ、過労死する有給?とかいう人が来たりしたけど知らん知らん!基本的にこの場においてアウェーな俺は空気になるのみよ。

 

 まぁ、そんなこんなは置いといて結論を言うと秋津茜がジークヴルムにトドメを刺すからそれまで皆でジークヴルムの気を引いたり援護しよーねということだ。超シンプルじゃん。とはいえ俺は所詮この場におけるイレギュラー出された使命はとりあえずなんかやっといて(実質的な放置)・・・・・・ああ、あれを渡しとくか。

 

 「ヘイ、秋津茜。これあげるよ」

 

 『?何ですかこれ?』

 

 「うーん、まぁお守りみたいなものかな。持っといて損は無いよー」

 

 『わかりました!ありがとうございます!』

 

 当然単なるお守りなわけはない。俺の肉体の一部を媒体として作った『ヒトガタ』。アイテム名と名前だけ見れば完全に呪いのアイテムだがその効果は絶大も絶大。一度だけ致死ダメージを無効化する。・・・・・・いや、この言い方は正しくないか。致死ダメージを無効化するのでは無く、()()()()()()()()()。だから秋津茜がこれを発動させると俺が死ぬわけだけど・・・・・・・・幸運による食いしばりあるし大丈夫だろ。うん。

 

 そんなことをしている間にも戦場はどんどん過激化していく。降り注ぐ無数の魔法、振り下ろされる数多の剣戟。それに応えるは黄金の閃き。今、こここそが、この瞬間こそが、我が人生の終着点とばかりに黄金の暴力が吹き荒れる。

 

 ・・・・・・ああ、これだ。人の輝き。暗く汚い人間が魅せる魂の輝き。ここはゲームで、非日常の世界で、だからこそどこまでも・・・・・・()()()()()。横にいる少女を見やる。小さな体に一体どれほどの期待を背負ってここにいるのだろうか。それでもただ前を見続けるその姿に俺は確かに魂の輝きを見・・・・・・

 

 

 

 

 刹那、世界が揺れた。

 

 遥か昔に沈んだ鋼鉄の鯨。それが今、新たなる人の手によって呼び出される。海を割り、空に到り、彼女は謳う。

 

 『おはよう! おはようございます! 私は勇魚イサナ!! やっと会えた!!』

 

 『恒星間航行バハムート級アーコロジーシップ「リヴァイアサン」! 現時刻をもって次世代新人類とコンタクトを取るべく浮上します!!』

 

 それは正しく爆弾。一人の男によって齎された情報という名の爆弾。この世界(戦場)に存在する全ての者が目を離せずにいる・・・・・・否、ここにいる。例え何があろうとも前だけを見んとした一人と一匹が。そして、少女は駆け出し・・・・・・それに付き添う影もまた大地を駆ける。

 

 

 

 

 『行きます!!!!』

 

 なんかもう超展開すぎて着いてけんわ!着いてくけどさぁ!海の方から飛び出してきたなんかでっかい魚。その場にいた全員が目を引かれるなか秋津茜だけはジークヴルムを見据えていた。そしてそんな彼女を見ていたからこそ反応できた。

 

 凄まじい速度で戦場を駆ける秋津茜を必死に追う。やばい、速い。やばい。え、マジで速ない?さっきから頭の中から語彙力が消滅している。あああ、人が邪魔ァ!!・・大跳躍。何か前で空中ジャンプを決めている秋津茜は見なかったことにして彼女を追う。

 

 『ドラゴンブレス! 重ねて【竜威吹】!!』

 

 秋津茜の口から黒と黄金を束ねた荘厳な光線が放たれジークヴルムの顔を跳ね上げる。いや、そりゃノワリンと合体してるならドラゴンブレス吐けてもおかしくないけどさぁ・・・・・・

 

 そして、その瞬間を狙ったのだろう。どこまでも赤く、赤く染まった一羽の鳥が天を裂き、そのままの勢いで黄金の龍王の左目を切り裂く。

 

 『グゴァァァア!?!?』

 

 今まで聞いたこともないような悲鳴を上げるジークヴルム。だがその隙、狙わせてもらうっ・・・・・・!強く台地を蹴りジークヴルムの顔に肉薄し・・・・・・

 

 「何の見せ場もないってのもねぇ・・・・・・!刃隠心得・蛸の巻【黒墨隠(くろずみがくし)】!!」

 

 『ガァァァアア!!?』

 

 そりゃあ蛸なんだ。墨くらい吐くさ。知ってるか?蛸の墨ってのは天敵たるウツボの感覚を狂わせるくらいの毒性があるんだ。そいつが強化されたらどうなるかなんて分かりきったことだよなぁ!黄金の龍王サマは耐えられるかな!?

 

 『ガアアアァァ!』

 

 「んびゅっ」

 

 調子乗って追撃仕掛けてたら吹っ飛ばされた。

 

 

 

 

 

 

 そして、勇士は集まる。

 

 己と同じ境遇の戦士達(社畜達)を束ねる魔と剣を振るう戦士(カローシスUQ)の相棒を犠牲とし放つ一撃は凄まじい勢いでジークヴルムに突き刺さり、それに続かんとする者たちの攻撃もまた同様にジークヴルムへと襲いかかる。

 

 狐面の少女に付き添う白く小さな兎の侍は大地を割り、パートナーを導かんとする青々とした道を作る。

 

 

 数多の剣達を振るう2人の剣聖による剣の演劇(ソーヴァント)。黒き狼を倒さんと研鑽を重ねてきた剣技と、最多の人員を率いる首領の剣技が重なり、黄金の龍を貫く。

 

 それでも・・・・・・黄金は沈まない。無数の攻撃を受け、その身を守る鱗さえも失い、それでも沈まない、終わらない!最後の一瞬までその本領を失わずに輝き続ける龍王。

 

 そんな煌めくような人々の、そして龍の命の輝きの中に確かに見えた1つの輝き。その目は決して諦めず、ただ真っ直ぐに戦うべき相手を見据え、その足は決して止まることはなく、黄金を堕とすことを狙い続ける。

 

 それに対し黄金はこれが最後とばかりに膨れ上がる。放たれた光線は少女を襲い・・・・・・どこかからかの守護の光が破滅の運命を覆す。

 

 ならばとばかりに振るわれた黄金の腕は確かにその小さな体を引き裂かんとし・・・・・・冥府からの腕によって阻まれた。

 

 骸の城を作り上げし城主が振るう一撃は次に繋ぐ一撃。確かな一撃を少女が放てるように・・・・・・己を犠牲としたとしても彼女は己の作品を守る。

 

 確かな認識。一瞬の隙もなく展開された防御障壁とともに黄金の腕が振るわれる。守るものはなく、阻むものもない。そんな一撃は確かに少女を引き裂き・・・・・・少女は虚ろとなって消える。否、それは影。湖面に映りし月の如く揺蕩う水鏡。

 

 

 『致命・・・・忍法!!』

 

 踏み込み、叫ぶ。黒を宿した羽を羽ばたかせ、少女は宙を駆ける。だが・・・・・・・・()()()()。黄金は振るう。渾身の一撃を。それは奇跡の一撃。有り得ざる一撃。確かに届くはずの刃。終わらせるはずの一撃。そんな少女の技を無為に返さんと放たれる光線。宙にある少女に避ける術はなく、その身は光に飲み込まれ・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 ()()()()()()は笑う。弾かれ、飛ばされ、守るべき相手から離れてしまった。できることは最早見ているだけ。だが光線は、少女を貫いたはずの光線は彼の身を灼く。それは逃れられないはずの死の運命。少女を灼き、世界を終わらせるはずの終焉の光。例え残り少ない体力では生き残ることなど出来ないのだとしても・・・・・・彼は笑うのだ。現実では見ることのなかった人の輝き。それを見ることが出来た。守ることが出来た。その事実だけで、彼は満足なのだから。

 

 

 そして致命の技は放たれる。

 

 

 

 『【満開咲閃(ハナヒラケ)】ーーーっ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・・・・きゅっ!きゅきゅっ!」

 

 あーー?何か聞き覚えのある声が聞こえるが・・・・・・もうちょい寝かせてー。

 

 「きゅっ!!きゅう!」

 

 ・・・・・・何もう、しつこいなぁ・・・・だいたい俺は秋津茜の身代わりになって死んだはず。つまりこれは幻聴。よし、寝よう。

 

 「きゅきゅーーーーっ!!!」

 

 「ぐはぁ!」

 

 は、腹が・・・・・・何かとんでもない衝撃が腹にっ・・・・・・!何とか体を起こすと人の体の上に座ってるハムスターと目が合う。

 

 「きゅっ!」

 

 「何でお前ここにいるの?てか俺死んでなかった?」

 

 「きゅきゅっ!」

 

 えーっと、何何?一回死んだけど?蘇らせた?誰が?・・・・・・え、お前が?マジで?

 

 「あー、うん。ありがとう?・・・・・・てかあれだよ。ジークヴルムはどうなったんだ。」

 

 戦場の方を見やるとそこにはその体のほとんどを光の塵に変えながらも開拓者達(俺達)に始原の脅威を伝えんと、祝福を与えんと叫ぶジークヴルムがいた。だがそれも僅かなこと。数瞬後にはその肉体は光の塵となり空へと溶けていった。

 

 

 

 

『天覇のジークヴルムは永き敗残の戦いを終えた』 『天より火が消え、新たな灯火は人の中へ』 

『決戦フェーズ終了』

『ユニークシナリオEX「来たれ英傑、我が宿命は幾星霜を越えて」をクリアしました』

『参加者全員が称号【龍狩り】を獲得しました』

『参加者全員が称号【竜狩り】を獲得しました』

『参加者全員が称号【天より高く金より眩まばゆく】を獲得しました』

『ジークヴルムの角破壊者が称号【破天】を獲得しました』

『参加者全員がアイテム【黄金の龍灰】を獲得しました』

『ジークヴルムの角破壊者がアクセサリー【霊角の残影】を獲得しました』 『参加者全員がアイテム【赤竜の魔菌】を獲得しました』

『参加者全員がアイテム【白竜の魔菌】を獲得しました』

『参加者全員がアイテム【世界の真理書「天覇編」】を獲得しました』

『特定条件を満たさなかったプレイヤーの「呪い」が消失しました』

『特定条件を満たしたプレイヤーの「呪い」が変化しました』

『ワールドストーリー「シャングリラ・フロンティア」が進行しました』

『始源が動き出す』

『ワールドストーリーの進行により以下のレイドモンスターが実装されます』

『レイドモンスター「焠がる大赤翅」が出現しました!』

『レイドモンスター「彷徨う大疫青」が出現しました!』

『レイドモンスター「圧恵む大富黒」が出現しました!』

『レイドモンスター「嬲る縁大緑」が出現しました!』

『レイドモンスター「嵩増す大黒繊」が出現しました!』

『レイドモンスター「隔てる大白壁」が出現しました!』

『レイドモンスター「蟲喰む大緑宮」が出現しました!』

『レイドモンスター「貪る大赤依」の再出現カウントが開始されました』

 

 ははーん、これ途中参加の俺には何の恩恵もねぇな?クソが!

 

 「きゅきゅっ!」

 

 「あ?何だよ、ハムスター。傷心の俺になんか用か。」

 

 「きゅきゅきゅっ!!」

 

 あれ、この光見覚えが・・・・・・ああ、あれだ。随分前に思えるが実際のところ数時間前に見た光。ここに飛ばされる時に見た光で・・・・・・ちょいちょいちょい。え?もう帰るの?せめて秋津茜に挨拶とか

 

 「きゅきゅーー!!」

 

 そんな抗議が届く訳もなく俺の意識は光に塗りつぶされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちなみにクエストクリア報酬としてなかなかの量の経験値とマーニ、レアそうな巻物を貰えた。・・・・・・許す! 

 

 

 

 




 とりあえず導入部分はここまでです。こっからは短編的なのをちまちまと上げていく感じでやろうと思っているので良かったら見てください。
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