それは甘い毒のように
というわけで今日は秋津茜、そして何故かいるノワリンと一緒に狩りに来ています。
「おい、秋津茜!なぜこいつがいるのだ!」
そりゃこっちのセリフだよ。お前あんなにボス面してたのに何懐いてんのさ。
「あはは・・・すみません、ノワルリンドさん。でも大丈夫ですよ!葵さん、すっごく強いので!」
「そういう事だよ、よろしく、ノワリン!あれかな?ノワリン魚とか食う?鮭あげようか?採れたてだよ?」
「ええい!気軽にノワリンなどと呼ぶな!・・・・・・その馴れ馴れしさは気に食わんが我に食物を献上しようとする心意気は認めてやろう」
さぁ、寄越せと目で訴えている。さてはこいつ、意外と可愛いな?小動物味とツンデレを感じる。
「ほーれ、ノワリン。ご飯だよ〜。」
「いいですね、それ!私もノワルリンドさんにご飯あげたいです!」
「おお、秋津茜積極的だねぇ〜。はい、鮭」
「はい!ノワルリンドさん、あーん」
「我はペットでは無いぞ、貴様ら!」
この懐きっぷりでその言い訳はなかなか苦しいんじゃないかなぁ。
「っと、お客さんかな?」
常時起動させていた反響定位に反応がある。このサイズ、そして木の上。間違いないな。
「秋津茜、ノワリン!ドラクルス・ディノウルだ!奇襲に注意!」
「分かりました!ノワルリンドさん、行きますよ!刃隠心得奥義【超転身】!!」
「ふん、緑の眷属ごときに使うのも勿体ないが良いだろう!葵とやら、そこで我らの勇姿を見ているがいい!」
「えー、やだよ。俺だって戦いたいし。ほら、俺ってば秋津茜とは出会い方が出会い方だから?ろくなアピールとか出来てないし?ここらで良いとこ見せときたいかなーって」
あれ、俺今なんか変な事口走ったな?まぁいいかぁ。そんなことを考えてるとドラクルス・ディノウルが木々の間から突貫をかけてくる。
「わわわ!速いですね!葵さん、そっち行きましたよ!」
インファイト起動!かーらーのぉ!
「任しとけってぇ!そぉら、これでも食らっときなぁ!」
【雷纏・黒紫腕】っ!
「うははは!痺れとけぇ!」
「ノワルリンドさん、私達もやりますよ!刃隠心得【龍気揚々】!はあぁ!」
「ギョアアア!?」
秋津茜が印を結ぶとともに全身にまとわりついた黒いオーラが、武器に宿りドラクルス・ディノウルを切り裂く。何それ、超カッケーじゃん。いーなー。俺もやりたい。
「って、秋津茜!後ろ!」
「え?・・・わわわ!」
ドラクルス・ディノウルに集中していた秋津茜に後ろから襲いかかったのは小型恐竜のような見た目をした群体モンスター、ドラクルス・ディノトリアシクス。まずいな、対応しきれてない。
「刃隠心得【鎖縛帷子】!ほら、秋津茜!こっち!」
「すみません、ありがとうございます!」
にしても、妙だな・・・基本的に新大陸の森でモンスター同士が連携を取ってくるということはまずない。偶然・・・?いや、でも・・・
「とりあえずこれでも食らっとけ!」
動きを封じられてるドラクルス・ディノトリアシクスに格闘系スキルや状態異常系スキルを重ねがけした拳で正面から殴りとばす。怯んだ隙にもう1発。
「オラァ!トドメだ、硬気功!からの魚人忍法【蒼海撃】!」
触手の硬度を一時的に高めた上で水を纏った拳を叩き込む。断末魔の悲鳴をあげ、ドラクルス・ディノトリアシクスが光となって散る。よし、やったな。
「あとはドラクルス・ディノウルか・・・」
ん、秋津茜が戦ってくれてる。あの様子だともうすぐで倒せるだろう。さっき感じた違和感も考えてみれば大したことじゃ・・・・・・いや、待てよ?ドラクルス・ディノトリアシクスは群体モンスター。であれば、俺が倒したのは
「やった!倒しましたよ!葵さん!」
「秋津茜っ!伏せろ!!」
「えっ?・・・あっ・・・・・・」
ドシャッ
忠告は1歩間に合わず、秋津茜の体がふらりとかしぎそのまま地面に倒れ込む。そして一瞬の後広範囲に及ぶ魔法攻撃の雨が秋津茜に降り注いだ。