何度も涙を浮かべた夜を思い出す。
ー君はきっと気づいてくれるー
戦争をするのも良いだろう。
だけど。
心の壁を破る、愛の告白をしなさい。
カウントダウンは始まっている。
―覚悟をしなさいー
その分だけ好きがあふれるから。
―幸せを受け入れなさいー
その分だけ愛が育まれるから。
彼の事が好きで好きで抑えが効かなくなってきてしまった彼女。
その気持ちにうっすらと気づいていながら、自信の無さにより葛藤をする彼。
そんな二人の会話は、やはり周りから見ても違和感を覚えてしまうものがある。
お互いを無視することができない二人は、相手の行動を監視する。
結局のところ、彼らは踏み出せない。
ことここにいたって彼は思う。
「気まずい」
なぜ気まずく感じてしまうのかと考えた瞬間に解が浮かぶのだから、もう重症の域に入っているのではないだろうか。
ことここにいたって彼女は思う。
「気まずい」
なぜ気まずく感じてしまうのかと考えた瞬間に解が浮かぶのだから、もう重症の域に入っているのではないだろうか。
「「はぁ」」
そんなため息1つシンクロをする二人をよそに、面倒くさい恋愛頭脳戦を行う二人がここにいるのだが、流石の二人もこの異常な空間に嫌気がさしてきた。
人を既に殺した人間がしているような目で、二人は彼らに問う。
「な、なぁ、お前ら。その、なんだ。どうかしたのか?」
「そ、そうよあなた達。石上君が挙動不審なのはいつもの事だけど、藤原さんあなたどうしてしまったの?」
自然にディスる事を常とする赤目の美女は、やはり当たり前のように石上優をいじる。
そう、これが当たり前の会話なのだ。
だがしかし、今日は違った。
今日からは違う。
頬を膨らませたピンク頭はこう言う。
「かぐやさん!たしかに石上君が変なのは分かりますけど、あまり言わないで上げてください!」
親友に怒鳴ってしまった。
その行為は、こと石上にとって、、、いや、生徒会の3人が唖然とするものだった。
(ディスっていることに変わりはないが)
「藤原さんあなたまさか!」
「ダメ!言わないでかぐやさん!」
涙を浮かべながら言う藤原に、流石の四宮も
「えぇ。そうね。野暮なことはしませんからね。」
と、ピンク頭を撫でながら優しく言う。
一方男性陣だが、
「おい石上。お前まさか藤原のこと」
「会長それマジで言っています?」
ドスを聞かせた声に、眼付怖すぎ会長はビクッとする。
「そうですよ会長。他人のそういったことに首を突っ込むなんて、あまり経験が無いのかしら。
ふふ。お可愛いこと。」
白目となった眼付怖すぎ会長。
「藤原先輩。あの、ちょっと今日良ければ」
そんな誘い文句を言っている途中で、
「石上君!きょ、今日は一緒に帰りませんか!」
さぁ。この二人を見て気づかない人なんていないだろう。
ドア越しにこっそり聞いている早坂と柏木、伊井野の三人は唖然とする。
伊井野に至っては、
「え?え?なんで藤原先輩が石上を?は?石上もなんで?」
虚ろな目でぶつぶつ呟き続ける。
二人は、何かマズイと感じたのだろう。
伊井野を引っ張って帰ることにした。
まぁ、早坂は待機続行だが。