2010年冬、世界中にゲートと呼ばれる穴が出現した。
同時にその穴から、人類に敵対する未知の生物が現れ、人々を殺戮し尽くしたらしい。
2028年夏、私達の時代にゲートはない。
跡形もなく消えた。
でも、世界の傷跡は大きい。
ゲートが出現しなくなって尚、未だに街に警報が鳴り、シェルターは稼動していた。
そして、私の部屋に、私の前に、目の前に触手の化け物が居ます。助けて下さい。
***
私は昔、変な服を着た女の人に救われた。
当時起きた、起こされたとある施設の大火災の被害者の一人が私だ。
当時の私はまだ小学生で、ただお母さんと手を繋いで買い物をしていただけで、幸せを僅かな幸せを味わっていて、当時の私にとっては当たり前のように時間でーー。
そんな時、周りの人達が急に爆発した。
唐突に、突然に当時の私はお母さんに縋るしかなくて、化け物がお母さんに殺されても、なにもできなくて、只々泣くしか出来なくて、そんな時に変な服を着た女の人に救われた。
その人曰く、その人は魔法少女らしくて、その時から私の夢は魔法少女になりました。
***
「バイトしないとなあ…」
あれから10年たった私は叔母さんと叔父さんのお世話になっていて、なに不自由なく過ごしている。
叔母さんと叔父さんは凄く優しくて、でも私が駄目なことを、悪いことをしたらきちんと叱ってくれる大切なもう一つの家族。
だからこそ、この状況はまずいと思う。
学生だからまだ大丈夫だけど、頼りすぎな気がするだから少しでも自立しなければならない。
「とりあえず近所のコンビニに応募してみようかなあ」
「いや、私的には友人がバイトしているところでバイトしてみた方が良いのではないか? やはり最初は不安だらけだと思うからな!」
「あー、それも考えたんだけど、迷惑かけたくないんだよなあ。……あえ?」
スマホをいじりながら会話をしていた時にあることに気づく、ここは自室で叔母さん叔父さんはリビングでテレビを見ている。
ならば今会話しているのは誰だ。
ゆっくりと、恐る恐ると視線をそこに向けると化け物がそこに居た。
黒い触手、何十本もの触手が蠢いている触手の化け物。
それがベッドの上にいた。
でかい、グロい、怖い、そして黒い!!助けて!
「おごっ……たすっ……たす」
「おぉ……。待て待て、そう怯えないでくれ。この姿で無茶なと思うかも知れないが、とりあえず落ち着いてくれ、タマキ」
「落ち着ける訳ないでしょっ!? 化け物が私の部屋にいるのに、殺されるかもしれないのにっ!?……それになんで私の名前を知っているのっ!! 訳わかんないよ!」
恐怖で叫ぶ。私の名前を知っているのも恐いし、こんなに叫んでいるのに、叔母さん叔父さんが助けに来てくれないのも恐い。
「そうだな、確かに私は化け物だ。おぞましい姿だな。だが、タマキ。君を傷つけはしない。私は君を守りに来た。今度こそ君を守る、その為に来た」
君は保護対象であり、重要人物で、大切な存在だと、触手はそう言い切った。
その声は寂しそうで、悲しそうで、辛そうで、そして確かな決心があった。
伝わってきた。