第24話です。
俺は待っていた
お前のような強者を
混沌の時代の幕開けを
―●〇●―
「……主様が……いない?」
私にはその場所しかなかった。
私が育ったのは街のはずれにある小さな寂れた教会。
そこで一人の神父と数人の子供達と暮らしていた。
ある日教会のお使いで街に出掛けたとき、両親に手を引かれて楽しそうに歩く私と同じくらいの歳の子供を見かけた。
神父に両親のことを訪ねると本当のことを教えてくれた。
事実を知って涙を流し、泣きじゃくる私に神父が一冊の書物を手渡してくれた。
この書物との出逢いが私の運命を変えた。
その書物こそ聖書だった。
その時から私の心は主と共にあった。
私がこれまで歩んできた道は主の導き。
そしてこれからもそうであると信じて疑わなかった。
でも本当に主がもういないのだとしたら私はどうやって生きて行けばいいのだろうか?
主のいない世界で行き続ける意味があるのだろうか?
そう思った瞬間、視界が真っ暗になり、身体から力が抜けてしまい、立っていること出来なくなり地面に膝を着いた。
(もう嫌だ……もし今この身が滅びれば永遠に主の傍らに居られるでしょうか?)
絶望の真実を知り、全てを諦めた時真っ暗だった視界に小さな光が浮かび上がった。
その光はとても小さいけれど、強い光を放っていた。
私は無意識にその光に手を伸ばしていた。
(待って!待って下さい!もう少し!もう少しで手が届ます!)
しかし光は大きくなっていくのに私の手は届かなかった。
(やっぱり私ではダメなんですね……)
もうどうにもならないことを悟って手を伸ばすのを止めようとした時、私の手を誰かが掴んだ。
掴まれた手から熱が伝わる。
「……生きる意味が必要かい?」
音のない世界にいた私の耳に温かく優しい声が響き渡る。
その言葉は偶然にも嘗て神父に聖書を手渡された時と一緒だった。
「だったら俺が君の生きる意味になる」
私はその声の主を知っている。
その人は私とって主と同じくらい大切な人。
私にたくさんの初めてをくれた人。
この世界で一番愛しい人。
「帰ってこい……アーシア」
掴まれていた手を引っ張られると、今度は全身に熱を感じた。
私は今抱き締められているのだとすぐに理解した。
真っ暗だった視界に色が戻ってくる。
冷えきっていた心が熱で満たされる。
感じることの出来なかった匂いを感じることが出来る。
大切なものはまだここにある。
私は彼から身体を離して霞がかった視界の中で彼と正面から向かい合った。
「私には何もありません……それでも一緒に居てくれますか?」
主という
「
彼の言葉が鼓膜を叩いた瞬間私の視界が完全にクリアになり、私の最も愛しい人の顔が瞳に写し出される。
「ずっとずっと一緒ですよ?」
そこにはいつも通りの優しい笑みを浮かべる彼の姿あった。
せっかくハッキリと見えるようになったのに今度は涙で彼の顔が滲んでいく。
「約束する」
その言葉に私の心は満たされていく。
主を失ったという悲しみは消えることはないが、彼と一緒ならこれからどんな困難にも立ち向かっていける。
「ユーさん!」
愛しい人の名前を呼ぶと同時に今度は私から彼の首に手を回して抱きついた。
ユーさんは驚きながらも私を受け止めてくれた。
「ずっと一緒だ……アーシア」
私を抱き締めるユーさんの力を少し痛いと感じたが、この痛みすらも愛しかった。
「はい!ずっと一緒です!」
私は今どんな表情をしているだろうか?
涙を流しながら笑っているだろうか?
これからの人生をこの人と生きていく。
だからもう一度彼の顔を見てハッキリ伝えたい。
私の溢れる想いを……
愛してるの五文字を……
そう思った瞬間私の中で何かが弾けた。
―●〇●―
グラウンドの中央に倒れている兵藤を守るように前に立ち、上空で不気味な笑みを見せる男を見上げる。
その風貌は嘗てアーシアを苦しめ、レイナーレの命を奪った堕天使ドーナシークと酷似していた。
「その聖なる闘気……貴様、天使か?」
男の問いかけに無言で背中に漆黒の翼を広げた。
「!?……悪魔……だと?」
その翼を目にした男は一瞬激しく動揺したように見えたが、すぐに先程と同じような笑みを浮かべる。
「そうか!冥界に現れたとは聞いていたが貴様のことか!」
男に注意を向けながら辺りの様子を伺うと所々衣服の破けていたリアス達だったが、皆無事のようだ。
だが、アーシアとゼノヴィアの二人は魂が抜けたような虚ろな目をしていた。
「魔王の妹二人を殺せばサーゼクスとセラフォルーの怒りを買えると思っていたが、俺は運がいい!貴様の首を取れば冥界全体が動く!」
アーシアとゼノヴィアに何があったのか気になり、男が嬉々として語る言葉などもはや耳には入っていなかった。
「俺は堕天使コカビエル!さあ俺と闘え!聖なる対極の紅十字を背に刻む者よ!」
やはりこの男がコカビエルか。
コカビエルの言葉を聞き終えると兵藤を肩に担いだ。
「どうした?貴様にその気がなくとも俺は貴様を殺すぞ」
その行動を見ていたコカビエルが再度言葉を掛けてくる。
「俺と闘いたいなら少し時間をくれないか?」
今にも襲ってきそうな勢いのコカビエルに向き直ると、俺はコカビエルに対して時間の猶予をくれるように懇願する。
「何故だ?……最期の別れでもしに行くのか?」
コカビエルは眉間に皺を寄せて
「……そんなところだ」
素っ気なくそう言い放つとコカビエルに背を向けてリアス達の下へ歩き出した。
「くっくっくっ!確かにそれも大事だ!だが、俺にそれを聞く義理はない!」
そう言った瞬間凄まじいスピードでこちらに突っ込んでくるコカビエル。
「ユー!危ない!」
コカビエルの行動にリアスが慌てて叫ぶ。
俺は小さく息を吐き、背中越しにコカビエルを見る。
「待っていろと言ったはずだ!」
怒気の含んだ声を出してコカビエルを睨み付けると、奴の身体は磁石にでも引っ張られるように元いた場所に戻っていく。
「お前の相手は必ずする。だから大人しく待ってろ」
コカビエルは自分の身に何が起こったのか理解できず、戸惑っている様子だった。
「き、貴様!一体何をした!?」
自分の身体が自分の意思とは異なる動きをしたことに驚き、怒りを露にするコカビエルを一瞥して再びリアス達の下へ歩を進める。
俺がみんなのところに辿り着くまでコカビエルが動くことはなかった。
得体の知れない力を目の当たりにして身動きが取れずにいるようだ。
「よく頑張ったな、みんな」
肩に担いでいた兵藤を地面に寝かせて近くにいた小猫の頭を撫でながらみんなの様子を伺うと、皆一様に不安気な表情をしていた。
「……ユー」
今にも泣き出しそうなリアス。その声色はとても弱々しく、余程苦しい状況だったことを物語っていた。
「リーア」
小猫の頭から手を離してリアスに近づき、彼女の肩にそっと触れる。
「王である君がそんな顔をしてはだめだ。眷属達が戦えなくなる」
この状況において厳しいことを言っているのはわかっているが、上に立つ者として下の者に示さなくてはならないものがある。
当然そのことはリアスも気づいていた。
その言葉に下唇を噛みながら制服の袖で目元を擦るリアス。
その後の彼女の表情はまるで憑き物が取れたように晴れやかであり、闘志
リアスの調子が戻ったところで現在の状況を木場が話してくれた。
その話を聞いて俺がイリナの看病をしてここに到着するまでに皆が死に物狂いで戦っていたことを知った。
「本当によく頑張った」
皆の頑張りを労っていると、木場が尚も難しい顔で話を続けた。
「バルパーの仕掛けた魔方陣がコカビエル健在にも関わらずその効力を失ってしまったのは何故でしょうか?」
駒王の街を崩壊させるだけの力を持った魔方陣がいつの間にか無力化されていたことに木場だけではなくリアスも疑問を感じているようだ。
「それは俺がやった」
俺の何気ない一言に木場とリアスだけではなく小猫も目を見開いていた。
「な、何をしたの?」
呆気にとられる木場を余所に当然の疑問を投げ掛けてくるリアス。
「より強い力で魔方陣の時間だけを停止させた」
この結界内に入った時からより力の純度が増していることに気がついた。
力の容量は同じでも内包する力の質が明らかに変わっている。
まるで何者かに浄化されているのではないかと思うほどに劇的な変化を遂げていた。
「時間を止めるって……大公家の?」
大公家?
その話は以前リアスが話してくれた。冥界の序列二位の大貴族……確かアガレスとか言っていた気がする。
「貴方……一体どこまで……?」
リアスの話に耳を傾けてはいるが俺の視線は既に別の人物を捉えていた。
俺は彼女の深紅の髪を一撫でして瞳の焦点が定まらない金色の髪の少女の下へ歩を進める。
―アーシア・アルジェント―
数奇な運命を辿り、駒王の街にやって来た神に使えるシスター。
言葉が通じず、道に迷っていた彼女と俺が出逢ったのは偶然か必然か。
彼女は特別な力を宿していた。
生きとし生ける全ての存在を癒すことのできる奇跡の力。
そんな彼女の力を狙った連中から命を救ったことをきっかけに俺は彼女と生活を共にすることになった。
彼女は生来の優しい性格と可愛らしい容姿で周囲の人々を虜にしていった。
どんな相手にも等しく平等に接する彼女の姿はまさに聖女そのものだった。
俺は彼女に二度と悲しい想いはさせないと心に誓った。
なのに今俺の瞳に写る彼女は生きる気力を失い、今にも消えてしまいそうに見えた。
彼女がそうなってしまった理由は側で彼女を支えていた朱乃が教えてくれた。
──神の死──
嘗て三大勢力の間で三つ巴の大戦争が起こったことはリアスから聞いた。
その戦争で悪魔勢力は当時の四大魔王を……堕天使勢力は多くの大幹部を……そして天使勢力は神を失った。
信じられないことだ。
神とは目には見えぬが常にそこにある存在であり、それを疑う者などいない。
元々信仰心が稀薄な上に、今は悪魔となった俺でさえその存在の死という事実に衝撃を受けている。
であればその存在を信じ、敬い、祈りを捧げ続け、道を問い続けた者のショックはいかほどだろうか?
目の前の少女もまたその一人だ。その心中は推し量ることなど出来ない。
幼き頃より神に遣えること以外選択肢がなく、それ故に誰よりも神を敬い続けた。
コカビエルの暴露した真実は彼女のこれまでの歩みを全否定するものであり、今後の生き方を180度変えるものであった。
そして彼女は壊れてしまった。
このままでは正気を取り戻した時彼女がどういう行動に出るのか予想もつかない。
俺ごときでは彼女の失ったものの代わりにはなれないだろうことは承知の上だ。だが、俺は彼女を守ると誓った。
彼女を守り続け、命を落としたレイナーレにそして……俺の魂に。
俺は彼女の手を引き、強く抱き締めた。
「生きる意味が必要かい?」
彼女の耳元に口を寄せて心に語りかける。
「だったら俺が君の生きる意味になる」
普段なら恥ずかしくて口に出来ないような言葉もこの瞬間ばかりは迷いなく口に出来る。
「帰ってこい……アーシア」
だが彼女が生きる支えを失い、光が見えないと言うならば俺が支えてやりたい。俺が彼女の光になってあげたい。
彼女が……アーシアが俺にとっての光でいてくれるように……
「私には何もありません……それでも一緒に居てくれますか?」
不意に俺から身体を離したアーシアが口を開く。
暗く濁っていた翡翠色の瞳に光が射す。
自分には何もない……?そう思っているのは自分だけだ。
伝えたい言葉は幾つもある。だが、今はどんな言葉を並べても陳腐になってしまう。
彼女が欲しいのは形ばかりの言葉ではない。
「
俺は彼女の涙を何度目にしただろうか?
悲しみに暮れて涙を流すアーシア。
幸せに戸惑い涙を流すアーシア。
やり場のない感情を爆発させて涙を流すアーシア。
彼女の様々な涙がその都度俺の心を揺さぶってきた。
「ずっとずっと一緒ですよ?」
彼女の小さな手が服の袖を掴んで離さない。
「約束する」
もうこの手を離さない。
だから聞かせてほしい……。
だから見せてほしい……。
その可愛らしい声で……。
その素敵な笑顔で……。
俺の名を呼ぶ君の姿を……。
「ユーさん!」
勢いよく首に手を回してくる彼女に驚き、優しく受け止めるはずが少し強めに抱き締めてしまった。
その瞬間彼女の全てを感じることが出来たような気がした。
帰った来てくれた。
もう離れない。
「ずっと一緒だ……アーシア」
その永遠の誓いにも似た言葉が自然と口を衝いた。
いつか然るべき場所で生涯で最も美しい姿をした君を前にして伝えたい言葉。
「はい!ずっと一緒です!」
無性に彼女の顔が見たくなり彼女の金色の髪に寄せていた頬を離して涙に濡れた翡翠色の瞳を覗いた。
その時だった……。
彼女の瞳が髪の色と同じ金色に輝き、背中から穢れのない純白の翼が伸びていた。
何が起こったのか理解できず、ゆっくりと天に昇って行く彼女を見ていることしか出来なかった。
アーシアの身体はグラウンド全体を見渡せる高さまで昇るとそこで天に向けて右手を掲げた。
その光景はまるで高名な絵画を切り取ったかのように神々しく神秘に満ちていた。
あまりの美しさに息を飲んでいると次第に螢の光に似た無数の粒が周囲に降り注ぎ、俺やリアス達を包み込んでいく。
俺は光に触れても特段変化はなかったが、リアス達の身体には大きな変化があった。
「魔力が……回復していく……!?」
リアスが驚愕の表情を見せる。
これは以前リアスが語っていたことだが、
存在するはずのない力を目の当たりにしてリアス達は言葉を失っていた。
「アーシア!!」
未だ嘗て誰一人として踏み入れたことのない領域に踏み込んだ彼女を見上げ、その名を叫ぶと柔らかな笑みを浮かべ此方の様子を伺う彼女がいた。
だが、俺はその笑みに大きな恐怖を感じた。
容姿はアーシアそのものであり、その笑みも普段の彼女と変わらないように見えるが、俺の中の何かが警鐘を鳴らしている。
「……お前アーシアじゃないな?」
疑問が確信に変わるまで時間は掛からなかった。
具体的に何が違うかはわからないが、そこにいるのが俺の知っているアーシア・アルジェントではないことは確かだった。
「……何者だ?」
彼女は他者を
彼女なら同じ地面に立ち、同じ目線で戦ってくれるはずだ。
「『時の流れに身を任せて幾星霜。永遠にも近い時間を流れてようやくお目に掛かることができました……我が君』」
目の前で起こっている事態を把握できない……。
アーシアの声なのに別の者の意思を感じる。
「……誰だと聞いている?」
ようやく彼女が帰って来たと思ったのにまた彼女が何処に行ってしまったことに苛立ちを覚えていた。
「『我が名は
マリアと名乗った彼女が何者かは知らないが、俺にはそれ以上に許せないことがあった。
「アーシアはどこだ?何故彼女の身体に入り込んだ?」
大切な人の身体が得体の知れない者に支配されていることが何よりも許せなかった。
「『それは彼の者アーシア・アルジェントがハリストスの御霊を宿していた故。清く強き心を持ち、
マリアの言うハリストスの御霊とは何なのか理解出来ないが、アーシアがアーシアであるから特別な力が宿ったということか?
「ハリストス……だと?……ならばその女が【再生の
突如それまで沈黙を保っていたコカビエルが口を開いた。
コカビエルは何かを知っている様子だった。
奴は聖書に名を刻むほど長く生きている堕天使。俺が知らないことを知っているのは当然のこと。
「『堕ちた天使ですか……相も変わらず我が君の邪魔をしているのですか?』」
マリアは前方に左手を伸ばすとその照準をコカビエルに定めた。
「『戦うのは久方ぶりですね、加減は出来ませんのであしからず』」
左手の掌に光が集約されていく。
俺はマリアの近くまで行き、その左手を掴む。
「アーシアの身体で勝手をするな」
いくら別の意識とはいえアーシアの手は全ての者を救うための優しい手。
誰かを殺めていいはずがない。
一瞬のことに驚くマリアだったが、直ぐに左手を下ろした。
「もういいだろうマリア?アーシアを返してくれ」
俺がそういうと彼女は静かに目を伏せた。
「『御心のままに……ですがお忘れなく……我が心
そういうとマリアは俺の背後に回り込んで背中に右手を添えた。
「『これが妾が貴方様にしてあげられる最後のこと。後のことは全て新たな【再生の
その瞬間背中にこれまで感じたことのない熱を感じた。
熱くはなく、とても心地の良い気分だった。
自分の背中にあるものが浮かび上がるのを感じた。
(そうか……これがコカビエルの言っていた紅十字をいうやつか)
自分の身体になんでこんなものが刻まれているのかはわからないが、今なら不可能なことはないのではないかと思うほどに力が溢れてくる。
「ふぇ……ユーさん?」
俺が自分の身体と対話している内にアーシアが意識を取り戻して少し間の抜けた声を出していた。
「私どう……?あ、あれ!?」
どうやらアーシアは自分が宙に浮いていることさえも知らなかったようで空中で足をジタバタ動かして落下していった。
(マリアの奴!せめてアーシアの身体を地面に降ろしてから居なくなりやがれ!)
俺は急いでアーシアの下へ飛んで行き、お姫様抱っこにするとゆっくり地面に着地した。
「大丈夫かアーシア?」
俺の胸の中で顔を真っ赤にして頷く彼女が堪らなく愛しかった。
そのままリアス達のところまで行き、アーシアを降ろして彼女の美しく金色の髪に触れた。
「今度こそ本当にお帰りアーシア」
彼女はよくわからないといった表情で笑っていた。
だがそれでいい。
いつか今日のこの出来事を彼女に話さなくてはいけない日が訪れるだろう。
その時が来るまで君には笑っていてほしい。
出来ることなら俺の隣で。
「ユーさん!大変です!マリア様という方の声が聞こえます!」
…………
このど畜生が!!
格好よく自己完結したのに全てが台無しじゃねぇか!
今の切迫した状況も忘れる程に取り乱してしまい、リアスやアーシアから心配されてしまった。
一旦、心を落ち着かせて改めてリアスにアーシアをお願いしてコカビエルと対峙する。
「待たせた」
僅かに動揺を見せるコカビエルの瞳を鋭く射ぬく。
「新たな力を得たようだな」
俺がここに到着したばかりの頃の余裕の表情をしたコカビエルはもういなかった。
「ああ、今度の俺はちょっと強いぞ」
その姿こそまさしく先の大戦を生き抜き、聖書に名を刻んだ偉大なる堕天使の本当の姿。
「楽しい闘いにしよう」
お互い息を合わせたように少し距離を取る。
端から見れば僅か数秒の睨み合いだったと思うが、対峙している俺からすれば随分と永く感じた。
何が合図になったのかはわからないが、示し合わせたようにお互い同時に動きを出した。
次の瞬間俺とコカビエルの拳が交わった。
第24話更新しました。
前回の更新から早2ヶ月空いてしまいました。
9月末に体調を崩し、それでも無理して動いていたら悪化してようやく完治して続きを書こうとした内容が気に入らず消してまた書き直していたら2ヶ月経ってました。
皆さんも体調には気を付けてくださいね。今時期は特に!
筆者の言い訳はこれくらいにして内容の方はようやくコカビエルと対峙しました。最初は覚醒したアーシアがコカビエルを殺るという内容だったんで主人公とコカビエルが戦う予定はなかったんですが、後の展開を思い出してまだ早いという結論に至りました。
因みにアーシアに戦闘能力はありません。
次からはコカビエルが如何に格好よく負けてくれるかになると思いますので気長に待って頂ければ幸いです。
ではまた次回。