第十五機械化遊撃小隊の母艦であるマゼラン級は暗礁地帯に向けて航行していた。
「身体が宙に浮く感じ、不思議ですね。」
艦内は無重力でシューリスはフワフワと浮きながらラグスと話していた。
「ああ、数時間後には暗礁地帯で宇宙に慣れるために操縦訓練を行う。地上とはまったく感覚が違う。しっかり訓練しないとすぐに落とされるぞ。」
「分かってますよ。三次元機動は難しいですからね。そういえば確か隊長は宇宙軍にいたことが有るんですよね。」
「ああ、五ヶ月だけだけどな。開戦後すぐに地上に配置転換されたから、あまり宇宙での戦闘はやったことがないが生き残るために自分の経験から大事なところはしっかり教えるぞ。」
「なんか、隊長が教官に見えてきましたよ。隊長に教えてもらって撃墜されないようにしっかり訓練しないとっすね。」
「いっとくが手加減はしないからな。」
「分かってますって。」
数時間後、マゼラン級はサイド1近くの暗礁地帯に到着しモビルスーツ四機を下ろしてエンジンを停止した。
「艦長、レーダー以外は全機能を停止。レーダーも感知されないように最低限の出力で頼む。反応が有ったらすぐに連絡をしてくれ。」
「分かりました。」
本来ならばこの艦の中で一番階級が高いラグスが艦長になるべきなのだが、艦長が戦いに出撃してしまっては艦の指揮をとる人が居なくなってしまうということで、レビル将軍が派遣してくれたアレク大尉がマゼラン級の指揮を取っている。
艦の指揮を取っているアレク大尉は第一連合艦隊の中でもトップ5に入るほど指揮能力と判断力に優れている。ただ、二十九歳という若さゆえに大尉という階級になっているが、少佐に昇進が内定しておりソロモン攻略戦が終われば正式に少佐となる手筈である。
マゼラン級は完全に航行機能を停止し、暗礁地帯の近くを通るジオン部隊を補足するためにレーダーを最低出力で動かしている。
一方のラグスたちは、ジオンの航行ルートと反対の方向、つまり暗礁地帯の奥で操縦訓練を行うことになっており、小型の岩や戦闘後のデブリの間をすり抜けながら奥へと向かっていく。
「こんな障害物に当たるなよ。」
「こんなんに当たるわけないじゃないですか。」
四機はバックパックと足裏のバーニアを器用に使って間をすり抜けていき、やがて目的の場所へと到着する。
「これから、訓練を始めるぞ。まずは膝下のバーニアを使った緊急回避だ。これからの戦闘はビームが主体になるだろう。銃口が向いたときにはもう撃たれていると思え」
「はい」
「俺が相手役になる。ビームスプレーガンの威力は最低にしてあるが、急所に当たれば撃墜判定になるようにセットしてある。油断するなよ。特にケンは、ガンキャノンからジムに乗り換えたんだ。ガンキャノンのように行動していてはすぐに落とされるぞ」
「分かりました」
ケンが頷き、訓練が開始される。相手役のラグスはまずシューリスに狙いを定めてビームスプレーガンを放つ。それを回避しようとバーニアを吹かすが避ける直前に右肩に当たり判定がつく。それでも強引に回避し終わりシューリスはラグスに通信を入れる。
「これ難しいですよ」
「だから銃口が向いた瞬間に避けないといけないんだよ。次はサクリスだ」
「分かった」
シューリスが下がり、代わりにサクリスが出てくる。
サクリスはモニター越しにラグスのジムを見つめ、腕が動く瞬間を待つ。数秒後、腕が微かに動きサクリスはブースターを吹かして避けに入る。その後すぐにジムの居たところをビームが通過する。
「サクリス、その感じだ」
「そうだな。ただやはり難しい」
「まあこの回避は最悪の場合だ。とりあえず宇宙ではジグザグに動いて狙いを定めさせないようにしないとだぞ」
「分かった」
その後ケンにも同様の訓練を行ったがあえなくコックピットを貫かれ撃墜判定になってしまった。
「シューリスとケンはこの回避を練習しとけよ。よし、次の訓練に移るぞ。二機づつに分かれ模擬戦形式で訓練だ。周りにあるデブリなどを上手く使って行動するように。いいな」
「チーム編成は俺とサクリス、シューリスとケンだ」
四機は二チームに分かれて散開し、岩の影に隠れる。
数分後、最初に動いたのはケンだった。肩の360mm ロケット砲でラグスたちが隠れていると思われる付近に弾を撃ち込む。爆発が収まり、ケンは辺りを見ようとするが直後にモニターに映し出されている映像が途切れ、漆黒に染まった。
「くそ! メインモニターをやられた!」
「ケン、あせったら負けるぞ! 一度岩の影に隠れろ」
シューリスがとっさにフォローし、ケンは態勢を立て直す。一度岩の影に隠れ、相手の様子を伺う。
「どうしますか?」
「そうだな。もうそろそろ決着をつけたいな。」
その時、反対側の影からサクリスが飛び出し、近くの岩の影に移る。
「ケン、突っ込むぞ!」
シューリスがバーニアを吹かし、サクリスが隠れている岩に向かっていく。その途中で腰からビームサーベルを出し左手で構える。右手のスプレーガンで岩を破壊し、サクリスに斬りかかっていく。サクリスは腕のビームダガーを展開し受け止めるが、直後にシューリスがコックピットに蹴りを入れ、態勢を崩させる。そしてコックピットにビームサーベルを突き立てて撃墜判定となる。しかし、直後にビームがコックピットに当たりシューリスも撃墜判定となってしまう。
「くそ! ケンあとは頼んだぞ。」
「分かりました!」
肩の360mm ロケット砲を撃ちラグスを牽制し、サブモニターに繋いで右手のビームスプレーガンで狙いを定める。銃口から放たれたビームはコックピットへ真っ直ぐと向かっていくが膝下のバーニアを使った緊急回避で避けられ、右手を破壊判定にするだけにとどまる。
「甘い!」
そう通信があった直後、無理矢理ブースターで近づいて来たラグスのビームサーベルで袈裟斬りにされケンのジムは撃墜判定となる。
「ケン、キャノンで牽制したまでは良かったがその後一歩も動かないのは良くないぞ」
「はい」
「今日はここまでだ。帰還しよう」
「「はい」」
四機は、静かに母艦に帰還していった。
最初の方は表現が雑なので、何話かリメイクしたいのですが意見をください。
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良いと思う
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会話文多めだからすべてリメイクしてほしい
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このままで大丈夫