暗躍する者   作:国連宇宙軍

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投稿が遅くなり申し訳ございませんでした。これからも投稿が遅れるかもしれませんがご容赦ください。


第二十一話

 ア・バオア・クー Wフィールド

 

 Wフィールドに突入してから二十分が経ち、戦況はジオン側が有利だった。ラグスたちは善戦していたものの敵の援軍到着により徐々に味方は減りつつあった。

 そんな中、混成遊撃部隊臨時旗艦である〔アルビナ〕からWフィールドで戦っている全員に通信が入る。

 

 〔主力部隊が他のフィールドより進軍を開始。これより五分継戦したのち後退、各自主力部隊へと合流せよ。殿は、我々第十五機械化遊撃小隊が務める。〕

 

「ふっ、言ってくれるじゃないか」

 

 ラグスは一瞬笑みをこぼし、前方から来るチベ級の艦橋にバズーカの照準を合わせる。一秒後には引き金を引いて弾を発射し、すぐにその場を離れる。後方ではチベ級が爆発し、破片を撒き散らしていく。その時、後方からジムコマンド六機が接近、ラグスに通信を入れる。

 

「ラグス中佐、私たちも殿を務めさせてください!」

 

「いや、お前たちにそんな危ない真似はさせられない。三分後に後退しろ」

 

「嫌です。俺たちも残ります!」

 

「はあ、分かった。だが危なくなったら先に戻れ。それが条件だ」

 

「ありがとうございます! 各員聞こえていたな、気合いを入れて臨めよ!」

 

「弾薬も底をつき始めている。殿を務める前に全員補給に向かえ」

 

 ラグスは六人に指示を出し、自らも補給のため母艦に向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 数分後補給を終え、ラグスが再び格納庫を出るとシューリスたちもアルビナの近くに集結していた。その周りには彼らが指揮をしていた部隊たちの姿もあり、どこもみんな同じだなとラグスは思った。

 

 〔五分経過。各自、後退を開始せよ。〕

 

 その通信と同時に後続していた艦艇たちが回頭を開始し、モビルスーツもそれに追随するように反転していく。残存艦艇はマゼラン級十一隻、サラミス級十三隻でモビルスーツはラグスたちが指示している二十八機の他に約四十機が残っている。その集団が一斉に回頭を開始し、他のフィールドを目指して行動を開始した。

 

「さて、もうひと暴れしますか!」

 

「そうだな。全機、一匹も通すなよ!」

 

「「了解!」」

 

 後退する連邦艦隊を追撃するジオンの戦力はチベ級三隻、ムサイ級八隻、モビルスーツ五十機以上からなる大部隊だった。対するこちらはアルビナ一隻にモビルスーツ二十八機、明らかに不利だがラグスたちは勝利を確信していた。ラグスの指示から数秒、漆黒の宇宙をピンクと黄色の筋がいくつも飛び交い始める。

 

 

 

「スナイプ隊は焦らずにチベやムサイを狙ってください。他のジムはスナイプの援護をお願いします」

 

「了解」

 

 ケンが的確に指示を出し、フェーべの後方に位置しているジムスナイパーⅡ二機は狙撃ライフルを構え、こちらに向かってきているチベの艦橋を照準におさめる。その間に周りを四機のジムコマンドが囲み、狙撃を阻止しようと向かってくるドムやザクを蹴散らしている。そんな刹那、二つのライフルの銃口が火を吹き弾を高速で発射する。弾はきれいな直線軌道を描き、まっすぐチベの艦橋に吸い込まれていった。二隻のチベは航行を停止、チャンスとばかりにアルビナから砲撃が集中し四散する。

 

 

 

 

 

 

 ラグスは向かってくるザク三機をビームスプレーガンで撃破し、ブリッジに通信を入れる。

 

「ブリッジ、後退はどのくらい進んだ?」

 

 〔60%がWフィールドからの離脱を完了したところです。〕

 

「そうか、艦隊の離脱が80%を越えたらアルビナも後退を開始しろ」

 

 〔了解しました。〕

 

 エネルギー切れのスプレーガンを捨て、両腕に装備されたビームサーベルを手に持たず展開させる。ブースターを吹かし前方を航行しているムサイに突撃し、エンジンブロックを下から袈裟斬りにして、そのままの勢いで艦橋に向かってビームサーベルを突き刺し、ムサイを沈黙させた。数秒後には大きなデブリと化したムサイの船体を踏み台に使って、次のムサイへと向かっていく。

 

 

 

 

 

 数分後、ジオンのモビルスーツは十数機まで減りつつあった。

 

 〔こちらサクリス、敵はあらかた片付いた。残ったモビルスーツはア・バオア・クーまで後退していったぞ。〕

 

「なんとかなったか。これより我々も主力部隊に合流する。シューリスたちの被害は?」

 

 〔こちらはジムコマンド二機が中破、サクリスのところは一機が大破です。〕 

 

「そうか、シューリスたちは引き続き指揮を続けてくれ。被弾した機体は母艦に帰還、それ以外は他のフィールドで引き続き戦闘を継続せよ」

 

 〔了解。〕

 

 アルビナは反転して移動を開始し、ラグスたちモビルスーツ隊もそれに追随するように横を飛行していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Nフィールド

 

 数十分後、アルビナ率いる即席遊撃部隊は無事に主力部隊へと合流を果たし、戦線に復帰していた。

 

「アレク少佐、Nフィールドの状況は?」

 

 モビルスーツの弾薬補充をしている間、ラグスは状況把握のためブリッジに来ていた。

 

「そうですね。やや、押されていたみたいですが今は押し返しています。五分五分といったところですかね」

 

「そうか、俺の指揮している部隊はどうなっている?」

 

「両部隊とも発進準備完了の通信が入っています」

 

「分かった。ありがとう」

 

 ブリッジを出ていこうとしたとき、オペレーターが振り返る。

 

「ラグス中佐、格納庫から補給完了の連絡が入りました」

 

 ラグスは頷き、ブリッジを出る。数分後、格納庫を出て他の小隊と合流し戦場に向かっていった。




設定集にソロモン戦後のラグスたちの機体説明を載せました。ぜひ、チェックしてください。

最初の方は表現が雑なので、何話かリメイクしたいのですが意見をください。

  • 良いと思う
  • 会話文多めだからすべてリメイクしてほしい
  • このままで大丈夫

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