エジソンが起こした異変を止めるため、勇気、羽心、ディアーナはアメリカに向かった。
邪鬼は霊界通信機を超えた霊界交流機を完成させるべく、プーカを捕らえ、彼の命を吸い取る。
ディアーナは間一髪でプーカを救出したが、どさくさに紛れて邪鬼は羽心を連れ去ってしまう。
さらに、海底火山の噴火により、海底に沈んでいた大陸が大西洋に浮かぶ。
浮かんでいた神殿は、勇気が見た夢のそれとそっくりだった。
いよいよ邪鬼の大きな野望が動き出そうとしている。
邪鬼を止めるために、ジャネットや麗羅達も動き出すのだった。
1 - 羽心はどこに?
翌日。
「ええーっ!? ジャネットも一緒に行くの!?」
「はい」
今まで指示を出していただけのジャネットが、前に出ると聞いて、
一番驚いたのはディアーナだった。
「アレが地球に浮上したという事は、私もそろそろ動かなければと思いまして」
ジャネットは真剣な表情でディアーナに話す。
「でも、ジャネットは指輪を持ってるんでしょ? そうしたら路地裏は、どうなっちゃうの?」
路地裏はジャネットの指輪のおかげで安全に保たれている。
ジャネットが出ていけば、路地裏が邪鬼に襲われるかもしれない、とディアーナは読んだが、
ジャネットは首を横に振った。
「あ、いえ、正確に言うと私の分身が行くので、本体はちゃんと路地裏に残ってます」
「なんだ、そうだったのね」
拍子抜けするディアーナ。
だが、海底に没した大陸が浮上し、邪鬼も動き出した事に変わりはなかった。
ジャネットは意を決して、立ち上がる。
「英霊、ジャネット・ディ・アルクが命じる。見捨里市を邪鬼から解放せよ!」
ジャネットは鋭く大きな声で、この場にいる仲間達に指示を出した。
(まったく、ジャネットってば、本当に強いわね。
さて……あたしは、あの子の力にならなくちゃね)
その頃、勇気は父親の書斎に飛び込んでいった。
「プーカ! プーカ! キユウが戻ってきたんだ。
キユウがいれば百人力だよ。きっと羽心も助けられる」
勇気は弾む声で思った事を説明しながら、太陽と月のグローブを手に嵌めた。
そして、月のグローブを嵌めた左手を壁にかざした。
しかし、何も起きない。
(月のグローブが作り出すトンネルは『時のトンネル』なんだ……)
勇気は頭を抱えてその場にしゃがみ込んだ。
「そうだ。僕はなんてバカなんだ……」
そう呟いて肩を落とす。
(電車や飛行機に乗るみたいに、同じ時代の場所を移動するだけなんてできないんだ)
そんな事も知らずに勇気はトンネルを使ってきた。
邪鬼が作り出す×印状の罅が出現すれば、その場所には行ける。
だが、ただ海に出現した神殿に行きたいと思っても不可能だ。
勇気は力なく立ち上がると、小さなベッドに寝るプーカを見た。
妖精の超自然パワーを奪われたプーカは熟睡している。
その寝顔を見て、勇気はエジソン研究所で起きた事を思い返す。
見捨里市を救うために発明王エジソンの元に跳んだ勇気、羽心、ディアーナ、プーカだったが、
そこに、邪鬼がいたのだ。
邪鬼はエジソンに取り入っていて『霊界交流機』を開発させていたが、
それを完成させるには、妖精の超自然パワーが必要だった。
邪鬼の罠に嵌った勇気と羽心は身動きが取れなくなり、さらにディアーナも戦わされ、
プーカは『霊界交流機』のためにパワーを吸い出されてしまう。
命を落としそうになったプーカを、ディアーナが間一髪で助けたが、
邪鬼は何故か羽心を連れてどこかに逃げてしまった。
その直後、『霊界交流機』が故障して、羽心を助けに行く事も出来なくなった。
(羽心はどこに連れて行かれたんだ……?)
しかも邪鬼は「どうしてもこの子が必要なんでね」と言っていた。
(何故羽心が必要なんだ……?)
悩む勇気は、目の前の小さなベッドにいる妖精の王子を見る。
プーカは「羽心チャンがグローブを着けているなら、見つけられるサ」と言ってくれた。
(本当に見つけられるんだろうか?)
不安と謎で混乱するばかりだったが、勇気には何も出来なかった。
~次回予告~
何とか学校に通った勇気だったが、誰も羽心の事を覚えていなかった。
まるで、彼女が元々存在しなかったかのように。
ディアーナは絶望する勇気を立ち直らせるために、彼に激励をしようとした。
そんな時、見捨里市が何者かによって燃える事件が発生した。
ディアーナとジャネットは、勇気を支えるために出撃する事にした。