怪狩り ~ 人の絆と怪の決意   作:アヤ・ノア

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~前回までのあらすじ~

サラはパンドラの箱の力に魅入られ、村を不幸にしようとしていた。
ジャネットの説得でサラを止める事はできたが、パンドラの箱を邪鬼に奪われてしまう。
恐らく、邪鬼はパンドラの箱と羽心を使って世界に不幸をばら撒こうとしているに違いない。
たとえ罠であっても羽心を連れ戻すべく、
勇気、ディアーナ、ジャネット、そしてプーカは、罅の中に入るのだった。


Side Story
1 - 八人の戦士


「で、俺達は向こうから行って」

「ウチらは向こうから行くんだね?」

 アプリル、ノノ、チェイニーチームと、麗羅、つるぎ、揚羽、カリオストロチームは、

 ジャネットの作戦で二手に分かれていた。

 ディアーナとジャネットが「海」と呼ぶ謎の大陸に潜入するためである。

「一人じゃ無理でも四人なら楽勝だね」

「でも、ノノたちはさんにんだよ?」

 麗羅チームは四人、アプリルチームは三人。

 人数が足りないよ、とノノが言おうとした瞬間、

―ちょっと待ってくださーい!

 女性の声が、アプリルの後ろから聞こえてきた。

「愛衣も、アプリル様と一緒に行動させてください!」

 黒髪に赤い瞳、狐の耳に尻尾、持っているのはカード。

 女性は愛衣と名乗り、アプリルを追いかけてやってきたようだ。

「おいおい……ここで助っ人かよ」

「助っ人じゃありません! アプリル様が困っているなら愛衣も困っていますから!」

 愛衣はアプリルに片思いしており、彼のために召喚士になったのだ。

「ま、人数は多いに越した事はないしな!」

 助っ人なら、人数が多いなら、きっと邪鬼を追いかける事ができる。

 アプリルは愛衣の同行を了承するのだった。

 

「来たな! うぉぉーーーーっ!!

 四人が進むと、四体のゾンビが待ち受けていた。

 アプリルは狼の姿になると、ゾンビを突き飛ばして壁に思いっきり叩きつける。

 チェイニーは血液から槍を生成し、ゾンビを突き刺して戦闘不能にした。

 ゾンビはアプリルとチェイニーに噛みつくが、二人はゾンビの攻撃を防御した。

 そして、二人はゾンビに爪と血液の槍で反撃し、戦闘を終わらせた。

 

「さあ、早く行きますよ~!」

「……どうやって?」

「魔物に助けてもらうんです!」

 そう言って愛衣はカードを放り投げ、一匹の魔物を召喚した。

 魔物は辺りを見渡すと、転がるようにどこかに向かっていった。

 どうやら道案内をしてくれるらしい。

「だいじょうぶかなあ?」

「……まぁ、とりあえず、ついていこうぜ」

 

「よくぞここまで」

 魔物が行った通りに一行が向かうと、そこには吸血鬼の群れが待ち構えていた。

「あのゾンビの群れをけしかけたのは、お前か?」

「そうだ、あの少年に足止めをしろと言われたからな」

 あの少年とは、十中八九邪鬼の事を指しているのだろう。

 普通の人間なら恐怖するだろうが、生憎、一行は全員が人ならざる者だ。

「ノノ、まけないからねー!」

「俺達の結束の力、見せてやるよ!」

 

「さあ、我が命に従え!」

ウオーーーーーーッ!!

 リーダーの吸血鬼は優れた統率力で下級吸血鬼の能力を上げる。

「♪♪♪~♪♪~♪♪♪♪~」

 ノノは歌声で下級吸血鬼を気絶させる。

 別に、彼女の歌が下手なわけではなく、下級吸血鬼に効果抜群だからである。

「負けません!」

 愛衣はカードを掲げ、魔物を召喚してけしかける。

 吸血鬼は無数の下級吸血鬼をけしかけ、愛衣を追い詰めてダメージを与える。

「うぅ、何だか気分が悪いです……」

「諦めるなよ、愛衣! うぉりゃぁぁぁぁっ!

「ふっ」

 アプリルは思い切り爪で吸血鬼を切り裂くが、吸血鬼は両手を交差させて攻撃を防ぐ。

 その隙にチェイニーは血液の槍を突き立てるも、吸血鬼にはかわされてしまった。

ぬあああああああああ!

 さらに下級吸血鬼がアプリルに一斉に襲い掛かり、アプリルは浅くない傷を負ってしまった。

 

「ちっくしょぉ、やるじゃねぇかよ」

 傷ついたアプリルは、吸血鬼を鋭く睨みつける。

「だが……それでこそ戦いだ!」

 アプリルを動かしているのは、そんな本能だった。

 実際のところ、狼は群れないと寂しがるほど臆病な動物だ。

 しかし、群れているからこそ、強大な敵に立ち向かえ、そして勇気を奮い立たせる事ができる。

「アプリル様……」

 愛衣はそんな彼を見て、自分も頑張らなければ、と思った。

「さあ、行きますよ!」

「♪~~♪♪~~~♪♪~~」

 ノノは歌声で傷ついたアプリルの身体を癒し、

 愛衣はカードからモンスターを召喚して下級吸血鬼を倒す。

「うおっ!?」

「儂が守る!」

 アプリルに襲い来る下級吸血鬼の群れから、チェイニーは血液の盾で身を挺して守る。

「ありがとよ、チェイニー! でやぁぁぁっ!」

「感謝するぞ!」

 アプリルはチェイニーに感謝の言葉を述べ、下級吸血鬼を殴り倒した。

 チェイニーも血液の槍で下級吸血鬼を薙ぎ払った。

「後はお前だけだな!」

 アプリルは吸血鬼目掛けて飛び掛かり、その首を切り裂こうとする。

 吸血鬼には当たらなかったが、かわした吸血鬼にチェイニーの血液の槍が突き刺さる。

「うぐぉっ!?」

「後は愛衣が倒します! このモンスターとモンスターを召喚して……」

 愛衣が放り投げた二枚のカードがモンスターに姿を変える。

 そのモンスターが合体すると、全長5m程の大蛇に変化した。

「いってください、アナコンダ!」

 このアナコンダというモンスターに毒はない。

 しかし、その巨体は相手を絞め殺すには十分だ。

 アナコンダは愛衣の命に従うと、吸血鬼目掛けて身体をくねらせ、

 その身体で吸血鬼を締め上げる。

「ぐっ……ううぅっ……ぅっ……!」

 吸血鬼は逃れようとするが、アナコンダの締め上げる力はどんどん強くなっていく。

 やがて吸血鬼が絶命した事で、アプリル達の目の前に扉が現れた。

 

「みんな、行くぞ!」

「うん!」

「アプリル様、頑張りましょう!」




~次回予告~

邪鬼の野望を阻止するべく、麗羅達も潜入を試みる。
場所は遺跡的なものであり、そこには多くの罠が仕掛けられていた。
果たして麗羅達は、謎の大陸に行き、邪鬼を捕まえる事ができるだろうか。
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