勇気達はアトランティス大陸の神殿で、オベリスクを発見する。
しかし、その道中で勇気達は再び人狼に襲われてしまう。
危機的状況の勇気達を助けたのは、アプリル、ノノ、チェイニー、愛衣だった。
ジャネットの作戦は、成功したのだ。
その後、フォード博士は喜優という人物から授かった奇跡のペンダントを勇気に渡す。
どうやら、持ち主に危機が迫った時、奇跡を起こして助けてくれるらしいが……?
「……よし、誰にも気づかれてないね」
麗羅は邪鬼に気づかれないように、慎重に歩いた。
斥候としての能力は彼女が最も高いため、一行は麗羅を先頭にしている。
音を立てず、抜き足、差し足、忍び足……麗羅は羽心に、慎重に近づいた。
円形の舞台の中央の床が開き、下から誰かがせり出すように出て来る。
片目を包帯で隠した着物の少年……邪鬼だ。
邪鬼の前に、白い円柱の台も出てきた。
台には、黄金色に輝くパンドラの箱が置かれている。
そして、邪鬼の横に白い柱が現れ、その柱に、ロープで捕らえられた羽心の姿があった。
彼女を助けるために、麗羅達は罅を通り、神殿に潜入したのである。
「よし、待ってな。ウチが解いてやるよ」
麗羅はナイフを取り出し、羽心を縛るロープを慎重に切った。
羽心はボーッと立ったまま、何の反応も示さない。
一歩間違えれば羽心を切る可能性があるため、
麗羅は何にも目をくれず、ただロープを切る事だけに集中する。
麗羅の周りは、静寂が支配していた。
(ウチらはただのコソ泥だけどね……コソ泥にも、誇りがあるんだよ)
そして、麗羅がロープを切り終わると、羽心が目をパチクリさせた。
「大丈夫かい?」
「わ、私……」
羽心は、麗羅の方を見る。
麗羅はすぐにナイフをしまい、羽心に感づかれないようにする。
「あなたが……助けたの?」
「静かにしないと見つかるよ」
「……うん」
羽心は、邪鬼に見つからないように、麗羅と共に脱出した。
邪鬼は麗羅達の姿を見る事なく、羽心もまた、邪鬼に気づかれる事なく勇気のところに戻った。
「……勇者のせいで何度も傷ついたけど、これで、パンドラの箱と、三つのグローブが揃った」
「どういう事だ?」
「さっきから、あたしを勇者って呼ぶなんて、どういう意味よ」
邪鬼は、不気味な笑みを浮かべた。
「君は、星のグローブを拾っただろう? あれは僕がわざと落としたんだ。
君達にこの白鳥羽心を何としても取り返したいという思いをずっと持ち続けてもらうためにね」
「それがどうしたの?」
ディアーナは邪鬼の前に出て、レイピアを抜き、邪鬼の首元に突きつける。
「あなたの事なんてどうでもいいわ。
パンドラの箱で世界に災いをもたらそうだなんて、そうはいかないわ!」
ディアーナはレイピアを握りながら、険しい表情で邪鬼を睨む。
すると、邪鬼が刀を抜き、ディアーナの首元に突きつけた。
「だったら君をこうするしかないね」
「待て、邪鬼! ディアーナを殺すつもりか!?」
勇気は慌ててディアーナに駆け寄った。
「邪魔をするなら、斬ってやる!」
邪鬼はそう言うと、刀を大きく振りかぶった。
―ガキィィィィィィン!
瞬間、邪鬼の刀と勇気の間に、金属音が発生する。
ディアーナのレイピアが盾となり、間一髪、邪鬼の攻撃を防いだのだ。
「貴様は……ジャンヌ・ダルクが召喚した、ラーの勇者……!?」
「ラーメンだかゆし豆腐だか知らないけど、勇気はあなたに殺させはしないわ!」
「ジャンヌ・ダルク……まさか、ジャネットって……!」
ディアーナは勇気が首から提げていた奇跡のペンダントを左手で握り締め、強く祈りを捧げた。
「お願い……あたし達を、守って!!」
ディアーナがそう叫んだ瞬間、ペンダントが粉々に砕け散り、光が勢いよく四方に広がる。
「うわあああ!」
「きゃあああ!」
勇気達は、眩い光に包まれた。
~次回予告~
奇跡のペンダントの力で、「海」と呼ばれるアトランティス大陸は跡形もなく消えた。
あれは夢だったのだろうか、と勇気は思っていた。
しかし、勇気は「あの少年」と再会する事になる……。