昭和時代の日本で、ツチノコを捕まえようとする大学生のグループと出会った勇気達。
本来のツチノコは気が弱いはずなのに、何故、生物消失という怪奇現象を起こしたのか。
その謎を解くべく、勇気達はツチノコを追いかける。
時代という壁に困惑しながらも調査を続けていたが、大学生が目の前で消えてしまった。
間違いなく、ツチノコが起こした怪奇現象だ。
勇気を振り絞り、勇気達はツチノコに挑もうとしていた。
「真美ちゃん!」
女性が消えた事に気づいた隆志達は、慌てて辺りを探した。
「そんな!」
「あ!」
ディアーナは女性が立っていた場所を見る。
すると、新たに雑草が抜かれたように、茶色い土が剥き出しになっていた。
「一体、どうしてなの?」
剥き出しの土の上には、赤いヘアピンとベルトが落ちている。
「まさかこれって、あの子の?」
ディアーナがキユウの方を見ると、彼は大きく頷いた。
「気をつけろ。ツチノコがこの近くにいる!」
「かかってきなさい!」
ディアーナは双剣を構える。
すると、茂みの奥から、不気味な音がした。
「わっ!」
「うわ、あああ!」
次の瞬間、突如木々が激しく揺れ、傍にいた体格のいい男性がバランスを崩した。
男性の周りの草木が抜け、茂みの外へと飛んで行く。
「た、助けて! うわあああ!」
男性がそこから離れようとすると、男性の姿が消えた。
それを見て、隆志はパニックになり、その場に尻もちをついた。
「お兄さん、立って!」
勇気は隆志を立たせようとするが、隆志は怯えてしまい、動かない。
「勇気、その人はもういい! 今は自分の身を守る事が先決だ!」
キユウが叫ぶように言うが、勇気は大きく首を横に振った。
「お兄さんを助ける方が先決だろ!」
「ネッシーの時もそうだったわ!」
勇気とディアーナはそう言うと、隆志を何とか立たせようとした。
ディアーナも武器をしまう。
キユウは勇気とディアーナをじっと見つめる。
勇気とディアーナは隆志に必死に声をかけていた。
「立ちなさい!」
「な、何がどうなってるんだ??」
「いいから! 立って!」
「俺達は、ただツチノコを捕まえに来ただけだぞ!」
「いいから!」
「このままじゃあなた、消えるわよ!」
「消える!? そ、そんなの嫌だ!」
その言葉に、隆志の表情が一変した。
隆志は立ち上がると、勇気とディアーナを放ってその場から逃げ出した。
「あ、待って! ひいい!」
二人が追いかけようとすると、再び後ろから音が響いた。
瞬間、隆志が引っ張られるように茂みの奥へ飛んで行き、消えた。
「お兄さん!」
「これだから人間は!」
「三人とも、横に飛べ!」
キユウが叫ぶ。
勇気は訳も分からず、ディアーナ、ノノと共に横に飛んだ。
三人が今までいた場所にあった木が、轟音と共に揺れ動く。
そのまま、木は地面から抜け、茂みの奥へと飛んで行った。
「何これ?」
「じっとしていたらツチノコに飲み込まれるぞ!」
「飲み込まれる?」
奥の茂みが大きく揺れた。
何かが、こちらに近づいてきている。
ディアーナは、目を凝らして茂みを見つめた。
茂みの中を、兎のような小さな物体が跳ねながら動いていた。
だんだん高く跳ねる。
3m、いや、5mは跳ねている。
次の瞬間、その小さな物体が、三人の傍に着地した。
蛇のような生き物で、身体は丸みを帯びていて、
黒目はクリクリとしているが、胴だけが異常に太い。
「これが……ツチノコね」
想像していた以上に、小さくて可愛い。
勇気は何だか肩透かしにあったような気がして、一瞬気が緩んだ。
「逃げろ!」
キユウが叫ぶと同時に、ツチノコが口を大きく開けた。
「わっ!」
勇気、ディアーナ、ノノは咄嗟に横へ逃げる。
三人の立っていた場所の草木が激しく揺れ動き、草木が剥ぎ取られるように地面から抜けると、
一瞬でツチノコの口の中へと消えて行った。
「ツチノコの先制攻撃ね」
「嘘っ? え、今、ツチノコが吸い込んだの?」
信じられない光景に、勇気とノノは目を疑った。
流石のディアーナも、驚きを隠せない。
「逃げるんだ!」
「駄目! まずはあたしとノノが食い止める! あたしは逃げも隠れもしないわ!」
「ノノ、がんばる!」
「ちょ、ちょっと待ってぇ!!」
勇気、ディアーナ、ノノは、ツチノコに勝負を挑んだ。
「♪~♪~♪~」
ノノは鳥に変身し、歌を歌ってツチノコの戦意を喪失させようとする。
だが、ツチノコにノノの歌は効かなかった。
「かぜのせいれいよ、みえざるしょうげきを! Wind Blast」
ディアーナは呪文を唱えて、風の衝撃波をツチノコに向けて飛ばす。
攻撃を食らったツチノコは、いとも簡単に吹っ飛んでいった。
「こっちだ、ツチノコ!」
勇気はツチノコをおびき寄せるが、それが逆にツチノコの怒りを買う。
ツチノコが勇気達を吸い込もうとした瞬間、
ディアーナは風を飛ばしてツチノコを吹っ飛ばした。
その後、勇気は無我夢中で走り出し、ディアーナとノノも離れた。
「まったくもう、どうして逃げたり、隠れたりするのよ!」
「僕は普通の人間なんだよ! ツチノコには真っ向から挑めないんだよ!」
「はぁ……これだから人間は……」
~次回予告~
ついにツチノコと遭遇した勇気達。
だが、何でも吸い込むツチノコの前に、勇気達は苦戦する。
勇気が持っている武器は、ヘリウムガスが入った缶のみ。
果たして、これを使ってツチノコを倒す事ができるのだろうか……?