怪狩り ~ 人の絆と怪の決意   作:アヤ・ノア

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~前回までのあらすじ~

勇気とキユウ、そしてディアーナ達は、様々な時代に赴き、
フラットウッズ・モンスター、ファフロツキーズ、フランケンシュタインを倒した。
太陽と月の絆を結んだ勇気とキユウは、
これからも二人(と仲間達)で怪狩りを続けたいと思っていた。
しかし、邪鬼に騙された羽心が、霊体を消し去る黒い鈴――「オシリスの鈴」を使用し、
さらにキユウが勇気とアプリルを庇って邪鬼の攻撃を受ける。
オシリスの鈴と邪鬼の攻撃を受けたキユウは、ついに消滅してしまった。
大切な相棒を失った勇気は、ただ、泣き崩れるのだった。


episode4 - Star of Hope ~ 勇気の始まり
助っ人参戦


 路地裏の建物では、ディアーナが悲しい顔でジャネットに報告していた。

「……あの幽霊は、とうとう消えてしまったのですね。

 私の警告も、彼女の耳には届かなかったのですね……」

 ジャネットは、自身が羽心に送った警告が届かず、落胆していた。

「うららおねえちゃん、せっかくがんばったのに、ゆうきおにいちゃんがないちゃった」

「頑張ったとは、何の事ですか?」

「あのね……」

 ノノは、ファフロツキーズ異変で羽心と共に戦った事をジャネットに説明した。

 

 幼女説明中……

 

「それは素晴らしい活躍でしたね」

 羽心は今まで、勇気と共に異変を解決した事はなかった。

 異変が起こった時、いつも勇気に止められ、異変解決後は記憶を失っていたからだ。

 しかし、彼女は見捨里市で起こっている異変に徐々に気付いていった。

 そして、羽心はファフロツキーズ異変で今までに忘れていた事を全て思い出し、

 自分も見捨里市を守りたいと思うようになった。

 自分でできる事をやろう、と考えた羽心は、

 ファフロツキーズにノノと一緒で防戦とはいえ勝利したのだ。

 その後、フランケンシュタイン異変で勇気に話を聞こうとした羽心だったが、

 自身が特殊能力を持っている事を知らず、邪鬼に言われるがままに黒い鈴を使った。

 その結果、キユウは黒い煙になって消滅してしまった、というのが報告内容だ。

 

「事情は大体分かりました。どうやら、私も手を打つ必要があるようです」

「手?」

「助っ人を呼ぶのです」

「えっ?」

 ジャネットが用意している助っ人とは、一体誰なのか。

 ディアーナが首を傾げていると、彼女の後ろにあったドアの中から、男が現れた。

 紫色の肌にスキンヘッド、身体には奇妙な模様があり、左目は眼帯で隠れている。

 男は淡い漆黒のオーラを身に纏っており、威厳ある佇まいだった。

「ふわぁあ……儂はチェイニーじゃ。む……? 儂を起こしたのはもしやお主か?」

「そうですが」

 チェイニーという男はジャネットを見てそう言う。

 彼の眼は、寝ぼけ眼で半分しか開けていない。

 ジャネットに起こされるまで、ずっと、眠りについていたのだ。

「何故儂を起こしたのじゃ?」

「真之勇気という少年の力になるためです。

 白鳥羽心という少女が鈴を振った事で、彼の相棒であった幽霊は消えました。

 彼は、二重に苦しんでいる事でしょう」

「……それで呼び出したのじゃな」

「はい。……命じます、どうか勇気の力になってください」

「仕方あるまい。お主がそう言うのならば、行ってやろう」

 チェイニーは渋々ながらも、ディアーナ達に協力する事にしたのだった。

 

「これからよろしく頼むわよ、チェイニー」

「ああ! 力になってやろう!」

「いっしょにがんばろうね、チェイニーおにいちゃん!」

 

 一方その頃、真之勇気側は……。

 

「うううっ」

 目の前で幼馴染の勇気がのたうちながら泣いている。

(もしかして、私は騙されたの?

 勇気を助けるつもりだったのに、私は逆の事をしてしまったの?)

「そんな……私、私は……!」

 羽心はどうしたらいいか分からなくなった。

「勇気! 勇気!」

 羽心が立ち上がろうとすると身体がふらついた。

 這ってでも勇気の傍に行きたかったが、足下がおぼつかない。

「勇気! ごめんなさい! 私はきっと酷い事を……」

 羽心は前に歩くつもりだったが、足がよたついて路面に落ちていた鈴を蹴った。

「あ!」

 羽心は身を竦めたが、後の祭りだ。

 清らかな音は、勇気にとっては忌まわしい響きでしかない。

 めそめそと泣いていた勇気は、とっさに両手で耳を塞いだ。

やめて! やめてくれっ!

 勇気は耳を塞いだまま立ち上がると、夜の通りを脱兎の如く走り去った。

待って! 勇気! 勇気!

 羽心は叫んだが、長年の友達の背中は闇の中にあっという間に消えた。

 

「勇気……ごめんなさい」

 今度は羽心が泣き崩れた。

 物心ついてからこんなに泣いたのは初めてだった。

 羽心は涙を堪えようと膝を抱えた。

 そして、ふと気づいた。

 勇気のいた場所に、何かが落ちているのを……。

 

「勇気! どうしたの?」

 看護師の母親は、幸運にもその夜、仕事が入っていなかった。

 扉を開けた母親の胸に、勇気は飛び込んだ。

 温かい胸に顔を埋めるといくらか安心した。

 しかし、せきを切ったように感情が溢れ出してくる。

 涙が止めどなく流れて、肩を震わせて勇気は泣いた。

 母親のシャツが勇気の涙でみるみる濡れていく。

「お母さん、ごめんなさい。ごめんなさい」

 何故か何度も謝った。

 母親のシャツを汚してしまったからではない。

 今までの事やキユウの事を、どう説明すればいいのか分からなかったからだ。

 キユウの姿は、自分とディアーナ達以外には誰にも見えていなかった。

 そんな見えない友達と、メデューサやネッシー、ドラキュラと戦って、

 見捨里市を守ったなんて、誰が信じてくれるだろうか。

「ごめんなさい。ごめんなさい」

 勇気は同じ言葉を繰り返す事しかできない。

 それがもどかしくて、情けなかった。

 そして、大切な仲間を失った事が、何よりも辛かった。

 そんな勇気の頭を母親は優しく撫でてくれた。

「何があったか分からないけど。大丈夫よ。よしよし、大丈夫だからね」

 母親は何も分かっていないだろう。

 だけど、その言葉で勇気はやっと気持ちが落ち着いた。

 どっと疲労感が全身に広がり、意識が遠くなる。

 深い深い底なし沼の中に吸い込まれていくような感覚が襲ってきた。

 

 夜の道を歩いていたディアーナ、ノノ、チェイニーは、泣いている羽心と出会った。

女子(おなご)が泣いておるのう」

「ちょっと、あなた! 何があったのよ!」

「じ……実はね……」

 最初は見下していた羽心だったが、泣いている彼女を見て、放ってはおけなかった。

 羽心は泣きながら、ディアーナに説明した。

 

 少女説明中……

 

「勇気が目に見えない悪霊に取り憑かれていると思って、慌てて鈴を振った結果がこれなのね」

「うん……勇気を救うために、悪霊を払いたくて……でも……」

「おねえちゃん……」

「あの包帯の少年に騙されたとはいえ、キユウが見えなかったとはいえ、

 私はなんて事をしてしまったの……!」

 ディアーナの言う通りだ。

 羽心は黒い鈴を振って、勇気の友であったキユウをこの手で消してしまった。

 その事を羽心はとても悔やみ、勇気と同じように泣いた。

 目の前にいる長身の女性とスキンヘッドの男はどこか威圧感があり、

 羽心はそれに竦んで、それ以外の事は何も言わなかった。

 だが、長身の女性――ディアーナは意外な言葉を言った。

「でも、あたしはあなたに責任は取らせないわ」

「どうして?」

「あたしにはあなたの気持ち、分かる気がする。ちゃんと、自分の罪を認めたんだから」

(まこと)に悪しき者は、自身の罪すら認めぬからな。

 それに引き換え、お主は自身の罪を認めたのじゃ。儂はお主を許してやろう」

「でも、あなた達が許したって勇気が許すわけないでしょ!」

 だが、羽心を説得するには至らなかった。

 困ったディアーナ、ノノ、チェイニーだったが、

 その時、チェイニーが羽心に手を伸ばし、鋭い声でこう言った。

こんな事で泣くとは、情けない!

 お主の幼馴染の勇気は言うほど弱くはない!

 それを証明するためにも、儂と共に行くがよい!

 チェイニーは、沈んでいる羽心を叱咤激励した。

 一見気難しく見えるチェイニーだったが、話してみると、意外と気さくな男だった。

 泣き止んだ羽心は、彼を信じて、チェイニーの方に手を伸ばした。

 チェイニーの手は、ごつごつとして固かったが、ぬくもりがあった。

 

「……ところで、お主の名は?」

「白鳥羽心よ。あなたは?」

「儂はチェイニーじゃ」

 

 翌日、自分のベッドで目覚めた勇気は、窓に射し込む光の強さに違和感を覚えた。

 日曜日でも、こんな日差しの中で目覚めた事はない。

 机の上の時計を見るとお昼が近かった。

 とっくに学校の授業は始まっているが、起き上がる気になれなかった。

 階段を上ってくる足音が聞こえ、やがて母親が入ってきた。

「あら? 目が覚めた?」

「お母さん……」

 母親は勇気の机の上に目玉焼きやサラダの載ったトレーを置いた。

「しっかり食べないと元気にならないわよ。食べてね。

 それと、学校には休むって連絡を入れておいたから。心配しなくて良いわよ。

 でも、今日は病院が忙しくて、どうしてもお休みが取れないから出かけるけど許してね。

 あの病院、看護師の数を増やして欲しいのよね。じゃ、今日はゆっくりしてなさいよ」

 母親は一気に喋ると、部屋から出て行こうとした。

「お母さん、待って。学校にはなんて連絡したの?」

「あ、遠いところに住んでるお祖父ちゃんが亡くなったって伝えた。

 往復に二日はかかるから、三日間は休みますって言っておいたから」

「でも、お母さんのお祖父ちゃんも、

 お父さんのお祖父ちゃんもずっと前に亡くなってるんでしょ?」

「学校には分からないわよ」

 そう言うと、母親は再び部屋から出て行こうとした。

「ねえ、お母さん、昨日、何があったか知りたくないの?」

 扉の外に出ようとしていた母親はゆっくり振り返った。

「お父さんに仕事の事を尋ねても、私には全然理解できなかったからね。

 だから、尋ねるのを止めちゃったの」

 そして母親はにっこりと微笑む。

「勇気、あなたはお父さんの子よ。最近、お父さんにとても似てきた気がするの。

 昨日の事を詳しく教えてくれても、きっと私には理解できないと思う。

 じゃ、仕事に行かないと」

 母親は、階下にせわしなく下りていった。

 考古学者だった父親は世界の不思議な事柄を調べていたが、10年前、出張中に事故死した。

 小さかった勇気は父親の記憶がないし、母親に「似てきた」と言われてもピンとこない。

 それに、そんな事は今の勇気にはどうでもいい事だった。

 今はとにかく休みたかった。

 何も考えたくなかった。

 勇気は再び眠りに落ちた。

 

 勇気は夢を見た。

 スマホで倒したメデューサ。

 崖から落としたネッシー。

 説得をした雪女。

 ヘリウムガスの缶を飲ませたツチノコ。

 油の凝固剤で機能停止させたフラットウッズ・モンスター。

 キユウと一緒に戦ってきた『怪狩り』の様々な記憶が夢に現れては消えた。

 それらはキユウ(と仲間達)がいたから倒せたのである。

 だが、キユウはいなくなってしまった。

 

「ゆ、勇気……君が……ディアーナ達と……一緒に……この町を……守る……んだ……」

 

 突然、キユウの最後の言葉が夢の中に響いた。

 はっと目を覚ました勇気は呟く。

「僕とディアーナ達だけじゃ無理だよ」

 

 そして、一日が経った。

 勇気は何もする気が起きず、ベッドの中でほとんどを過ごしていた。

 

「ゆ、勇気……君が……ディアーナ達と……一緒に……この町を……守る……んだ……」

 

 キユウの言葉が何度も思い返されていた。

 家の前の道を子供達のお喋りが通過していく。

 夕方の小学校の下校時間だった。

 母親がお祖父ちゃんの葬儀で三日間は休むと学校に伝えたから、今日までは休めた。

 でも、明日には学校に行かないとならない。

 だけど、そんな事ができるだろうか?

 勇気は布団の中でもぞもぞと身体を動かすと、マットの隙間に手を差し入れた。

 そこに、太陽のマークのついたレザーグローブを隠していたのだ。

 母親には見せたくなかった。

 それを手に取ると、再び仰向けになり顔の上にかざして眺めた。

「月のマークのついたキユウのグローブはどこに行ったんだ?」

 キユウが煙となって消えた夜の事は思い出せなかった。

 あまりにショックが大きすぎた。

(もしかして書斎に……?)

 ふと思い立ち、勇気は久しぶりに自分の部屋から出る事にした。

 

 勇気は二階から一階への階段を下りると父の書斎へ向かった。

 今日は、母親は仕事に行っていて、家には勇気一人だった。

 半地下になっている父の書斎に入るために、短い階段を下りた。

 骨格標本や動物の剥製、呪いの宝石や人形などが飾られた父の書斎。

 本棚には世界の密教や呪術の研究本から、

 超常現象、心霊現象などの書籍がぎっしりと並んでいる。

 以前は怖くて入れなかった部屋だったが、

 キユウと出会ってからは様々な世界への入り口になった。

 部屋を見回していると、何故かキユウがいるような気がした。

「ねえ、キユウ、君のグローブはどこにやったの?」

 そう問いかけてみたが、返事はなかった。

 ポンッと太陽のマークのグローブを木製の机の上に乱暴に置いた。

(僕一人で、見捨里市を守るなんて無理だ。ディアーナだって……)

 肘掛けの付いた父親の椅子にドスンと座った。

 

 家のチャイムが鳴った。

 勇気は出る気はなかった。

 何しろ、お祖父ちゃんの葬儀で遠いところに行っているはずなのだ。

 ところが、チャイムはリズミカルに鳴り続ける。

(この鳴らし方は……)

 そう思って身構えていると案の定、羽心の声が聞こえてきた。

「ねえ、勇気、いるんでしょ? お祖父ちゃんの葬儀だなんて嘘でしょ?」

(羽心があの鈴さえ振らなければ……)

「羽心、ごめん」

 勇気は両手で耳を塞いだが、またチャイムが鳴った。

 書斎の中の勇気は、羽心が諦めるまで耳を塞いで椅子に座り込む事にした。

「いるんでしょ? 昨日も来たんだけど出てくれなかったよね。電話をしても繋がらないし」

 玄関のドア越しの羽心の切実な声が、開け放たれた書斎のドアの中にも響いてくる。

 羽心の声は通りが良い。

 勇気の塞いだ耳にも、かすかながらに侵入してくる。

「ねえ、私、謝りたいの。でも、よく分からない事ばかりだからさ。

 どう謝ればいいのか分からないの。お願いだから、ちょっとでいいから教えて欲しいの」

「彼女は既に説得したぞ。その扉を開けよ!」

 羽心の言葉が突然途切れた。

(諦めたの?)

 勇気は耳を塞ぐ両手を緩めた。

 ところが、玄関のドアを通して羽心の声が再び響く。

「あのさ、これ持ってきたんだ。黒い鈴。音が出ないようにテープで留めておいた。

 でも、これって、凄く貴重なものなんじゃないの?

 何か凄い秘密が隠されてるんじゃないの?」

 しかし、勇気はあの黒い鈴を二度と見たくない。

「もう、止めてくれ!」

 勇気は小声で叫ぶと再び耳を塞ごうとした。

 しかし、羽心の次の言葉でそれを留めた。

「後さ、手袋が落ちてたから、それも持ってきたんだ」

「手袋だって?」

 書斎の中の勇気は思わず呟いた。

 勇気が玄関のドアを開けると、羽心は笑顔になった。

 彼女の隣には、ディアーナ、ノノ、そしてチェイニーがいた。

「やっぱりいたんだ! それに思ったより元気そうだよね! 良かった!」

「心配しておったぞ、羽心が」

 いつもの羽心の強引さに、勇気は小さく溜息をつく。

「それよりも手袋って?」

「あ、これよ」

 羽心はランドセルの中から、透明のビニール袋に入った手袋を出した。

 それは、月の羅針盤が付いたレザーグローブだった。

「間違いなくキユウのだ」

 グローブを受け取って思わず呟く勇気に、羽心がすかさず質問を投げかける。

「ねえ、そのキユウって言うのが、勇気に取り憑いていた幽霊なんでしょ?」

 キユウが煙になってしまった要因を作った羽心に、勇気はまともに答える気はなかった。

 それを察した羽心は次の質問を繰り出してくる。

「あの包帯の少年は、私にも特別な力があるみたいだって赤文字で言ってたけど、

 それってどういう事なの?」

 勇気も邪鬼のその言葉が引っかかっていたが、それは勇気にも分からない。

「さあね。とにかく、もう用は済んだだろ」

「あ、ゆうきおにいちゃん!」

 勇気はそう言うと、玄関のドアを閉めた。

「ちょっと待ってよ。この黒い鈴はどうするの?」

 羽心はドアをドンドンと叩いたが、勇気は無視した。

「ねえ、明日は学校に来るの? ねえ、勇気!」

 玄関のドア越しの羽心の声を気にせず、勇気は書斎に入った。

 そして、書斎のドアも閉めた。

 もうこれで羽心の声も聞こえない。

 勇気はビニール袋の中から漆黒のレザーグローブを出すと、

 机の上に置いてあったもう一つのグローブの脇に並べた。

 勇気は何かを期待して左右が揃ったグローブを見つめる。

 勇気が嵌めていた太陽の羅針盤のグローブと、キユウが嵌めていた月の羅針盤のグローブ。

 半地下の書斎の窓は壁の少し上の方にある。

 そこに夕日が射し込んできた。

 太陽を覆っていた雲が晴れたのだ。

 そのオレンジ色の光が左右のグローブに降り注いだ。

 太陽と月の羅針盤が美しく輝いて見える。

「え?」

 勇気がちょっと驚いたのは、二つの羅針盤の針が動いた気がしたからだ。

 太陽と月の羅針盤が、お互いを意識し呼び合っているように感じられる。

 それを見て勇気は微笑んだ。

 何故か自信が湧いてきたからだ。

 とても小さな自信だが、これからも何とかやっていけそうな気持ちになってきた。

 何故なら。

 

(きっとキユウは見守ってくれてるんだね)

 これからも自分の住むこの町を守っていけるかもしれない。

 何とかなるかもしれない。

 そう思えたからだ。

 勇気は明日、学校に行こうと決意した。




~次回予告~

見捨里市で、金の粉が舞い散るという不可解な現象が起きた。
これは、本当に怪の仕業なのだろうか?
しかし、キユウがいないため、怪の正体は分からない……。
果たして、勇気はキユウ無しでも怪狩りができるのだろうか。
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