本編では女性キャラの扱いがあまりにも悪いので、こういう小説を書きました。
魔女っ子マギ・プリズム
ここは、日本のどこかにある見捨里市。
その名の通りミステリーな場所であり、ちょっと変わった事件が起こる事で知られています。
白鳥羽心はこの町に住む12歳の女の子。
弓道に長け、命中率はそれなりに高いようです。
「羽心ちゃん、上手ね」
「えへへ、ありがとうございます」
同級生に褒められた羽心は、ちょっぴり顔が赤くなりました。
ですが、これで慢心しては腕が鈍ってしまいます。
羽心が弓を構え、もう一度、的を狙おうとした時。
「な、何、今の音?」
突然、地震が発生しました。
「うわー! ば、化け物ー!!」
「助けてーーー!!」
会場の外から悲鳴が聞こえました。
羽心は「ちょっと待って」と言って弓を置いた後、悲鳴が聞こえた現場に向かっていきました。
「助けてぇーーーーーー!!」
「勇気!!」
見ると、羽心の幼馴染、真之勇気が謎の魔物に捕らえられていました。
勇気はもがいていますが、魔物はがっちりと彼を掴んでいます。
魔物の前には、たくさんの人々が倒れていました。
きっと彼らは魔物に倒されてしまったのでしょう。
「そこの化け物! 勇気を今すぐ離しなさい!」
「我を化け物と言いおって。我が名はバアルなり」
魔物はバアルと名乗った後、勇気を掴んで空高く飛びました。
「バアル! もう一度言うわ、今すぐ勇気を離しなさい!!」
「そうはいかん、これから執り行う大事な儀式のために必要なのでな……さらばだ」
「いやぁーーーーー!!」
「待ちなさーーーーい!!」
羽心はバアルを追いかけますが、バアルは魔物を放った後、空高く飛んで去っていきました。
「ケケケ! バアル様には近づけないぞ!」
「くっ……どうすれば……」
羽心は生身で魔物と戦う事ができません。
魔物はじりじりと、羽心の前に近付いていきます。
「ゲーーーーーーッ!!」
「きゃああああ!!」
魔物が羽心に飛び掛かってきた、その時。
「そこまでだ、悪しき魔物ども!!」
「ゲッ!」
小さな妖精が魔物に向かって強い光を放ちました。
光を浴びた魔物は怯み、その隙に、妖精は羽心のところに行きました。
「キミの名前は?」
「し、白鳥……羽心」
「羽心ちゃんだね。ボクは魔法の国の使者。
実はキミに、この町を守ってもらうために魔女っ子になってほしいんだ」
「わ、私が魔女っ子に……?」
町を守るために、魔女っ子になれと言われた羽心。
戸惑う彼女でしたが、そうしている間に魔物はゆっくりと起き上がり、
羽心を攻撃しようとしました。
「隙ありー!!」
「羽心ちゃん! この腕輪を身に着けて『マギ・プリズムライト』って叫んで!」
妖精から腕輪を渡された羽心は、意を決して呪文を唱えました。
「マギ・プリズムライト!!」
呪文を唱えた瞬間、腕輪についた宝石から白い光が放たれ、羽心を包みました。
「な、なんだこの光は……!」
光が消えた後、羽心はフリルがついたセーラー服を模した衣装を身に纏い、
手には弓を持っていました。
弓道で使いそうな弓ですが、それよりも小さく、ファンシーでした。
「これは……?」
「さあ、弓を引いて、あいつを撃つんだ!」
「わ、分かった……!」
羽心は弓を構え、魔物に狙いを定め、矢を放ちました。
すると、矢は光に変わり、魔物を貫きました。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
光の矢に貫かれた魔物は悲鳴を上げ、黒い煙になって消滅しました。
戦いを終えた羽心は、元の格好に戻りました。
「おめでとう、炎の魔女っ子・ウララちゃん」
「わ、私が魔女っ子?」
急に魔女っ子として町を守る事になった羽心は戸惑いました。
ですが、魔王に勇気がさらわれたという事実は変わりません。
「でも……私、勇気を助けたいのよ。町を守るなんて、そんな……」
「勇気って?」
「私の幼馴染よ。勇気、魔王にさらわれちゃったの。だから、私が助けに行かなくちゃって」
魔王にさらわれた幼馴染の少年を助けたい。
それが、羽心が戦う理由の一つでした。
「ご存じのようだけど、
この世界にやって来た魔物は魔女っ子に変身しないと攻撃が効かないんだ」
「分かったわ」
「魔王バアルには四人の配下『四天王』がいる。こいつらをやっつければ魔王の道が開かれる。
でも、四天王に一人で挑むのは危険だから、まずは仲間を探してこよう」
「そうね! 勇気……待っててね、絶対に助けるから!」
こうして羽心は、さらわれた勇気を助けるため、魔女っ子としての使命を負いました。
羽心が見つけた魔女っ子仲間は、雷の魔女っ子・蒲谷亜衣、
水の魔女っ子・桐谷花恋、風の魔女っ子・黒木桜の三人です。
彼女達を仲間にした羽心は、四天王が居を構える場所に行きました。
四人の連携によって四天王とその配下の魔物は次々に倒れ、
ついに四人は魔王バアルが待つ城に辿り着きました。
「勇気!!」
空中に浮いていた勇気は、虚ろな表情をしていました。
どうやら、敵の術にかかってしまったようです。
「こやつは相当な力を秘めていてな。魔界と地上を繋ぐ扉を完全に開く事ができるのだ」
もし魔王バアルの力で魔界の扉が開いてしまえば、地上は魔物で埋め尽くされてしまいます。
そうはさせまいと、羽心、亜衣、花恋、桜は身構えましたが、魔王バアルは笑っています。
「四人だけで我に勝てると思っているのか? 絶大な力を持つ、この魔王バアルに?」
「確かに一人じゃ敵わないと思うけど……みんなで力を合わせれば、勝てるわ!
絶対にこいつを倒して、勇気を助けるわよ!!」
流石に魔王と呼ばれるだけあって、魔女っ子達は魔王バアルに苦戦しました。
あらゆる属性の魔法を使えるため、弱点を突いたり突かれたりしました。
ですが、魔女っ子達は決して諦めず、隙を伺いながら魔王バアルを攻撃しました。
「これで終わりよ、マギ・プリズム・シュート!!」
「ギャアアアアアアアアアアアアア!!」
そして、羽心の矢が決め手となり、魔王バアルは叫び声を上げ、黒い煙になって消滅しました。
ついに羽心は勇気を助ける事ができました。
四人の魔女っ子は魔界に繋がる扉を閉め、見捨里市に平和が戻りました。
「なんて小説を書いてみたんだけど、どう?」
そう言って、ディアーナは自分が書いた小説を羽心に見せる。
タイトルは「魔女っ子マギ・プリズム」だった。
「私が活躍してるからこれはこれで面白いわ」
「でしょ。変身ヒロインは酷い目に遭いやすいから、こういう小説を書いてみたかったの」
パチン、とウィンクするディアーナ。
「ディアーナさんって文章の才能があるのね」
「そうね。出版はしないけど、たまにこういうのを書くわよ」
「今度、花恋ちゃんに読ませようかしら」
ちなみに、この小説の魔女っ子は、このような武器を使います。
白鳥羽心:弓と炎魔法
蒲谷亜衣:格闘技と雷魔法
桐谷花恋:短剣と水魔法
黒木桜:槍と風魔法
次回は6巻編となります。
ジャネットも出陣し、物語はクライマックスに……?