ヤマトよ永遠に外伝 暗黒星団帝国残党軍掃討戦 作:坊主06151
あの暗黒星団帝国の地球占領、そして特務艦ヤマトによる敵本星の電撃崩壊も、宇宙の長い歴史から見れば、ほんの僅かな争乱に過ぎなかった。
時に、西暦2208年―――
《第九外周艦隊 先遣艦『キヌガサ』艦橋》
「間もなく、アステロイドベルト宙域に到達。半径5光秒内に敵影認められず。」
電探士がそう告げると、艦長は少し顔を緩ませる。
「公開予定ノ40ぱーせんとヲ消化シマシタ」
AU型自立サブコンピュータも航海が無事に進んでいることを報告した。
デザリアム戦役後は、直接地球を強襲され、地球付近に集中していた戦力を事実上無力化されるという事態をを防ぐため、太陽系の各惑星ごとに強力な外周艦隊、基地航空隊、監視衛星が増備され、特に絶対国防圏である火星宙域には、最も多くの艦隊が配備されていた。
航路の安全が確認された為、第九外周艦隊所属の各艦が続々とワープアウトして来る。
「地球も大分復興してきたようですね。」
超弩級戦艦 1、弩級戦艦 5、重巡 6、軽巡 8、駆逐艦 12という、外周艦隊としては異例の大艦隊を見て、『キヌガサ』戦術長は言った。
「今回の戦役では艦隊の損失が少数で済んだからな。しかし、地球に残った多くの優秀な将兵を失ってしまった…」
と艦長が無念の思いで遠くの宇宙を見つめているのを他所に、事態は急転する。『キヌガサ』に試験的に搭載されたスーパーチャージャー直結型レーダーが未確認飛行物体を捉えたのだ。
「艦隊2時方向に未確認飛行物体発見!これは…暗黒星団帝国です!!」
電探士はすぐにデータベースに検索をかける。
「先程の未確認飛行物体はカペラ型重戦闘機です。」
このデータはヤマトが長きに渡る航海で得たものだった。
「全艦、第一種戦闘配置!全隔壁閉鎖!3分で完了しろ!」
艦長が的確に指示していく。流石は新装備が搭載される程の艦である。兵の練度は高く、一種のオーケストラのそれのような動きで、僅か2分強で配置完了との報告が入った。
しかし、そんな慌ただしい『キヌガサ』には目もくれず、敵機は悠々と艦隊前方を飛び去って行った。
「敵機、捕捉圏外に離脱した模様です…」
電探士がそう告げると、乗員一同は安堵した。それを察した艦長が
「気を抜くなっ!!」
と一喝する。
「本隊の旗艦『オワリ』に打電。『我、敵機発見セリ。敵機ハ離脱。指示ヲ乞ウ。』だ。」
「了解。………打電しました。」
「よし、全艦、戦闘配置のまま待機だ。」
「何!?正体不明の敵艦隊に探知されただと?そんな意味不明な報告があってたまるか!」
暗黒星団帝国残党軍、ンドレス司令は憤慨していた。なぜなら、彼の艦隊は地球に向かって侵攻しており、その偵察機が地球艦隊かも分からぬ相手に探知されたからだ。仮にそれが地球艦隊だとすれば、太陽系付近にまで残党軍が接近していることが知れてしまう。弾薬が枯渇し、士気も下がっている残党軍では地球艦隊には最早奇襲以外では勝ち目がないことは分かっていた。
続く…