ゴブリンスレイヤーTAS 半竜娘チャート(RTA実況風) 作:舞 麻浦
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●前話:
紅玉等級に昇級! 技能も成長! そして……冒険者レベル、まーっくす!!
1.幼竜長女の「辺境の街の何でもない日」実況
はいどーも!
お母さまの可愛い初の
え? この口上?
つぶれたパンみたいな精霊さんから教えてもらいました!
上手にできると、天上の神様がお声がけしてくれると聞きました!
私は、生まれた直後に、地母神様の奇跡で生み出された水を吸って卵を膨らませたので、恐るべき祖竜さま方よりは地母神様の気配を身近に感じるんです。
地母神様にも届くといいなあ。
え? いつもの間延びした口調はどうした?
あれは実は、口の回転が考えてることについていかないからなんですよね……。
つぶれパンの精霊さんの言うことには、こっちはうまく神様たちの方まで繋がって覗いてくれてたら思念直通? らしいので、実際の口調とは少し違うように聞こえてると思います。いえ、自分じゃ確認できないんですが。
それに喋る方は、只人の方たちにも聞こえる速さに調整するのってまだ難しくって。
実際、姉妹間やお母さまとは大体はもっと短い区切りの音でピピピピチチチチって会話しています。*1
あ、それで、えーと、今日はですね、お母さまたちや私たちの日常を、レポートしてみたいとぉぉぉ、思いますっ!
先ずは朝の日課からですね。
今日は晴れているので、日向ぼっこして陽を浴びながら朝の御勤めです。
おひさまはぽかぽかして気持ちが良いです。
天地万物と生命の循環、大地の恵みに思いを馳せ、祈りを捧げます。
お母さまとその分け身は大いなる祖竜の特に慈母龍様に、知識神官のお姉さんは知識神様に、あとたまにエルフのお姉さんも交易神様に御祈りを捧げています。
私たち三姉妹も、見様見真似で祈祷します。あ、私には妹が二人います。三つ子なんですよ。
何度かお母さまの分身の残影と《
……あんまり繋がりすぎると、影響を受けすぎて良くないと思いますけど。
適応生存のためにも、多様性は大事です。
それに、お母さまの知識経験に触れているのに、それと全く同じ道筋をたどっては、私が面白くないですからね。
未知を探求してこその人生―― 竜生だと思うんです。
しかも私たちは三つ子ですから、それぞれ差別化しませんと!
というわけで、地母神様~、地母神様~、いと慈悲深き地母神様~、お恵みに感謝します~、生きとし生ける地に満ちるものどもに祝福を~。
って感じでお祈りします。
まだまだ集中力が長くは続かないので、集中が切れたら、他の姉妹と一緒に追いかけっこしたりしちゃいますけど。
樫人形さんたち相手に組手の真似事したり。木人拳!
見るもの触れるもの全て新鮮で……たぁーのしぃーー!!
知識で知るだけではダメなんですよね、やはり。
とかやってるうちに、御勤めは終わりにして、お母さまズと知識神官のお姉さんが訓練用の武器防具で訓練を始めます。
お母さまの強靭な鱗にも憧れますが、盾を構えるお姉さまもカッコいいなあ。
……響き渡る音は、がっつんがっつんというよりも、ドゴン! ドパン! って感じですが。
ここが郊外でなければ、ちょっとご近所に迷惑かもしれませんね。
朝食前の模擬戦をやってると、圃人のお姉さんも家から出てきて加わります。
下の妹なんかは、ひらひら避けまくる圃人のお姉さんの動きに見惚れることが多いみたいです。
スッと行ってドスッとやるのがスマートなんだとか。生まれて一年もたっていませんが、三つ子でもちょっと個性が分かれてきてて面白いところです。
ひと段落したら、朝ごはんです。
昨日の残りを温めたり、地母神様の【聖餐】の奇跡が込められた魔道具でご飯を出して食べます。
育ち盛りの私たちは、お肉やチーズを体の大きさの割には多めにいただきます! 甘露!!
そしたら私たちは日向ぼっこしながら食休みです。
消化して栄養にするのにも体力を使いますからね。
外の畑をエルフのお姉さんが精霊さんにお願いしてお世話してもらってるのを眺めたり、
私たちも精霊さんたちに遊んでもらったりします。
このまえ、エルフの御姫様の結婚式に行ったときに、エルフさんたちから精霊との遊び方について教えてもらったので、最近はもっと仲良くなれた気がします!
当番だと、この間に食器の片付けをしたり、昼食の準備もしたりします。
今日は知識神官のお姉さんが当番ですね。
上の妹が手伝いに行きました。
え、私ですか?
私は、精霊さんと遊ぶのに忙しいので!(キリッ
お母さまや圃人のお姉さんたちは、呪文書を読んで真言呪文を復習したりもします。
真なる力ある言葉は、本来は人の身には過ぎたものだそうで、頻繁に覚え直さないと脳や魂から揮発してしまうのだとか。
軽くお昼を摘まむと、圃人のお姉さんが用心棒のお仕事に行くとかで出かけるので、ついでに街までついていきます。
お母さまは、午後は大体、工房や書庫で研究をしています。あとは、研究が行き詰まった気晴らしに冒険者訓練所で新人さんたちを転がしたり。
私たちも時々研究を見せて貰いますが、まだまだ何をしているか分からないことが多いですね。
やがてはそちらのお手伝いもしたいんですが。
最近は【竜翼】の祖竜術の発展形で、他の肉体変容―― 例えば水中移動用の
あとは、冒険で使った【竜血】のポーションの補充とか、他の冒険者さんからも依頼されてる納品用のポーションを作ったり。
大叔父様からも幾つか依頼されているので、今日もお母さまの分け身は血を抜かれては消滅して……という感じですね。
あれを見てると、【
それに私たちはただでさえ三つ子なのに、さらに分身が増えたら同じ顔が6つで収拾がつかなくなりそうですし。捨て駒にしたら実は本体の方だった、とか、やっちゃいそうです。
街に行くときは、エルフのお姉さんから手紙を預かることも多いです。
商売の関係のお手紙だとか。
エルフのお姉さんは、あれで結構筆マメみたいです。
商売に精を出すのが交易神様への信仰の示し方だからでもあるみたいですが。
今日のお手紙は、この間のエルフの御姫様の結婚式に持参できなかった贈り物の手配のためのものらしいです。
責任重大ですね! 今度行く海の宝探しでも良いものが見つかれば、御姫様に献上するんだとか。
私たちからのお礼の手紙も一緒に送ってくれるそうなので、私も妹たちと一緒に書きあげました。
というわけで、街への道すがら虫を追いかけたり、空中殺法で木に登ったりしつつ、街に到着です。
このあいだは姉妹三人で役割分けて踏み台役の手を踏んで木の枝に投げて上げて貰って、上に行った方は次の子を引き上げるっていうコンビネーションもやりました!
お出かけ楽しい!
街に着いたら圃人のお姉さんとは別れて、地母神様の寺院にも顔を出します。
お祈りして、少し葡萄畑や寺院の掃除のお手伝いもして、孤児院の子たちと遊んだり―― 追いかけっこでコンビネーションジャンプして寺院の屋根に登ったら怒られちゃいました……――、シスターさまからお話を読んでもらったり―― 神様や四方世界の成り立ちのお話です。お母さまの祖竜信仰とはまた違って面白いです――、お昼寝したりしていると、日が傾いてきます。
お母さまと一緒に街に来るときは、買い物したり、下水道の掃除を手伝ったりすることが多いですね。
といっても、お母さまの肩とか頭に乗って一緒に行くだけですけど。少しは荷物持ちなんかもあるかな?
地下水道ではお母さまが召喚した精霊さんとか竜牙兵さんとかに守ってもらうこともあります。
あとは屋台で買い食いとか! 公衆浴場に行ったりとか。
エルフのお姉さんは、“ろーぐぎるど”ってところに行ったりもしてるみたいですが、さすがにまだ私たちには早いので連れて行ってはもらえません。
今日は地母神寺院に来ましたが、エルフのお姉さんと一緒の時は、牧場に預けてる鱗のお馬さんのお世話に行くこともあります。エルフさんはお馬さんが好きなんですね。
お母さまの使い魔なんだそうで、私たちにも馴れてくれるかわいい子たちです。……まあ、お母さまは身体が大きくなりすぎたせいで、もう跨ることはできないのを残念そうにしていましたが。
散歩の為にと私たちも乗せて牧場の周りを一回りしたり、その途中でエルフのお姉さんが鳥を射落として牧場のお姉さんにお裾分けをしたりします。いつもお馬さんをお世話してもらってるお礼なんですって。
私たちも牧場の牛さんたちのお世話を手伝ったりしますよ! だってチーズが貰えることがありますからね!
夕方の待ち合わせは冒険者ギルドでと決めています。
預かっていた手紙を、配達依頼の代金とともに預けて、水の精霊さんから“おいしいみず”を頂いて待ちます。精霊さん、ありがとうございます。でも“しゅわしゅわ”はまだ早いので遠慮しておきます。
待ってる間は、
あとは字の練習とかお絵かきとか。
暇してる新人さんたちに遊んでもらうこともあります。至高神の聖女見習のお姉ちゃんとか。
とにかく邪魔にならないようにおとなしくします。ここはお仕事の場所ですからね(キリッ
最初のころは邪魔くさそうに見られたりとかしましたが、そこは愛嬌と愛想で溶け込みました! 圃人のお姉さんからもその辺は合格点を貰えましたよ! あざとい、そうです。誉め言葉なんですよね?
でも気になったものについつい近づいちゃうのはご勘弁を。何でも気になるお年頃なので。
依頼から帰ってきた冒険者さんたちに「「「 おつかれさまでした~! 」」」とかねぎらいの言葉を投げつつ、ときどき武勇伝を聞いたりもします。
戦利品を広げてるのをキラキラした目で見てたら、結構な冒険者さんたちが語ってくれますね。
これもここに来る楽しみの一つです。
槍を持ったお兄さんはなんだかんだで優しいですね。
ちゃんと“れでぃ”扱いしてくれてるような気がします。
その相棒の魔女さんは御綺麗なので好きです。特に、呪文に興味がある上の妹が懐いています。
私は地母神の巫女のお姉ちゃんと至高神の騎士のお姉さんが好きです。
巫女のお姉ちゃんは地母神様の気配みたいなのが濃い気がして安心しますし、騎士のお姉さんの鎧や盾はカッコいいですからね!
下の妹はだいたい、いの一番に大叔父様の方に近寄って登っていきますね。
一番蜥蜴人らしい思考をしているような気がします。
生肉とか血とか、私や上の妹よりも好きみたいですし。いえ私も心臓は美味しいと思いますけどね?
とかやってるうちにお母さまが迎えに来てくれました。
ので、早速登ります。
一番大きいので登りがいがありますね! 高いところからの視点は、下を歩くのと違った景色で楽しいです。
お母さまは【竜血】のポーションを頼まれた冒険者たちに渡したりしています。
大叔父様にも一式をお渡ししているみたいですね。
あ、大叔父様といえば、巨大化がクセになったみたいで、【
気持ちは分かりますけどね、ええ。
私たち姉妹も、巨大化して腕を翼に変えたお母さまの背に乗って空を飛ぶのは楽しいですし、やはり蜥蜴人として生まれた以上は、竜になりたいという欲を持つのは、これはもう本能からのものなのでしょう。
お母さまの研究が進めば、呪文を封じたスクロールを作ることもできるようになるそうですが、まだまだ夢の世界での研鑽が必要なのだとか。
夢の中でも修行とか尊敬しますが、ちょっと私は遠慮したいですね。*2
そして夕飯の材料を買ったり、あるいは大鍋に料理そのものを買って入れて貰ったり。
用事を済ませたら家路につきます。
今日の夕飯は冒険者ギルドの酒場で用意してもらったシチューです!
空間拡張鞄に大鍋ごと入れて持って帰ります。
お母さまと私たちで、かなりの量を食べますからね。なんてったって恒温動物ですから!
お家に帰ってきてみんなでご飯を食べたら、眠くなってくるので素直に寝ます。
寝る子は育つ、です。三姉妹並んで同じ部屋で寝ます。
お母さまみたいな立派な蜥蜴人になるのです……むにゃ……。ZZZzzzz。。。
<『1.地母神さま「良い夢を。幼き竜の子よ」』 了>
100話だったので、というわけでもないですが、閑話でした。次女や三女の視点もそのうちやりたいですね。
Q.幼竜長女ちゃん、生後数か月で大人びすぎでは?
A.蜥蜴人は成長が早いので(魔法の言い訳)。分身残影も接続吸収してますので……。
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原作小説8巻の序盤には