ゴブリンスレイヤーTAS 半竜娘チャート(RTA実況風) 作:舞 麻浦
UA333,333越え、お気に入り2700、評価者数は250……いやあ遠くまで来たものです……応援ありがたやー、ありがたやー! ほんとうに、閲覧、評価&コメント、お気に入り登録、誤字報告、ここ好きタップ、感想記入、いつも皆様ありがとうございます! お楽しみいただけるように精進します!
===
●前話:
青白い光を
未知のエネルギーは大体青く光る(偏見)
※迷宮門前街焼き討ちにより、経験点1500点、成長点3点獲得。各員特に成長はナシ。
===
○半竜娘ちゃんの得意なこと:
固定目標への攻撃・破壊。野外冒険。
△半竜娘ちゃんの苦手なこと:
殺しちゃいけない相手との戦闘。コラテラルダメージが許されない状況、市街戦。閉所戦闘。
===
前話の蒼鱗ドラゴンズによるスカウトの少し前の時系列から再開です。
はいどーも!
バットが打つのはボールばかりとは限らない……、不穏な
前回は迷宮門前街を燃やしたところまででしたね。
その後、海底で見つけた『
ある意味で、10年前に≪死≫がもたらした災厄に対して、大きな節目となる決着をもたらしたことになります。
半竜娘ちゃんは膨大なエネルギーを秘めた『
それにより、肉体の成長制限は解除されエブリイヤー成長期に。また、膨大なエネルギーを運用することで飲食ナシでも体を維持・成長できるようになりました。
このように寝てるだけで強くなれるようになってはじめて、ようやくドラゴンとしては卵の殻が取れたくらいでしょうかね。
迷宮門前街のあれこれに対してどうにか始末をつけた半竜娘ちゃんたちは、この国の王城がある都までやってきています。
辺境の街への復路途上にあるから寄ったということもありますが、深海で得た財宝の換金のためでもあります。空間拡張鞄に詰めた財宝の量は、馬車3台分以上。田舎で捌くのはツラい量です。自分たちで使ったり研究したりする分のアイテムを差し引いても、都でなければ到底捌ききれない質のアイテムが目白押し。
「こういう時に出資してる商会があるのは便利よねー」
「うむ、
王都の立派な門構えの商会から出てきたのは、一党の会計係である森人探検家さん。そして頭目である半竜娘ちゃんです。
後ろでは従業員たちが頭を下げて見送っています。パトロンにして太客ですからね。
商会の多額の出資者であるとともに、今回のように冒険の成果を現金化したり、古代技術の復活のための研究のタネを持ってきたりと、半竜娘ちゃん一党は、この商会のお得意様でもあります。
そもそもこの商会―― 軽銀商会―― の起こり自体が、半竜娘ちゃんが死霊術師としてエルダードワーフの死霊から軽銀の製法(それ自体は覚知神由来のものではありますが……)を聞き出したのが契機でした。
最近の案件においては、異次元の
さて、今回の沈没船の財宝についてですが、いろいろと沈んでいる中から、分身ちゃんの貴い犠牲のもとに稼ぎが多くなりそうなルートを割り出して、特に質の高いものを選りすぐってサルベージしてきたので、まあ、そこそこの領地の運営予算数年分くらいの稼ぎにはなりそうです。まだ査定はこれからなのでかなりおおざっぱな概算の概算になりますが。
おそらく、遠地からの献上品だのを乗せた船がいくつもあの“呪われた船の墓場”には沈んでいたのでしょう。
商会の会頭である女商人―― かつての令嬢剣士―― も、今回の大商いにはとても満足なようです。
単に財宝というだけでなく、失われたはずの文物も多数がサルベージされており、単純な金銭的価値では測れない成果が含まれていました。こういったものは、それを扱う商会の格にも関わってきますから、意外と重要です。
例えて言うなら、ミロのビーナスの失われた腕が出てきたとか、サモトラケのニケの頭部と両腕が見つかったとか、壇ノ浦に沈んだはずの神器が見つかったとか、そういう方面で貴重なものが含まれていたようですね。
もちろんその海域を“呪われた船の墓場”たらしめていた魔道具群も回収してきており、それらはTS圃人斥候ちゃんが慎重に鑑定しているところです。
ものによっては、触れただけ、目にしただけで呪詛がかかるようなものもありますからね。
そういったものに当たったときは、バフを積んだ森人探検家ちゃんの【解呪】で対処するしかありません。即死でない限りは、ですが。
王都の雑踏の中を、森人探検家ちゃんと半竜娘ちゃんの2人はスイスイと進んでいきます。
「それで次は?
「先に冒険者ギルドからじゃのう。報告の時に昇格試験がどうとか言うておったじゃろ」
「ああ、銅等級に上がるんだっけ。わたしは辞退したけど」
「上げて損があるわけでもなかろぅに」
「顔や名前が売れるのがイヤなのよねー。気軽に
ていうか、裏との繋がりを匂わせたら向こうから『再検討しますね』って取り下げてきたわ」
「そりゃ信用商売じゃからのぅ、冒険者稼業 は」
「冒険者兼業の
…………だいたい、そんなすぐに等級上げるつもりなかったのよ。ここんとこ
「森人基準でモノを言わないのじゃ」
「ま、あなたもそのうち分かるわよ、もはや定命から外れつつあるんでしょ?」
「分かるのかや」
「なんとなくねー。わたしは歓迎するけど、
「共に在りたいというのなら、やがて生命尽きるときに心臓を我が身に納めるだけのことよ」
「そりゃあなたはそれで良いでしょうけどね」
「それ以外に何があるのかや?」
「……無敵か。こほん。それでまあ、あなたの昇格試験ねえ」
「いったい何じゃろうなあ」
「これまでの冒険記録から鑑みて足りないと思われる資質・経験を試すんでしょ? やったのは、竜殺し、遺跡探索、攻城戦、野戦築城、魔神殺し、雪山協働、異教鎮圧、新人教導、封印再建、海底探検、迷宮封印、そのほか慈善事業じみた塩漬け依頼処理……。逆にやってないのと言えば……」
「ふぅむ。となるとやっぱり、
「
話しているあいだに、都の冒険者ギルドの大きく立派な建物の前へと到着しました。
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
▼△▼△▼△▼△▼△▼
「というわけで、
「「 ああ、デスヨネー 」」
冒険者ギルドの麗人係官から告げられた内容に、半竜娘ちゃんと森人探検家ちゃんが「予想通りの
折り目正しい麗人係官は、物腰からするともっと上の役職なようですが、部下が休暇を取っているからということで代わりに出てきたとのこと。*1
「冒険記録を拝見いたしました。まさに
手元の資料を見ながら、生来の硬い声音で告げる麗人係官。
「昇格すれば、銅等級―― 高位冒険者の仲間入りとなる訳ですが、上の等級になるにしたがって、その名や信頼度を当てにして、どちらかといえば不得手な仕事が舞い込むことも増えます」
もちろん、最適な冒険者を斡旋するのが冒険者ギルドの役目ですが、と一言おいて、麗人係官は続けます。
「そのため、今回は、貴女があまり受けたことのないタイプの依頼を斡旋いたします。達成いただけるものと見込んでおりますが、達成いただくにしても、その過程によって、今後似たような案件を我々ギルドから依頼するにあたっての参考にしたいと考えています」
今後のための試金石というわけですね。
「あい分かった。それで、市街戦ということじゃが、具体的には?」
半竜娘ちゃんも、ギルドの考えは理解できるため、特に異論は唱えません。詳細を詰めようと先を促します。
麗人係官も、一つ頷くと、依頼票を取り出しました。
「今回の依頼は、冒険者ギルドからのものとなります。あまりないパターンですが、依頼人の裏を洗っていただくことになります」
「ほう。まるで
「必要とされる信頼度がまるで違います。あまり迂闊に同列視なさらないように」
「ああ、すまなんだ」
「……続けます。
裏取りしていただく対象は、ウィズボールチームの『
ここ数か月で、このオーナー氏の出した依頼を受けた数チームの将来有望な冒険者が壊滅しています」
「……罠に嵌めたとかかの?」
「いいえ。今のところはそこまで分かってはおりません。疑惑は、ありますが」
「ふむ、こういった依頼がギルドから出るということは、冒険者たちの自己責任とも言い切れない事情があるのじゃろう。黒に近いグレー、というところかの。……続けてくりゃれ」
「オーナー氏の出した依頼は、
「それ自体はありふれていそうな依頼じゃがな。魔術の触媒じゃろう? 巨人の複製を作り出す真言呪文の触媒が、巨人の歯じゃったはずじゃ」
「その通りです。ウィズボールチームの『黒角ジャイアンツ』は、選手全員がオーナー氏をはじめとした所属魔術師らの召喚した巨人で構成されているのが売りのチームです」
「そのための触媒を取って来させている、と」
「ええ。ですが、生還した冒険者の話をまとめると、どうも
「あー。うむ。はいはい。あー、熱烈歓迎、と。はー、なるほどのう」
「……なにか?」
「怒らず聞いてほしいのじゃが、背景事情まで推測はできずとも、流れとしてはあり得ると思ってのう。
「冒険者が死ぬのは良いことではありませんけれど?」
「戦の中で死ぬなら問題なかろう――……ああいや、ギルドの立場が分からぬわけではないのじゃ、有望な冒険者が死ぬのはたまらんというのも分かる」
「……“その手があったか”とは思っていませんよね?
「やらんやらん」
「それなら良いのですが。まあ付け加えれば、『
「なんぞ言うたかや」
「いいえ何も」
「ほーん。まあいいが。結局は、そのオーナー氏が
「そういうことです。あちらも警戒しているのか、なかなか表に出る機会が少なくなっていますが、貴女ならやり遂げられると見込んでおります」
「心得たのじゃ」
「では、依頼受諾、と」
麗人係官は、ポン、と依頼票に判をついた。
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
▼△▼△▼△▼△▼△▼
「リーダー、病み上がりにそーんな依頼受けて大丈夫なのかよー?」
「問題ないのじゃ! むしろ元気が有り余っておるくらいでのう」
「それならいーけどよー」
拠点としている宿にて、半竜娘ちゃんは事の経緯を一党のメンバーに共有しました。
神経をすり減らす鑑定作業に疲れたTS圃人斥候は、どこか他人事です。
というか、昇級は半竜娘ちゃんだけなので実際他人事です。みんな夏に昇級したばかりですしね。
「銅等級なんてすごいですね! 第4位、いよいよ高位冒険者の仲間入りです!」
我がことのように目を輝かせて喜ぶ文庫神官ちゃん。心清らか。
夜も更けてきたので、遊び疲れた幼竜娘三姉妹を寝かしつけてきたところです。
「しかしまあどうするつもりなの? アイディアはあるわけ?」
「うむ。【
「あー。そういえば使えるようになったんだっけ」
確かに【読心】の呪文を半竜娘ちゃんほどの術者が使えば、どんな情報でも引っこ抜けるでしょう。射程に捉えて、抵抗を抜ければ、ですが。
「でもそもそも表に出ないという話ではありませんでしたか? お姉さま、接触できるのですか?」
「それも考えがあるのじゃ」
そう言って半竜娘ちゃんが取り出したのは、ウィズボールのポスター。
黒い角の巨人と、蒼い鱗のドラゴンが戦う構図です。
「あら、ウィズボールのポスター。1位決定戦にもつれ込んだんだっけ、わたしも詳しくは知らないけど」
「それじゃ。対戦カードは黒角ジャイアンツと、蒼鱗ドラゴンズ。ジャイアンツの方は召喚された巨人を操るチームで、ドラゴンズの方は伝統的に蜥蜴人のエースを抱えるチーム……らしいのじゃ」
手前もそう詳しいわけではないが、と言う半竜娘ちゃんに、「蜥蜴人のエース」と聞いた文庫神官ちゃんがハッとします。
「あっ、私、分かっちゃったかもしれません」
「1位決定戦の時には、黒角ジャイアンツのオーナーも臨席するようじゃ。決着後は、各チームのオーナーも式のためにマウンドに上がる。呪文の射程に捉える機会はある、というわけじゃよ!」
「いやいや、観客席からじゃ射程が届かねーだろ? マウンド上ならまだしも。つっても、それこそ選手じゃねーと……。―― あっ」
TS圃人斥候も何かに気づいたようです。
「なあに、ならば選手になればよかろうなのじゃ! 既に目星はつけているのじゃ」
「ねえ、確認するけどさ、まさかあなた……」
戦慄して尋ねる森人探検家と、同じく戦慄して見つめる一党の面々。
「うむ!
蒼鱗ドラゴンズのエースは蜥蜴人じゃというではないか!
―― であれば決闘して選手の席を勝ち取ればよいのじゃ!!」
半竜娘「エース選手の座、もらい受ける! ウィズボールはやったことないがの!」
蒼鱗ドラゴンズエース選手「なんだァ、てめェ……」
半竜娘「問答無用! いざ尋常に
グワゴラガキーン!!
蒼鱗ドラゴンズエース選手「グワーッ!」
そして前話末尾のスカウトへ……。
半竜娘「計画通り……」
※ウィズボールについてはWikipediaにも記事があります。 → ウィズボール - Wikipedia
特筆すべきルールとして、以下があります。
・試合途中でチームの選手数が5人以下になったチームの敗北
なお、ルール上はレッドカードやイエローカードは存在せず、選手が減るのは負傷による死亡のみです。ピッチャーはビーンボールにより、バッターは得物を投げることにより攻撃することが可能。そのほか、乱闘により生じた戦闘で負傷する可能性あり。
また、5点ビハインドの状態からは、負けているチームは積極的に「乱闘」を仕掛けることができます。
その他、攻撃側・守備側の
四方世界におけるルールはゴブスレ原作では明示されていない(よね?)が、おそらく似たようなルールだと思われます。まあ、死亡まで行くことはないでしょうけど、選手の負傷は日常茶飯事じゃないでしょうか。剣闘と魔法と野球を合わせたような競技?
作中でウィズボールファンだと明言されているのは、仕掛人の密偵くんと、外伝2の蟲人僧侶さんですね。麗人係官(
===
毎度、感想や評価&コメをありがとうございます! ますます精進いたしますので、引き続きお読みいただければと思います、よろしくお願いいたします!