ゴブリンスレイヤーTAS 半竜娘チャート(RTA実況風) 作:舞 麻浦
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サプリ出ましたね!
おー、結構変わってるなーって頭抱えたりわくわくしたりしてます。情報量やべえ。
なお、【分身】と【加速】は無事ナーフされた模様*1。残当。
武技の導入で、消耗カウンターのリソースとしての性格が明確になったり、高位呪文が導入されたり、確かにこれは上級ルールですわ……。
シナリオ集も出ないかなー(チラッチラッ
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●前話:
雪の魔女の洞窟を崩落させた!
「しっかりするのじゃ! 気を確かに持て!!」
「不覚、ね」 「うぅ……オイラとしたことが」 「すみません、お姉さま……」
「寝るな! 寝ると死ぬのじゃ!?」
吹き付ける吹雪の中、半竜娘は、ぐったりと意識を朦朧とさせた一党の仲間たちを背負って抱えて、この死地を逃れようとしていた。
見たところ、大きな負傷はない。
ただ、ただ、消耗しきっているように見える。
周囲には、吹雪の冷気のみならず、重苦しい雰囲気が満ちている。
そして多くの敵意も。
なぜ銅等級を筆頭とした彼女たち熟練の冒険者たちがこのようなことになっているのか。
少しばかり時間は遡る――。
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はいどーも!
霊峰をもっと登っていく実況、はーじまーるよー。
前回は兎人の猟師を助け出して、懸念だった兎人の里を狙う雪男どもを洞窟ごと封じて後顧の憂いを断ち、その猟師さんを案内人として無事に雇ったところまでですね。
半竜娘ちゃんの感覚的には厳冬をもたらす超自然的な何かの反応はもっと高いところにあるようなので、まだまだ登っていきましょうねー。
「リーダー、まだ着かねーのかー?」
寒さに身を縮こませながらTS圃人斥候が尋ねます。
身体が小さいのと、圃人の特性上カロリー補給を頻繁に行わなければならないため、その口には常に食べ物が入っています。
「うぅむ、もう少しじゃと思うんじゃが……」
半竜娘ちゃんが歯切れ悪く答えます。
核心地域に近づきすぎたせいか、超自然の反応の出どころも良く分からなくなってきました。
【
「やっぱり地に足ついてた方がいいですね」
雪の積もった斜面を踏みしめてシミジミと言うのは文庫神官ちゃんです。
信頼する
司教杖を突いて、斜面を登っていきます。
「ねえ猟師さん、この辺で注意することは特にないのかしら」
長耳を揺らしながら雪の上ながらも軽やかに歩くのは森人探検家ちゃんです。
一党とともに雪山を行く地元の猟師―― 兎人猟師に問いかけます。
兎人猟師は携行食のニンジンを食べながら―― 兎人は常に何か食べていないと死んでしまうのです!―― 少し先を指差します。
「まあ、あそこらへんは気を付けた方が良いところですね。なんでも、竜の住処だったとか」
「竜じゃと!?」
半竜娘が竜と聞いて目をキラキラさせます。
「ええまあ。石になったおっきな骨ですとか牙ですとか、そういうのが見つかるとか。夏の雪がない時分には山師だとか魔術師に頼まれた冒険者さんだとかが、いろいろと採りに来たりしてたそうで……まあ、それも只人さんの村が麓にあった随分と昔の話ですけども」
「化石じゃな! つまり祖竜の骨があるというわけかや!」
四方世界に造山運動がどの程度あるのか不明ですが、ひょっとしたら本当に半竜娘ちゃんの期待する通り、恐竜の化石が埋まっているのかもしれませんね。
「まあ今も採れるか分かりませんけども」
「夏にまた来て発掘ツアーというのも良いかもしれんのう!」
「はいはい、また後でね、リーダー。寄り道している暇はないわよ」
森人探検家ちゃんが窘めるのもなんのその、半竜娘ちゃんの脚運びは明らかに軽くなっています。
…………。
……。
やがてさらに進んで、
「いやな感じね……」
「ふぅむ。確かにそうじゃのう」
「こう、地面からなんか、
「……これ以上は、案内人には帰ってもらった方がいいんじゃねーか。ヤバい雰囲気だぜ」
びくびくしながら兎耳を忙しなく動かしてる兎人猟師を心配してか、足手まといを抱えることを嫌ったのか、TS圃人斥候が言いました。
半竜娘ちゃんは少し考えて、決断します。
「そうじゃのう。
「……そうですか。いえ、確かにこれ以上は、私では厳しそうですね」
しゅんとする兎人猟師。
「怪我を治したばかりですし、無理はさせられませんよ」
文庫神官ちゃんの言う通り、ついさっきまで全身の骨を折って半死半生だったのですからね。
ここは兎人猟師さんには大事を取ってもらって、離脱してもらいましょう。
「ではお言葉に甘えて。……皆さんもお気をつけて!」
ということで、案内役の兎人猟師さんは離脱です。
これから先はこれまで以上に注意して進まなければいけません。
と言った矢先に――。
『アンタたちさっきはよくもやってくれたね!!』
甲高い女の声が霊峰に響き渡りました。
「この声は――」
『まったく、洞窟ごと潰すわ燃やすわ! おかげで
一党の全員が見回せば、少し離れたところに吹雪に遮られた陽の陰りに、氷のような魔女が立っているのを見つけました。
あれこそは先ほど雪男たちを率いていた推定:吸血鬼の女です。
しかしそれこそ【突撃】からのコンボで生き埋めにしたはずでは?
「やはり吸血鬼……。吸血鬼は殺しても、土の中からよみがえる……」
森人探検家ちゃんが、かつて火吹き山への道中にある『“水晶の森”亭』で対峙した吸血鬼との戦いを思い出しながら慄然と呟きました。
“邪な土” という技能です。一度死んだあと、決められた場所の土の中から復活することができるのです。
『へえ? よく知ってるねえ。そうとも、ここは私の領土というわけさ。―― そしたらこれも知ってるかい?』
―― 吸血鬼は、不死者の王。故に、アンデッドの軍勢を従えるのだ、と。
パチン、と氷の魔女が指を鳴らすと―― 周囲から悍ましい気配が幾つも立ち上がりました。
巨大な何かがうごめいているのが分かります。
『さぁさ “腐っても竜” って言葉は知ってるかい、お嬢ちゃんたち』
自然と円形に防御態勢を組む半竜娘ちゃんら一党に、氷の魔女がねっとりと毒を滴らせるように語りかけます。
そして雪の下から現れたのは――
『『『 DDDORRAAGGOOLLIIICCCCHH!!! 』』』
『『『 DDDORRAAGGOOLLIIICCCCHH!!! 』』』
『『『 DDDORRAAGGOOLLIIICCCCHH!!! 』』』
―― 無数の
『あははははは! ここは触媒になる竜骨にも竜牙にも事欠かないからね! ちょいと時間を掛ければこんなもんさ!』
ハナから制御は手放しているのか、腐竜の群れを呼び出すだけ呼び出して雪の魔女は踵を返しました。
『体温のないアンデッドが雪の中で動きを潜めていれば気づけるはずもない。ましてや冬の雪山じゃ腐臭すらしない。気づかなかったとしても恥じることはないさ』
身体を雪と同化させながら、雪の魔女が嘲弄します。
『だがまあ “腐っても竜” だ。そのプレッシャーは並大抵じゃない。腐肉が崩れりゃ病魔の風も発される。しかもこの雪。あんたたちが体力自慢だったとしても、一体いつまで立ってられるかねえ』
去り際に【
半竜娘ちゃんたちは、しかし、それを黙って見送るしかありませんでした。
「ちくしょう、急に疲労が――」
「
実は
半竜娘ちゃんたちはきっと、もう何分もしないうちに、加速された疲労により気絶し、死に至るでしょう……!
「この場所に足を踏み入れた時点で “死” というわけね……!」
「ぬぅ……! 【
絶体絶命です!
【
周囲にいる
「―― 斥候、【
森人探検家がTS圃人斥候に危機を脱出するための洞察を与える術の使用を要請します。
「心得たぜ、エルフパイセンっ!
真言呪文による洞察力の強化により、TS圃人斥候が危難を退ける方法を思いつきます。
「…………3時方向が手薄だ! 【突撃】で離脱! あと鏑矢! 近くに誰か助けが居るかもしれねえ!」
「ぐっ、すみません、もう限界です――」
「私も、もう限界、かも……! っと!」
森人探検家ちゃんが空間拡張を付与した矢筒から鏑矢を取り出して番え、空へ向かって飛ばし、そのあとは崩れるように膝をつきます。
「みな、手前にしっかり掴まれ! 離脱するのじゃ!」
TS圃人斥候の見出した逃走ルートを信じて、半竜娘ちゃんが両腕と尻尾で3人を抱えます。
「俊敏なりし
そして移動攻撃の呪文を発動し、複数の
『DDDORRAAGGOOLLIIICCCCHH!??!』
途中にいた
その勢いで逃げる半竜娘ちゃんたちを、しかし当然ですが、
『『『 DDDORRAAGGOOLLIIICCCCHH!!! 』』』
『『『 DDDORRAAGGOOLLIIICCCCHH!!! 』』』
『『『 DDDORRAAGGOOLLIIICCCCHH!!! 』』』
恐ろしいアンデッドの竜の咆哮を後ろに、戦略的撤退!
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ということがあって冒頭の状況なわけですね。
消耗により移動力が半減し、気絶した一党の仲間3人という重荷を抱えた半竜娘ちゃんには常の速度は望むべくもありません。*3
「(【軽功】でも習得しておれば話は別じゃったんじゃろうが……)」
武道家が身に着けられるという、移動力を倍加させる技能に思いを馳せる半竜娘ちゃんですが、それは明確な隙です。
「(いかん、そんな考え事しとる場合ではない)」
歯を食いしばり、足に再び力を入れて進もうとしますが、追手はその隙を見逃してはくれません。
『GGGRRRUUOOOOO!!!』
―― ドラゴンブレス!
腐り果てて飛行能力も強力な竜鱗も失ったとはいえ、“腐っても竜” です。
強力なブレスが背後から半竜娘ちゃんに迫り――
「仲間を
―― 攻撃から守るべく自分の大きな身体で抱え込むようにしてブレスの射線から気絶した仲間を隠します。
「奥義【第十四の型】、ってナァ」
しかしその瞬間はやってきませんでした。
洞窟を抜ける飄々とした風のような声がしたかと思えば。
『GGGUUUGGYYYAAAOOO!??!』
逆に
何が起こったのかと後ろを見れば、光り輝くミスリルの剣を持った圃人の老爺が、首を刎ねられた
周囲を見れば、ドラゴンブレスの余波が、まるで半竜娘ちゃんたちを避けるように2つに叩き切られたかのように割れています。
そう、あれこそは敵の遠隔攻撃を叩き切るとともに、その攻撃の勢いを回転エネルギーに変えて一瞬で間合いに飛び込み叩き切るという、奥義【第十四の型】!!
圃人の老爺は、ドラゴンブレスを叩き切り、その勢いを駆って
死へと一直線に引導を渡すがゆえに、
「鏑矢の音に何かと思えば、なんダァ? 守銭奴エルフじゃねーか」
圃人の老爺は、半竜娘ちゃんが抱える森人探検家を見て、「守銭奴エルフ」と言いました。
「助太刀かたじけない……。うちの会計役のことを知っているということは、もしやお主は――」
「アァ? んなくっちゃべってる暇があったらサッサと逃げんか、馬鹿かおめえ」
「いや、その必要はないのじゃ」
「アァン?」
半竜娘ちゃんが欲しかったのは、態勢を整えるための一呼吸。
「真言呪文【分身】、真言呪文【巨大】、【
「はン。出力任せのごり押したァ良いご身分だな、テメェ」
「違いないのじゃ。であればここを片付けた暁には御身の指導を賜りたいが、いかがじゃろうか」
分身を出して後方支援を任せ、巨大化し、【
準備時間さえもらえれば、特化バッファーである半竜娘ちゃんに勝機が巡ってきます。
「わしも暇じゃねえンだ。他所を当たりなァ」
「そこを何とか頼むのじゃ」
「ウルトラスーパーデラックス特別ハードコース3日間、金貨1万枚なら受けてやんよ」
「その言葉が聞きたかったのじゃ! 二言はあるまいな!?」
半竜娘ちゃんは圃人の老爺に空間拡張鞄にまとめた宝石などの財産を投げると、戦意をたぎらせ
「チッ、厄介なの拾っちまったかァ、こりゃァよお」
圃人の老爺―― ゴブリンスレイヤーや森人探検家の師匠である “忍びの者” は、半竜娘ちゃんの財布を拾い上げると雪をはたいて嘆息します。
中を開けてちらっと見たところ、金貨
「どっこらしょッと」
「ぐえっ」
「まあそんなに手間はかかんねェか? ったく、相変わらず薄っすい身体してんなァ、テメェ」
「……く、クソ師匠……」
「起きたかよ、アァン? ま、そういうわけだ、依頼を片付ける片手間に揉んでやらァよ」
目を覚ました森人探検家ちゃんの表情がグギギギギって感じで凄いことになっていますね。
というところで今回はここまで。
ではまた次回!
GMから『モブ敵の消耗増加特技が重複するから次のラウンドで自動的に過労死な』って言われたらキレてもいいと思うの。
サプリと公式Q&Aを読み込んでリビルドするので失踪します。
マンチ師匠ズブートキャンプで生まれ変わるのです!
修業期間という名の露骨な時間調整……。これで後続の女神官ちゃんたちが追い付いてこれるかな。
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