ゴブリンスレイヤーTAS 半竜娘チャート(RTA実況風) 作:舞 麻浦
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●魔神との契約の手間の大変さ
半竜娘「普通は手間を省くために手許にデフォルトの契約書を用意してから召喚するのじゃよ。標準契約書はこれまでの魔神契約における契約者たちの流血の集大成でもある。曲解の余地のない条項にしとかんと、奴らに善良さとか誠実さとかまーったく期待できんから酷いことになるのじゃ。……というか、なった。いろんな契約者たちが」
半竜娘「『契約魔神の禁止リスト』なんていう小咄は、
闇竜娘「無限に禁止条項が長くなるやつな。むしろ今も長くなり続けてるわけだが」
半竜娘「ハハ、いや笑えんわ」
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●前話
はいどーも!
前回はゴブスレさんと森人探検家ちゃんの共通の師匠である、マンチクソ師匠こと『忍びの者』が助太刀に来てくれたおかげで、何とか態勢を立て直して
危うく敵の特技によって消耗が嵩んで過労死するところでしたから、助かりました。
ただ残念ながら実は
その後、マンチ師匠に助けられたのを縁として、彼に大枚
そしてウィズボールの優勝賞金だとか、女商人に預けた資金の運用益、海底からサルベージしたお宝の売却益だとかをしこたま
半竜娘ちゃんたちは
森人探検家ちゃんのストレスがヤバかったのと引き換えですが。……ひょっとしてPTSDでも患ってないですかね、この娘。
で、数日が過ぎてマンチ師匠は自らの受けていた依頼を片付けるために下山し―― どうやら誰かを道案内するための下見に来ていたんだとか――、半竜娘ちゃんたちは濃縮された地獄のような特訓から解放されました。
よく頑張った! 感動した!
特に今回
「というわけで、腐竜を倒して山頂へ向かうのじゃ!」
前日に【
特訓で遅れた分の行程を取り戻し、この長い冬に終止符を打つべく半竜娘ちゃんは意気軒昂です。
「それはいいけどリーダー、あれ放っておいていいの? あなたの契約してる魔神でしょ?」
「んー。じゃれ合いしとるだけじゃろ?
「それにしては過激だと思うけど」
森人探検家ちゃんが指さす方には、高速の空中戦を繰り広げる白羽の鳥人の女と女
「穢れた魔神は滅するのです! 肉弾戦ならまだこっちに分があるのです!」 と叫ぶのは白い羽の鳥人の女。両腕の羽音がほとんどしないことから察すると梟の系統でしょうか。急降下して脚で攻撃を仕掛けます。
「神の御使いを喰ったらどれだけ力が貯まるだろォーな? ハッハァ!」 急降下してきた梟の鳥人の女の蹴りを、自前の爪を使って空中で受け流した女魔神は、半竜娘ちゃんに似た顔立ちです。
そうです。実は半竜娘ちゃん一行に、新たなメンバーが2名加わっています。
いえ
まあ頭数が増えたのには違いありません。
「す、すみませんお姉さま! すぐに止めさせますので!」
寒さだけが原因ではない蒼白な顔で梟の鳥人へと「もどってきてくださーい!」と呼び掛ける文庫神官ちゃん。
流石に今後の腐竜との戦闘に備えて呪文こそ使っていませんが、今にも呪文を使うほどエスカレートしそうで気が気ではありません。
「いや好きなだけやらせた方が変なところで暴発するよりよかろうて」
一方で自主性を重んじると言えばそうですが、放置気味の半竜娘ちゃん。
これは契約内容を詰めてきちんとコントロールしていることへの自信の現れかもしれません。
というか
「なんかアレだな。兄弟喧嘩を見守る夫婦みてーだな」
「そうね」
TS圃人斥候ちゃんの言うことに、森人探検家ちゃんも同意しました。
……確かに。
▼△▼△▼△▼△▼△▼
「うぐぅ。何も殴ることはないのです」
教育的指導をくらって涙目の白梟(鳥形態)は、それでもなお不服そうです。*2
結局、
「いくら知識神様から下賜された使徒とはいえ、一党の仲間に攻撃を仕掛けるとは何事ですか!」
「でもあれはデーモンなのです! ご主人!」
「確かにデーモンです。が、しかし、
「それでもです! デーモンは滅殺なのです!」
「お姉さまの契約ぢからが信用できないというのですか!?」
「むしろそれゆえにです! 契約中に滅ぼしたデーモンをそいつに喰わせるなんて、契約解除時にはどれだけ恐ろしい魔神になるか――」
あー、何も教条的にデーモン抹殺を掲げて襲い掛かった、というだけではないんですね。
半竜娘ちゃんの実力を知れば知るほど、彼女がこれから積み上げるであろう魔神の屍の数が果てしないものになりそうだと分かるわけです。
そしてそれを契約に従い吸収した果てに、
「
『ハッ、その時には返り討ちにして
契約が解除されたとき、それは再び半竜娘ちゃんと闇竜娘ちゃんがぶつかり合うときに他なりません。
半竜娘ちゃんもいつか
もちろん、
いやまあ現時点でLv8デーモン―― かつて水の街で滅ぼした『
半竜娘ちゃんの分身と名も無きデーモンを悪魔合体させた
「あー、極善と極悪で一党組むとこーなるのか……」
「確か
「迷宮内で
「それでも
禁止した気持ちも分かるわねー。と森人探検家。
でも今回は
TS圃人斥候と森人探検家は顔を見合わせて肩を竦めると、何か議論の流れ弾が飛んできてもイヤなので、斥候・野伏らしく偵察に行くべくこの場を離れることにしたようです。
…………。
……。
結局、白梟ちゃんは闇竜娘ちゃんに対して不干渉、ということに落ち着いたみたいです。
支援魔法は飛ばさないし、受けない。
代わりに、
闇竜娘ちゃんからも基本的には同様にする、と。
「ま、妥当じゃろうな」
「すみません、お姉さま」
「交流融和の機会は、今後設けることとするのじゃ。いきなり数日前に会ったんじゃもの、不干渉の取り決めができただけでも上等じゃよ」
「はい、そう思うことにします……」
申し訳なさそうにする文庫神官ちゃんを、半竜娘ちゃんが慰めます。
「早くその魔神は滅ぼした方がいいのです。私は警告したのです」
「警告は受け止めるのじゃ。その上で、細心の注意を払って運用するつもりじゃよ」
「はぁ。これだから魔神契約者というものは……です」
鳥の身体で、白梟ちゃんは器用に肩を竦めて溜息をつく動作をしました。
文庫神官ちゃんの頭に乗る白梟ちゃんが、魔神契約者である半竜娘ちゃんまで敵視していないのは幸いです。
一方、闇竜娘ちゃんの入った封具は、面白がるように独りでに揺れて淡く光を発しました。
そこに先行して偵察していた2人が戻ってきました。
「……リーダー、タンク。その辺にしとけ。
「承知」 「はい」
前方から戻ってきたTS圃人斥候の声に、半竜娘と文庫神官は返事をし、できるだけ気配を潜めるようにします。
「少し先行して偵察してきたが、やっぱり
「窪地にあの巨体がびっしり。雪だからニオイはまだましだけど、近づきたくはないわね」
「雪の中や地面の中に潜行してるのは見つけられましたか? 前みたいにいつの間にか囲まれてるってのはいやなんですが」
「たぶん居ない、としか言えねーな。新雪がどんどん積もってってるから埋まってるのが居るかもしれねーが、探した限りじゃ見つからなかったぜ」
「で、どうする、リーダー?」
「ふむ……」
森人探検家ちゃんに水を向けられて、半竜娘ちゃんは一考。
「……ま、定石どおりに行くのじゃ。迂回して上を取って遠距離攻撃でチクチク減らして―― ああいや、チクチク減らしてもまた分裂されるだけじゃな……」
「そうね、一気にドーンと減らさないとよね」
「となると……腐竜の特性を鑑みるに……
「腐竜ってそんなに頭良くなかったよな?」
「まあ腐ってるものね。いくら元がドラゴンとはいえ」
「確か呪符と鐘の両方を使えば【
「呪符は元から
「あーはいはい。【
新呪文のお披露目だとTS圃人斥候が呪文のアンチョコをめくり始めました。
「そういうことじゃの」
「じゃあわたしは適当に一匹釣ってくるわね」
弓を背負った森人探検家ちゃんが適当なスナイピングポイントへと向かいます。
「頼んだのじゃ。貴様も頼むぞ? やることは分かっとるな」
「おう
策の要になるのは契約魔神の
半竜娘ちゃんが装備している竜牙のアクセサリから身体を具象化させ、術の触媒である呪符を構えます。
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しばらくすると、腐竜が屯していた方向から、雪煙を上げながら何かが近づいてきます。
「お、エルフパイセンが釣り出しに成功したっぽいな! じゃあ『鐘』を作るぜ――
TS圃人斥候が真言呪文を唱えると、その掌中と袖の中の影が蠢き、凝集して形を成しました。
ハンドベルのようなそれを、契約魔神である闇竜娘に投げ渡します。
「ほらよ!」
「おう! ……うん、ちゃんと使えそうだな」
「当たり前だっつーの。あの伝説の忍びの者に指導してもらったんだからな!」
そしてその間に、どんどんと雪煙は近づいてきており、『DDDORRAAGGOOLLIIICCCCHH!!!』という腐竜の咆哮も聞こえてきました。
「準備万端だ」 自信満々に呪符と影写された鐘を構える闇竜娘ちゃん。
「射程に入り次第にやるのじゃ」
「おう」
「いまじゃ!!」
半竜娘ちゃんの合図で、闇竜娘ちゃんが死霊術の詠唱を始めます。
その姿はまるで霊幻なる道士を彷彿とさせるものです。
「急々如律令。これなるは天よりの勅令なり、命保つがごとく随身せよ――【
『DORRRRRAGGOOOOOOOH!!??』
闇竜娘が投げつけた呪符と響かせた鐘の音による命令は、
『GGGGRRRRRRRUUUUURRR……』
「支配完了だ!」
「次の手順も覚えとるな?」
「もちろんだ! よーし
『DDDDRRRRAAAAAA!!』
主人である闇竜娘に命令されて、歓喜の雄たけびを上げながら
「これで分裂の逆の手順で窪地の
「しかも支配下に置いてるやつの自我をメインにしたやつにな! オイラも呪文を切った甲斐があったぜ」
「そしたらあとは煮るなり焼くなりお好きにどうぞってわけね。強固な支配で抵抗させずに袋叩きにすれば安心よね」
「この後何があるか分かりませんから術も温存したかったですし、手早く済んで良かったですね、お姉さま!」
ということで、あとはもう『勝った』ということで処理します。
継戦カウンターは3ラウンド分を追加してフィニッシュ。
窪地に居た
呪文2つの消費でLv9アンデッド12体を無力化できたなら十分でしょう。
「……私の知ってる戦闘じゃないのです……」
白梟ちゃんがなんだかカルチャーショック受けてますが、どうせすぐ慣れるから何も問題なし。ヨシ!!
▼△▼△▼△▼△▼△▼
そしてさらに進むと、いよいよ山頂が見えてきました。
そこに渦巻くのは恐ろしい呪われた病の力と冥府の冷気。
吹き下ろす寒風と吹雪が、一党の体力を奪っていきます(体力抵抗に成功したが、消耗+1)。
「やはり山頂に元凶が
「――人影があるわね」
「勝どきを上げてるみてーだ。こりゃ少し遅かったか?」
黒幕らしき人影の哄笑とともに、吹雪が止み―― 山頂が晴れ渡っていきます。
しかし雲は消えても光は戻らず、相変わらず一帯は陰の中です。
「雲が消えた―― なぜ吹雪が止んだんでしょう……?」
「見ろ、山の上に――」
文庫神官の疑問に重ねるように、TS圃人斥候の驚愕する声が。
小柄な彼女が指さした先を見れば――
「なんじゃ……? 大きな要塞が、逆さまに浮かんでおる……?」
まるで反転した蜃気楼のように、霊峰の上にまるで要塞のような建造物と、それを支える荒涼とした死の大地が浮かんで、空を塗り替えています。
光が差さなかったのは、雲の代わりにこの死の大地の要塞が蓋をしていたからだったのです。
そこに、哄笑していた黒幕の声が聞こえてきました。
吹き荒れる風によって黒幕のローブがはためき、備わった褐色の長い笹穂耳が露わになります。――
「ハハハハハハハ! おお!
空間を捻じ曲げたのかなんなのか、黒幕の
というところで今回はここまで!
ではまた次回!
イラストはPicrewの「ヨンジョウジンガイグラフィッカア」でつくりました。 https://picrew.me/share?cd=o7H8cK53QU
イラストはPicrewの「自分をフクロウだと信じてるクリーチャー」でつくりました。 https://picrew.me/share?cd=x6GakKwDKV
Q.腐竜との戦闘は?
A.更新されたQ&A見てたら戦闘するより楽な攻略方法を思いついちゃったんですよ……。(死霊術で支配した奴に分裂体を再吸収させて一本化して残ったやつを討滅)
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■そのころ女神官ちゃん
ゾンビ化した
(兎人猟師(父)は集落に無事到着。しかし消耗が激しいため戦闘参加はせず)
(ゾンビ雪男の分、妖精弓手ら銀等級の負担が増えた以外は概ね原作小説通り)
■そのころゴブスレさん
ゴブリンの巣穴に押し入ってゴブリンをスレイしたら、冷気が吹きあがってくるやたらと深い穴を発見。しかも小鬼じゃなくてなんか火を吹く犬(魔犬ヘルハウンド)や骸骨がたくさんいる。相手してられないので犬や骨ごと発破して埋めた――ら、その瓦礫を吹き飛ばしながら中からひときわ巨大で強大な犬が外に飛び出してきた(長い鎖につながれている犬。ガルム?)。ちょっとっていうかかなりヤバいかも。っていうかこの穴自体がヤバいやつだったのでは? と気づいたが、もはや逃れることはできんぞ。
(冥界と繋がる穴はもとからあったものかもしれない。その繋がりがあったからこそ、黒幕の闇人が霊峰を儀式の舞台に選んだのだとしたら、それを塞げば……?)
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