ゴブリンスレイヤーTAS 半竜娘チャート(RTA実況風)   作:舞 麻浦

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閲覧、評価、お気に入り登録、誤字報告、ここ好きタップ、感想、いつもありがとうございます! 1周年(アニバーサリー)なので前話の感想には珍しく返信をしてみました。今後は……うん、はい。また1年後ですかね。許してクレメンス。(ついつい余計なこと書きそうになったりするのと、感想返しで書いたネタか本編に書いたやつか管理できなくなっちゃうので……ポンコツで申し訳ない) それはそれとして感想は全部読んで励みにしてます、ありがとうございます!

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●魔神との契約の手間の大変さ
半竜娘「普通は手間を省くために手許にデフォルトの契約書を用意してから召喚するのじゃよ。標準契約書はこれまでの魔神契約における契約者たちの流血の集大成でもある。曲解の余地のない条項にしとかんと、奴らに善良さとか誠実さとかまーったく期待できんから酷いことになるのじゃ。……というか、なった。いろんな契約者たちが」

闇竜娘(ダークドラ子)「『契約者の言うことに絶対服従!』みたいな契約した奴が、成約の次の瞬間に声を出す暇もなく殺されたりってのは典型的だな。慢心して『契約者を害さないこと』って条項つけないとそうなるんだぜ。逆に音声再生の魔道具を予めセットしておいて防御に徹してる間にまんまと絶対服従にしたパターンもあるが、これはデーモン側の慢心だな」

半竜娘「『契約魔神の禁止リスト』なんていう小咄は、魔女(ウィッチ)死人占い師(ネクロマンサー)の界隈では有名じゃな」

闇竜娘「無限に禁止条項が長くなるやつな。むしろ今も長くなり続けてるわけだが」

半竜娘「ハハ、いや笑えんわ」

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●前話
冥府の女主人(ヘル)を呼び出さんとする闇人(ダークエルフ)が、冬を長引かせた(今回のシナリオの)黒幕のようだ
 


35/n 雪の魔女の洞窟-4(山頂晴れて)

 

 はいどーも!

 者共(ものども)ー! 試し斬りじゃーー! な実況、はーじまーるよー。

 

 前回はゴブスレさんと森人探検家ちゃんの共通の師匠である、マンチクソ師匠こと『忍びの者』が助太刀に来てくれたおかげで、何とか態勢を立て直して腐竜(ドラゴリッチ)の群れを撃退したところまでですね。

 危うく敵の特技によって消耗が嵩んで過労死するところでしたから、助かりました。

 

 ただ残念ながら実は腐竜(ドラゴリッチ)を1体取り逃してしまっているので、また増えてると思います。……やつら【分裂】って特技持ってるんですよ。体力半分にして2匹に分かれるという特技で、しかも自動回復持ちだから放っておくと際限なく増えます。……が、害悪すぎる……。

 

 その後、マンチ師匠に助けられたのを縁として、彼に大枚(はた)いて超特急コースでの指導を依頼しました。指導者としての腕は確かですからね。

 そしてウィズボールの優勝賞金だとか、女商人に預けた資金の運用益、海底からサルベージしたお宝の売却益だとかをしこたま()ぎ込んでまで特訓した結果……。

 半竜娘ちゃんたちは新たな力を身に着け(サプリ適用してリビルドし)たのです!

 

 森人探検家ちゃんのストレスがヤバかったのと引き換えですが。……ひょっとしてPTSDでも患ってないですかね、この娘。

 

 で、数日が過ぎてマンチ師匠は自らの受けていた依頼を片付けるために下山し―― どうやら誰かを道案内するための下見に来ていたんだとか――、半竜娘ちゃんたちは濃縮された地獄のような特訓から解放されました。

 よく頑張った! 感動した!

 

 特に今回身に付けた(アクティベートした)一定以上に熟練した(Lv2以上の)戦士(斥候・野伏・武道家含む)が身に着けるという得意技……『武技』は、半竜娘ちゃんたちの今後の冒険をさらに絢爛(けんらん)に彩ってくれることでしょう。

 

「というわけで、腐竜を倒して山頂へ向かうのじゃ!」

 

 前日に【賦活(バイタリティ)】の術を使って一党全員の体調も完璧。

 特訓で遅れた分の行程を取り戻し、この長い冬に終止符を打つべく半竜娘ちゃんは意気軒昂です。

 

「それはいいけどリーダー、あれ放っておいていいの? あなたの契約してる魔神でしょ?」

 

「んー。じゃれ合いしとるだけじゃろ? 灯明の娘(文庫神官)の【使徒(ファミリア)】の梟じゃって味方じゃから、あやつの方からは危害は加えられん契約になっとる」

 

「それにしては過激だと思うけど」

 

 森人探検家ちゃんが指さす方には、高速の空中戦を繰り広げる白羽の鳥人の女と女魔神(デーモン)の姿が!*1

 

「穢れた魔神は滅するのです! 肉弾戦ならまだこっちに分があるのです!」 と叫ぶのは白い羽の鳥人の女。両腕の羽音がほとんどしないことから察すると梟の系統でしょうか。急降下して脚で攻撃を仕掛けます。

 

「神の御使いを喰ったらどれだけ力が貯まるだろォーな? ハッハァ!」 急降下してきた梟の鳥人の女の蹴りを、自前の爪を使って空中で受け流した女魔神は、半竜娘ちゃんに似た顔立ちです。

 

 

 そうです。実は半竜娘ちゃん一行に、新たなメンバーが2名加わっています。

 いえ冒険者(プレイヤー)ではなくそのシモベ(オプション)扱いですが。

 まあ頭数が増えたのには違いありません。

 

「す、すみませんお姉さま! すぐに止めさせますので!」

 

 寒さだけが原因ではない蒼白な顔で梟の鳥人へと「もどってきてくださーい!」と呼び掛ける文庫神官ちゃん。

 流石に今後の腐竜との戦闘に備えて呪文こそ使っていませんが、今にも呪文を使うほどエスカレートしそうで気が気ではありません。

 

「いや好きなだけやらせた方が変なところで暴発するよりよかろうて」

 

 一方で自主性を重んじると言えばそうですが、放置気味の半竜娘ちゃん。

 これは契約内容を詰めてきちんとコントロールしていることへの自信の現れかもしれません。

 というか蜥蜴人(戦闘民族)特有の “どつきあえば分かり合える” 理論の信者だから説も濃厚ですね。

 

 

「なんかアレだな。兄弟喧嘩を見守る夫婦みてーだな」

「そうね」

 

 TS圃人斥候ちゃんの言うことに、森人探検家ちゃんも同意しました。

 ……確かに。

 

 

▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

▼△▼△▼△▼△▼△▼

 

 

「うぐぅ。何も殴ることはないのです」

 

 教育的指導をくらって涙目の白梟(鳥形態)は、それでもなお不服そうです。*2

 結局、闇竜娘(ダークドラコ)ちゃんと白梟ちゃんの喧嘩は、両成敗となったようです。

 

「いくら知識神様から下賜された使徒とはいえ、一党の仲間に攻撃を仕掛けるとは何事ですか!」

 

「でもあれはデーモンなのです! ご主人!」

 

「確かにデーモンです。が、しかし、()()()()()()()()()()()()()()()()()()ですよ!」

 

「それでもです! デーモンは滅殺なのです!」

 

「お姉さまの契約ぢからが信用できないというのですか!?」

 

「むしろそれゆえにです! 契約中に滅ぼしたデーモンをそいつに喰わせるなんて、契約解除時にはどれだけ恐ろしい魔神になるか――」

 

 あー、何も教条的にデーモン抹殺を掲げて襲い掛かった、というだけではないんですね。

 半竜娘ちゃんの実力を知れば知るほど、彼女がこれから積み上げるであろう魔神の屍の数が果てしないものになりそうだと分かるわけです。

 そしてそれを契約に従い吸収した果てに、闇竜娘(ダークドラコ)ちゃんの至るであろう境地(レベル)を思えば “まだ手を付けられるうちに滅ぼしてしまえ!” となる気持ちも分からなくはありません。

 

 

手前(てまえ)が祖竜の列に連なる暁には、今一度雌雄を決さねばなるまいのう」

 

『ハッ、その時には返り討ちにして(オレ)がその魂と身体をいただいてやるぜ!』

 

 契約が解除されたとき、それは再び半竜娘ちゃんと闇竜娘ちゃんがぶつかり合うときに他なりません。

 半竜娘ちゃんもいつか闇竜娘(ダークドラコ)を解放するときには、自分で決着をつけるつもりなのです。

 もちろん、闇竜娘(ダークドラコ)ちゃんもそれを受けて立つ気です。封具である竜牙のアクセサリが光ると、中に入った闇竜娘ちゃんの声が返ってきました。

 

 いやまあ現時点でLv8デーモン―― かつて水の街で滅ぼした『紋章の魔神(ブレイゾン)』や『大目玉(ビ○ルダー)』と同じ位階―― なので、闇竜娘(ダークドラコ)ちゃんも大概ですし、そう考えると白梟ちゃんの懸念もまっとうなものですけどね。

 半竜娘ちゃんの分身と名も無きデーモンを悪魔合体させた闇竜娘(ダークドラコ)ちゃんは、真言呪文・祖竜術・精霊術・死霊術の4系統を高い水準で使いこなす魔神と化しており、生命力や肉弾能力を削る代わりに呪文行使能力を増強している術師(スペルキャスター)タイプですが、これ以上成長して呪文能力がさらに高まったり、肉弾も強化されるとなればどんなことになるか……。末恐ろしくもあります。

 

 

 喧々囂々(けんけんごうごう)侃々諤々(かんかんがくがく)と文庫神官ちゃんと白梟ちゃんが論を戦わせる―― お互い知識神の信徒なので過去の魔神契約がらみの実例を引用しながらの弁証へ突入した―― のを聞きながら、一行は寒風吹き荒ぶ斜面を進みます。

 

「あー、極善と極悪で一党組むとこーなるのか……」

 

「確か≪死≫の迷宮(ダンジョン・オブ・ザ・デッド)では、戒律(アライメント)が善と悪だと一党を組めないんだったわよね」

 

「迷宮内で()()が多発したから禁止したー、とかだっけ」

 

「それでも()()()()迷宮内で同行する分には良いみたいだけどね。()()()()ってことで」

 

 禁止した気持ちも分かるわねー。と森人探検家。

 でも今回はお互い(闇竜娘と白梟)の主人同士はとっても良い仲ですから、なんとでも落としどころはつけられるでしょう。

 

 TS圃人斥候と森人探検家は顔を見合わせて肩を竦めると、何か議論の流れ弾が飛んできてもイヤなので、斥候・野伏らしく偵察に行くべくこの場を離れることにしたようです。

 

 

 …………。

 ……。

 

 

 結局、白梟ちゃんは闇竜娘ちゃんに対して不干渉、ということに落ち着いたみたいです。

 

 支援魔法は飛ばさないし、受けない。

 代わりに、攻撃範囲にわざと入れたり(一発だけなら誤射かもしれない)もしない。

 闇竜娘ちゃんからも基本的には同様にする、と。

 

「ま、妥当じゃろうな」

 

「すみません、お姉さま」

 

「交流融和の機会は、今後設けることとするのじゃ。いきなり数日前に会ったんじゃもの、不干渉の取り決めができただけでも上等じゃよ」

 

「はい、そう思うことにします……」

 

 申し訳なさそうにする文庫神官ちゃんを、半竜娘ちゃんが慰めます。

 

「早くその魔神は滅ぼした方がいいのです。私は警告したのです」

 

「警告は受け止めるのじゃ。その上で、細心の注意を払って運用するつもりじゃよ」

 

「はぁ。これだから魔神契約者というものは……です」

 

 鳥の身体で、白梟ちゃんは器用に肩を竦めて溜息をつく動作をしました。

 文庫神官ちゃんの頭に乗る白梟ちゃんが、魔神契約者である半竜娘ちゃんまで敵視していないのは幸いです。

 一方、闇竜娘ちゃんの入った封具は、面白がるように独りでに揺れて淡く光を発しました。

 

 そこに先行して偵察していた2人が戻ってきました。

 

「……リーダー、タンク。その辺にしとけ。腐竜(ドラゴリッチ)どもはもうすぐそこだぞ」

 

「承知」 「はい」

 

 前方から戻ってきたTS圃人斥候の声に、半竜娘と文庫神官は返事をし、できるだけ気配を潜めるようにします。

 

「少し先行して偵察してきたが、やっぱり腐竜(ドラゴリッチ)の野郎ども、また増えてやがる。ざっと12匹ってところだな」*3

 

「窪地にあの巨体がびっしり。雪だからニオイはまだましだけど、近づきたくはないわね」

 

「雪の中や地面の中に潜行してるのは見つけられましたか? 前みたいにいつの間にか囲まれてるってのはいやなんですが」

 

「たぶん居ない、としか言えねーな。新雪がどんどん積もってってるから埋まってるのが居るかもしれねーが、探した限りじゃ見つからなかったぜ」

 

「で、どうする、リーダー?」

 

「ふむ……」

 

 森人探検家ちゃんに水を向けられて、半竜娘ちゃんは一考。

 

「……ま、定石どおりに行くのじゃ。迂回して上を取って遠距離攻撃でチクチク減らして―― ああいや、チクチク減らしてもまた分裂されるだけじゃな……」

 

「そうね、一気にドーンと減らさないとよね」

 

「となると……腐竜の特性を鑑みるに……手前(てまえ)の契約魔神が、死霊術の【命令(コマンド)】の術を使えたはずじゃな」*4

 

「腐竜ってそんなに頭良くなかったよな?」

 

「まあ腐ってるものね。いくら元がドラゴンとはいえ」

 

「確か呪符と鐘の両方を使えば【命令(コマンド)】の術が通りやすくなるんでしたっけ」

 

「呪符は元からこやつ(闇竜娘)が持っておるから、手持ち用の鐘があればより安泰じゃな」

 

「あーはいはい。【影写(フェイク)】の真言呪文で『鐘』を作ればいーんだな」*5

 

 新呪文のお披露目だとTS圃人斥候が呪文のアンチョコをめくり始めました。

 

「そういうことじゃの」

 

「じゃあわたしは適当に一匹釣ってくるわね」

 

 弓を背負った森人探検家ちゃんが適当なスナイピングポイントへと向かいます。

 

「頼んだのじゃ。貴様も頼むぞ? やることは分かっとるな」

 

「おう(オレ)に任せとけって」

 

 策の要になるのは契約魔神の闇竜娘(ダークドラコ)ちゃんです。

 半竜娘ちゃんが装備している竜牙のアクセサリから身体を具象化させ、術の触媒である呪符を構えます。

 

 

▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

▼△▼△▼△▼△▼△▼

 

 

 しばらくすると、腐竜が屯していた方向から、雪煙を上げながら何かが近づいてきます。

 

「お、エルフパイセンが釣り出しに成功したっぽいな! じゃあ『鐘』を作るぜ―― ウンブラ()ファク(生成)シミレ(同一)――【影写(フェイク)】!」

 

 TS圃人斥候が真言呪文を唱えると、その掌中と袖の中の影が蠢き、凝集して形を成しました。

 ハンドベルのようなそれを、契約魔神である闇竜娘に投げ渡します。

 

「ほらよ!」

 

「おう! ……うん、ちゃんと使えそうだな」

 

「当たり前だっつーの。あの伝説の忍びの者に指導してもらったんだからな!」

 

 そしてその間に、どんどんと雪煙は近づいてきており、『DDDORRAAGGOOLLIIICCCCHH!!!』という腐竜の咆哮も聞こえてきました。

 

「準備万端だ」 自信満々に呪符と影写された鐘を構える闇竜娘ちゃん。

 

「射程に入り次第にやるのじゃ」

 

「おう」

 

「いまじゃ!!」

 

 半竜娘ちゃんの合図で、闇竜娘ちゃんが死霊術の詠唱を始めます。

 その姿はまるで霊幻なる道士を彷彿とさせるものです。

 

「急々如律令。これなるは天よりの勅令なり、命保つがごとく随身せよ――【命令(コマンド)】発動!」

 

『DORRRRRAGGOOOOOOOH!!??』

 

 闇竜娘が投げつけた呪符と響かせた鐘の音による命令は、腐竜(ドラゴリッチ)の腐った脳みそに残った僅かな知性と拮抗し、幾何(いくばく)もかからずにそれを濡れ紙を破るがごとく貫通し、瞬く間に支配下に置きました。*6

 

『GGGGRRRRRRRUUUUURRR……』

 

「支配完了だ!」

 

「次の手順も覚えとるな?」

 

「もちろんだ! よーし腐竜(ドラゴリッチ)! お仲間のところに行って、()()()()()()()()()()!」

 

『DDDDRRRRAAAAAA!!』

 

 主人である闇竜娘に命令されて、歓喜の雄たけびを上げながら腐竜(ドラゴリッチ)が元の道を戻っていきます。

 

「これで分裂の逆の手順で窪地の腐竜(ドラゴリッチ)を一つにまとめられそうじゃな」

 

「しかも支配下に置いてるやつの自我をメインにしたやつにな! オイラも呪文を切った甲斐があったぜ」

 

「そしたらあとは煮るなり焼くなりお好きにどうぞってわけね。強固な支配で抵抗させずに袋叩きにすれば安心よね」

 

「この後何があるか分かりませんから術も温存したかったですし、手早く済んで良かったですね、お姉さま!」

 

 ということで、あとはもう『勝った』ということで処理します。

 継戦カウンターは3ラウンド分を追加してフィニッシュ。

 窪地に居た腐竜(ドラゴリッチ)を全て自分自身に統合して帰ってきた腐竜(ドラゴリッチ)(闇竜娘による支配状態)をやっつけて、戦闘終了です。

 呪文2つの消費でLv9アンデッド12体を無力化できたなら十分でしょう。

 

「……私の知ってる戦闘じゃないのです……」

 

 白梟ちゃんがなんだかカルチャーショック受けてますが、どうせすぐ慣れるから何も問題なし。ヨシ!!

 

 

▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

▼△▼△▼△▼△▼△▼

 

 

 そしてさらに進むと、いよいよ山頂が見えてきました。

 

 そこに渦巻くのは恐ろしい呪われた病の力と冥府の冷気。

 吹き下ろす寒風と吹雪が、一党の体力を奪っていきます(体力抵抗に成功したが、消耗+1)。

 

「やはり山頂に元凶が()るようじゃの!」

 

「――人影があるわね」

 

「勝どきを上げてるみてーだ。こりゃ少し遅かったか?」

 

 黒幕らしき人影の哄笑とともに、吹雪が止み―― 山頂が晴れ渡っていきます。

 しかし雲は消えても光は戻らず、相変わらず一帯は陰の中です。

 

「雲が消えた―― なぜ吹雪が止んだんでしょう……?」

 

「見ろ、山の上に――」

 

 文庫神官の疑問に重ねるように、TS圃人斥候の驚愕する声が。

 小柄な彼女が指さした先を見れば――

 

「なんじゃ……? 大きな要塞が、逆さまに浮かんでおる……?」

 

 まるで反転した蜃気楼のように、霊峰の上にまるで要塞のような建造物と、それを支える荒涼とした死の大地が浮かんで、空を塗り替えています。

 光が差さなかったのは、雲の代わりにこの死の大地の要塞が蓋をしていたからだったのです。

 

 そこに、哄笑していた黒幕の声が聞こえてきました。

 吹き荒れる風によって黒幕のローブがはためき、備わった褐色の長い笹穂耳が露わになります。―― 闇人(ダークエルフ)です!

 

「ハハハハハハハ! おお! 冥府の女主人(ヘル)よ! よくぞここにその館を遣わしたもうた! これからは存分に寒さと飢えと病を振りまくがいい!! フハハハハハ!」

 

 空間を捻じ曲げたのかなんなのか、黒幕の闇人(ダークエルフ)の言うことが確かならば、まるで別の天体が直上にあるかのように見えるあの逆さまの大地は、冥府の支配者である女主人(ヘル)の居城のようです。

 

 

 

 というところで今回はここまで!

 ではまた次回!

 

 

*1
白梟の鳥人(文庫神官の【使徒】の人化形態):Lv6の使徒。データ的には夢魔をベースに精霊術を奇跡(知識神)に置き換え、魅了を俊敏(高速飛行)、吸精を半人化(=獣憑きの半獣化技能(習熟)として扱う)に入れ替えたもの。

【挿絵表示】

 イラストはPicrewの「ヨンジョウジンガイグラフィッカア」でつくりました。 https://picrew.me/share?cd=o7H8cK53QU

*2
叡智の白梟(文庫神官の【使徒】の鳥形態):Lv6の使徒。デフォルトはこっちの梟の形態の方。獣形態の方がコンパクトなため、獣人形態よりも生命力や攻撃威力が落ちる。もし単独で冒険させる機会があれば『獣憑き(ビーストバインド)』の冒険者としてデータを作成したいですね(そのうち)。

【挿絵表示】

 イラストはPicrewの「自分をフクロウだと信じてるクリーチャー」でつくりました。  https://picrew.me/share?cd=x6GakKwDKV

*3
腐竜の分裂:分裂した腐竜は、再び合一することで生命力を回復できる。合一には主行動を消費する。分裂した腐竜は別の自我を持つが、再び統合された場合は自我も統一される。

*4
死霊術【命令コマンド】:呪符または鐘、あるいは両方を用いて、知能の低い相手を支配状態に置くことができる。

*5
真言呪文【影写フェイク】:価格にして銀貨100枚以下程度の、術者が見たことがある物品を影を凝固させて再現する。時間経過で消滅。なお、剣や盾などとしての物理的機能は再現できるが、食物や薬としての機能や込められた魔法までは再現しない。ガソリンを具現化しても、ただのサラッとした液体にしかならず、火は着かない。サプリの追加呪文。TS圃人斥候がリビルド時に習得した。

*6
闇竜娘の死霊術【命令コマンド】行使:基礎値20+16+鐘同時使用4=達成値31。腐竜の呪文抵抗23を上回り、「知能:低い」に対する効果を発揮する達成値30以上の条件も達成。呪文維持し続ける限り、腐竜は支配状態(弱)に置かれる。




 
Q.腐竜との戦闘は?
A.更新されたQ&A見てたら戦闘するより楽な攻略方法を思いついちゃったんですよ……。(死霊術で支配した奴に分裂体を再吸収させて一本化して残ったやつを討滅)

===

■そのころ女神官ちゃん
ゾンビ化した雪男(サスカッチ)&別の群れの雪男(サスカッチ)を従えた雪の魔女(ヴァンパイア)が巣食う洞窟へと侵入。銀の矢を取り返して、レシピをもとに調合した秘伝の薬を塗った白銀の矢を使って雪の魔女にトドメを刺した。そうすると麓の方から爆発音と地響きが聞こえたのと、虫の知らせがあったため、そちらに可及的速やかに向かおうとしているところ。
(兎人猟師(父)は集落に無事到着。しかし消耗が激しいため戦闘参加はせず)
(ゾンビ雪男の分、妖精弓手ら銀等級の負担が増えた以外は概ね原作小説通り)

■そのころゴブスレさん
ゴブリンの巣穴に押し入ってゴブリンをスレイしたら、冷気が吹きあがってくるやたらと深い穴を発見。しかも小鬼じゃなくてなんか火を吹く犬(魔犬ヘルハウンド)や骸骨がたくさんいる。相手してられないので犬や骨ごと発破して埋めた――ら、その瓦礫を吹き飛ばしながら中からひときわ巨大で強大な犬が外に飛び出してきた(長い鎖につながれている犬。ガルム?)。ちょっとっていうかかなりヤバいかも。っていうかこの穴自体がヤバいやつだったのでは? と気づいたが、もはや逃れることはできんぞ。
(冥界と繋がる穴はもとからあったものかもしれない。その繋がりがあったからこそ、黒幕の闇人が霊峰を儀式の舞台に選んだのだとしたら、それを塞げば……?)

===

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