ゴブリンスレイヤーTAS 半竜娘チャート(RTA実況風) 作:舞 麻浦
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意外とキャラシ見てらっしゃる方がいらっしゃるので、これからも大きく成長したときは載せていきたいと思います。
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●前話
絶景かな!
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※ゲームマスタリーマガジンVOL.10(p.71)に掲載されたゴブスレTRPGシナリオ「
はいどーも。
熱帯で恐竜求めてバカンス! な実況、はーじまーるよー!
転移の魔法陣から出てみるとそこは、密林に覆われた絶海の孤島にそびえる塔の上でした。
島の中央―― 太陽の方角と島内での位置関係を見るに中央より若干南寄りでしょうか―― にそびえる塔の頂上。
島の四方を眺望できるそこで、半竜娘一党は転移酔いもなんのその、あたりの絶景に言葉を失っています。
「
そこへ蜥蜴人の言葉で声をかけてきた者が居ました。
声の方を見れば、恐らくは壮年の―― 蜥蜴人の年齢はあまり分かりませんが蜥蜴僧侶さんよりは年上っぽいです―― の蜥蜴人(♂)が。彼が、蜥蜴人の言葉で話しかけてきた張本人のようです。
「だが残念だったな。あれは我らをいいように操ろうという混沌の策謀であった」
蜥蜴人以外のメンバーを認めた彼は
「しかし既にその策謀も潰えた。祖竜を再生するという術の仔細も、首魁の闇人の命とともに、な」
疲れたように尻尾を垂らす蜥蜴人の彼は、どうも失意の底にいるようです。
年齢と所作から垣間見える実力から言っても、彼がこの地に来た蜥蜴人を率いてまとめる立場にあったのはすぐに推察できます。
気落ちしているのは、祖竜の復活がまやかしであったことへの落胆と、それを見抜けなかった己への不甲斐なさの故でしょうか。
責任感が強いのか、噂を聞いてやってくる後続の同胞に事の顛末を説明するために塔のてっぺんの転移陣のところで待ち構えていたのでしょう。
律儀ですねえ。真面目ですねえ。……貧乏くじを引くタイプですね……。
そしてそれを放っておく半竜娘ちゃんではありません。
なんてったってこれでも竜司祭(しかもLv10)ですからね。
「お主……随分と
「そうもなろうさ」
「ふぅむ。では話してみるといい」
「……何?」
懺悔を聞くのは聖職者の仕事です。
新しく取得した一般技能【赦しの秘跡】のスキルが陽の目を見ます!
「これでも
端くれどころか称号【竜祇官】を獲得するくらいに極めてますけどね。
「だが……」
「ふゥん。大方その首魁とやらにトドメを刺せなんだことを気にしておるのじゃろう?」
半竜娘ちゃんは荷物を置くと、ちょいちょいと指を曲げて誘います。
「要はお主は暴れ足りんのさ。じゃから、手前が爪牙を交えて “懺悔” を聞いてやるのじゃ。―― それが
「……ふっ、なるほど、な。暴れ足りない、か……あるいはそうかもしれん」
「さ。参られい」
構えて挑発する半竜娘ちゃんに対して、その蜥蜴人の彼もギチリと歯を食いしばって、返り血が沁み込んで赤く染まった自慢の爪を構えます。
「では巫女殿の爪をお借りするとしよう。“赤の爪”、参る! ―― すぐに終わってくれるなよ、巫女殿!!」
「は、は、ははは! それはこちらのセリフじゃて!!」
両者が駆け出し、爪を、牙を、振りかざして斬り結び、尾で脚を絡めて体勢を崩し、鱗で受け流し、その合間に叫ぶように会話を交えます。
……えぇ? 懺悔ってこんなアグレッシブなものでしたっけ??
「「「 おかーさん、がんばえーー!! 」」」 幼竜娘三姉妹の声援が響く中、他の一党の面子はめいめいに過ごしています。
具体的には、森人探検家ちゃんは周囲の地形の把握に遠見を、TS圃人斥候はおなかがすいたのでつまみの煎り豆を取り出して観戦がてら栄養補給を、文庫神官ちゃんは転移魔法陣の調査と記録を、それぞれし始めました。
なんかこう “はいはいいつものこといつものこと” って感じの慣れを感じますね……。
半竜娘の【赦しの秘跡】判定:相手の悩みを聞き出し、相談に乗り、心を癒やす。
知力反射9+竜司祭Lv10+赦しの秘跡1+2D664=30 > 目標値21 ○判定成功!
達成値30以上のため、蜥蜴人“赤の爪”は、悩みや煩悶を振り払わせてくれた半竜娘に多大な恩義を感じ、彼女ら一党に対して全面的に協力してくれるようになった!
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「こっちだ」
「わあ、ここにも転移陣があるんですね!」
……私の知ってる懺悔とちがーう、という手合わせ 兼 懺悔を済ませ、半竜娘一党+幼竜娘三姉妹は、蜥蜴人の壮年の戦士 “赤の爪” の先導で、塔の中を進んでいます。
辿り着いた先は、塔の地下。
そこにもまた、塔の天辺で見かけたのと同じような転移陣がありました。
「そうだ、ここから再生装置のある、島の西側の施設へと飛べるようになっている。ついて参られい――」
壮年の蜥蜴人戦長“赤の爪” の導きに従って転移陣を起動させ、肝心
「おおっ、本当に転移したのじゃ。便利じゃの!」
「件の闇人が言っていたことには、太古の魔術師が作ったものだということだからな」
「ただ島の中を移動するだけに転移陣を作るなんて豪儀ねー」
転移陣から降りた半竜娘ら一党が感嘆の声を上げます。
「ここから上が、目的の場所だ」
転移陣のある部屋から階段を上り、落とし戸を上げて上階に出ます。
出た場所はドーム状の施設の中央―― の大部屋の端です。
「うげーっ、なんじゃこりゃー!? く、くっせー!!? 防毒面!!」
その大部屋の中を見回そうとしたTS圃人斥候が鼻を押さえて叫びをあげました。
他の面々も同様に
ついてきた幼竜娘三姉妹は、「くちゃいぃ!」 「むぅりー」 「やー!!」と、ぴゅーっと落とし戸の下に戻っていきました。
「む……素体の原形質が腐っておったか……」
「“赤の爪” よ、これは……?」
半竜娘ちゃんたち一党と“赤の爪”の目の前にあるのは、大部屋の床をほぼすべて覆うほどのプール。
そして、そこに溜まった、猛烈な腐敗臭を放つヘドロのようなものでした。
「ああ、これは――――」
そして “赤の爪” が説明するところによれば、森人に扮していた闇人竜司祭は、“大きな琥珀” を用いて装置を動かし、当時は空っぽだったプールに原形質を満たして、そこから恐るべき竜を生成し、使役してみせたのだといいます。
「なるほどなのじゃ……。そしていくら魔術の産物とはいえナマモノである以上、恐るべき竜のなりそこないの原形質が、熱帯の環境で腐り果てた、というわけじゃな……」
熱帯、半球状のドーム、陰謀の後で放置され、機能が停止した施設。
まあ腐りますよね。
「う、うぅぅぅうううっ! げ、限界です、防毒面越しでも臭います! ひょっとしたら腐ったこれも貴重な資料なのかもしれませんがっ! お姉さま?! よろしいですよね?!」
「ああ、頼むのじゃ! 手前らも支援するのじゃ!」 「うぐぅっ、ご、ご主人、一気に頼むのです! 早くやるのです!」
「いきます! “蝋燭の番人よ! 汚濁を取り除く我が手元に、どうか一筋の灯火を!”――【
頑固な汚れにこの一本!
文庫神官の【浄化】の嘆願が、半竜娘と白梟使徒の支援に後押しされ、天上の神の御技をもたらします。
まるで小さな火種が落ちてそこから広がった蒼い浄化の炎が一瞬ですべてを塗り替えるような壮麗なビジョンが見えたかと思えば、この再生池のある部屋のすべてが、清浄な状態へと回帰します。
再生池の中身は純水になり、
また、先ほどまで一帯に立ち込めていた身の危険を覚えるほどの臭気も、すっかり消えてしまいました。
「ふぅー、これで一息つけるわね」
「まったくだ。ひどい目に遭ったぜ」
森人探検家とTS圃人斥候が防毒面を外し、げんなりした顔を露わにします。
「それで、これからどうするつもりだ? あの闇人は、決して自分の持つ知識も秘儀の詳細も、我ら蜥蜴人には明かそうとしなかったぞ」
「知れたことじゃ」
遺跡を動かすにせよ封印するにせよ、壊すのでなければ相応の知識が必要ですが、それを知る闇人は、すでに別の冒険者らの手によって討たれています。
“赤の爪” の蜥蜴人の戦長の懸念どおり、いまやこの世にはこの遺跡の知識を持つものは居ません。
「知っている者から聞けばいいのじゃよ」
「いや、だからもう既に奴は死んだ。あの白粉を塗った闇人の女
そうでしょう。
しかし、
「たとえ死して魂が大いなる輪環を巡るとて、大望
―― 死者の声を聴き、未練を晴らす。
それが善き死人占い師の本懐です。
「死してなお未練を残すものに問えばよい。“見え、聞き、触れ、嗅ぎ、味わうならば、生死の境は幽玄の彼方”――【
半竜娘ちゃんが懐から取り出した水晶玉を触媒に、指で虚空に秘印を切ると、死霊術の力場が放たれはじめました。
竜牙のアクセサリに収まった
「まずは徐々にこの空間に残された霊的な痕跡を洗い出す……」
集中した半竜娘ちゃんが、手に持った水晶玉をかざして、プールのあるこの大部屋のあちこちをぐるりと見渡すように動きます。
あるいはその歩き方や、手の動かし方も、重要な術の構成要素なのかもしれません。
ぞわぞわとした蟻走感が見ているものの背筋を撫で、何やら暑いはずの室内の気温が一段下がったかのような錯覚に見舞われます。
しばらくそうして部屋の中をゆっくりと荘厳に舞うように動いていた半竜娘ちゃんですが、一点で動きを止めます。
「ここじゃな……」
止まった場所は培養槽である大きなプールの一角。
今は澄んだ水が満たされているその底に、華奢な人骨らしきものが一塊あるのが見えています。
上半身と下半身が泣き別れしたそれは、骨盤の形を見るに女性の骨のようです。
おそらくはそれこそが、トドメを刺されたという闇人竜司祭の女の遺骨なのでしょう。
「やはり未練があったようじゃの。お主の残した今際の念が、そこに見えるぞ」
やがて【
四十九日過ぎていなかったのか、あるいは半竜娘ちゃんの霊感が冴えわたっているのか、そこに残った未練を可視化したのです。
『……なに? 無様に失敗した私にいったい何の用なのよ……』
見えてきたのは、やはり闇人の女です。ローブを纏ったその女の霊体は、杖頭に砕けた宝石―― おそらくは大きな琥珀だったのでしょう―― が乗った杖を未練がましく持っています。
「知恵を貸してほしいんじゃよ」
『……ふん。そんなことだろうと思ったわ』
「ふふん。つれない態度を取ったところで分かっておるぞ? お主が何故他でもなく “恐るべき竜の復活” という手段をとったのか」
幸いにも受け答えできる程度の理性まで再現された霊体のようです。
【赦しの秘跡】技能や【交渉】技能、そして真言呪文【
「結局お主もまた、恐るべき竜に魅せられた……そうであろ?」
『……ばかばかしい。あのような大きいだけの蜥蜴を崇める貴様ら
「いくら否定しようとも、お主の未練がここに残っておることがその証拠。―― お主の最期は聞いておる。琥珀を砕かれたことで制御を失った
『…………』
「そして魅せられた。未練を
『…………』
「その未練、手前に託してみんか? 恐るべき竜、力の権化、その復活――――」
▼△▼△▼△▼
手練手管で闇人竜司祭の女の霊から必要な情報を聞き出した半竜娘ちゃんは、培養槽の大プールの底に沈んだ闇人竜司祭の遺骨を浚って引き揚げます。
「リーダー、話はついたの?」
「うむ。必要なことは聞きだしたのじゃ。
森人探検家の問いに、半竜娘ちゃんは引き上げた骨格一式に欠けがないか確認するために死体袋の上にきれいに並べながら答えました。
「お姉さま。その遺骨、どうなさるおつもりですか? この場で供養するわけでもなさそうですし……」
「ふむ。交渉の結果、ある程度ここの施設で祖竜を復活させたのを見届けるのを条件に、朽ちるに任せるのではなく、死霊術の素材として使うことを許してくれたのじゃよ」
「……あの。お姉さまが使える死体を素材にする術というと、【
「別に魔神召喚では必ずしも素材となった遺体の魂を消費するわけではないのじゃよ? 基本的には条件に合う
もちろん
あとは敵の死体を使い捨てにするやりかたもあるでしょう。例えば直前に手にかけたゴブリンの死体を素材にその霊魂に『お前を見捨てたあいつらに一発かましてやろうぜ』って唆して【
ゴブリンの死体は、死霊術的な観点からは残った想念の思考が読みやすくてチョロいし(あいつらまじゴブリン)、最低限の知能はまああるし、どこにでもいるから調達も容易だし損壊させても良心も傷まないしで、現地調達の素材としては割と使い勝手もいいのかもしれません。……さすがに普段使い用に持ち歩くのはノーサンキューですが。
「んで、結局どうやるんだ? 装置を動かすにしても、鍵になるでっけー琥珀は失われてんだろ?」
「そこは抜かりないのじゃ。琥珀―― というよりも、重要なのはある種の電気信号じゃったようでな」
「電気? 琥珀と電気って関係あるのか?」
「あるのじゃよ。まあ、雷の精霊を召喚しても良し、手前の契約魔神が雷の精霊術を修めておるでそれをうまく使っても良しじゃ。似た施設は辺境の街の地下でも見たことあるしのう」*2
「……うまくいくのか~?」
「もし駄目じゃったら、予備の琥珀を探してもらうことになろうの。期待しておるぞ? 斥候殿」
「うまくいくことを祈るぜ!(余計な手間はごめんだぜ!)」
TS圃人斥候が胡散臭い笑みで “健闘を祈る” とサムズアップ。
……施設の再稼働のための応急修理に真言呪文【
「……おお、では、巫女殿……」 “赤の爪” が期待に目を輝かせます。
「うむ、まあある種の
「おおおぉぉぉ……!!」
再生池いっぱいの原形質から再生された紛い物とはいえ、“赤の爪” の蜥蜴人戦長が目撃した、闇人竜司祭の身体を食いちぎった
力の信奉者である蜥蜴人にとっては “動く仏像本尊” ともいえる再生恐竜にまた会えるというのは、感動に値することです。
「楽しみだね!」 「ねー!」 「わたしたちもいっぱい手伝おう!」
幼竜娘三姉妹もやる気まんまんです!
「うむ! ではここに『
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というわけで、恐るべき竜を再生する施設を再稼働し、この奇跡の島を祖竜の楽園とするべく、半竜娘ちゃんたち一党は働き始めました。
残された研究資料を読み解き。
施設を【影写】で出した部材をあてて応急修理して動かしてみてその働きを検証し、本格修理すべき場所を特定したり。
転移陣で街に戻って本格修理に必要な物資を補給したり。
原形質に転換するための栄養を集めるために、闇竜娘の精霊術【
同じようにして海で
その過程で闇竜娘と白梟使徒が共同戦線を張ってある程度戦友としての絆を結んだりもして。
一方で休暇らしく、闇竜娘の祖竜術【
そして順調に施設の再建と、恐るべき竜の再生が進み――――
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季節が1つ移り変わるくらいに紅と碧の双月が巡り。
時期としては辺境の街に冒険者希望のひよっこたちが押し寄せ、馴染んできたころ。
変わらず熱帯の “奇跡の島” にて。
密林の木々が揺れ、それは姿を現しました。
巨大な足音とともに地面を揺らす大樹のような4本の脚。
密林の木々の間を抜けて上に飛び出るほどの長い首。
それとバランスを取るように伸びた長い長い尾。
巨体を支えるために隆起した筋肉が覆う小山のような体躯。
その巨竜の頭の上に乗って手綱をかける半蜥蜴人の幼女が3人。
「わー、すっごい! でっかーい! たかーい!」
「乗ってお散歩できるなんて……! 【
「これが、“
『BBBBRRRAAAAACCCHHIIIOOONNN!!!!』
ではまた次回!
♪てれてーてって、てれてーてって、てれててーん♪(例の
次回、『それは
……とクライマックスへ助走をつける前に、幕間で、施設再稼働して恐竜再生するまでのあれこれとか、島で恐竜と戯れる一党の話のとか入れると思いますので実際は次々回くらいですかね(いつものごとく予定は未定)。
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最新15巻をとらのあなで予約すると! なんと! ゴブスレさんがいつものメンバーと一緒にサイバーパンク世界でゴブリンを殺すというあの話が収録された冊子が有償特典で手に入れられるようになるとか!
https://twitter.com/GoblinSlayer_GA/status/1410874086734000132
これ気になってたけど持ってなかったので助かるんじゃ~~
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ご評価、ご感想、まっこと