ゴブリンスレイヤーTAS 半竜娘チャート(RTA実況風) 作:舞 麻浦
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◆半竜娘の魔道具作成技能について(独自裁定)
・竜血のポーション各種
血に封じた祖竜術(対象を術者自身とするもの)をポーション化可能。対象となる術は【竜命】【竜眼】【竜翼】【竜爪】【竜鱗】【竜顎】【閃技】【竜胞】【胃石】。ただし、【胃石】は呪文維持をポーション服用者が別途行わなければならないので竜司祭でない者が飲んでも発動までのハードルが高く、高位呪文の【
・真言呪文のスクロール
高位魔神の知識を吸い上げたことにより、習得している真言呪文をスクロールに封じることが可能になっている。巻物1つにつき呪文使用回数を1つ消費。材料費と手間がかかる。高難易度の呪文ほど、スクロール作成にかかる時間が長くなるし、材料の費用も嵩み、判定難易度も上がる。イメージ的には、[呪文難易度/5×1D3]×1時間がかかるイメージ。これだと【巨大】のスクロール化には2~6時間、【加速】は3~9時間、【分身】は4~12時間かかる。作成時間がネックになるため、1日に1~2本の巻物を作れればいい方だろう。落ち着いて作業できる空間と、作成用の設備が必要。つまりほぼ拠点でしか生産できない。
・その他の魔道具
ウッドゴーレム製造機や、幻影の宝珠などを作成してきた。冒険に使わないフレーバー的なものであれば融通が利くイメージ。その他はGMと要相談(想定される価格と素材入手難易度、作成難易度を連動させるイメージだろうか)。これも生産は拠点でのみ行うことを想定している。
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●前話
ここにジュラシック・○ールドを創ろう
※ゲームマスタリーマガジンVOL.10(p.71)に掲載されたゴブスレTRPGシナリオ「
1.
「……っ。ここが “奇跡の島” ですのね」
南海の孤島、恐るべき竜が跋扈する “奇跡の島” になる予定のこの島に設けられた、古の魔術師の立てた塔の頂上。
そこにある転移陣から出てきたのは、お付きの者を幾人か引き連れた女商人。軽銀商会の会頭だった。
お付きの者の中には、かつての彼女の一党の仲間の姿も見える。
彼女たちは転移酔いに一瞬ふらつくものの、流石は元冒険者。すぐに気を取り直して周囲を見渡した。
「ようこそ、会頭殿。さ、こちらへ」
「お久しぶりです。そちらもお変わりないようで」
「まあ
そこへ端的に声をかけたのは、
半竜娘一党の野伏、森人探検家であった。
今回は護衛の眼もあるため、社会人として最低限の敬語は使っている。
旧交を温めるなら、また後で、ということだ。
しかし蒸し暑い。
聞けば、さきほどスコールが降ったばかりだという。
西方辺境から着てきた防寒具を畳みつつ、女商人は森人探検家の先導に従った。
軽くやり取りしつつ、塔の地下の転移陣へ。
「……転移陣の大盤振る舞いですわね」
「ええ。きっと凄腕の魔術師の手によるものだったのでしょう。転移陣も含めて、この遺跡の機構の解明も進めてますけれど、なかなかの難物みたいですね」
「そうなのですね。半竜のあの方なら、何でもない風に解明しているものかと」
「うちのリーダーが契約しているモノどもが、割と空間系統の術に詳しいので、目途は立っているようですが」
「それはそれは。結構なことです」
転移陣の解明が進んでいると聞いて、女商人の顔がほころぶ。
もし恩恵に
実際、半竜娘は、時空属性の契約精霊である “ティーアースの欠片” と、高位真言呪文 “
塔の地下の転移陣を抜けて、恐るべき竜の再生施設がある西のドームへ。
「ここがその再生施設ですか。……こっちは涼しいのですね」
「空調機能まではなんとか復旧したところでしてね。ただ、まだ全機能の掌握ができたわけでは」
「ええ。承知しています。そのために私が呼ばれたのでしょう?」
女商人は腕に嵌めた金属製の腕輪と、そこに並んだ
階段を上り、落とし戸を抜けて、ドームの中へと。
先導する森人探検家に引き続き、女商人とその護衛は足を進めた。
「おお、よう来てくれたのじゃ!」 そのドームの中。何らかの制御装置らしき筐体で作業をしていた半竜娘が歓迎した。傍らには、文庫神官の姿も見える。
「お久しぶりです」 挨拶を返しつつ、女商人が半竜娘の大きな手と握手する。「お変わりないようで何よりです」
「うむ。早速じゃが頼めるかの?」 半竜娘が筐体を指さす。
「ええ、お任せを。……支援はお願いしても?」 女商人が
「もちろんじゃとも。手前が【
「お久しぶりです。よろしくお願いしますね」 半竜娘に改めて紹介された文庫神官が、司教杖を持って頭を下げる。
「―― あとは “知覚上昇の秘薬” も使ってもらおうかと思うておるが……」 半竜娘がポーション瓶を取り出して渡してくる。
「分かりました。それだけしていただければ十分でしょう。必ずやご期待に応えて見せますわ」
そう言うと、女商人は半竜娘からポーション瓶を受け取り、それを飲んだ。一定時間の知覚力を上昇させ、第六感を冴えわたらせる作用がある。
そして半竜娘と入れ替わりに筐体の前に立つと、女商人は自らの腕輪のギミックを作動させた。
「それが “
「ええ」 それを受けて女商人も自慢げに答える。「こういった太古の遺跡にアクセスするためのデバイスです。まだまだ研究中ですので、雷精使い専用ですが……。異界の技術と雷精との相性が良かったのが幸いでした」
補助骨格のような形のガントレットには、ところどころに電気石が埋め込まれており、女商人の契約精霊である雷精の輝きが宿っているのが見て取れた。
「さて。それではこのデバイスを介して、遺跡の制御機構に接触し、権限を書き換えますわ」 筐体にスケルトンガントレット型のデバイスを這わせて、真剣な眼差しをした女商人が告げる。
「よろしく頼むのじゃ。――【
半竜娘の【加速】と文庫神官の【真灯】による援護が為され、女商人は遺跡の制御権限を書き換えるべく、意識を
電子の世界での戦いが、幕を開けた。
<『1.管理者権限の取得に成功。遺跡を掌握しました。~~女商人は一流デッカーのようです~~』 了>
▼△▼△▼
2.生体材料を集めよう
遺跡の全機能を掌握。
女商人には適切な報酬を渡し、今後の遺跡の研究成果などを共有することを約束した。
詳しくは交易神官でもある一党の金庫番、森人探検家が窓口となって折衝することになるだろう。
半竜娘たちは大仕事をした女商人と旧交を温めた。
その後、実際に祖竜を再生できるようになったらお披露目に呼ぶことを約束し、女商人(とその御付きたち)を見送った。
さて。
恐るべき竜(に似た紛い物)を再生するに当たって、その設計図たる遺伝子情報は既に遺跡の中に残されており、そのサルベージに成功した。
プラントの整備修復も進めており、経年劣化した個所の補修を順次行っている。
「
制御室らしき場所のモニターの前で、半竜娘が確認している。
表示されている文字は現代の言葉ではない。
それを読むために、森人探検家から【読解】の魔法が込められた眼鏡を借りている。
魔道具の眼鏡にモニターの光が反射して輝く。
「
モニターには祖竜の種類を示すと思われるリストが広がり、データがライブラリに収められていることが分かる。
これが恐らくは再生可能な竜たちなのだろう。
「稼働率は、62%というところかの……」
さらにコンソールを
「ただ、ラインを1つ優先して復旧させておるから、生産自体はもう可能じゃ」
その施設稼働状況の一点、“原料タンク” と表示された場所を拡大させて表示。
そこには “Empty(空っぽ)” という意味の表示が。
「とはいえ、原形質に転換するための生体材料が不足しておるから、次はその補充じゃな」
…………。
……。
祖竜の再生といっても、もちろん無から生まれさせられるわけではない。
原形質から再生させるためには、その原形質を培養増殖するための、
そのための原材料としては単純に、蛋白質を中心として生体に必要な材料をそろえれば良いらしい。
それを遺跡の前処理装置に突っ込むことで、粉砕・消化され、原形質の培養に使える品質の原料になるのだとか。
恒常的な原形質の培養のために、ある種の藻類を、その栄養源にするために増殖させる水槽も設けられているようだが、そちらの稼働はまだ不十分なようだ。そのうち藻が
だが、藻が育つまで待てない!
というわけで。
手っ取り早く施設を稼働させるために、効率的に蛋白源を集めるというミッションが下された。
「まったく、なんで私がこの
梟形態でも分かるジト目で睨んでいる。
「そう言うなって。仲良くやろうぜ?」 軽薄な調子でウィンクをしたのは闇竜娘。「
「はあ。それはそっちが契約主から “仲良くするように” 命令されているからでしょうに」 器用に肩を竦めるような動作をして、白梟使徒は飛び上がった。「それより仕事です。さっさとブツを寄こすのです」
「そう急かすなって。―― “
「早く寄こすのです、早速ここに集まり始めているのです!」 術と同時に地面や枝が蠢き始めたのを感知して、白梟使徒が急かす。
「ほらよっ! 受け取れ! んでもって島中に香りをバラまいてこい!」 闇竜娘が香り立つ枝を投げる。
「命令すんな、です!」 空中でそれを受け取った白梟使徒は、すぐに【俊敏】技能を発揮して空を翔けた。
「いってらっしゃーい、ってな」 それを見送った闇竜娘は、懐からスクロールを取り出した。「んじゃ、さらに準備を進めるとしよう。――スクロール【
闇竜娘は魔法の巻物で分身を呼び出すと、それを媒介に結界の祖竜術を行使。敵が入れないようにした。
「範囲を絞って~、と。あとは梟が帰ってくるまで待つか」
…………。
……。
「ひぃいぃぃいい、なのです――!!?」
「おおっと、かなり引き連れて来たな!」
疑似餌を
甲虫や
ところどころ構造色で輝く、黒い煙のような大群となって、あるいは地を埋め尽くす濁流となって、それらはやってきた。
蟲の大群だ!
「ふふん。一網打尽ってもんだ!」 闇竜娘は木の器に入れた甘酸っぱい腐敗臭がする腐汁を触媒に死霊術の呪文を唱えた。「――――“毒液、粘液、病毒の王! 触れ得ざるもの! 小さな杖にあらずして命なきもの!” 【
それは死病をもたらす死霊術。
「病原変異! 蟲用の特製! 【
悪疫をもたらす力場が蟲たちの先頭集団に炸裂。
即座にその小さな体の内側から発生した調整済みウィルスが、蟲たちの身体を食い破る!
「弾けろ! そして感染せよ! 蔓延せよ!」
病原体に侵された蟲たちは動きを止め、押し寄せる後続の蟲たちの塊に吞み込まれ、さらに感染を広げていく。
一部の蟲はウイルスまみれの体液を噴き出して撒き散らし、さらにウイルスを拡散させる。
「……おまえの素体になったのは、病毒のデーモンだったのです?」 背に腹は代えられず【
「やなこった。……ま、死霊術と精霊術の名手だったみたいだぜ、
結界内でフェロモンを撒き散らし続ける疑似餌に引き付けられた蟲たちは、【狩場】の結界に遮られて内部には入れず、その前で病魔にやられて死に絶えていく。
次々と押し寄せる蟲の大群が、そのまま死んで黒山となって積み上がっていく。
「……これを回収する方が大変なのですよ」
「ま、それは巨大化した
と、そのとき。
密林の間から、大きなものが姿を現した!
『MMMMAAAANNNTTIIIIIISSSS!!!』
巨大カマキリだ!
「デカブツが来なすった!」
「といっても結界は超えられないようなのですよ」
ガンガンと結界の境を叩くが、巨大カマキリはそこから中には入って来られない。
「
「まったく貧乏くじなのですよ! だいたい、そっちの分身に働かせればいいのです! ――
「分かってる分かってる! ちゃんとやらせるっつーの!」
獣人態に変化した白梟使徒と、【狩場】の術の媒介に呼び出された闇竜娘の分身体が、鋭い爪を構えてタイミングを合わせると、結界に張り付く巨大カマキリへと駆けだした。
<『2.共闘により友好度アップ!』 了>
▼△▼△▼
3.崖の上の
「お、おかーさん!」 「助けてっ!?」 「引きずり込まれるゥ!?」
“奇跡の島” の切り立った崖にて。
釣り竿を垂らしていた幼竜娘三姉妹が悲鳴を上げた。
あとひと季節もたたずに生後一年となる彼女らは、既に只人でいうと10歳程度にも見える。
この南の島で過ごすうちに急成長し、TS圃人斥候と同じくらいの背丈になっている。
そんな急成長した彼女らに対してしかし、かかった獲物は大きすぎたのか、竿は大きくしなり、今にも支える姉妹たちごと海へと飛んでいきそうになっている。
「どぅれ!
口の端からは、海産物を串焼きにしたものがはみ出ている。釣ったものの一部を磯で焼いてバーべーキューをしていたのだ。
「「「 おかーさん、はーやーくーーー!! 」」」
間に合わなくなっても知らんぞーー!!? と切羽詰まった声を上げる幼竜娘三姉妹から釣竿を取り上げると、即座に “釣竿” を装備し、もろともに【巨大】化。
「おぉおっりゃあああ!!」
なのじゃー! と獲物を一本釣り。
果たして飛び出したのは――
「おー、シーサーペントか」 少し離れたところ、磯の平らになったところで海鮮串を頬張るTS圃人斥候が
「大物ねえ。こんなのが釣れるのは、岸まで深海から崖が切り上がってるおかげよね。珊瑚礁に囲まれてたらこうはいかないわ」 さっと大弓を手に取って、いまだに空中にある大海蛇の眼窩を通して脳髄へと矢を放つのは、森人探検家。「よっし、命中!」
狙い過たず連射した矢はシーサーペントの小さな眼を貫通し、その脳髄を破壊した。
「お見事です! ……でも、【
「んー。ああ、針に食いついた “大蛸” をさらにシーサーペントが食ったみてーだな」 大ウミヘビの口の端から出ている巨大蛸の触手に気づいたTS圃人斥候。
「蛸も【
口を開けてかぶりつくさまは下品なはずだが、エルフというものは何をしても絵になるものだ。
「そうですね。特に再生した恐るべき竜様方が、運搬に力を貸してくれるようになったおかげで、こうやってレクリエーションする余裕も出来ましたし」 焼き網にセットするのがひと段落した文庫神官が汗を拭う。
ちなみに全員、遺跡の備品室に置いてあった “アロハシャツ” を着ている。
南国といえばアロハ。胸の下で裾を結び、胸元を強調しつつ、臍を見せていくスタイルだ。
郷に入っては郷に従え。現地の被服がやはりその地で過ごすには快適なのだ。
半竜娘が着られる超巨大サイズがあったのには驚いたが。
そうしている間に、釣り上げられた巨大なウミヘビは宙を飛んで、磯の向こうに地響きを立てて墜落。
キラキラとした水しぶきと、銀に光る細い鱗を撒き散らした。
「うむ。そしたらお前たちは “
祖竜の再生は進んでおり、放し飼いにしたり、荷物の運搬に協力してもらったりしているのだ。只人の10倍もの体高がある腕龍は、こういった海からの大物を運ぶのによく力を借りているのだ。
「「「
「おいおい、ガキだけで行かせんなって。オイラもついてくことにするぜ」 すぐにそれに付いていくTS圃人斥候。
放し飼いにされている恐るべき竜――
それにしてもすっかり子守りが板についてきた。……というよりも、他の面々は子育てよりも
用意しておいた巨大な台車にシーサーペントを載せ、その口の中から喰われかけの大蛸を取り出し、【蟲寄】の術がかかった針を外し。
「んじゃあ、もういっちょ釣ってみるかのう!」
半竜娘は竿を担いで再び釣りのために崖の端へと戻っていった。
<『3.大漁大漁!!』 了>
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4.ぼくのかんがえたさいきょうのきょうりゅう
再稼働した遺跡の制御機構の奥底。廃棄するデータを格納する記憶領域。
そこで削除されるはずだった禁忌のデータが、何のバグか、再稼働のプロセスに混ざって、サルベージされた。
サルベージ、
“最強の恐るべき竜を作り出せないか”という冗談のような産物。
様々な祖竜の、あるいは他の生物の能力をキメラ的に組み込んだ怪物。
しかしながら、完成された芸術品。
それは既に半自動モードで次々と祖竜を再生していた遺跡のプロセスに割り込み……。
定められた設計図通りに、その身を原形質から組み上げ始めた。
ライブラリに登録されたその名は――――
<『4.“
※
1 物事に束縛されないで行動が自由気ままであること。また、そのさま。「独立
2 才能などが並はずれていて、枠からはみ出すこと。また、そのさま。「
※インドミナス(indominus):映画「ジュラシック・ワールド」で登場した造語。支配者を意味するラテン語に否定の接頭辞をつけたもの。“制御不能の” “飼い馴らせない” “アンチェイン”あたりの意味合いと思われる。
この遺跡を作った太古の魔術師的には「葬ったはずの黒歴史ノートが残ってた」みたいな感じでしょうか。
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