ゴブリンスレイヤーTAS 半竜娘チャート(RTA実況風) 作:舞 麻浦
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●前話
・東の国境を越えた向こうに
・砂漠の犀人からの依頼:
鳥人の
・東の国境を接する国の一つである砂漠の国から、ゴブリンが次々とやって来るという。
・女商人からの依頼:
蛍石の鉱脈探索・販路開拓を
・同上、受諾済み―― 先任の一党:鉢巻きの青年剣士一党。
女魔法使い「あら、久しぶり!」
女武道家「わぁ! 奇遇ね!」
女神官「先任の一党ってみなさんのことだったんですか!?」
きゃあきゃあ言って再会を喜ぶ三人娘。
圃人の少女剣士「世界最強の剣士に―― って意味では外国に出るのは世界制覇の第一歩よね!」
先の長さを嘆く赤毛眼鏡の弟君をバシーンと叩くのは、歩むだけ進んだ足元を確かめるポジティブさが売りのポニーテールに大剣の圃人の少女。
はいどーも!
空
前回は砂漠から来た犀人―― 元冒険者的な主人に仕える使用人―― からの依頼を受けて、彼が追っている鳥人の盗賊の追撃のアシになる依頼を受けたところまででしたね。
それで現在、半竜娘ちゃんたちは空の上です。
「おおおおおお! 素晴らしいなっ! これならきっと賊に追いつけるぞ!」
「そうであろう、そうであろう! 竜が鳥に追いつけない道理はないのじゃっ!」
ふははははははーー!! と上機嫌に空を飛ぶのは、はい、皆さんご存じ10倍【巨大】化半竜娘ちゃんです。*1
もろともに巨大化した
祖竜術【
真言呪文【
真言呪文【
さらに森人探検家による交易神の奇跡【
精霊術【
さらには必要経費ということで購入した2種類の
さらにさらに、武技【軽功】と祖竜術【
えーと、【軽功】の効果で素の移動力の種族係数を上げて……装備している【ジェットブーツ】の効果で移動力が底上げされて……奇跡【
ここから倍率が、巨大化で「×10」、真言呪文の方の【加速】で「×2」、奇跡の方の【加速】で「×2」、奇跡【旅人】で「×1.5」、精霊術【追風】で「×1.5」、祖竜術【突撃】で「×3」で……。
ふむ、なるほど。最初の移動は、1ラウンドで18,090m移動してますね。18キロメートル??
1ラウンドが30秒なので、等加速度運動で加速していったとすれば、終端速度はだいたい―― 時速4342km!!
マッハ換算だとマッハ約3.6!
辺り一帯が衝撃波でえらいことになりますねえ、これは!
ま、まあ多分一気に高空まで上昇してから水平飛行に入ったんでしょう。
それか風の精霊がめっちゃ仕事してるかですね。
あとは半竜娘ちゃんの背に乗っている本人たちは真言呪文【
流石に生身でしがみついてられないでしょ、これは……。
まあ巡航状態に入っても(=武技【軽功】や祖竜術【突撃】の効果が切れても)亜音速くらいは維持して
ただ、【加速】の二重掛けで消耗スピードが半端ないことになるので、背に乗っている人員は祖竜術や奇跡の【
速さのために滅茶苦茶コストかけていますね、これは。
いっそ転移の巻物を買った方が安かった可能性もあります。追撃戦なのでそれはできませんでしたが。
「……
蒼く燃え落ちる巻物を空に散らしながら森人探検家が尋ねます。
「残り6割くらいかねー」
空間拡張鞄を見ながらそれに答えるTS圃人斥候。【賦活】のスクロールの残量がすなわち最速を保てるリミットに直結します。
「速度が速すぎて現在地を見失いそうです……!」
「こっちも目が回るのですよ……」
必死に太陽や地平線に見える山の位置を元に航路の記録を取る文庫神官ちゃん。
そしてその鎧の肩に捉まって、鳥類としての地磁気探知感覚を、主人たる文庫神官に同期させて測量に貢献する白梟使徒ちゃん。
「わー速い!」 「流石お母さま!」 「さすおか!」
蜥蜴尻尾をピンと伸ばしてはしゃいでいるのは幼竜娘三姉妹。何事も経験ということで着いてきたのです。超音速飛行
「針路は合っているか?」
犀人が話しかける先には、砂漠風の外套に身を包んだ美女がいます。踊り子なのか、外套の下は薄着です。そしてその彼女の手には水晶玉が乗っています。
「はい、この調子ならあと四半刻であの盗人に追い付けるかと」*4
犀人に答えた踊り子は自信満々です。
占いの技を持つ彼女が持つ水晶玉には、敵の鳥人の居場所の方位が影として指し示されています。
そしてその影は急速に大きくなっており、敵との距離が近づいていることを知らせています。
ちなみに、依頼人側から付いてきたのは、犀人と踊り子の2名です。
もともと本拠地の砂漠の国から遠く離れた王国西部辺境に派遣されていた人数が少なかったのと、散逸した盗品の買戻しを担当する人員を置いてきたためですね。
▼△▼△▼
飛び続けることさらに四半刻。
「見つけました! アレです!!」
「おお! でかした!」
踊り子の水晶に映る影が今までで一番濃く指し示した先。
そこには、泡を喰って逃げ出す鳥人の姿がありました。
砂漠の犀人は敵発見の知らせに
「……といっても俺には見えんな」
巨大化して空を飛ぶ半竜娘ちゃんの背で立ち上がった犀人ですが、種族的な近視のためか遠くの鳥人が見えないようです。
いままで賊頭鳥人を捕まえられなかったのは、近眼のせいで見失っていたとかいう事情もあるのかもしれませんね。
「よければこれを……」
文庫神官ちゃんがポーション瓶を差し出します。
「これは?」
それを受け取る犀人。
「【
文庫神官ちゃんが差し出したのは、半竜娘ちゃんの【竜血】を材料にした、【竜眼】が込められたポーションでした。
これなら犀人の近眼も解決ですね!
「ふぅむ。正規品以外のポーションは普段は飲まないようにしているが……信用しよう」
そう言って目を瞑って、グイっと一飲みする犀人の男。
次の瞬間、カッと目を見開けば、既にその眼は竜のように縦に裂けた瞳孔に変化していました。
「いかがですか?」
「お、おぉぉぉおお! 見える! 見えるぞ! ハッキリと見える!」
犀人は、初めて自分に合う眼鏡をかけた子供のようにはしゃぎ始めました。涙を流さんばかりに感動しているようです。
眼鏡の有無は、
「それで追い付いたらどうすんじゃー!?」
半竜娘ちゃんが風の音に負けないくらいの大声で叫びます。
風の精霊の【追風】の加護で空気の乱れが少ないとはいえ、それでも周りの大気は轟々と渦巻いています。生身なので伝声管なんて中に通してはいませんし、伝えるためには大声を出さざるを得ません。
その間にも、彼我の距離は徐々に詰まっていきます。
いくら賊頭鳥人が逃げ上手とはいえ、贅沢な魔法の加護により速度で上回る半竜娘ちゃんを振り切れる道理はありません。
「貴公らの仕事に感謝を! ここからは俺たちの手で行うべきことだ!」
犀人が大きな声で叫び返します。
「俺たちが、ケジメをつけさせる! 主人の物を盗んだ愚か者に、鉄槌を!!」
犀人の言葉を受けて、踊り子も準備をはじめます。
もう賊頭鳥人はすぐそこに見えています。
その恐怖の表情もありありと分かるくらいの距離まで近づきました。
踊り子の両の手はいつの間にか革と
空戦では、追いつき、追い抜くまでは一瞬です。
「ギリギリまで寄せていただき感謝ですの! いきます、≪
踊り子が唱えた
それは狙い過たず、真言の示すとおりに効果を発揮しました。
「ち……くしょう、なんだソレ!? ドラゴンまで引っ張り出してくんのかよ!? ぐぁああああああああああああああ!!?」
空に広がる賊頭鳥人の叫び。
【力矢】の射程60m……空戦においてはあまりに狭い有効範囲。
しかし半竜娘ちゃんがその
そして放たれた矢は、半竜娘ちゃんと賊頭鳥人の相対速度を加算された状態で、賊頭鳥人の両翼に命中。
ただでさえ脆いと言われる鳥人の肉体がそれに耐えられるわけもなく―― 賊頭鳥人の翼を文字通りに粉砕しました。
鏃が命中した箇所は大穴が開き、着弾時の衝撃で翼は捻じれ折れ、中の骨は当然……粉々に。
「ありゃ。毒は要らなかったわねこれ……もったいなかったかしら」
踊り子は制御を失い血と羽毛を撒き散らしながら墜落する賊頭鳥人の方を振り返り、その悲惨な最期をぞっとするくらい冷たい目で流し見ました。
彼女の方があるいは、犀人よりもさらに盗人に対する怒りが深いのかもしれません。
きりもみ状態で墜落する賊頭鳥人を通り越した半竜娘ちゃんは、相手を追うために首を上げて空中宙返りからの急降下へと移行します。
ループを描いて上から、下へ。
狙いを定め――
「我が奥義を受けるがよい……」
半竜娘ちゃんの背に乗る犀人が、己の気を高め……自慢の一本角へと集中させます!
ぐちゃぐちゃに回りながら墜落する賊頭鳥人の顔が、絶望に染まります。彼は、犀人の必殺の攻撃を知っているのです。
狙いを定めた犀人が、急降下する竜翼巨大化半竜娘ちゃんの背から飛び出しました!
犀人の角に螺旋に巻き付く金色の気の光が輝きを増します!
「犀人奥義―― 【
急降下による落下速度、犀人の超級の重量、気を纏った自慢の角……!
これを形容する言葉は、もはやこれしか考えられません!
すなわち――
い ち げ き ひっ さ つ !!!*6
「アバーーーーッ!!??」
賊頭鳥人の断末魔が、血染めの羽毛とともに空に散ります。
あとは空中に飛び出した犀人が地面に落ちる前に回収できれば依頼達成です!
▼△▼△▼
何事もなく竜翼巨大化半竜娘ちゃんが犀人を回収し、近くの
密入国? はて、誰が取り締まるというんです?
ともあれ、依頼達成です。
半竜娘ら一党は、盗人の鳥人を砂漠まで追いかけて撃墜した!
経験点1000点獲得! 成長点3点獲得!
バザールの周囲には、砂船用の桟橋……と言えばいいのか、まあ砂海を行く船のための係留・荷揚げ荷降ろし用の設備がいくつも設けられています。
砂海を行く砂船に乗るのは、蟲人などの乾燥に強い種族が多いみたいです。
売り物なのか隊商の荷を引くためか、
水を汲むためか、深井戸と思われる構造物もあちこちに見られますね。ここはオアシスでもあるようで、その水量は豊富そうです。
犀人に言わせると、いつもより活気が少ないらしいですが。
市場の商人の声を聴くと、空から城が降ってきたとか、城が竜になったとか、いやそれは蜃気楼だとか、そういう噂話を仕入れられました。
どうやらその “城の竜” を恐れて、人が減っているようです。
……実際つい先ほど
さて、犀人と踊り子の主人である商人の商会の支店が、このバザールにもあるそうです。
盗まれたという魔道具の
賊頭鳥人が身に着けていた盗品の空間拡張鞄は空中で回収することができています。
【身代わりの銅貨の首飾り】などのダメージ軽減系の希少なアイテムが破損していましたが、仕方ないでしょう。おそらく保険にと賊頭鳥人が装備していたのでしょうし。
しかしながら、尋常の攻撃ならば役に立っただろう身代わりのアイテムも、半竜娘ちゃんの速度が乗った踊り子と犀人の攻撃には焼け石に水だったようですね。
「ではみなさま、報酬は西の王国の冒険者ギルドとやらに預けていますが、歓待の一つもせずに帰すなど私どもの名折れです。どうぞおくつろぎになってくださいまし」
踊り子に案内されたのは、支店の奥の応接間。日干し煉瓦でしっかり組まれた建物は、熱波を遮断し意外なほどひんやりとしています。“
応接間には、この砂漠では貴重だと思われる瑞々しい果物を盛った籠が幾つも用意されており、本職である踊り子が、煌びやかな衣装に着替えてゆらゆらひらりと踊りを披露します。
商会支店のお抱えの弦楽士の異国情緒あふれる音楽に合わせたそれは、半竜娘ちゃんたちの目を楽しませます。幼竜娘三姉妹も釣られて踊りだしました。
一方そのころ、主人の荷を取り返した犀人はというと。
踊り子が歓待してくれている間に、取り返した品の検分をしていました。
その大きな手で器用に魔道具を取り出しては並べると、目録と突き合わせてチェックしていきます。
「これは……ああ、あったここの
そうやって作業を進めることしばし、ついには空間拡張鞄の中の荷も尽きました。
「全て回収できるとは期待していなかったが、やはり装身具系や宝石は数が合わないな……。死体と一緒にバラバラに
犀人は溜息をつくと、遺失・損壊したと思われるものについて、その旨を目録に書き込んでいきます。
手癖の悪い人間だと、損失を水増しして無事な魔道具をちょろまかしてしまうでしょうが、忠誠篤い犀人はそんなことはしません。
主人たる商人に信頼されているからこその人選です。
「おい、誰ぞある」
犀人は商会員を呼びつけると、目録の写しを取らせて砂漠の国の都に本店を構える主人の下へ送るように指示しました。
「……問題は、だ」
腕を組む犀人の前にあるのは、いくつかの魔道具。
特に、複数回使用により機能を失う使い切り型の魔道具たちです。
残念ながら武の方に才能を振り切っている犀人では、これらの魔道具が盗まれたときから使用回数を減らしているのかどうかまでは分かりません。
「どれを何回使ったか、あるいは使ってないのか、俺じゃあ分からん。
魔術方面を押さえるのは踊り子の役目です。
賊頭鳥人を追うときの占術や、魔法の矢の呪文による攻撃、冒険者たちの歓待と八面六臂の活躍ですが、あとひと働きしてもらう必要があるでしょう。
―――― 並べられた回数限定の使い捨て型魔道具のうちの一つに、【竜の呼び笛】という名の魔道具がありました。
【竜の呼び笛】は、その名の通り、竜を呼ぶ魔道具です。
効果は、最も近くにいる比較的友好的な竜種のモンスターを呼び寄せることだとか。
実力のある冒険者が、騎獣としてワイバーンを得るときに使う、などと言います。
まあもちろん、都合よくワイバーンが来てくれるとは限らないわけですが。
運が悪ければもっと格上のドラゴンを呼び寄せてしまいますし、この笛の効果は呼ぶところまでなので、呼び寄せた竜が従うかどうかまでを保証しません。
呼び寄せに応じる竜は、ある程度好意を抱いた状態でやってくるようではあるのですが。
もしかしたら【竜の呼び笛】は、竜に対する
この【竜の呼び笛】の使用回数が一つ減っていることが明らかになるのは、半竜娘ちゃんたちがこのバザールを離れた翌日のことになります。
竜に乗って追ってくる犀人を撒くために、賊頭鳥人が【竜の呼び笛】を使っていたようなのです。呼び出した竜をぶつけるつもりだったようですね。
賊頭鳥人は魔道具が不発したと思っていたようですが、本当に不発だったのでしょうか……? 少なくとも半竜娘ちゃんは対象にならなかったようですが。
そして一夜明けてバザールを見て回り、観光がてら物資を補充して帰路に就く半竜娘ちゃんたち。
果たして、半竜娘ちゃんたちは、無事に砂漠から西の王国に帰ることができるのか――――?
というところで今回はここまで。
ではまた次回!
キャッスルドラゴンフラグ、オン。
(ゴブスレさんたち(女商人の隊商の護衛)は、たぶんまだ辺境の街から水の街へ行き、その水の街を出発したくらいだと思われます)
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◆ダイマ重点◆
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◆ダイマ重点◆
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