ゴブリンスレイヤーTAS 半竜娘チャート(RTA実況風)   作:舞 麻浦

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◆前話
砂塵の国にて政権を簒奪した宰相のもとで複数の策謀が進んでいた。
それは古代の武装要塞の発掘と修復であったり、ゴブリンの養殖と兵力化であったりだ。
特に砂塵の国の王家の者の血から作られる時間遡行の『時の砂』により時を巻き戻して最善を選べる宰相は敵なしであった。
半竜娘一党は、女商人の依頼を請けてその宰相の秘密を探り、その過程で復元済みの武装要塞(アームズフォート)陽神行路(ソルディオスオービット)』を発見。偶然の悪戯により起動してしまったそれを撃墜し、半霊体化させることでその翠の瘴毒(コジマ粒子)を発する炉心ごと吸収した。
一方そのころ、国境でゴブリンの養殖を行っていた要塞を崩壊させたゴブリンスレイヤー一党+鉢巻の青年剣士一党は、不幸にもそこにほど近い神殿跡の地下で眠っていた赤竜(レッドドラゴン)偶発的遭遇(ランダムエンカウント)をしてしまう。“いつかは竜退治” ────地母神の加護により不退転の戦士となった鉢巻剣士が攻撃を受け止め、魔法薬(ポーション)巻物(スクロール)により最大限の強化をされ巨大化した蜥蜴僧侶が赤竜と組み合う中、ゴブリンスレイヤーは言った。『手はある』と────。

 


41/n 裏2(赤竜との戦闘、時の砂の行方、王国東 国境砦の異変)

 

1.そして竜退治

 

「儀式詠唱! 合わせなさい!」

 

「了解、姉ちゃん!」

 

 眼鏡をかけてツリ目が特徴的な、赤毛の魔術師の姉弟が、“力ある言葉” を紡ぐ。

 

 

「いくわよ──── オムニス(万物)!」

 

ノドゥス(結束)!」

 

「「 リベロ(解放)!! 」」

 

 血縁であることの相乗効果もあるのだろうか。

 赤毛の姉弟が紡いだ “力ある言葉” が現実を歪め、魔術を発現させる。

 

 それは分解、ディスインテグレータの魔術!

 

 並んで詠唱していた姉弟が掲げた杖から発せられた魔力が中間点で混ざり合い、全てを原子の粒にまで分解する光線となる!

 

 

『GGGGRRROOOOWWWWW!??!』

 

 

 一直線に奔った物質分解光線は、咄嗟の防御に掲げられた赤竜(レッドドラゴン)の翼膜を貫き、さらに赤竜の首元の竜鱗までとどいた。

 

「くっ、竜鱗を()けなかった……! ごめんなさい……」

 

 竜の鱗の護りは堅い。

 首元の竜鱗の魔力の護りを尽きさせたのか、その色を褪せさせたが、それだけ。

 鱗そのものは健在だ。

 

 赤毛の女魔法使いが悔し気に膝をつく。

 己の実力を超えた魔術の行使の反動だ。

 

「いいえ、よくやってくれたわ! 十分よ!」

 

 神殿地下の壁を蹴って駆け上がった女武闘家が、そのポニーテールに纏められた黒髪をなびかせながら、赤竜に躍りかかる!

 彼女の手には、祝福された竜爪の鉤爪(バグナウ)が嵌められている。

 不測の事態におけるフォローは仲間の役目だ。

 

「セイヤアアア!!」

 

 気合一閃!

 分解光線によってその色を褪せさせた首元の竜鱗に、女武闘家の鋭い一撃が走った。

 

(とお)った!」

 

『GGRRUUAAA!??』 

 

 直後、色あせた竜鱗が裂け、竜の首から猛烈に血が噴き出した!

 

 一時的に虚血状態になった竜が、ふらりとよろめき、たたらを踏んだ。

 

 それを見逃す蜥蜴僧侶ではない。

 

「俊敏なりし甲竜(アンキロス)よ!! 我が身を雷のごとく成せ!!」

 

 祖竜への祈りが巨大化した蜥蜴僧侶の身体に満ちた。

 強烈に踏み込んだ彼の巨体が、竜の血しぶきをくぐり、猛然と赤竜の巨体にぶつかり、神殿地下の壁へと押し込む。

 

 

「GOBUGOBU!!!!」

 

 赤竜が失血と衝撃で意識を朦朧とさせる中で、赤竜に乗ってドラゴンライダーを気取っていたゴブリンがわめきたてる。

 どうやら(ゴブリン)は運良く壁と赤竜の間に挟まれはしなかったようだ。

 

 たかが小鬼、されど小鬼。

 

 “竜を倒すのは無理でも、眠らせることはできるだろう”。

 そう目論んでいる小鬼殺したち一行にとって、竜を小突いて起こしてしまうだろう小鬼は、排除対象だ。

 

 竜を前にして小鬼を殺すために一手を割くのは良い手ではないが……必要経費である。

 

「お前がドラゴンライダーなら、こっちだってドラゴンライダーだい!!」

 

 そう叫んで、巨大化した蜥蜴僧侶の身体を駆け上がり、その肩から赤竜の方へと乗り移ったのは、圃人の少女剣士。

 彼女の身の丈ほどもある大剣を振り回し、狙うは赤竜の身体に張り付く小鬼。

 

「成敗!!」

 

「GGOOBB!!!??」

 

 一刀両断、鎧袖一触。

 あわれ小鬼は真っ二つ。

 

 だがこれで後顧の憂いは断った。

 

 遅れて灼熱を纏った赤竜の爪が鱗を掻くように圃人の少女剣士に迫るが、そのころには彼女は既に小山のような竜の身体を駆け下りていた。

「うっひゃあ、あぶない、あぶない」 遁甲術はかの “忍びのもの” 仕込み。すんでのところで彼女は難を逃れた。

 

 赤竜がもう片方の爪を振って、目の前の巨大化した蜥蜴僧侶を弾き飛ばそうとする。

 失血と衝撃による朦朧状態から早くも回復しつつあるのだ。流石は竜の生命力! 首の傷も塞がりつつある。

 

 だがそれを咎める一条の剣!

 目にも止まらぬ速さで飛来した飛剣だ!

 

 かつて竜退治に挑まんとした誰かが遺した魔剣が、竜の爪の付け根へと突き立った!

 感覚の集中した指先への攻撃。

 これにはたまらず赤竜も反射的に手を引いた。

 

『GRUU!?!』

 

「ふむ。良い剣だ」

 

「あんたその魔剣、結局投げるのかよ」

 

 投げたのは小鬼殺し(ゴブリンスレイヤー)

 神殿地下に広がる財宝の山から、かつて竜退治に挑んだだろう誰かの遺産を拾い、それを投げたのだ。

 

 そしてその剣に『必中』の真言を纏わせたのは、分解魔術の反動から立ち直った赤毛眼鏡の少年魔術師。

 

 

「俺の手には余る。それに竜の宝物は竜に返さねば追ってくるからな」

 

「……あんたでも皮肉を言うんだな」

 

「? なんのことだ」

 

「天然かよ」

 

 

 返すにしたって爪の付け根に向かって投げて突き刺す、というのはどうかと思うぜ。赤毛眼鏡の少年魔術師は、そう言いつつもいつでも動けるように気を張っている。

 まだ戦闘は終わっていないのだ。

 

 だから少年は予兆を見逃さなかった。

 

「!! 竜の息(ブレス)だ!!」

 

 少年魔術師の警告が早いか、赤竜の喉元が大きく膨らむ。

 

 灼熱と瘴毒のブレス!

 

 この狭い地下空間では、逃げ場がない!

 

「ぬぅううう!! させませぬぞ!!」

 

 喉輪(のどわ)突き。

 赤竜を押さえる巨大化した蜥蜴僧侶が、高まる熱にも負けずに、さらに踏ん張って赤竜の顎の向きを上へと変えようとする。

 だが、それは赤竜の誘いであった。

 

 己の顎をかち上げようとした蜥蜴僧侶の喉輪突きを躱した赤竜が、蜥蜴僧侶の肩に噛みついた!

 

「ぐぅっ!!」

 

『GGRRRRRR!!!』

 

 そしてそのままブレスを吐いて、蜥蜴僧侶の肩を吹き飛ばそうとしている!

 

 

「ちょっと、離しなさい、よっ!!」

 

『GGYYAAA!!??』

 

 その赤竜の鼻っ面に飛来したのは、上の森人の姫の放った強力な矢。

 そんなものを鼻先の急所に喰らった赤竜は、生理的な反射でこれはたまらぬと、巨大化した蜥蜴僧侶の肩から牙を離した。

 赤竜の顎とともにブレスは上に逸れ、うまい具合に天井の開口部から抜けていった。

 

 だがそれでも蜥蜴僧侶の肩は赤竜の牙によって大きくえぐれ、力が入らない様子だ。

 

「いと慈悲深き地母神よ! どうかこの勲しき戦士の傷に、御手をお触れください!」

 

 そこへ響いたのは、地母神に仕える女神官の請願。

 癒しの奇跡が、蜥蜴僧侶の傷を癒す。

 

「お二方とも、かたじけない!!」 

 

 最低限出血がおさまり、再び腕を動かすことができるようになった蜥蜴僧侶が、妖精弓手の矢を鼻先にぶつけられて朦朧としている赤竜の首に腕を回す。

 

「さあ、締め上げて進ぜよう! 術師殿! いまですぞ!!」 

 

「おう、鱗の! 任せろぃ! 砂男(サンドマン)、残りの報酬は後払いで頼まぁ! 〈終わりなきもの、死の弟たる砂男(サンドマン)! 戯曲一つと引き換えに、砂で夢と我らを守っておくれ!〉」

 

 鉱人道士が眠りの砂の精霊に請願したのは〈惰眠(スリープ)〉の精霊術。

 即興で書き上げた戯曲のさわりだけを差し出して、残りは後払い。

 そんな無茶を通してまで使った眠りの術が、赤竜の頭を覆っていく。

 

 

 分解の真言魔術で竜鱗の加護を剥がしてからの猛攻。

 そして妖精弓手の矢によって隙を晒した竜の首、そこへ巻き付き締め上げる蜥蜴僧侶の剛腕、そして鉱人道士の眠りの精霊術。

 

 これだけやってようやく、赤竜に術が届いた。

 その瞼が重く下がっていく。

 

 

 

 やがて赤竜は、完全に意識を失い、その巨体を横たえた。

 

 

 

 

 その直後、巨大化のスクロールの効果時間が切れたのか蜥蜴僧侶が元の大きさに戻っていく。

 

「あと少し長引いていたら、あぶのうございましたな……」

 

 巨大化した蜥蜴僧侶を欠いては、ここまで危うげなく立ち回れはしなかっただろう。

 間一髪であった。

 

「綱渡りじゃったのう。さぁて、さっさと引き上げようぞ。……まさか鱗の、まだ戦いたいとは言うまいな?」

 

「ふぅむ。まあいずれ再戦したいところですな」

 

「いやいやいや、鱗の……」 「えー、しばらくは良いでしょ……」

 

 強敵たる竜を前に名残惜し気な蜥蜴僧侶に、鉱人道士と妖精弓手はげんなりして肩を竦めた。

 

 

 

「やつは眠っているだけだ。手早く引き上げるぞ」

 

「りょうかいでーす、ゴブリンスレイヤーの兄貴」

 

 それぞれの一党の頭目であるゴブリンスレイヤーと、鉢巻の青年剣士が合意して、皆は撤退に動き出した。

 竜を起こさないように静かに。しかし、竜の集めた宝物を万に一つも何かの間違いであっても持ち帰ってしまわないように慎重に。

 

 

<『1.竜転がし(ドラゴンスリーパー)の冒険者たち』 了>

 

 

 

▲▽▲▽▲

▼△▼△▼

 

 

 

2.時の砂、ウマー

 

「く、まさかこの段階でせっかく発掘して修復した武装要塞(アームズフォート)の一角が失われるとは……!」

 

 砂塵の国の宮殿を忌々し気に闊歩するのは、王権を簒奪した宰相だった。

 闇人の血が混じったその肌を怒りに染めた彼が向かう先は、秘密の宝物庫。

 

「だが、まだ今ならやり直せる……!」

 

 簒奪宰相が向かう先の宝物庫には、この砂塵の国の切り札が納められている。

 

 それは、時を戻す秘宝、『時の砂』。

 かつて奪掠(タスカリャ)神の加護を受けた王の血族から精製されるそれは、消費することで時を戻してやり直すことができる秘宝である。

 

 王権を簒奪した際に、その王を絞り尽くしてストックした『砂』がある。

 それを以てすれば、今朝がたに飛行型の武装要塞『陽神行路(ソルディオスオービット)』が失われたことも無かったことに出来る。

 

「それに、あの王国の半竜の冒険者……武装要塞の名前を知っていた……。

 よもやあやつ、時を戻した際の記憶があるのか!? 時の世界に入門している、とでも……!?」

 

 知恵者だということで、前夜に王宮に招いた王国の冒険者たち。

 頭目である大柄な蜥蜴人のハーフには、時を戻す中で、武装要塞に関する古文書の石板を解読させている。

 時を戻すことでその記憶は失われたと思っていたが、それが己の勘違いであったとしたら……。

 

「みすみす武装要塞の情報を渡してしまった可能性がある……! 早急に指名手配せねば……!」

 

 朝方の混乱に乗じて、半竜の冒険者らの姿は消えていた。

 捕らえる必要がある。

 

 だが、まずは失われた武装要塞が健在な時間軸へ戻さねばならぬ。

 

 

 急ぎ足で廊下を進んだ簒奪宰相が、足を止めて仕掛けを動かす。

 

 隠し扉だ。

 

 

「さあ、時の砂よ、我が望みに応え………──── は???」

 

 

 隠し扉を開いて秘密の宝物庫に足を進めた簒奪宰相を待つのは、山と積まれて輝く時の砂の山のはずであった。

 

 

 しかし、そこには何もなかった。

 

 

 簒奪宰相の顎が落ち、気の抜けた声が漏れた。

 

「は??? ない、ないぞ!? あれほど貯め込んだ時の砂はどこへいった!!??」

 

 

 そんな目を血走らせた簒奪宰相が代わりに見つけたものは、なにやら白くて丸いもの。

 

「なんだこいつは……」

 

『むーしゃむーしゃ、しあわせー』 zzzz

 

 足でつついて転がしてみれば、それはまん丸い生首のような不可思議な存在。

 精霊か、亡霊か。

 眠っているのか、瞳は閉じられている。

 

 宰相は目ざとく、その丸い不審物体の口の周りに、輝く『時の砂』が付いているのを見つけた。

 

『ぺろっ、これは時の砂……!』 zzzz

 

 そして寝言とともに口の周りについたそれを舐めとる不審なまんじゅう。

 

 宰相はそれを見て愕然とした。

 

「こ、こやつ、喰いおった!! よもや宝物庫一杯の時の砂もこやつが全て……!?」

 

 正解である。

 

 ここにあった『時の砂』のストックは、時空の精霊であるこのなまくびまんじゅう『ティーアースの欠片』が全て平らげて、己の力の糧にしてしまったのだ。

 つまり、簒奪宰相が時を戻す手段は失われたのだ。

 

「こ、この痴れ者がぁああアアアアア!!!!」

 

『ぷぎゅっ!!?』

 

 怒りとともに、簒奪宰相の〈魔手(メイジハンド)〉の術……いやあえてフォースグリップと呼ぶべきか、魔力によって形作られた手が、眠りこけるティーアースの欠片を握りつぶした!

 

 

<『2.ティーアースの欠片「安眠妨害はんたーい!! でもごちそうさまでした」』 了>

 

 

 

▲▽▲▽▲

▼△▼△▼

 

 

 

3.沙漠を超えて王国に帰ろう

 

 

 砂塵の国の都から脱出した半竜娘たち一党4人(+白梟使徒)と、幼竜娘三姉妹は、王国の地へと向けて西へ西へと砂漠を渡っていた。

 城塞竜の頼みを聞いた後に報酬でもらった中にあった “魔法の絨毯” に乗って、かなりの速度でだ。

 

 彼女たちは武装要塞の一角を撃破したが、それが全てではない。

 急いでこの情報を冒険者ギルド経由で王国に伝えなければならないのだ。

 

 

 半竜娘ら一党は、古代の武装要塞を撃破した!

 経験点1250点獲得! 成長点3点獲得!

 

 

 半竜娘は陽神行路(ソルディオス・オービット)のコジマ炉心の吸収により冒険者技能【免疫強化】が2段階成長!(初歩 → 熟練) 毒や病への抵抗力が強化された!(再掲)

 さらに獣人専用技能【注入毒】を習熟段階で習得! 素手攻撃に猛毒ダメージが乗るようになった!(再掲)

 成長点を6点消費し、【竜の末裔】技能の派生技能として【竜の命】技能を習熟段階で習得! 毒に対する完全耐性を得た!

 

 

 森人探検家は戦士Lv0→Lv2で習得(経験点-2000点、成長点+4点)! 回避判定に戦士Lvが乗るようになった!

 また戦士系職業レベルが2以上になったため武技追加習得! 武技【一傑の打:弩弓】により、弓による攻撃ダメージ増加(弓威力+1)!

 

 

 TS圃人斥候は、戦士Lv3→4(経験点-2000点)、武道家Lv3→4(経験点-2000点)に成長!(成長点+8。武技追加2)

 武技【視線の罠(LOSトリック)】(遠距離攻撃に対する防御判定に補正)、【鬼爪(奥義)】(攻撃判定の出目が高いときに装甲点無視)習得! 一般技能【工作】(初歩)習得(成長点-1)! 冒険者技能【体術】を習熟→熟練に成長(成長点-15。回避判定等に+1)!

 

 

 文庫神官は経験点・成長点を温存した! あと少し経験を積めば冒険者としてさらに壁を超えられそうだ。

 

 

 この国外の冒険で一皮むけた一行は、適度な緊張を保って帰路についている。

 

「指名手配される前に沙漠は抜けてしまいたいところじゃな」 と言うのは、術を極めた天才蜥蜴人の武僧・半竜娘。その胸元には使い魔の闇竜娘を封じた竜牙の封具が揺れている。

 

「そうね。いつ追手が放たれてもおかしくないし」 と言うのは、緑衣の勇者に憧れる遺跡マニア・森人探検家。エルフにしては珍しく交易神の神官でもあり、一党の金庫番だ。

 

「まー、頭が切れそうだったもんな、あの宰相殿」 と言うのは、諸事情あって性転換した凄腕斥候・TS圃人斥候。いまいちさぼり癖はあるが、いぶし銀な活躍をする。

 

「今のところは追手の影は見えませんが」 と言うのは、使徒の白梟の視界を借りて広域を見渡した文庫(ふみくら)神官。退魔の剣に選ばれた重装の盾役(タンク)でもある。

 

 

「あついー」 「まだー?」 「どーせならお城のドラゴンくんにまた会いたーい」 と魔法の絨毯の上でゴロゴロしながら(のたま)うのは幼竜娘三姉妹。半竜娘が単為生殖で産んだ卵から生まれた娘たちだ。

 

 

 彼女たちは砂塵の国の都において、かの国が秘密裏に発掘し復元していた古代の武装要塞を紆余曲折の末に撃破して、己の国に帰るところだった。

 今乗っている魔法の絨毯を含む諸々の荷物は、気を利かせた軽銀商会の会頭である女商人が、都からあらかじめ運び出しておいてくれたものだ。

 

 おかげで路頭に迷うことはせずに済んでいる。

 荷物の中には城塞竜からもらった報酬の魔導具もあり、水や食料も、その魔導具から生み出せるため、一直線に王国国境まで西進しているところだ。

 

 

 

 

 

 沙漠を魔法の絨毯で飛ぶこと暫し。

 

「お。ようやく王国の東の国境砦が見えてきたのう」

 

「………でもなにかと戦ってないかしら? 戦っぽい土煙が見えるわ」

 

「んー? なんだありゃ、でっかい芋虫……? 甲冑付きの……?」

 

「砦が……その巨大鎧芋虫の群れに攻められて、というか(たか)られてますね……」

 

 

<『3.生体型武装要塞(アームズフォート) 黒玉(ジェット)襲来!』 了>

 




 
※当SSではAFジェットはAMIDAの系譜の半生体AFだと想定しています(諸説あり)。
 
 
次回から原作小説12巻の時系列あたりに入っていきます。
半竜娘ちゃんたちには主に東の砦でわちゃわちゃしてもらう予定。原作ではただ単に転移スクロールを引き取りに行くおつかいだけでしか東の砦は出てきませんでしたが、当SSでは割とピンチな感じかもかも。
原作小説12巻はマツセダイチ先生によるコミカライズ連載も進んでいます。必見! → https://www.ganganonline.com/title/1716



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◆ダイマ!!

ゴブスレアニメ2期開始! 配信はとりあえずabemaTVだけっぽいですね。最新話は1週間公開。 → https://abema.tv/video/title/174-10?s=174-10_s2&eg=174-10_eg0
内容的には原作小説6巻からです。当SSでは、85話目「29/n 冒険者訓練所にて-1(ドラゴンエントリー)」あたりが該当します。アニメの赤毛の少年魔術師くんのビジュアル(特に目元)が、かなり姉である女魔法使い(故人)に寄せてあるのがグッドですね!(ゴブスレさんのメンタルには悪い)

コンシューマーゲームのゴブスレ・ナイトメアフィーストも予約開始! タクティクスRPGだそうですよー!
初回限定版や店舗ごとの予約特典の情報はこちら → https://goblinslayer.bushiroadgames.com/privilege/

ドラマCDつき特装版の小説が復刻だ! これはありがたい! えーと、4巻と6巻と7巻と8巻と10巻と12巻と14巻にドラマCDがついてたのか。予約は12/15まで。とりあえず4巻のドラマCDつき特装版の復刻版のリンクを貼っておきます。 → https://www.sbcr.jp/product/4815623784/

去る2023/5/25にコミックスも本編14巻、イヤーワン10巻、ダイ・カタナ6巻、デイ・イン・ザ・ライフ1巻(小説12巻のコミカライズ)が発売されていますが、2023/10/25には、イヤーワンの最新11巻が発売されます! → https://magazine.jp.square-enix.com/top/event/detail/2727/
 
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