ゴブリンスレイヤーTAS 半竜娘チャート(RTA実況風) 作:舞 麻浦
◆前話
国境の砦は雨により洗われ、束の間の休息の余裕を得た。その立役者である半竜娘一党+幼竜娘三姉妹は貴賓室を宛てがわれ、砂塵の国からの逃避行もこれで一段落だ。まあ黒甲冑の巨大芋虫のゾンビたちの相手は残っているし、時間を置くだけ復元していくタイプだから油断はできないのだが……。ともあれ休息だ。そのために一党の皆が荷解きをする中で、いつのまにか
半竜娘「もしやお主は……
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※AIさん(DALL・E3)に出力してもらった挿絵あり
はいどーも!
孤電の術士さんって白緑ウィニー使いっぽい気がしてならない、そして火吹き山の魔法使いさんは絶対黒マナ使いだよね、そんな実況、はーじまーるよー!
さて前回は雨を呼んで砦にこびりついていた腐肉を水精霊に頼んで洗い流してもらって浄化したところまででしたね。
功労者に対する配慮で砦の貴賓室に案内された半竜娘ちゃんは、そこに降り立った次元渡りの凄腕魔術師にしてこの砦の女将軍の妹でもある
ではさっそく二人の遣り取りを見ていきましょうー。
▼△▼△▼△▼△▼△▼
「
彼女の特徴的なフレームのメガネが、微かに貴賓室の照明を反射する。
「……盤外に至ったという大魔術師が、まさかただ家族に会いに来たのかや」
魔術の探求に身を捧げた女が、そのような人間性を残しているとは驚きだ。言外にそう滲ませて、半竜娘が半目で睨む。
魔術師ならば、ただ
「ご明察。まあ今日の私は単なる運び屋。神々の使いっ走り。《生》と《死》の大神が紡ぐ
半竜娘はそれに込められた力を魔法知覚で感知すると、片眉を上げた。
「転移の巻物のようじゃな?」
「しかも黒幕のところへ直通の。虹の橋をかける必要もない優れものさ」
「それはなんとも
「それはもう」
ケラケラと孤電の術士が笑う。
半竜娘は気づいているし、孤電の術士は、半竜娘が “気づいた” ことに気づいている。
半竜娘が、おもむろに腰を落として構えをとった。
まるで敵に備えるかのように。
「そしてやはり察しがいいね、君。流石、
孤電の術士が札を繰る。札が舞う。そして魔力が
「隔絶結界……」
周囲の世界が遠くなる。
荷解きをしていた一党の仲間たちが、セピア色に色褪せていく。
いま、この空間は切り離されたのだ。
「これで気兼ねなくやれるだろう? 半竜の君」
「その気遣いには感謝してやらんでもないが───」
半竜娘が爪を浅く広げる。爪持つ捕食者の戦闘態勢。
同時に、不吉な気配が辺りに満ちる。
それとともに流れてくる、膿んだようなきな臭いような、粘つく油の臭い。
虚空から滴り、湧き上がるそれ。
黒い油。
「
「いやいや、今の私の役どころは “善き魔法使い” だからね。そもそも黒は私の色じゃない。まあ善き魔法使いが居るなら───」
「なるほど、相対する “悪い魔法使い” が居るのは、天の理、地の自明……というわけじゃな」
「そのとおり。そして、
砦を覆っていた
あの巨大なゾンビ甲冑芋蟲がもたらした、穢れた死者のマナだ。
土地から
「このマナの操り方には覚えがあるのじゃ。この使役召喚術。黒きマナ。まさか火吹山の魔法使い殿のものでは?」
「気づいたかい。お忙しい《生》と《死》の二柱が紡ぐ
「なるほど、怪物を配して試練と成す………。火吹き山のあの御仁は、《死》に仕える魔術師でもあったのう」*1
隔てられて即席の闘技場と化した隔離空間で、半竜娘は黒い油から生まれた怪物と向かい合う。
『ROOOTTAAGGGEEENN!!!』
「まったくあの自己中の黒野郎め。黒い油の怪物なんか送り込むなよ。しかももともとは私の姉にぶつけるつもりだったんだろうに、なんてものを寄こすんだ!」
妨害者として盤外から混沌側の
周囲に漂っていた黒のマナを消費して顕現したものだ。
孤電の術士は転移の
本来であれば、この黒き油の抹殺者はその女将軍を襲うはずだったのだろう。
しかしこの場には半竜娘がいたからそうはならなかった。
異次元からの刺客が、半竜娘に狙いを定めた。
「あの油、いかにも身体に悪そうじゃが?」
「普通の健常な世界にとっては注意深く扱えばそれほど脅威じゃない。
「承知承知」
次元を侵し、己たちと同じものとして
だがそう心配することはない。対処を誤りさえしなければ。
世界の抵抗力というのは案外強いものだからだ。
その証拠に、今以てこの四方世界は黒い油と機械と病と狂気に侵されたりはしていないのだから。
「異なる次元界から滴る黒い油の尖兵が、こいつが初めの1体ってことはない。過去にも何体も尖兵として顕現し、手を出してきているのだろうさ」
「それでも世界は滅んでいない……であれば対処できれば問題ない、というわけじゃな」
「そういうこと。隔離結界も張ったし、君も私もあの程度の油は焼き尽くす灯と技量がある。まあ、あれは
汚染し侵蝕する黒き油。
異次元生命の血にして体液。
そして他者にとっての病原体。
だが、今ここに投影されているのは、魔術師が遣わした影に過ぎない。
「焼き尽くしてやるのじゃよ!」
半竜娘が己の胸に宿る
この力があれば、黒き油を焼却するのは容易いのだろう。
『ROOOTTAAGGGEEENN!!!』
半竜娘の脅威度に応じてか、黒き油の抹殺者が、その身を震わせて、身体から滴る黒い油をあたりに撒き散らした。
「なんじゃ? 分身……?」
そして吹き飛んだ先に出来た油だまりから、何やら人影らしきものが立ち上がる。
それはこの隔離空間に残った気配を読み取ると、身体を波打たせ、その姿を
『『『 HHHPPRRROOMMAATTEEEM!!! 』』』
現れたのは、黒い油で象られた半竜娘一党の仲間の姿。
黒き油の
「……おや、テコ入れか。君のお仲間のアーチャー、スカウト、タンクの
「くはははは! 相手にとって不足なし! 構わん、立ちはだかるなら焼き尽くすのみじゃ! 〈我が身が目指すは黒き鱗の
──── 祖竜術【
開戦の合図は半竜娘の滅びの息吹。
放射熱線が、黒き油の怪物たちに襲い掛かる!
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そして翌朝。
何も知らずに眠って起きた一党の仲間たち── 認識をずらされていたから、夜に何があったのか、孤電の術士の来訪も、そして半竜娘ちゃんが途中からいなくなっていたことも、気づいていないのです── が見たのは……────
「燃え尽きたのじゃ……真っ白にのう……」
「お、お姉さま!!? こんなに煤と灰まみれで………一体何が!?」
煤と灰に塗れて床に腰を下ろした、消耗しきった半竜娘ちゃんの姿でした。
その姿は激戦を経たことを如実に物語っています。
すかさず文庫神官ちゃんが毛布を蹴飛ばして寝台から降りて駆け寄りました。
他のメンバーも寝ぼけまなこをこすりながらやってきます。
「いったい何があったんだ……? あれ、そういえば、リーダーを昨日寝る時に見た覚えがねえな……」
「……何か、そういう不可知の敵と戦ったってことかしら……?」
不思議そうにする仲間たちに介抱されて、半竜娘ちゃんは消耗を癒すために眠りにつきます。
その手には褒賞として孤電の術士から託された
というところで今回はここまで。
ではまた次回!
原作では孤電の術士が砦の女将軍にスクロールを託した(※タイミングは不明。実はずっと昔なのかも?)ことしか明らかになってませんが、まあスクロールを受け取るにあたってミドル戦闘くらいあったかもなあ、というので抹殺者が生えてきました。独自設定です。
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