ゴブリンスレイヤーTAS 半竜娘チャート(RTA実況風) 作:舞 麻浦
お待たせしました!
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◆前話
さらば、東方国境の砦! そして新たな任務だ、半竜娘ちゃん一党よ。さあ、各地の “迷宮探検競技” を視察し、ノウハウを持ち帰るのだ!
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※AIさん(DALL・E3)に出力してもらった挿絵あり
ちなみにですが、過去話に赤竜とかサイバーデーモンとかロマの侯爵とか挿絵をちょこちょこ追加しています。挿絵を追加した話のタイトルには「☆AI挿絵あり」の文字列を追記していますので、目次ページで「☆」とか「挿絵」とかのワードでページ内検索すると見つけやすいかもです。
はいどーも! 迷宮探検競技の視察のためにハイスピード諸国漫遊する実況、はじまるよっ!
前回は砂塵の国からの帰り道で、巨大な腐れ甲冑蟲(生体型
なおどうやら超勇者ちゃんパーティによる首狩り戦術が成功したようで、四方世界の転覆(物理)を狙っていた
というわけで現在、軍馬をベースに半竜娘ちゃんの因子を混ぜたキメラである2頭の麒麟竜馬に、特製の馬車を牽かせ、とある街を目指しています。
秋の終わりということで、年貢を載せて都へ向かう荷馬車とすれ違うことも増えてきました。
「受付さんがピックアップしてくれたっつー、『迷宮探検競技』をやってる街って意外に数があるのな」 というのは、
「単に庭園型の迷路が有名とか、そういうのもあるみたいですけれど。それにしても最短の日程で回るためのルート構築には苦労しました~」 というのは、黒髪の尼僧にして聖騎士である文庫神官。旅装で馬車から顔を出しています。
西方辺境ギルドの受付嬢から提供された視察対象リストは、王国内の各地に渡っていました。迷宮探検競技を観光資源にしている街から、似たような体験型の興行を売りにしているであろう街々まで。
それらを優先度や地域で並べ替えて、東方国境から西方辺境まで戻りがてらの効率的な視察ルートを構築したのはこの文庫神官の功績です。流石は知識神に仕える神官、インテリですね。
『Zzzz……むにゃ。昼は眠いのです』 馬車の中で寝ているだろう、知識神の使徒『白梟使徒』の声がかすかに聞こえました。彼女は文庫神官に知識神から下賜された使徒で、
「……それも
速さを上げるために【
独立懸架式突撃機動馬車なるこの馬車は、太古の遺跡からサルベージされた技術を応用した高級品で、かなりの速度を出しても車体の揺れも少なく、車軸その他車体へのダメージも少ない特別仕様です。
空間拡張型の長櫃も備え付けてあるため、荷物自体の重さを考慮しなくていいのも、快速に拍車をかけています。
麒麟竜馬の馬力と、前述のとおり風の精霊術や交易神の奇跡を合わせることにより、半竜娘ちゃんたち一党は四方世界でも有数の機動力を持つパーティとなっているのです。
国中を巡って情報を集める冒険者としてはうってつけの人選ですね。受付嬢さんの采配の妙が光ります。
さて、それでは一党の頭目である肝心の半竜娘ちゃんは何処に居るかというと……。
「ん~~、風が気持ちいいのう~~」
「てんたかくー」 「うまこゆるー」 「あき~~!!」
はい、馬車の上ですね。
砂塵の国で翠の粒子を発する武装要塞『
馬車の上で胡坐をかく半竜娘ちゃんの膝の上には、単為生殖での処女産卵を経て生まれた、彼女の娘の幼竜娘三姉妹が寛いでいます。
いつもの冒険では、西方辺境の街のはずれの拠点でお留守番なのですが、今回の遠征には国外へ行くという経験を積むために同行しています。可愛い子には旅をさせよ。母たる半竜娘ちゃんと長く一緒に過ごせていてご満悦そうです。
蜥蜴人の文化としては、あと1~2年もすれば親元を離れてスパルタ式(あるいは薩摩の
幼竜娘三姉妹が言うように、今日の秋の空は青く高く晴れています。
収穫祭の時期の催しとして迷宮探検競技じみたことをやっている街や村も幾つかあるようですので、それらの街々へ視察に回るのにもちょうどいい時期というわけです。
なお、西方辺境の街で受付嬢さんが企画している『迷宮探検競技』は、娯楽が少ない冬の時期に行う予定なので、今から急いで視察してノウハウを集めて帰れば、その準備・運営に反映できる予定です。
「おかーさん、おかーさん!」
「ん、なんじゃー?」
「めーきゅーたんけんきょーぎ、って、なんでそんなに沢山のところでやってるのー?」
「ふむ、それはのー……────」
いい質問ですね!
迷宮探検競技が王国各地で開催されるようになった経緯ですが、それは十数年前の ≪
王国北方の山脈に開いたダンジョンから溢れ出した ≪死≫ は、王国全土を席巻せんとしました。それを治めるための国の思惑と、そしてダンジョンがもたらす成功と富に惹かれた若者たちの野心。それらが合わさり、王国北方に冒険者たちが大々的に集まったのです。まあ、今の国営ギルド所属の冒険者と、そのころの冒険者はまた性質が違うのですが……。
ともあれ、その後、六英雄により ≪死≫ の脅威は退けられ、ダンジョンは沈黙。
そこに集っていた冒険者たちも、ある者はその活躍の場を別の迷宮に移し、またある者は郷里に帰って錦を飾り……と王国中に散らばることになりました。
これはある意味では、 “ダンジョン文化” の拡散でもありました。
郷里に帰った彼らのうちの幾人かは、己の経験をもとに、『迷宮探検競技』の興行を立ち上げたりもしたのです。
──── “我らの冒険はこのようなものであったのだぞ!”、と。そう誇示するように。
迷宮探検競技には、かつての栄光に囚われ、あるいは ≪死≫ に魅入られた一部の成功者たちの残虐遊戯という側面もありました。
そして、この王国には
主に迷宮探検競技の舞台となったのは、それらの、すでに掘り尽くされた『枯れた』遺跡たちでした。
遺跡というものは放っておけば群盗山賊やゴブリンを始めとする
各地を治める領主としては、そういった混沌邪悪の輩に遺跡を利用されるよりも、死の迷宮帰りの冒険者に押さえてもらって、定期的に催し物をする方が治安維持上は何倍もマシだ、という判断もあったことでしょう。
というわけで、一時期は非常に盛んであった迷宮探検競技ですが、それも今は昔の話。
経営や興業のプロでもない元冒険者たちが行っていた迷宮探検競技は、その運営の杜撰さにより、彼ら元冒険者の財貨を吐き出させて地域経済に貢献させつつ、この十数年のうちにすっかりと淘汰が進み、今では往時の数分の一ほどしか残っていないとのこと。
「──── という感じで、≪死の迷宮≫ に由来する徒花のような刹那の文化じゃったわけじゃな」
「おー、なるほどー」 「
逆に言えば、今回半竜娘ちゃんたちが視察対象としているような、『迷宮探検競技』を売りにしつつも今まで生き残っているようなところは、相応に洗練されているはずであり、きっと学びどころたっぷりなはずです。
「「「 楽しみー! 」」」
「そうじゃのー、楽しみじゃのー」
………半竜娘ちゃんの巨体で、果たして『迷宮探検競技』に参加できるのか、という心配はありますが。
ぶっちゃけ通路につっかえそうですよね。
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街道を他の馬車の何倍もの速さで進む半竜娘ちゃんたち一行の馬車ですが、その上に影が差します。
雲一つない快晴なのに、何が……? と上空に視点をフォーカスすれば、そこには翼竜のごときシルエット。
んー? あっ、これは祖竜術【
翼竜形態の半竜娘ちゃんが、空を飛んでいるのです。
半竜娘ちゃんが二人……? まあつまり、魔法により分身しているようですね。
おそらくは、独立懸架式突撃機動馬車の上に幼竜娘三姉妹を抱えて座っている方が本体で、上を飛んでいる方は真言呪文【
多分ですが、上空から周囲を見渡すことで、周辺地図を作製しつつ、行く道の先に不穏がないかの警戒もしているものと思われます。哨戒機の役割ですね。
よく見ると上空の半竜娘ちゃんの翼竜化分身の背にも、人影があります。
馬車の方に居なかった最後のメンバー、使い魔の
なお地上の半竜娘ちゃん本体と、上空の分身+使い魔の闇竜娘ちゃんとの間には、魔術的なパスが通っていますので、それを通じて念話じみた会話が可能です。航空偵察をするのに持ってこいの役割分担ですね。
『こちら地上本体。上空から見て何か異状はありやなしや?』
『こちら上空分身体。行く先に野営地を発見。流浪の
『背の上から
……そして野営地の周辺から少し離れたところに
冬も近づく中、ゴブリンたちも冬支度の略奪や、群れの中のごくつぶし小鬼の追放など、と活動が活発化しています。
ああ、いえ、ゴブリンからしてみれば、『何だか知らんがニンゲンどもが食べ物を貯め込む時期だから奪ってしまえ』くらいにしか思ってないでしょう。
春から夏にかけて増えた巣穴の中で勝手に仲間割れして追い出し追い出されというのだって、単なる通常運行。
賭けても良いですが、たまたまそう見えると言うだけで、冬に備えて、という意識など、小鬼にはないのでしょうけれどね。
さて、それはそれとしてゴブリンです。
『……本当にどこにでも
『全くじゃ。──── 先行して片付けようと思うのじゃが』
『
『そっちが本題じゃろう?
『そういう契約だろうがよ、
『この間の砂塵の
『それとこれとは別腹だ。あの時の供物は位階上昇とは別に自己強化に回す分だからな。………あの大浄滅のときの、都市二つ分にも匹敵する魂を喰えてればよかったんだが、オベリスクの大精霊サマが全部吹っ飛ばしちまったからなァ』
『あーあー、こちら上空、分身体。とにかく先行する。小鬼の死体は適当に積んで死霊術【
『こちら本体。承知したのじゃ』
『ひひひ。契約履行の努力に感謝するぜー! さあ行こう、すぐ行こう!』
『はいはい、分かったのじゃよ』
上空を飛ぶ、翼竜化した半竜娘の分身が進路を変えます。
悪魔を載せて、小鬼を見つけたという方向へと向かうのです。
小鬼たちの巣を壊滅させたと分身体から念話で連絡があったのは、それからすぐのことでした。
ま、今さら小鬼の巣の一つや二つ、相手になるわけもありませんわな。
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小鬼の巣が行殺*1され、その小鬼の死体5つを媒介にし残りの小鬼の死体は供物として術の補強に使い、半竜娘ちゃんの分身体は死霊術【
一体ずつ召喚した魔神それぞれを、闇竜娘ちゃんと協力して各個撃破しました。
まあ先手を取って
『まー、今回はこんなもんか。良い糧になったな』
『同族喰いで蠱毒の呪法じみて強くなっておるのう、お主』
『そーいう契約なんだからいいだろ。………それ以上に契約主の本体が強くなってる気がするが。はあ、いつになったら下剋上して契約主の魂を喰うことができるのやら』
まあ、これで暫くは闇竜娘ちゃんには、餌の
あんまり高頻度で闇竜娘ちゃんに魔神を喰わせていると、いよいよ手に負えなくなってしまいますからね。ペースコントロールは大事です。
なんてったって、かつて反旗を翻した【
その契約の一部には、マスターたる半竜娘ちゃんの死後に、その魂と肉体を譲渡するというものが含まれています。
そういった背景なので、闇竜娘ちゃんのコントロールには慎重になるべきです。
まあ、半竜娘ちゃんは竜になって寿命を克服する気満々ですし。
一方の闇竜娘ちゃんも、デーモンらしく、寿命を待たずに、なんとか契約の穴を見つけて、下剋上する機会を虎視眈々と狙っているのですが。
『それにしても何というか、少し妙な気がしたが。なんというか、死霊術に使った小鬼どもの死体も魂も、薄いというか、なんというか』
『……そう言われてみれば、体格も動きの癖も、妙に揃っておったような気がするのう』
『ああ、違和感はそれだ。妙に画一的で……まるで全部が双子か分身体か、って感じがしたぜ』
『同じ胎から生まれた兄弟ゴブリンじゃった、とかじゃろうかなあ』
観察判定に成功したっぽい半竜娘(分身)ちゃんと闇竜娘ちゃんによれば、小鬼に関して妙に画一的で違和感がある、ということで、まあ少し覚えておきましょうか。
……
ともあれ、街道沿いの小鬼の脅威は、分身ちゃんと闇竜娘ちゃんの手により人知れず退けられました。
きっと無辜の旅人も守られたことでしょう。良き功徳を積みました。
そして半竜娘ちゃんの分身体と闇竜娘ちゃんが
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到着した野営地には、天幕が多く張られています。馬車もまた同じく群れを成しています。
馬に、人々。
先客でござい、というわけですね。
この世の中、必ずしも定住している人ばかりではなく、全財産を持って流浪する民も、まだまだ居ます。
とりあえず彼らのことをロマ、と呼びましょうか。
彼らは旅芸人や香具師、野鍛冶を生業とする者たちの集合でもあります。
野営地に群れをなす馬車や天幕は、単に旅人や隊商というのではなく、どうやらその彼らロマたちのもののようです。
「おー、まるで祭りの日みてーだな」
「ここを通る旅人や商人を相手に店を広げてるのでしょうね」
「物資の補給も少し出来るかもしれませんね」
……勝手に関所にして通行料をカツアゲしてる、とかの不良集団でなければ良いんですが。
まあそれは流石に穿った見方が過ぎるでしょうかね。
近づく半竜娘ちゃんたち一行に気づいたのか、野営地のロマの一団がざわめきます。
まあ、竜のような馬が牽くだけでも目立つのに、とっても大きな蜥蜴人の美女を上に乗せた馬車が近づいてくればそうもなるでしょう。
普通は警戒しま……あれ?
「警戒って感じではないのう」
「むしろ」 「歓迎って」 「かんじー?」
幼竜娘三姉妹の言うように、警戒して慌ててるというよりは、こう、有名人が来たときみたいな、浮足立っている感じですね。
不思議に思いつつも半竜娘ちゃんたち一行が野営地に馬車を止めて露営の準備をしていると、ロマの天幕の方から、向こうの代表らしき女性がやってきました。
「お久しぶり、になるかしら。辺境最大の御一行様」
「お主は……」
その女性は、かつて見たことのある顔でした。
褐色肌に鍛えられた体つき、踊り子のような衣装。
そう、つまりはかつて
魂をヒキガエルの魔神像に吸われて廃人になって捕縛された彼女ですが、どうやらロマの仲間たちが依頼した仕掛人の手引きで脱出できていたようです。
そういえば半竜娘ちゃんも、砕かれた邪神像の破片を加工したものを、その仕掛人を通じて渡すことで、少しでも吸われた魂が戻るようにと気を配っていましたね。
「そうか、暴食の邪神に喰われた魂も、少しは癒えたのじゃな。息災そうで何よりじゃ」
「ええ、お陰様でね。まあ、ぼちぼちというところ。あの街には流石にもう近づけないから、貴女とまた会えるとは思わなかったけれど。どうせだから色々とお店も見ていってよ。歓迎するわ」
「そうさせてもらおうかの。……そうじゃの、鍛冶屋はおるかの?
「ええもちろん。そちらの竜の馬の蹄に合うような蹄鉄を調整するのだって、うちの自慢の鍛冶屋なら簡単よ。削蹄屋も居るからまあ、御贔屓に」
道行く途中で旧縁と出会ったり、これもまた旅の醍醐味ですね。
というところで今回はここまで! ではまた次回!
葛轍偲刳様からTS圃人斥候(
【ファンアート】ちっちゃ先生
https://www.pixiv.net/artworks/116001783
踏まれてる不埒な酔客視点ぽい感じですね! 性転換時にナイスバディになってるのでまさにこんな感じの雰囲気のはず。(
【ファンアート】闇竜娘
https://www.pixiv.net/artworks/116028743
鱗に覆われた手足がとっても素晴らしい、強さと妖艶さの同居! 今話で出番が増えたのはファンアートをいただいた影響です。
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ゴブスレのゲームが遂に発売! まだクリアできていませんが、とても良いですね。ちゃんとモブ冒険者ユニットも居るとこが特に。
→ 公式サイト:https://goblinslayer.bushiroadgames.com/
声優さんたちがプレイする動画とかもYouTubeにあるのでどんなゲームかぜひご覧ください。→ブシロード公式チャンネル 「ゴブリンスレイヤー -ANOTHER ADVENTURER- NIGHTMARE FEAST」発売直前記念特別配信番組 https://www.youtube.com/watch?v=WZvbGGYBZWU