ゴブリンスレイヤーTAS 半竜娘チャート(RTA実況風) 作:舞 麻浦
◆前話
四ツ仔の四姉妹です!!!
※半竜娘ちゃんのロリ分身の召喚シーンは、鏡の中から幼女半竜娘ちゃんをズルリと引っこ抜くのと、通常分身ちゃんを
幼女分身ちゃん「実は紙一重じゃったのじゃ!?」
本体半竜娘ちゃん「鏡から引きずり出すのもなかなかヤバいがのう、魂のリソースを削る的な意味で。じゃが、若返った分身を造る呪文は、洗練され完成された呪文ではないから、世界を騙すためにも通常の【
そう言って彼女は、
「迷宮探検競技の最奥までようこそ、可愛らしい竜の四姉妹よ。それで、証となるメダルは幾つ持ってきたかね?」
「証のメダル……?」 「あっ、これかな」 「全部で三つあるであります! 試験官殿!」
「……あぁ、やはりか。残念。いやにタイムが早いからもしやとは思ったが……お嬢ちゃん方、メダルは三つじゃ足りないんだ」
「「「 ええええええっ!? 」」」 「あー、であろうのぅ」
はいどーも! 一筋縄ではいかない迷宮探検競技、はっじまってるよーぅ。
前回は迷宮探検競技に参加するために、若返らせた分身を魔術で鏡の中から引きずり出して、選手登録をしたところまででしたね。
数多の罠を潜り抜けて迷宮の出口付近までやってきた幼竜娘三姉妹+幼女化半竜娘ちゃん(分身体)を出迎えたのは、この迷宮探検競技の最終試験官でした。
突入前に受けた競技の説明では、運営は『奇数個のメダルを集めることがクリアの条件』ということを言っていました。
ただし奇数個であればなんでも足りるとは言っていない。
「迷宮内には全部で九つのメダルが隠されている。その全てを集めることが、この最終チェックポイントの通過条件だよ。
………ああ、もちろん、この私を倒して、力づくで通過しても構わないが?」
最終試験官の魔術師然とした男は、不敵に笑った。
この最終試験官の男は、牙の街ファングにある魔術師養成機関『牙の塔』の所属の講師だ。
彼の首から提げられた特徴的な意匠の首飾りがその証明である。
そして『牙の塔』と言えば、あの当代最強の冒険者である白金等級の勇者一行の参謀役たる賢者の出身でもある。
古の魔術師の時代の叡智を色濃く残すその研究養成機関の最高傑作こそが、あの賢者なのである。
最終試験官であるこの男は、そんな『牙の塔』で講師を務めるほどの練度と見識があるのだ。
専攻は魔導具と迷宮築城。
彼はエンジニアなのだ。
……技術者だからといって、戦えないとは言っていないが。『牙の塔』の叡智は、マギテックの系譜も引き継いでいるがゆえ。
──── というわけで、最終試験官の彼を力づくで突破する方が、迷宮を逆走してメダルを集め直すよりも難易度が高いだろうと思われるわけですね。
“私の作った迷宮より、この私が弱いと思ったか?” という具合でしょうか。
「……まあ、タイムアタックをしているのであれば、突破一択なのじゃが」
RTA編が終わっていて良かったな!
そうでなければ蜥蜴人の本能のままに、迷宮探検競技という枠組みを無視して、戦いを挑んでいたでしょうから。
「ふぅむ。四姉妹、と思いきや、君だけは力を圧縮した魔力分身体か。保護者の付き添いというわけだな」
「流石鋭いのう。この迷宮を創り、外部中継用の魔導具を作った術師なだけはあるのじゃ」
「………そういえば、『鮮血竜姫』なる冒険者が牙の塔を訪れるとかでアポイントが入っていたか。珍しく外部の者が来ると
「ご賢察じゃのー、どうにも耳
「それはこちらも望むところ。ユーザーの声は大切だからな、
「それは僥倖。ではあとでな」
優れた術士との語らいの機会は貴重ですからね。
迷宮にサイズの問題で入れなかった半竜娘ちゃん本体が牙の塔を訪ねているのも、そういった出会いを求めてのこと。
求めるのは研究者との出会いであり、そして古代からの書物との出会いでもあり、それらの研究成果との出会いでもあり。
半竜娘ちゃんは火吹き山の魔術師の運営する闘技場都市に併設の図書館でも知識を集めていますし、辺境最強のペアの片割れである魔女さんとの語り合いや、その魔女さんの紹介で魔法使いや死霊術士が集まる
または精神干渉の真言で、召喚した魔神から幾何かの正気を失うリスクと引き換えに深淵の知識を得たり。遺跡に潜って太古の遺物を得てそれを解析したり。
基本的には真面目でストイックな半竜娘ちゃんは、身体を鍛えるのみならず、知恵を蓄えることにも貪欲です。
なにせ目指すはその身を竜と成すこと。
城壁より硬い鱗。
騎士の剣より鋭い爪。
全てを焼き尽くす炎毒の吐息。
賢人にさえ知恵を授ける頭脳。
無限の体力と魔力、そして地を砕く力に、空を統べる翼。
真に竜にならんと欲すならば、幾ら鍛錬をして研究を積み重ねても、足りないことはあれど十分ということはないでしょう。
新しいものを得る機会を逃すなんてことはあり得ません。
なにせ祖竜の末裔であるということは、最新の竜であるということです。
適者生存の理を思えば、はるか古の
滅びを踏み越えたその
最新にして究極至高の竜となるためには、あらゆるものを積み重ねる必要があるのですから。
「おかあさま! 早く行こう!」 「急がないと! 入賞できなくなっちゃう!」 「ハリー! ハリー!
「いま行くのじゃ! 直ぐに追いつく!
………ではな、ダンジョンマスター殿。全ての証を集めたあかつきには、きっとまた会おう」
「うむ。気張ると良い、挑戦者よ。そして、その様子は私の魔導具によって外に中継されていることを忘れるな。衆目に恥じない
幼竜娘三姉妹に急かされて、
これから逆走して、迷宮に隠された残り6つのメダルを探さなくてはいけないのです。
ちなみに、この試練用の迷宮ですが、ミニチュアに違う方向から光を当てて複数の影を作るのと同じ要領で、幾つか同じものが複製されているとか。
同時進行形で幾つものチームが、それぞれに異なる『影』として投影された迷宮を攻略しているようです。
そしてその様子は興行として観客たちに中継されている、と。
最終試験官の彼が単独でそれほどの大規模な術を維持している……というわけではないのでしょうが、牙の塔の術師が数十人がかりで維持しているとしても、それでも信じられないほどに高度な業です。お見事!
つまり、安心してぶっ壊して良いわけですね?
まあ、影の迷宮だからと言って、壊してぶち抜いてしまうのは流石に最終手段ですが。
一方その頃……
▼△▼△▼△▼△▼△▼
「おまっ、タンク後輩?! そこ踏むなっつったろうがああああ!!?」
「ごっ、ごめんなさーーーーい!!」
「そっちに横道の小部屋があったはずよ! 急いで!」
同時並行的に同じ迷宮から作られた『影』を攻略しているTS圃人斥候、文庫神官、そして森人探検家のチームは、迷宮の通路を転がる大岩に追いかけられていました。定番の罠ですね。
どうやら器用値が低い文庫神官ちゃんが、罠回避判定に失敗してしまったみたいです。
この一党では稀によくあることですが、自分不器用ですから……で済まないのが迷宮探索です。
「飛び込むわよっ!」
「あー! その部屋まだクリアリングしてねえ! 罠とモンスターに注意ッ!」
「ひぃっ、はあっ、はあっ」
慌てて小部屋に飛び込んだ種族混成の3人の後ろを、ガラゴロと轟音を立てながら巨大な岩が転がっていきました。間一髪。
どうやら罠はなく、部屋に入った途端に落とし穴、ということもありませんでした。
ですが小部屋には先客がいました。
──── GRRRRRRRR………!!
「ちぃっ、
ちらりと視線を走らせただけでTS圃人斥候は先客の正体を看破しました。虎か獅子のような大きさの魔犬です。
この三人の中では一番、魔術師としての技量が高いためか、怪物知識判定が通ったようです。
「
──── GRAAAAWWWAAAOOOONNN!!
地獄から呼び出された大きな犬の悪魔が、舌を出す代わりに炎を吐きます。
「壁走り……! 三角飛び!」
それを見届けるまでもなく、TS圃人斥候は跳躍して壁を蹴って天井を蹴って、炎の射線から逃れます。
「むんっ! この程度の炎は通しません!」
TS圃人斥候の後ろにいたのは文庫神官ですが、手にした盾を構えて、灼熱のブレスを受けきります。
「でかしたわ。さあ、攻撃は任せなさい!」
文庫神官に庇われた森人探検家は、既に弓を引き絞っています。
そして矢が放たれました。
──── KYAOWWNN!!?
目にも止まらぬ早業で放たれた森人探検家の矢が、魔犬の眼窩に突き立ちます。
しかし、魔神の端くれであるヘルハウンドは、目を失った程度では怯みませんでした。
逆に闘志と憎悪を燃え上がらせて、残った目玉で森人探検家を睨む魔犬。
その犬の
小柄な圃人の斥候のことなど、認識の外です。
「隙だらけだぜ、っと!」
三角飛びの要領で壁と天井を足場にしてブレスを回避したTS圃人斥候が、不意打ちでヘルハウンドの上から降ってきました。
その手には小部屋の薄暗い明りを照り返して輝くショートソードが。
──── GYAINN!!?
TS圃人斥候の剣が、魔犬を貫きました。
痛みに驚き叫びを上げる魔犬ですが、まだ生きています。
TS圃人斥候の出目が悪かったのか、魔犬の出目が良かったのか。
「悪い、殺しきれなかった! トドメを頼む!」
「了解です、いきますッ!!!」
炎を受けるために構えた盾をそのままに、文庫神官が脚に力を入れました。
弾けんばかりに膨れ上がる太腿。
刹那の後に、バネのように蓄えられたその力が解放されます。
「ハアアアアアッ! シールドバッシュ!」
──── GYAOWNN!!?
暴走馬車に跳ねられたかのように吹き飛ぶ魔犬。
大砲の玉のように飛び出した文庫神官が構えた盾によって弾かれ、轢かれたのです。首の骨があらぬ方向に曲がっています。
さしもの犬の
吹き飛びながらその存在を薄れさせていくのでした。
──── チャリン♪
消滅した魔犬の身体があった場所から、軽快な音とともにメダルが落ちました。
どうやらこの怪物もチェックポイントの一つだったようです。
「ああ、焦ったぜ。……これでメダルは何枚目だっけかー?」
「確か6枚目だったかと」
「奇数枚数集めるんだっけか……。5枚で終わりかと思ったが、そうじゃねえってことは、いったいあと何枚集める必要があるんだか。あと1枚か、3枚か、それとも5枚か……」
この迷宮に何枚のメダルが隠されているか、何枚集める必要があるかは最終試験官の男しか教えてくれません。
そのため、まだ最奥に辿り着けていない3人には、集めるべきメダルの枚数が分からないのです。
「まだまだ先は長いのかもねえ」
「お姉さまとあの子たちは無事でしょうか………。思った以上に危険な迷宮ですし、心配です」
というところで、今回はここまで。
ではまた次回!
◆ダイマ!
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