ゴブリンスレイヤーTAS 半竜娘チャート(RTA実況風) 作:舞 麻浦
◆前話
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※AIさん(DALL・E3)に出力してもらった挿絵あり
はいどーも!
この口上も久しぶりな気がしますね? 実況の
前回は半竜娘ちゃんの幼女化分身が、太歳星君に呑み込まれてさあ大変。
直ぐにでも奪還に行きたいけれど、でもあんな
太歳星君の侵入を見逃してしまった迷宮監督最終試験官からの謝罪があったり、牙の街ファングの迷宮探検競技の運営をやっている魔導師集団『牙の塔』からも慰謝料として幾らかの便宜を図ってもらったりもしましたが、その辺りのことや道中は割愛。
あ、往路と同じくかつて暴食の魔神像に魅入られていた元探索者な踊り子格闘家であり
「あら奇遇ね。……って、どうしたの? なんだか生気が薄いけれど」
「太歳星君に
「ははーん、〈影〉を取られたというわけね? なら少し占ってあげましょうか。失せ物探し、かしらね。この場合は」
「ふむ。では一つ頼もうかの」
そう言って妖艶にタロットを捲るロマの侯爵。
行く先の探知。太歳星君の位置を知るのであれば、それは占術の領分というわけですね。
「はい、はい、なるほど。出たわ。『出るが手間取る。低いところより出ずべし』といったところかしら。……あら不思議、吉方位と凶方位は同じ方角だわ」
「その方角は……拠点を置いている街の方じゃな」
「ああ、はい、はい。禍津星たる太歳星へ向かうから、その方角は凶。でも、目的は果たせるから吉でもある、ということかしら」
「それはどの程度当たるのじゃ?」
「さぁ。当たるも八卦、当たらぬも八卦、というところねえ」
このロマの侯爵の占いを信じるかどうかは半竜娘ちゃん次第ですが、どうやら辺境の街へ向かうことは、
そうであるならば手間もなく有難いのですが、辺境の街が不幸なことになりそうでそれはそれで、ですね。
そんな感じで占いで暗示を受けつつ、物資を交換したりもしつつ、ロマの野営地を出た半竜娘ちゃんたち一行が、麒麟竜馬に牽かせる独立懸架式突撃機動馬車に乗って、街道を快速で進むこと幾日か。
懐かしの辺境の街が見えてきました。
辺境の街よ! 私たちは帰ってきたーー!!
というわけで、街………には入らず、町外れの小川の脇に立つ我が家(工房等併設)へと向かいましょう。
ああ、愛しの我が家! やっぱり我が家が一番ですよね!
まずは旅垢を落として、一晩休んで、さっぱりスッキリしてから諸々の用事を済ませていくべきでしょう。
ではもろもろ済ませたらおやすみなさいませー!(水浴びの様子や、大人組が久しぶりの家のベッドの上でくんずほぐれつなかよし運動会したことについてはカットじゃ!!)
明けて翌日
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おはよーございます!
いろんな意味ですっきりした半竜娘ちゃんたち一党ですが、本日はそれぞれ手分けして帰参の御挨拶とお土産渡しといったところです。
森人探検家さんは、暫く運営を任せていた一党の下部組織というか、
マメに手紙で報告を貰って指示も返していましたが、やはり現場をたまには見なければなりません。
郎党の冒険者たちが弛んでないか問題を起こしていないか、そして運営している宿屋や食堂の経営状況などを確認するということで街中へ。
ついでに交易神官の聖堂や、仕掛人の溜り場の方にも顔を出すとか。
TS圃人斥候さんは、いつも用心棒として入り浸っていた歓楽街の方へ行くとのこと。
ついでに帰り道に生鮮食品やらなにやら、日持ちしなくて切らせてしまっているものを買い出しに。
確かTS圃人斥候さんは、そういった商店のおっちゃんおばちゃんからも可愛がられていたので、帰還報告がてらにお土産を配りつつ、たくさんオマケしてもらおうという魂胆でしょう。
容量が拡張されたマジックバッグも持ち出していっているのでかなり本気です。
文庫神官ちゃんは麒麟竜馬の世話に、留守にしていた間に痛んだり荒れたりしている我が家の掃除や補修をするとのこと。
幼竜娘三姉妹もこちらのお手伝いですね。
半年も留守にしていたので、蜘蛛の巣払いや、虫干しに、もう冬になるとはいえ雑草抜きに枯草掃除など、なかなかやることが溜まっています。一日では終わらないので、数日かけてみんなでやっていく感じでしょうね。とりあえずこの日は晴れていて良かったです。
また、麒麟竜馬の世話は明日からはゴブスレさんが下宿している牧場の方へと任せたいので、その先触れの手紙をしたためて、幼竜娘三姉妹に牧場まで配達してもらうつもりのようですね。
半竜娘ちゃんですが、ギルドの方に諸々の報告です。
そもそも沙漠に犀人の依頼で飛んで行ってからずっと、結局、ホームには帰れていませんでしたからね。
書簡での報告は送っていますし、要所要所でゴブスレさんたちを始めとする他の冒険者一行とも情報交換しているので、おおよその状況は辺境の街のギルド側にも伝わっているはずですが、各地の迷宮探検競技やその類似のお祭りの視察結果というのは直接報告したいですし。
特に辺境の街で冬に行う、冒険者志望へのチュートリアルとしての迷宮探検競技については、受付嬢さんの肝煎りで企画されており、冬の新しい娯楽として定着させたい都市行政側も、運営や広報に協力しているのだとか。
というわけでやってきました、辺境の街の冒険者ギルド。
半竜娘ちゃんが入り口に立つと、一瞬、場が静まりました。
………ていうか完全に中からは顔が見えてないみたいですね。入り口からは半竜娘ちゃんの胸の半ばまでしか見えてません。入れぬ。
「うぉでっか」 「すっげえ筋肉」 「蜥蜴人……?」 「半竜の姉御! 帰って来てたのか!」 「また前よりでかくなってる……」
遠征中にさらに成長したので致し方ないですが、わりと既に街中では不便があります。
郊外に自分たちで家を建てておいたのは正解ですね。
借家暮らしでは家の構造を大きく弄るわけにはいきませんし、拡張性を考えると郊外の持ち家が最適解。
ぬぅ、と冒険者ギルドの入り口をくぐり、床板を足の蹴爪で抉らないように気を付けて歩いて受付に向かう半竜娘ちゃん。
「あ、戻ってたんだね。にしても随分久しぶりだねー」
迎えてくれたのはギルド職員の監督官さんです。至高神の奇跡を賜っている小柄な彼女は、いつも通りにアンニュイな感じで声をかけてくれました。
「おーう、そちらも息災そうで何よりじゃ」
「お互い健康が一番だねー。ま、マメに報告書を送って来てくれてたから、そこまで久しぶりって感じもしないんだけどさ」
「無事に報告書も届いていたようで何よりじゃ」
「いろいろと興味深かったよ。よそでやってる迷宮探検競技もどきとかお祭りとか、すっごく参考になったみたい」
「それで今日はどうするかい? 冒険の報告は書面でもらってるから、簡単な確認くらいで済むと思うし、それくらいなら私がやるけれど」
「ふぅむ。それならお願いしようかの。あとは、牙の街で手に入れた迷宮探検競技に役立ちそうな魔導具を渡したりじゃな。その使い方じゃとか、各地の視察結果の詳細については、また後日ということにして、今日は予定だけ押さえさせてもらおうかの」
「はいはーい、了解だよ。それじゃあまずは、砂塵の国に犀人を特急で送っていった件についてだけど────」
インタビュー ウィズ ドラゴノイド・ガール。
受付嬢さん他辺境の街の迷宮探検競技の関係者への報告会のアポイントをお願いしつつ、監督官さんの質問に答える形でこの数か月の冒険の報告をする半竜娘ちゃんなのでした。
半竜娘ら一党は、各地の迷宮探検競技他の視察を完了した!
経験点1000点獲得! 成長点3点獲得!
文庫神官は、経験を積んで冒険者レベルが7から8に上昇した!*1
そしてさらに明けて翌日
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半竜娘ちゃんたちから視察の報告をしたり、逆に辺境の街の現在の企画の進捗状況を聞いたりする意見交換の場は、この迷宮探検競技の総監督を務める予定のゴブリンスレイヤーさんが所用で外しているとのことで、数日後ということになりました。
というわけでその間に半竜娘ちゃんたちはというと、町外れにある自分たちの工房屋敷で、不在の間の片づけをしたり、物資の手配をしたり、太歳星君との戦いに備えて技能を高めるための訓練・修行を行ったりしています。
今も工房屋敷の前庭の訓練場所で、燃える独楽のようにその行く道を悟らせず高速でジグザグに突撃して距離を詰める森人探検家さんの矢が、鎧に盾で身を固める文庫神官ちゃんへと鋭く放たれたところです。
これぞ武技【紅撃ち】!*2
しかし練習用に丸められた布が鏃代わりに付けられたその矢は、達人級の腕前に達した文庫神官ちゃんの騎士盾によって弾かれてしまいます。ハイレベルな攻防です!
「……! いつもより、より一層避けにくいですね! 伝わる威力も、さらに重くなってます!!」*3
「簡単に弾いてくれちゃって、よく言うわね!」
「私は盾で貢献すると決めていますからね!」*4
近接距離にまで出てきた森人探検家さんに対して、文庫神官ちゃんが、スッと一瞬だけ身を沈めました。
これは……大地の反動を得るための予兆動作!
「そしてそこはもう、シールドバッシュの間合いですよ!!」
不用意に近づいてきた森人探検家を咎めるように、盾を構えた文庫神官ちゃんの
「くぅっ!!? ちょっと顔は
なんとか外套をうまく緩衝材に使いつつクロスガードで文庫神官ちゃんのシールドバッシュを受け止めた森人探検家さんですが、かなりの威力にその端正な顔を引き攣らせます。
「礼拝でビターンと顔面から五体投地してらっしゃるんですから少しくらい平気ですって!」
「それとこれとは別よ!? っと」
言いつつ、森人探検家さんはシールドバッシュの威力を受けて半ば自ら吹き飛びます。
さらにそのまま地面を転がって【受け身】を取り、余勢をかってアクロバティックに立ち上がります。最後のは、柳のように揺れる己の身体を制御する武技、【地功拳】の極意を応用した動きですね。*6
「エルフパイセン! スイッチだ」
「頼んだわ!」
「………! いつの間に接近を!」
追撃に動こうとした文庫神官ちゃんですが、その動きを牽制したのは、訓練場に設けられた障害物に身を隠して視線を遮っていた*7TS圃人斥候さんです。
彼女(彼?)は物陰から飛び出すと、追撃をかけようとした文庫神官ちゃんの動きを【鉄壁】のごときディフェンスで牽制し、さらに目にも止まらぬ早業ですれ違いざまに投げ飛ばします。これぞ順逆自在の武技、【阿吽覆滅】です!*8
ですが投げ飛ばされた文庫神官ちゃんもさるもの。器用に盾と鎧を操り、直ぐに立ち上がりました。こちらも森人探検家さんと同様に【地功拳】の応用による転倒の無効化ですが、そのもうひとつの極意である、大樹のように揺ぎ無き姿勢制御の賜物ですね。
そこへTS圃人斥候が、まだターンは終わっていないとばかりに躍りかかります。
「おらおら行くぜぇ~~!」
「ちょっ、ちょちょちょ、なんか衝撃が鎧越しにやたら響いてくるんですけど!? インチキしてません!?」
模擬戦用の
「し、しかも、なんか、絶妙にっ、その衝撃で、痺れるんですけど!? 少しずつですけど、盾を持つ手に力が入らなくなってきてます!?」
「
文庫神官ちゃんがTS圃人斥候さんの一撃を受けるたびに、なんだかやりづらそうにしています。威力の一部を浸透させ、あるいは細かな傷を作るように表面を剥がし飛ばすことで、標的の装甲点を下げるワザ、それが【
そんなとき、上空から可憐な少女のような声がしました。あれは……鳥だ! 梟だ! つまりはファミリア、白梟使徒ちゃんですね。
「ご主人、支援なのです! 〈
「!! 助かります!!」
主人である文庫神官ちゃんが
レベルアップに伴い、使える奇跡と真言呪文の数が増え、生命力や攻撃力などもワンランク上がっています。今使った真言呪文【剛力】も、今回新たに覚えた呪文ですね。効果はストレングス・ブーストの名の通り、
「ちょまっ、お前ら
「ふふん、知識神さまのお知恵をお借りして弄ってみました! さあお返しですよッ! 闇よ落ちるなかれ!! せぃやあッ!!」
「グワーッ!?」
あ、TS圃人斥候さんが、
で、森人探検家&TS圃人斥候 VS 文庫神官&白梟使徒 の模擬戦ですが、残りの半竜娘ちゃんは何をしているかというと………。
「────………」
はい、瞑想中です(迷走ではありません)。
半竜娘ちゃんは、己の内面たる霊体とさらにその奥にある魂、そして外殻たる肉体。それらを認識し、そしてやがては操作し、あるいは作り替えていくための術式を会得するべく、深く瞑想しているのです。
周りで見様見真似で同じく結跏趺坐する幼竜娘三姉妹が微笑ましいですね。
その周辺を、水の契約精霊である
おぉっ! よくよく見ると蛟姫がときおり半竜娘ちゃんの肉体を撫でるように、そして重なるように飛ぶと、神秘的なことに、その重なった部分の半竜娘ちゃんの肉体が、まるで水のように変化して透き通っています。
これは、精霊術の高位呪文【
さらに視界をアストラルビジョンに切り替えて見てみると、同時並行で、霊体が肉体から微妙に浮き上がって重なっているように見えるのが分かります。
これは………死霊術【
おっと、肉体の方をよく見れば、水の精霊エネルギーになっていない部分も、何か不思議に蠢いています。
むむむ。あ、これは祖竜術による肉体変容の奥義、祖竜そのものに変容する高位の術【
祖竜に関する詳しい知識がなければ変身することはできませんが、半竜娘ちゃんはかつて常夏の『奇跡の島』にて古の祖竜復活計画のデータベースに触れているので、おおよそ
それはあの不羈なる女王竜インドミナスであっても、です。
またエルフの住む森で、水神モケーレムベンベの三ツ首個体とも遭遇しているため、【竜装】の術を会得した暁には、その威容を模倣して変化することすら可能になるでしょう。*13
着々と太歳星君との決戦に向けて成長していく一党の仲間を映しつつフェードアウトして、ではまた次回!
モチーフの一つはおそらく、漫画「ゲームセンターあらし」の必殺技「炎のコマ」(CPUクロック以上の速度でレバガチャしてマシンを誤作動させる技)シリーズの一つ、「炎のコマ 火竜紅撃ち」。あるいは赤く素早く戦場を駆けるという意味では、ガンダム00のトランザムもモチーフの一つか。
さらに種族技能【竜の巨体】初歩を習得。これにより、近接距離・移動妨害可能な距離を「10m」(従来の倍)として扱うこととした。成長点1点消費。