ゴブリンスレイヤーTAS 半竜娘チャート(RTA実況風)   作:舞 麻浦

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◆前話
  めたる・ぎが・しゃーくとぱす が あらわれた !!
 
===
 
※ AIさん(Gemini-Imagen)に出力してもらった挿絵あり(マス)
 
 


47/n VS海の怪物 -2(海中の戦い)☆AI挿絵あり

 

 はいどーも!

 『怪物殺しは冒険者の誉れ』なバトル、はーじまーるよー!

 

 前回は入り江の民(ヴィーキング)との交易のためにと、半竜娘ちゃんが曳く海竜曳航船(ドラゴン・トゥ・シップ)で北海へ乗り出して、航路を塞ぐ海魔と遭遇したところまででしたね。

 そしてその海魔というのが、なんとびっくり、かつて半竜娘ちゃんが蒼いスパークを宿す動力炉心(パワーコア)を得たときの深海財宝探索で遭遇した怪物、鋼鉄巨大鮫蛸(メタル・ギガ・シャークトパス)だったのです!

 

 

 太古から深海で生き延びてきた超巨大鮫(ギガシャーク)

 次元の裂け目からまろび出た蛸神の落とし仔(クトゥリヒ)

 

 それら2体の怪物が、動力炉心(パワーコア)の蒼いスパークの波動を浴びて変異融合して生まれたのが、巨大融合蛸鮫(ギガ・シャークトパス)です。

 

 そして、そこに加わったのは、そもそもの動力炉心の持主であった、遥か外宇宙から墜ちた征宙艦。

 その艦が、盗まれた動力炉心を奪還せんがため、周囲に居た巨大融合蛸鮫(ギガ・シャークトパス)を喰らって取り込み、生物の形質を獲得したその姿こそが、鋼鉄巨大鮫蛸(メタル・ギガ・シャークトパス)というわけです。

 

 そして当時の半竜娘ちゃんたちは、その鋼鉄巨大鮫蛸(メタル・ギガ・シャークトパス)に追われて、転移の巻物によって逃げ帰るしかありませんでした。

 

 そう。

 かつては。

 なすすべもなく。

 

 

 ──── ですが、今は違います!

 

 ご覧下さい!

 

 

()ぁああああああああッ!!」

 荒れる洋上。オーロラと積乱雲と雷鳴の下。半竜娘ちゃんの雄たけびが物理的に海を割ります。

 胸に輝く蒼翠の光。スパークを宿す【動力炉心(パワーコア)】が唸りを上げています。ただ逃げるしかなかったかつての雪辱を晴らすべく!

 

『GGGIIIIIGGGAAAA!!!!』

 触発された鋼鉄巨大鮫蛸(メタル・ギガ・シャークトパス)も、海の中からなおも洋上に響くほどの、低い稼働音(うなりごえ)を上げています。

 鋼鉄巨大鮫蛸(メタル・ギガ・シャークトパス)の制御回路を満たすのは、艦たる己の心臓を奪っていった下手人への正当な怒り。

 きっとスピーカーがあれば、ここで会ったが百年目!、とでも言っていたことでしょう。

 

 

 

「見つけた、そこかや!」 

 

『FFOOUUNNDDDYYOOUU!!!!』 

 

 半竜娘ちゃんの雄たけびでクレーター状に割れた海面。

 水を退けたせいで、一瞬宙に浮いた巨竜の乙女。

 

 そして抉れた暗い海面の壁からのぞいたのは、その半竜娘ちゃんよりも何倍も巨大な、鋼鉄の鮫蛸融合体。

 

 敵影視認! というところでしょうか。

 お互いの視線が敵意のマナを孕み、中空で物理的にバチりと電光を生じました。

 

 束の間の視殺戦から、ようやく世界が重力を思い出したかのように、抉れた海面が元に戻ろうとします。

 

 ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨、と海水が殺到するのに合わせて、半竜娘ちゃんは自由落下からの潜航(ダイビング)

 当然、鋼鉄巨大鮫蛸(メタル・ギガ・シャークトパス)は海面下で遊弋中です。

 

 つまりここからは水中戦。

 

 

 さて、水中戦の極意は、機動戦にあります。

 それは空中戦にも似て、速度と位置取りこそが重要な要素となるのです。

 

 ゆえに、半竜娘ちゃんと鋼鉄巨大鮫蛸(メタル・ギガ・シャークトパス)の両者は、いったんお互いから離れました。

 半竜娘ちゃんとしては、曳いてきた船を余波に巻き込まぬように。

 そして、敵手に対して十分な速度を得るために!

 

 仲間が乗る船から離れ。

 

 相手に向けて回頭し。

 

 敵と向かい合わせに(ヘッドオンで)、尻尾をくねらせ、さあ、いざ加速!

 

 

 半竜娘ちゃんの五丈(15メートル)(尾まで含めると十丈(30メートル)を超える)巨体と、それよりも何倍も巨大な、鋼鉄巨大鮫蛸(メタル・ギガ・シャークトパス)の超巨体が、互いに猛スピードで近づいていきます!

 このとおり半竜娘ちゃんの全長は鼻先から尾先まで含めれば十丈(30メートル)を超えますが、鋼鉄巨大鮫蛸(メタル・ギガ・シャークトパス)に比べれば、そんな彼女ですらまるで大人と赤子のよう。

 

 このままでは勝負にならないでしょう。

 ええ、()()()()()()

 

 ゆえに。

 

セメル(一時)クレスクント(成長)オッフェーロ(付与)!」

 

 半竜娘ちゃんが水中で加速しながら発したのは、力ある3つの言の葉。

 

 すなわち、巨大化の真言呪文。

 

 まずは同じ土俵に立たねばお話にもなりませんからね。

 

 激突まであと数瞬というところで、身体をくねらせて海中を高速で泳ぐ半竜娘ちゃんの身体が、ぐんぐんと、どんどんと大きくなります。

 しかも、驚くべきことに、巨大化しつつも、遊泳速度は保ったままです。

 

 これこそが現実を上書きする 〝力ある言葉〟 による魔術の顕現なのです。

 

 質量保存?

 運動量保存?

 いえいえ、物理法則を超えてこその『魔法』でしょう?

 

 速度を保ったまま質量を増大させてぶつかるくらいはできて当然!

 なぜなら、魔法だから!

 

 その確信こそが、現実を塗り替える力となるのです。

 

 

甲竜(アンキロス)よ! いま一時、(セメル・)その俊敏なりしを(キトー・)我が身に授け給え(オッフェーロ)! 雷霆のごとき我が【突撃(チャージング)】を受けよ!!」

 

 さらに追加で、真言呪文【加速(ヘイスト)】と、祖竜術【突撃(チャージング)】の二重詠唱。

 これにより全身から紫電を迸らせ、身体の至る所から魔力を噴出して、マナの保護膜(バリア)とジェットを纏います。

 魔力放出による外部加速。

 こうして祖竜の加護まで得て加速し、因縁の敵に向かって大突撃です!

 

 

『SSSHHAAARRRRAAAAKKKK!!!!』

 

 しかし敵もさるもの。

 鋼鉄巨大鮫蛸(メタル・ギガ・シャークトパス)には、鋼鉄の楯鱗(じゅんりん)と、蛸神の系譜としての呪的装甲が備わっています。生半可な攻撃は通用しないでしょう。

 ましてや、海中での加速運動性においては、海の魔物として、当然ながら半竜娘ちゃんの遥か上をいきます。

 

 サメは海のハンター。

 武器は瞬発力とパワー!

 それはまさしく海の処刑ミサイル!

 

 タコもまた海のハンター。

 武器はステルス性と知能と柔軟さ!

 これこそ海のニンジャアサシン!

 

 その二つが合体したシャークトパスならば──── ハンター×ハンターで、その捕食力は百万倍と言っても過言ではありません!

 

 

 巨大化した半竜娘ちゃんと、鋼鉄巨艦から融合変化したメタルギガシャークトパス、その両者の距離は近づき。

 そして、いよいよ海中で交錯します!

 

 

 

竜の顎門(ドラゴンバイト)ォッ!!」

 

 まずは大口開けて突撃する半竜娘ちゃんの、祖竜のビジョンを纏った巨竜のひと噛み!

 たとえ鋼鉄(メタル)の身体とて、具現化されたこの竜の牙にはかなわないでしょう!

 ましてや半竜娘ちゃんは、【突撃】の祖竜術による魔力の守りに包まれているのです。

 なんならこの一撃で決着がつく可能性も────いえ、これは!

 

 

『WHOOSH!!!! WHOOSH!!!! WHOOSH!!!!』

 

 轟々とした水の噴出音。

 これは鋼鉄巨大鮫蛸(メタル・ギガ・シャークトパス)の下半身の漏斗器官からのジェット水流によるもの!

 その噴流が、メタルギガシャークトパスに、まるで瞬間移動したかのような不規則な軌道を実現させます。

 

「ぬ、面妖な!」

 

 メタルギガシャークトパスは、螺旋を描くようにして、ひらりぬるりと半竜娘ちゃんの突撃の軸から己の体を逃したのです。

 推力変更ノズル(ろうときかん)による圧倒的な機動性! そう、これこそがタコのチカラです。

 単調な突撃では、鋼鉄巨大鮫蛸(メタル・ギガ・シャークトパス)に当てることなど夢のまた夢……!

 

 そしてソイツは、避けるだけではありません。

 

『SWHIIPP!!!!』

 

 置き土産。

 すれ違いざまにまるで鞭のように触腕を振るい、牙のごとき棘の並んだ吸盤でひっかき攻撃!

 もちろんそれは、半竜娘ちゃんの竜鱗を貫くことはできません。しかし、目的はダメージではないのです。

 

 SPLASSH‼  と半竜娘ちゃんの体表で、飛沫のように弾けるマナの音。

 

「なんと! 祖竜の守りが!」

 

 半竜娘ちゃんが纏う【突撃(チャージング)】の祖竜術のオーラは激突接触までのあいだ術者を保護するもの。

 つまりはそれが、敵たる触腕との接触をトリガーにして弾けたのです。

 

 もちろん、半竜娘ちゃんを叩いた鋼鉄巨大鮫蛸(メタル・ギガ・シャークトパス)の触腕も、タダではすみません。

 反動は甚大。

 【突撃(チャージング)】の術の威力を受けて、触腕がまるで塵か霞のように弾け散りました。

 

『GRRRrrr……』

 

 ですが、それは本体までは波及せず。*1

 つまり、タコの狡猾さを得た、かつての航宙艦の演算中枢は、たった一本の触腕と引き換えに半竜娘ちゃんの守りを剥がしたのです。

 まさにそれは、タコがカニや貝の殻を剥がすかのごとき、本能の知性の発露です!

 

 と同時に、鋼鉄巨大鮫蛸(メタル・ギガ・シャークトパス)は墨を噴射。

 

 闘牛を躱すマタドールのように。

 墨の煙幕で半竜娘ちゃんの視界を塞ぐと同時に。

 触腕をぶつけて失った反動と、自在に動く漏斗器官からの水流で。

 真横にジェットでスライド移動して、さらに噛みつこうとする半竜娘ちゃんの竜の牙を回避!

 

 しかしスライド移動するように回避しても、メタルギガシャークトパスのサメの方の口は、半竜娘ちゃんの方を向い(ロックオンし)たまま……!

 まるで凄腕レーサーのドリフトのような機体制御です!

 

「墨じゃと!? ちっ、どこに────」

 

『─── CRUNCH!!!!!』 

 

 墨で視界を失った半竜娘ちゃんの隙だらけの脇腹に、鋼鉄巨大鮫蛸(メタル・ギガ・シャークトパス)の鮫の牙が食らつきました!

 

 竜鱗を割り、肉に食い込む鮫の歯列。

 

 そしてそのままデスロール!!

 

「ぐぅぅううッ!?」

 

『SNAPP!!!! SNAP!!!! CHOMP!!!!』

 

 ガブガブガブ、と容赦なく嚙み千切るメタルギガシャークトパス。

 半竜娘ちゃんの脇腹がごっそりと抉れ、ゆらりと海中に血が流れます。

 

「ぬぅぅ! ………ふん、効かぬわ! 竜たるものの持つ活力を知るがいい!」

 

 ですが、出血はすぐに止まりました。

 

 肉が盛り上がり。

 上皮が張り。

 鱗が浮き上がり。

 

 彼女の欠損はすぐに埋まったのです。

 

 これこそ、半竜娘ちゃんの持つ上級種族技能【竜の活力】の賜物。

 

 動力炉心(パワーコア)から溢れるエネルギーを得た細胞が、半竜娘ちゃんの肉体に吸血鬼にも比肩する【再生】力をもたらしています。

 

 そして半竜娘ちゃんは、即座に反撃!

 鮫の頭をねじり振って(デスロールして)肉を抉ったあとに離れつつあった鋼鉄巨大鮫蛸(メタル・ギガ・シャークトパス)の身体を、強かに蹴り飛ばしました。

 

『GGIII!!??』

 

 そこらの帆船よりも巨大な肉体同士のぶつかり合いが、海中にどぉォんと重低音を響かせます。まるで衝突事故です!

 

「かはは! 仕切り直しじゃな!」

 

 強烈な蹴撃により、くの字に曲がった鋼鉄巨大鮫蛸(メタル・ギガ・シャークトパス)

 一方で、その蹴りの反動で離れる半竜娘ちゃん。

 

 挨拶代わりの一手を交換し、さてこれから本番というところです。

 

『SSSHHAAAAARRRRKK!!!』

 

「……うん? 何か出てきたのじゃ?」

 

 おっと?

 鋼鉄巨大鮫蛸(メタル・ギガ・シャークトパス)から何か小さな影がポロポロと零れ落ちてきました。

 

「あれは、子鮫……?」

 

 よく見ればそれは鮫の形をしていました。機械を纏った子鮫です。

 まあ子鮫と言っても、それは鋼鉄巨大鮫蛸(メタル・ギガ・シャークトパス)に比べれば小さいというだけで、普通のホオジロザメよりも大きいのですが。

 

 そしてそれらは、猛スピードで半竜娘ちゃんへと向かって泳いでくるではありませんか!

 

「むっ⋯⋯?!」

 

 いやな予感がしますね。

 鋼鉄巨大鮫蛸(メタル・ギガ・シャークトパス)は、サメとタコと征宙艦のキメラモンスターです。

 であれば、征宙艦の名残は、そのメタルな装甲や高度な演算能力以外にあってもおかしくありません。

 例えば、()()()()()()であるとか。

 

 危機感を覚えた半竜娘ちゃんが急いで速度を上げますが、それを追う半機械の子鮫も己の存在を燃やし尽くさんばかりに決死の勢いで追ってきます。

 

 海中という三次元空間を最大限に生かした追いかけっこの開幕です。

 

『『『 SSHHHRRRKK!! 』』』

 

「ええい、しつこい! 雑魚は下がっておれ!!」

 

『『『 SSHHHRRR!!?? 』』』

 

 振り切ろうと泳いでいく中、一瞬振り返った半竜娘ちゃんの鋭い眼光が、子鮫を威圧します。

 

 上級種族技能【竜の炯眼(けいがん)】。

 

 祖竜術【竜眼(ドラゴンアイ)】と同様に、己の視覚の強化に加えて、捕食者の眼光により敵の行動を阻害するという能力です。

 

 そんな半竜娘ちゃんの捕食者の眼光に見据えられた子鮫たちは、たまらず動きを鈍らせます。

 

 機械であっても、祖竜の眼光からは逃れられません。

 そしてついにはそれまでの決死の追走の、その無理な運動が祟ったのか……半機械の子鮫たちは限界を迎え、ぷかり、くたりと海中で力を失いました。

 その次の瞬間────

 

 ──── BBOOOMMMBB!!!

 

 子鮫たちは爆発したのです。

 

「やはりか!!」

 

 半生体魚雷!

 おそらくは征宙艦が持っていた兵装の一つであろう魚雷生成機能が、鋼鉄巨大鮫蛸(メタル・ギガ・シャークトパス)と化したことで変化したのでしょう。

 

 嵐の海中の暗がりの中、半竜娘ちゃんが周りを見渡せば………。

 

「これは……」

 

 周囲には、すでに半竜娘ちゃんを囲むように回遊する多くの半機械子鮫の姿が───!!

 

 半生体魚雷な子鮫による結界!

 ぐるぐると回る完全包囲網!

 まるでこれは、サメでできた竜巻(トルネード)……!

 

 そう、海中シャークネードです!!

 

 生体魚雷子鮫の包囲網──── シャークネードの向こう側には母体たる鋼鉄巨大鮫蛸(メタル・ギガ・シャークトパス)の巨体も見え隠れします。

 鋼鉄巨大鮫蛸(メタル・ギガ・シャークトパス)は、半竜娘ちゃんの周りを回遊しつつ、いまも次々と子鮫を生み出して補充しているようです。

 

「ふん、雑魚どもには迂闊にさわることも出来んか」

 

 接触起爆。

 任意起爆。

 もしくは一定以上のエネルギー消費による時限起爆。

 

 生体魚雷子鮫たちの起爆条件はおそらくそんなところでしょう。

 

「ぬぅ……! 完全に囲まれておる……そして、やはり来るか!」

 

『『『 SSHHHRRRKK!! 』』』

 

 

 半竜娘ちゃんを海中で閉じ込めるシャークネードの半径が、まるで獲物を締め上げる蛇のように狭まります!

 竜巻のごとき群れの壁から、次々に噛みつくように渦の内側に飛び出てくる牽制の子鮫をいなしつつ、半竜娘ちゃんはやがて確実に訪れるだろう破滅的な爆発に備えます。

 

マグナ(魔力)ノドゥス(結合)ファキオ(生成)!」

 

 バリアの魔術です。

 真言呪文【力場(フォースフィールド)】を水底方向に生成。

 同時にその魔力の力場を踏み台にして、海面方向へと跳躍。

 行く手を遮る子鮫の包囲網が狭まりきる前に、口から放射熱線を短く吐き出してそれらを排除しながら、ダメージ覚悟で海面に向けて飛び出します。

 

 水底の方向、すなわち半竜娘ちゃんの後方からは、統制された子鮫たちが既に起爆を始めて────!!

 

 

 というところで今回はここまで。

 ではまた次回!!!

 

*1
※TRPG的には複数部位を持つモンスター特有の挙動。




 
次回はそんなにお待たせしないはずです……。
 
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