ゴブリンスレイヤーTAS 半竜娘チャート(RTA実況風) 作:舞 麻浦
◆前話
もりひとたんけんか の はっそうとび !!
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いまさらですが、今章の章題名は「フリープレイ そして彼女が竜になるまで ~三年目冬・祖竜の体現者 編~」となっています。コンセプトは「半竜娘ちゃん大暴れ」です。
はいどーも!
我、海魔を喰らう竜にならん、な実況、はーじまーるよー。
前回は海上で森人船長さんが
卑怯とは言うまいな、多数で囲んでボコるのが冒険者の流儀よ……!
というわけでメタル・ギガ・シャークトパスによる半生体魚雷子鮫によるシャークネードからの一斉起爆で空中に吹き飛ばされた半竜娘ちゃんですが、動けない空中落下中をつけ狙う海魔の触腕によってマズイことになる前に、味方の援護によって事なきを得ました。
ゲット・コトナキ!
これで、触腕へ対抗するのに費やすはずだった
素晴らしい援護です。やはり持つべきものは仲間ですね!
「さぁて、決着に向けて【加速】せねばな!」
嵐の中を落ちながら、半竜娘ちゃんは手で印を結び、口内で祝詞を唱え、また、周囲の雷雲と嵐雨と荒海へと己の認識を拡大していきます。
「おおっ、来たれ我が半身! 嵐を喰らえ、水の龍! 高位精霊術【
一瞬、風が凪いだかと思えば、嵐雨が収束し、半竜娘ちゃんに寄り添うように、東洋龍の形をとりました。
半竜娘ちゃんの契約精霊である、蛟竜の水精霊『ミズチヒメ』の召喚です。
地母神寺院のブドウ畑で巡り合って以来、半竜娘ちゃんとともに位階を高めてきた彼女は、いまは押しも押されぬ大精霊へと進化しています。
どのくらいの位階かというと、この嵐のコントロールを、太古の混沌の大駒の生き残りの系譜にあたる海魔メタル・ギガ・シャークトパスと競りあって、ぎりぎり競り勝って掌握できるくらいです。
やりますねえ!
でも、それならもっと強力な干渉力を発揮できるようになれば、もっともっと盤石になりますね?
そして半竜娘ちゃんには、それを成す術があります。
「
─── 来ませい、ミズチヒメ!」
『はいはいあるじどの~』
「行くぞッ!!」
「『
使役する精霊との融合による精霊化の術。
水の龍たるミズチヒメが、空中の半竜娘ちゃんに絡みつくと、眩いマナの輝きを放ち始めます。
そして次の瞬間。
輝きの中から現れたのは、神々しい人型の水龍でした。
精霊と一体化する
これにより、
いまや海上の雷雲と嵐雨は、完全にこの水化龍人となった半竜娘ちゃんの掌中にあります。
精霊と化した彼女の落下は止まり── アストラルサイドの存在となった半竜娘ちゃんは、重力には囚われないのです──、悠然と空中で仁王立ち。
ですが相手は
古代の巨大鮫と、蛸神の
決して油断のできる相手ではありません。
確実に勝ちたいならば、念には念を入れるべきですね?
既に、戦力の質は十分に高めました。
できれば
……まあ、実は
ともあれ、この水化龍人形態が、いま出来る最高のモードというわけです。
そして質を高めたならば、次は数だと相場が決まっているものです。
相手が三位一体ならば、こちらも3体の合力で行くべきでしょう。
「ここは無理のしどころか……! ならば、あと一手稼がねばならぬ。─── 出でよ、双片の魔神よ!」
『
半竜娘ちゃんの呼びかけによって、彼女が身に付けていた封具たる竜の牙の飾りから現れたのは、契約魔神の
酷使しすぎた分身の影が意志を持ったことを好機として、それを贄として呼び出した魔神に食わせた上で、逆に魂を塗りつぶさせて内側から魔神を乗っ取らせて受肉させたのが、この半竜娘ちゃんの闇落ち版みたいな姿の
いまやアストラルサイドの
「いかにも。あの海魔を屠るのに手を貸せぃ」
『………いいぜ。手伝ってやるさ。時間を稼げばいいのだろう? 日頃から対価はもらっているしな』
商談成立! 話が早い子は好きよ。
厳密には
「その通りじゃ。頼んだぞ」
『任せな。じゃあ行ってくるとするぜ。ようく見てな! ハァッ!!』
そう啖呵を切った闇竜娘は、万象消滅の魔法の力を両手に湛えると、悪魔の翼を羽ばたかせてハヤブサのように急降下していきます。
向かう先には、森人探検家の連射により肉が抉れて弾けて穴だらけになった、海魔の触腕たち。
そして、その中心に位置する海面で見え隠れするのは、鋼鉄でできた巨大な鮫の背ビレ!
『
『GGIIIIGAAAAAA!!!??』
闇竜娘は、その両手から、すべての結合を断ち切り原子ごと霧散させる最強の矛たる
上位魔神レベルにしか許されないインフレの極致ですね。
しかも鍛えられた魔法制御により遥か遠方まで収束率を保ったままの破滅の光線は、ただただ静かにあらゆるものを貫通していきます。
短距離でしか収束率を保てないようなニュービーとは違うのですよ。
闇竜娘はそれをすくい投げるように動かし、まるで刃のように使って、触腕や海水をバシュバシュと切り裂きます。
『でもこれ効いてんのか~?! さすがにスケールが違いすぎて焼け石に水っぽいぜ。おっと!?』
『GGIIIIGAAAAAA……』
『ケッ、雑な反撃が当たるもんかよ! まだまだ行くぜ、そらっ、
メタル・ギガ・シャークトパスも反撃にジェット水流や、
的の大きさと機動力が違います。
と、こうやって闇竜娘ちゃんがヒラヒラ翻弄して時間稼ぎしてくれている間に、半竜娘ちゃんもさらに準備を進めます。
「【分身】の魔導……いまここで、その限界を超えてみせようぞ……。今の
────
水精霊化して宙に立つ半竜娘ちゃんの身体にさざ波が立ち、ひときわ大きく震えると、そこからさらに2体の分身が現れました。
本体と合わせて3体。
つまりこれにて【三叉分身】というわけです。
まあ、勇者一行の賢者ちゃんは、4体も分身を出してそれぞれ別人に変化させたうえで違和感なく動かしたりできるのですし、腰椎や胸椎の神経節が副脳として発達して来つつある今の半竜娘ちゃんなら、2体の分身を出してもなんとか制御は失わないでいられるようです。
分けた “影” が暴走して
というわけで、向こうが鮫・蛸・艦の三位一体なら。
こちらは三叉分身による
まずは天候制御権の綱引きが始まります。
これはそのような、神代のレベルの戦いなのです。
「「「 我こそは水なる竜なり!
『 GGGRRRRRRR!!! 』
敵のメタル・ギガ・シャークトパスの構成要素たる鮫・蛸・鑑のうち、天候に影響を及ぼしているのは蛸の要素………つまり、
それ自体は水神の系譜のものとはいえ、現在その一級の呪的素養を運用しているのは、外宇宙から落着した艦を司っていた人工知能に過ぎません。つまり、魔法にはまだまだ疎い。
付け入るスキはそこにありました。
そうです、自然そのものたる精霊と融合し、竜の意志力を上乗せした半竜娘ちゃんが、まさか負けようはずもありません!
「「「 天と海とその狭間にある雨風! その全ては、いま、我がものとなった!! 」」」
半竜娘ちゃんの宣言とともに。
分厚い嵐雲が凝固して綿に変わったかのように動きを止め。
吹き付ける雨風が落ちぬ水玉となったまま浮遊し。
荒れた海の高波の飛沫の一つ一つすらもが時を忘れて静止しました。
全てが半竜娘ちゃんみ魅入ったかのような、刹那の静寂。
一枚の神聖な絵画のような、非現実的な光景。
そして次の瞬間には、嵐雲が、雨粒が、波の飛沫が、猛烈な勢いで水化龍人となっている半竜娘ちゃんとその2つの分身の元へと、渦巻いて吸収されていくではありませんか!
まるで空中に大河が生まれたかのような、圧倒的で神秘的な光景です。
嵐は晴れ。
雨は止み。
波は凪ぐ。
一帯全ての水という水が、半竜娘ちゃん
『 RRRRWWWW!!?? GGGRRRRUUAA!!!!』
それに危機感を覚えたメタル・ギガ・シャークトパスの瞳が妖しく赤く輝きました。
発光。
そして、そこから伸びたのは、一対二条の光でした。
レーザー光です。
レーザー光の行く先は、どんどんと小さくなる嵐の雲の中。
幕電と電光が迸る、嵐の残滓。
直後、導雷!
『 GGGRRRRUUOO!!!!』
レーザー光で電離された空気を導電体として、嵐の残滓に凝集していた全ての雷がメタル・ギガ・シャークトパスへと、
自滅? いいえ、違います。
水は既に
しかし、雷はそうではありません。
雷電は、四方世界においては風の精霊の領分です。
そしてそれ以上に、外宇宙から堕ちた艦にとってみれば、電気とはすなわち
つまりメタル・ギガ・シャークトパスへのこの落雷連鎖、これは自滅ではなく───充電!!!
『 GRRWWWUUOONN!!!!』
メタル・ギガ・シャークトパスがその蛸の触手を海中で大きく広げて、最大の水の抵抗を得ることで、機体を安定させました。砲撃体勢!
そして先頭、サメの頭部が海面から顔を出し─── 変形!
ガシャガシャ、バシャバシャと、鋼鉄の楯鱗が重なるように動いて変形していきます。
鮫の顎が大きく開き、中からせり出してきたのは………巨大な砲塔でした。
おそらくは征宙艦の主砲!
小惑星すら砕く、極大のエネルギー砲です!
近未来的で機械的なその砲塔が、先ほどの雷から得たエネルギーを、キュインキュインと甲高い音を立てながら収束させていきます。
狙いは当然、空中で嵐と雨と波を統べている、
闇竜娘ちゃんが『【
触手を犠牲に時間を稼ぎます。
しかしそれを見ても、半竜娘ちゃん
「ふっ、なかなか凄まじい力じゃの」
「今の
「じゃがそれは、当たればの話じゃ!!」
『 FFFFIIIIRRREEE!!!!』
メタル・ギガ・シャークトパスの、怒りの咆哮!
極大のエネルギー砲が、半竜娘ちゃん
半竜娘ちゃん
────
メタル・ギガ・シャークトパスが触腕を根のように広げて踏ん張った海水を、それ丸ごとひっくり返したのです!
「地の利は今や
「いくら流星すら砕く砲撃とて!」
「当たらなければどうということはないのじゃよ!!」
まるで壁のようにそそり立つ海面。
斜面、いや、壁面のようになったそこを、メタル・ギガ・シャークトパスが、砲塔からエネルギーの奔流を吐き出しながら『 FFFFAAAALLLLIIIINNN!!??』と転げ落ちていきます。
当然、そんな状況で半竜娘ちゃんへと照準を合わせ続けられようはずもありません。
メタル・ギガ・シャークトパスが射撃した渾身の
ふふふ、やはり地形操作能力は最強………!
「「「 では、トドメといこうかの! 」」」
海面に落ちたメタル・ギガ・シャークトパスは、いまやエネルギー枯渇状態です。
そのサメの瞳がエンプティアラートのためか赤く点滅しています。
もともと、エネルギー不足を何とかするために、コイツは一帯の生物を食い尽くしながらこんな北海まで回遊し、そしてたまたま接近を感知した半竜娘ちゃんから、彼女に奪われた
乾坤一擲のエネルギー砲を外させられて、周囲の生物も粗方食い尽くしてしまっているメタル・ギガ・シャークトパスはもはや死に体です。
そして、周辺の海域も、水精霊と融合した半竜娘ちゃんによって掌握され、封鎖されており、深海に逃げ帰ることすらもできません。
ですが、為すすべがないかというと、そうではありません。
『 AAAUUTTOOPPHAAGGGYY………』
最後の手段、自切食餌です。
森人探検家の三連射に射抜かれ、あるいは闇竜娘の高位真言呪文【
己の身を削る、まさに自殺行為。
しかし、それでも、ここで半竜娘ちゃんから
分の悪い賭けではあれど、このまま敗北するよりはマシというものです。
「その意気や
「であればこちらも敬意を表して」
「貴様に相応しい手管を見せてくれよう!」
そういうと、半竜娘ちゃんの本体は
乱心か!? とも思いましたが、そもそも全員が水精霊化しているので、胸に腕が突き刺さろうとも何の問題もありませんね。
「ふふふ、先ほどの子鮫の自爆は、参考になったのじゃよ……。祖竜を奉じる者としては、応報せねば無作法というもの」
左右に控える分身体の胸に刺さった本体半竜娘ちゃんの両片手が、それぞれその分身体の胸の中から『何か』を掴みました。
「貴様に相応しい処刑法は決まったのじゃ!」
鋼鉄の鮫の楯鱗、蛸神のしなやかな肉質、そして征宙艦のAIによる高度な
何よりも、その巨体!
これを滅ぼし尽くすためには、相応に巨大な熱量が必要です。
そして、
そう、半竜娘ちゃんの、ひいてはそのスペックを転写した分身体の、その胸の内に……!
それも、とびきりのものが!
「求めた因果で焼かれるがよい! 破滅の種火をいまここに!
半竜娘ちゃん本体が、水化分身体の胸の中で握っていたものこそ、【三叉分身】の呪文によって一時的に複製された
そんなものに、ただの小石でさえも即座に爆弾にしてしまう【破裂】の呪文を叩きこめば………ろくなことにならないのは明らかです!
なにせ、過剰なエネルギーが注がれるだけではなく、本来組み込まれている
「行け、分身ども! 生命とは、爆発じゃぁああああーーーー!!!」
「「 うおおおおおぉぉぉオオオオオオ!!!! 」」
自 爆 特 攻 ! !
『 FFFFUUUUCCCCKKKK………!!!!』
【突撃】の祖竜術まで発動した分身たちは、メタル・ギガ・シャークトパスに激突すると、両脇からしがみつき、その敵手の悪罵の叫びとともに、海中へと猛烈な勢いで没していきました。
そしてその直後。
激突の衝撃をトリガーに、ついに【破裂】の術が作動したのです。
それは込められた魔力を呼び水に、分身体たちの胸の
その際、メタル・ギガ・シャークトパスにしがみついていた分身体は、その水の権能で、爆発の衝撃を一定方向に反響させるパラボラ状の水の障壁を何重にも海中に展開していました。
さらに分身体たちは、水と化した己の身体を海に広げ、さらに祖竜術奥義【
本体の半竜娘ちゃんも、衝撃を受け止め、周囲へと影響を逃がさないように、海域支配の権能で海を固めることに全神経を注いでいました。
それでもなお、その衝撃は巨大なものでした。
分厚い海水の層を越えてさえ届く、閃光と衝撃と振動。
さて、勝負の行方は───
「ふむ……、あやつの動きは完全に止まったようじゃの。まあ、両脇から収束した爆発をぶつけられたのじゃから無理もない。それでも粘りと強度を両立した肉質と金属フレームのおかげか、三枚におろされる程度でかろうじて原形をとどめておるのは侮れんがの」
残心を解いた水化龍巨人フォームな半竜娘ちゃんによれば、どうやら撃破を確認できたようです。
半竜娘ちゃんが操る、巨大な水の盆のようなものに掬われるようにして海面に現れたのは、歪にひしゃげて分断された、メタル・ギガ・シャークトパス
ここまで破壊されて、しかもピクリとも動きが見えないのであれば、死亡確認……げふんげふん、勝利した、と言ってしまって良いでしょう!
めたる・ぎが・しゃーくとぱす を たおした!
それでは今回はここまで。
ではまた次回!!
雪辱完了!