ゴブリンスレイヤーTAS 半竜娘チャート(RTA実況風) 作:舞 麻浦
戦場模式図の挿し絵あります。
いつも以上に長いです。
はいどーもー、オーガがいつの間にか三兄弟になってる実況、はーじまーるよー。
前回の半竜娘ちゃんは、黒曜等級への昇級審査を終えて、精霊使いのレベルを上げて、新しく【追風】の精霊術を覚えたところまででしたね。
そして、仲間に勧誘できそうな、森人の遺跡狩人――えーと長いので、森人探検家と呼びます――がオーガジェネラルと遭遇しそうだというのが託宣で半竜娘ちゃんに伝わっちゃったので、森人探検家がやられる前に追いつけるように動こうとした、というところでした。
結論としては追いつけました、しかも狙ったかのようなおいしいタイミングでした。
オーガにつかまった森人探検家が連れ去られようというところに間一髪!
ヒューッ! 半竜娘ちゃん持ってるねえー!
しかし、半竜娘ちゃんがどうやって追いついたかというと、実は馬に乗ってきたんです。
いや、二メートル半ばの背丈の半竜娘が乗れる馬ってどんだけよ、世紀末覇王の愛馬かよって思いますよね。
なんと、都合のいいことに、魔女さんがでっかいのを魔術で創り出してくれてたのです。
いわゆる使い魔というやつですね。
下水道未踏遺跡の奥にいた、あの巨大粘液体の万能細胞をベースに、軍馬の精液、古竜の肉片、そして半竜娘ちゃんの髪の毛を掛け合わせた試作品だそうで。
――何勝手に人の髪の毛使ってんねん。
魔女さん、研究ではそういうマッドな側面ちょくちょく見せてきますよね。
なお、半竜娘ちゃんの髪の毛を入れたのは、頭がよくなりそうだったのと、古竜の肉との親和性が高そうに思えたからとのこと。
「許し て?」って言う魔女さんがかわいいし実利があるから許す!
で、出来上がった使い魔ですが、見た目は、巨大な軍馬をドラゴン寄りにしたような、あるいは馬に鱗の鎧を貼りつけて顔を凶悪にしたような、『竜馬』とも言うべき代物になりましたとさ。
上手に作れるようになったらば、槍使いと一緒に遠乗りするのにでも使う気だったとか。
銀等級ともなれば、遠出の機会も多そうですし。
それに使い魔なら、普通の動物よりも世話が簡単です。完全に言うこと聞いてくれるわけですから。
実はこの魔女さんの家、馬房もあるんですよねー。今まで使ってなかったけど。
で、試作してみたところに、ちょうど半竜娘ちゃんが帰ってきたと。
そして事情を聞けば、急ぎ出かけるというから、それを貸してくれたわけです。
試運転にはちょうどいいでしょう、ということで。
ちなみに、この試作バージョンの竜馬には、食事をとる機能はついていません。
完全に試作で、卵から孵ったばかりの稚魚のように、腹の栄養(胃や腸の代わりにどでかい肝臓だけ入っているような状態)で生きていて、それが尽きると死んでしまうとか。
それでも、水さえあれば三日三晩走り続けられるそうですが。
使い魔の精神リンクを、魔女さんから半竜娘ちゃんに移譲してもらい、いざ出発!
ちなみに竜馬は一頭だけなので、森人探検家を追いかけるのは、本体の方の半竜娘ちゃんだけです。
分身ちゃんは残って、竜馬を提供してくれたお礼に、魔女さんの研究を手伝うみたいです。
……いや、これはまた何か悪だくみしている感じですね。
熟達した魔術師は、使い魔経由で呪文を発動させることができるといいます。
使い魔それ自体も、人造のものから、そこらの野鼠まで多様ですし、非常に応用範囲の広い技術です。
まあ、マンチなら習得したいですよねえ。*1
それはともかく、竜馬を譲ってもらった半竜娘ちゃんは、分身ちゃんから【加速】と【追風】を竜馬にかけてもらって、道を急ぎます。
竜馬のベース移動力は軍馬と同等の45なので、【加速】で2倍にして90、さらに【追風】で1.5倍にして移動力135。普通の馬車の9倍のスピードです。
半竜娘ちゃんは体力も高いので、かなりのスピードで飛ばしても消耗しません。
この調子なら、一時間で43kmは、疲労を蓄積させずに移動できそうです。自動車かよ。
ちなみにこの計算だと1日で270km移動できますし、出目次第ではもっと伸びます。マジか、中世世界観でこの移動距離はチートすぎる。
でも、【加速】とか【追風】とかの支援呪文が使えて、足の速い騎獣がいれば、他の誰でもできることなので、案外、軍や大規模商会ではスタンダードなのかも?
……これだけ早ければ、辺境の街を出発して数時間も竜馬を駆けさせれば、森人探検家ちゃんに完全に追いつけちゃいますね。
実は、森人探検家ちゃんは、体力と持久力がミジンコなので、1日に移動できる距離はそれほどでもありませんでした。
素の移動力が高くても、体力が少なければ長距離は移動できない、ということですね。一党にそういう貧弱なメンバーがいて、その疲労を避けたいなら、馬車などの乗り物を利用するが吉です。
戦闘中の瞬発力は体力じゃなくて、技量を参照して判定するので、戦闘ならぎゅんぎゅん動ける娘なんですがねえ。
というわけで、森人探検家ちゃんの救出には、危機一髪でしたが、なんとか間に合いました。
だいたいそれっぽい場所に来たときに、こちらから託宣してあげたのも良かったみたいです。
こちらの託宣をきっかけに、半竜娘ちゃんは、自分に【
見つけたときは、まだ森人探検家ちゃんはオーガジェネラルに追いつかれていなかったのですが、流石に半竜娘ちゃんも、オーガジェネラルと戦うには準備が必要です。
まずは辺境の街に置いてきた【分身】を消して、自分のそばに再作成。
これで、本体と分身で、それぞれ残り呪文使用回数は5回ずつです。
それぞれが自身に【加速】をかけて、急襲の体勢を整えます*3。加速のボーナスは、本体が+2で、分身が+4でした。呪文のリソースは残り4回ずつになりました。
分身には、技量強化の指輪を渡しておきます。
とかやってるうちに、いよいよ森人探検家がピンチになったので、名乗りを上げます。
ピンチになるまで待ってたわけじゃないですよ? まあ、ピンチにならない限りはバフ積む予定でしたけど。できれば
――「おるのじゃっ、ここにひとりな!!」(ひとりとはいってない)
ヒュー!
名乗りを上げたのは、本体の方です。
で、分身の方は?
奇襲のために動いています。
位置に着いたな?
ではアンブッシュです。
オーガジェネラルの注意が本体の半竜娘ちゃんに向いた隙を突いて、別角度から
狙いは森人探検家を掴んでいる方の手首です。
森人探検家ちゃんが、分身ちゃんの方にも気づきましたが、空気を読んで黙っててくれています。
本体が注意を引き付けているので、不意打ちは成功しやすくなっているのですが……ギリギリ成功しました。*4
さらに、分身ちゃんの先制力判定が【加速】効果で13となり*5、12を超えたので、先制力を12と1に分けることで2回行動できます。
まずは一回目の行動。スリケン投擲です。
ひゅおんと風を切って、複雑に曲がった刃を持つ投げナイフが飛来します。
このスリケンが命中するかどうかですが、分身の方の半竜娘ちゃんは、【加速】状態でのボーナス+4に加え、【竜眼】のボーナス+4があり、さらに「にらみつける」による行動阻害で、相手の回避を-4できます。実質+12のボーナス。
まあ、ファンブルしない限り当たるでしょう。(フラグ)
達成値は……は? ファンブル??*6
いやいやいやいやいやいや! ここでそれはないっしょ!?
ファンブルだと自動失敗です!
え、これ、どうする、えぇ??
人質救出できないとまずいんだけど!!
いや、まだ2回目の行動が残ってる……けど、一手損はつらい!!
あ、攻撃したら当たった!!? えっ。なぜっ!? なんで当たった??
ああ! そうだ! 森人探検家ちゃんの【
ファンブルは! クリティカルに!!
マジか、キミ温存してたのか!!
でかした!!! えらい!! 愛してる!!
えー、森人探検家ちゃんの奇跡【逆転】により、文字通りの奇跡の大☆逆☆転です。
ファンブルからひっくり返してのクリティカルで絶対命中となり、分身ちゃんの投げたスリケンは、明後日の方向に飛ぶかと思いきや、空中で吹いた
オーガジェネラルは、この不意打ちにまったく反応することができず、その腕にスリケンが突き刺さります。
命中達成値は43でした*7ので、ダメージボーナスは驚異の+5D6!!
ダメージは、オーガジェネラルの装甲点を引いて…14点!*8
かたーい!! クリティカル引いてこれかあ。こんなん2ターンのリジェネで治る傷やんけ。まあ、ダメージの出目が振るわなかったせいもありますが。
でもオーガジェネラルの生命力の二割くらいダメージ与えられました。
そしてぇ~、クリティカルなので痛打表回しますっ。
痛打表による効果は……「転倒」! おそらく、本体の名乗りに振り向いたときに、ちょうど体勢を崩すいい感じのタイミングで、いい感じの場所にスリケンが突き立ったのでしょう。
転倒状態の時は、能動的行動に-4のペナルティ! 起き上がった後も、そのラウンド内はペナルティ続行!
オーガジェネラルは、手に刺さったスリケンにより森人探検家ちゃんを取り落とし、さらには刺さった時の勢いで腕が跳ね上げられて体勢を崩して転倒しました。
ざまあないぜ!
そして、半竜娘の分身ちゃんは、加速の効果により2回目の行動ができます。
彼我の距離は、投擲の限界距離ギリギリといったところ。20mほど離れているでしょうか。
驚き、信じられない顔で、突き刺さったスリケンを見るオーガジェネラルの目が、半竜娘の分身ちゃんを捉えます。
「双子……いや、ブンシン・ジツか!!」
「ドーモ、オーガジェネラル=サン。半竜の術士です。その
「ドーモ、半竜の術士=サン。オーガ=三ノ若です。はっ、アンブッシュのスリケンが
「まぐれかどうか、その体で確かめるがいい。さあ、貴様の心臓を、置いてゆけえええぇぇええ!!! イヤーッ!!!」
自由行動でアイサツしときます。武人相手にアイサツはジッサイ大事。
では、いきます! 【
呪文行使判定は、達成値29でした。*9
オーガジェネラルの呪文抵抗判定は、達成値が18でした*10ので抵抗失敗!
【突撃】により轢かれるがよい!
あ、オーガジェネラルが【抗魔】で打ち消そうと……いや、諦めましたね。転倒状態のペナルティに加えて、咄嗟の行動によるペナルティがあるので、無駄打ちになると判断したようです。
はいドーン!!
では、突撃のダメージは……助走距離20mの20%に、竜司祭レベルと達成値ボーナス4D6を乗せて装甲値を引いて……17です!*11
少ない? 十分な助走距離が稼げなければこんなもんでしょう。
いつも80だの140だののボーナスが乗ってる方が
まあ最初に、人質を助けるために投擲攻撃圏内に近づく必要があったので仕方ないです。弓があれば、もっと遠くからオーガジェネラルの手を撃つことができて、より遠くから助走距離を稼いで突撃できたのかも知れませんが。
あるいは、もう少しだけ準備時間があれば、いつものコンボで粉砕もできたんですが、森人探検家がピンチだったのでそこまでは準備できませんでした(というか、GMがそういう状況を作ってきてますね)。
でも、ラウンド終わりに
上手く行けば、次のラウンドで半竜娘ちゃん本体と分身のそれぞれの魔法攻撃(本体の【突撃】と、分身の【竜息】)で削りきれます。
それに、ダメージで集中が削がれたので、オーガジェネラルの【加速】が維持できずに解除されました。
順調に相手のリソースを削れています。
【突撃】により、転倒していたオーガジェネラルをさらに吹き飛ばし、分身ちゃんは森人探検家ちゃんを庇うように立ちはだかります。
この位置取りのために、【突撃】で近づく必要が、あったんですね。
森人探検家ちゃんは、解放されたばかりで転倒状態(能動行動-4ペナ)のようです。負傷と、長時間の逃避行による疲労もあるようですね……。
そして次のターン、というところですが、ここで相手側の不意打ちです……!
オーガメイジのエントリーだ!!
知能と怪物レベルの高いモンスター相手だと、怪物側の不意打ち判定がえげつないことになります(計算式エラッタされねえかなあ)。
なので、察知できませんでした。
長射程の【
おそらく、どちらが本体かを見分けての攻撃でしょう。
ということは、かなり手練れのオーガメイジです。
しかし半竜娘ちゃんもさるもの。
リアクションで【
仕方がないので、耐えます。
相手の【火矢】の達成値は18。半竜娘ちゃんの呪文抵抗は、25でした。*12
抵抗成功! ダメージを半減します。そこからさらに装甲値で軽減します。
また、オーガメイジの【火矢】のダメージは……16でした*13ので、呪文抵抗で半減させて8点のダメージですが、装甲値10なので、無傷です!
アツゥイ!! あれ、熱くない。
「ぐっ、なかなか手練れのメイジじゃの! しかし、なんの! この程度は効かんのじゃ!」
負傷によりダメージの1/3のペナルティを掛けて、【加速】の呪文維持判定ですが、負傷しなかったので【加速】の呪文は維持されます。
さてそれで、お互いの不意打ちで始まった1ターン目の状況を整理すると、
・オーガジェネラルから少し離れたところに半竜娘ちゃん本体(呪文残り4回)がいて、
・そして森人探検家(転倒状態)と分身ちゃん(呪文残り3回)がひと固まりになっていて、
・そこから吹き飛ばされて転倒状態のオーガジェネラル(呪文残り2回)、
・さらに、森人探検家が逃げてきた方向の森の中100mくらい先に、オーガメイジ(呪文残り0回)とゴブリンチャンピオンが居る
って感じですね。
分かりづらい?
そんなみなさまのために~。
いらすとやさんの神威を借りてこちらご用意しました。
フリップ、ドーン!
半竜娘ちゃんが着ぐるみになってる? イメージだからヘーキヘーキ!
画力のある《
実際の半竜娘ちゃんは、もっと美人でグラマーだから。心眼で見るのじゃ。
で、まあ位置関係は、こんな感じなわけですよ。
この状態で、2ラウンド目に行きますが、一度ここでお互いの戦略目標を確認しときましょう。
半竜娘ちゃん側は、
1.森人探検家の確保
2.生存(撤退可)
3.オーガの心臓喰う
って感じです。優先度的にも同じ順番。
まあ、強敵との戦いは、あわよくば、というところですね。
今の状況は結構有利なので、半竜娘ちゃんには退く理由がなく、戦意は高いです。
でも、森人探検家を狙われるとつらいかな。
オーガ側は、
1.生存(撤退可)
2.兄者のいる遺跡に行く
3.目撃者の抹殺
って感じです。優先度もこの順番。
どうせ兄者連れて氏族領域に速やかに帰らなきゃならんので、ここで
それよりも、魔神王が負けて、これから勢力を立て直さなきゃいけないのに、戦力が減る方がマズイです(ゴブリンは別に死んでもいい)。オーガ種の生存優先。
そう、オーガたち的には、ここで油断ならない変な蜥蜴人ハーフの女との遭遇戦とか、やってられないはずなわけですよ、正直。
森人探検家ちゃんにとってはお排泄物みたいなエンカでしたが。
実は、向こうにとっても、このランダムエンカウントはお排泄物だったのでは?
オーガジェネラル的には、信頼していた
自分もリジェネがあるとはいえ、一瞬で5割もってかれましたし、同じく突撃か、あるいはブレスで畳みかけられると、かなり危険です。
しかも蜥蜴人の竜司祭は、たいていは武僧ですから、近接能力も侮るわけにはいきません。
これで、オーガジェネラルが単騎で突出してなければまだどうにでもなったかも知れませんが、そこは生き足掻いた森人探検家の殊勲賞ですね。
お付きのオーガメイジや、ゴブリンたちから引き離したのが、かなり効いてます。
モブの支援効果がえげつない一方、ボス単騎だとその分脅威がガクっと下がりますからね。
つまり?
>オーガジェネラル「逃げるんだよォ!」
フィールドにクソ強モブが徘徊している不具合……半竜娘ちゃんはF.O.Eかな?
付き合ってられるか!! ってわけですね。
とはいえ、体勢を立て直さないと逃げることもままならないでしょう。
半竜娘ちゃんは、不意打ち成功&投擲クリティカル&ボス単騎という有利なシチュエーションを逃さず、オーガジェネラル仕留める気ですし。
それこそ相手が逃げようと背を向けても、【竜眼】で視力強化してますし、見失うことは無いでしょう。あとは、適当に距離が離れたところで、これ幸いと助走距離積んで【突撃】すればバラバラにできます。
というところまで踏まえて運命の2ラウンド目です。
半竜娘ちゃんズの【加速】は、維持成功しました。また、オーガジェネラルの傷は、生命力8点分が治癒しました。
行動順の決定ですが、次のようになりました。
| 行動順 | 名前 | 先制力 | 特殊 |
| 1 | 半竜娘(分身) | 12 | 先制力13を【加速】効果で12と1に分割 |
| 2 | 森人探検家 | 3 | 転倒(-4)、半竜娘(分身)同時行動(【統率】効果) |
| 3 | 9 | 半竜娘ちゃん(本体)と同値だが判定勝ちで先手 | |
| 4 | 6 | 転倒(-4)、 | |
| 5 | 半竜娘(本体) | 9 | オーガメイジに判定負けで後手 |
| 6 | 7 | 特になし | |
| 7 | 半竜娘(分身) | 1 | 先制力13を12と1に分割して2回行動 |
では、1番目は半竜娘ちゃんの分身による行動1回目ですね。
まずは自由行動で、森人探検家ちゃんを【統率】し、自分と同じ順番で行動させます。
「無事かぁ!? 無事なら、しゃきっとせんかあ!」
「うぇっ、げほっ、ハ、ハイッ! あ、助けてくれてありがと――」
「さっさと立てい! 毒の【
「ま、まって、防毒面……――!?」
「きちんと味方は避けて吹くわいッ! カァッ!!!」
毒の【
達成値は28でした*14。
オーガジェネラルの呪文抵抗は21*15<28で抵抗失敗! 毒気は装甲値で軽減できないので、ダメージはそのまま通ります。
いや、【抗魔】によるリアクションを取るみたいです、イチかバチかクリティカルに賭けて*16。
って対抗呪文が……クリティカル!?
まじかよ!!
毒のブレスがかき消されます!
(なお、【抗魔】を【抗魔】で打ち消すことはできないものとします。キリがないので。)
「蜥蜴が竜の真似事とは片腹痛いわ! やらせはせん! やらせはせんぞぉ!!」
「若様!! この爺ぃがすぐ、参ります!! いましばらく持ちこたえなさって下され!!」
「おう、なんの、これしきぃぃぃ!! この、俺が! やられるものかぁ!!」
術が掻き消され、半竜娘ちゃん(分身)の目の色が変わります。
やはり、強敵はこうでなくては!!
「やりおるな!! オーガ=三ノ若=サン!!」
「貴様もな! 半竜の術士=サン!!」
そのやりとりの間に、半竜娘ちゃんに鼓舞された森人探検家が立ち上がっています。
「くっ、よくもやってくれたわね、オーガ!!」
「おう、起きたか! こちらは引きつける! 態勢を立て直せ!!」
「分かってるわよ! 貴女に言われなくても!!」
森人探検家は、体勢を立て直すために、全力で下がろうとします。
しかし、それを許すオーガジェネラルではありません。移動妨害判定です。
半竜娘ちゃんズと比べれば、近距離の野伏なんて一番与し易いですからね。
「行かせんぞ、耳長!」
「ちぃっ、しつっこい鬼ね!!」
移動妨害判定は、
森人探検家は、オーガジェネラルの
「あっぶないわね! 体勢崩してるのにぶんぶん金棒振り回しちゃってぇっ!」
「離脱は許してくれなんだか! ふむ、では、それまで
「お願いね!! とにかく少しでも下がって回復するわ!!」
森人探検家は、オーガジェネラルの射程ギリギリくらいまで下がりながら、
これで、疲労をごまかせば、まだ少しは戦えます。
次に動き出したのは、オーガメイジです。
「呪文は打ち止め……とでも思っているのか!? この土壇場で根性見せずに何が鬼よ!!
オーガメイジの狙いは本体の半竜娘ちゃんです。
術士を潰すのは基本!
「性懲りもなく……!!」
「くぅぁっ、はぁっ、はぁっ……燃え尽きろ! 蜥蜴人め!」
相手の【火矢】の達成値は18。半竜娘ちゃんの呪文抵抗は、27でした。*17
抵抗成功! ダメージを半減します。
また、オーガメイジの【火矢】のダメージは……20でした*18ので、呪文抵抗で半減させて10点の負傷ですが、装甲値10なのでダメージまで至りません!
不意打ちではなかったので、ま・わ・し・う・け で散らしたとは言え、危ういところでした。
ダメージは発生しませんでしたので、まだ【加速】は維持できています。
そしてオーガメイジは、
ですが、
転倒から立ち上がり、半竜娘(分身)を、そして後方の半竜娘の本体をにらみつけます。
「ぬう、半竜の術士=サンよ、貴様を強敵と認めよう! ジィの【火矢】を二度も耐えるとは、あっぱれ見事!!」
「そいつは光栄じゃ!」
「しかし死ねぃ!!
オーガジェネラルといえばこの魔法!
【火球】の魔法が、本体の半竜娘ちゃんに向けて投射されようとします!*21
「させるか!!」
しかしオーガジェネラルが居るのは、分身ちゃんの【抗魔】の範囲内!*22
手早く手印を切った半竜娘ちゃん(分身)により、オーガジェネラルの魔法はかき消されます!
「ふん、『どうせお粗末な呪文だったんだろうさ』!!
「……やはり、やりおるっ」
次に動き出そうとするのは、本体の半竜娘ちゃんです。
使う呪文は【力場】の呪文。
ターン用のバンクを【力場】で用意すれば、分身ちゃんによる【突撃】が、最大威力(巨大化なしの場合)で決められます。
その場合は、ダメージ計算は「助走距離ボーナス21+竜司祭レベル9+達成値に応じたダイス数」となるので、オーガジェネラルを確殺できます。
やはり固定値は正義。
発動をまたオーガジェネラルの【抗魔】にクリティカルで邪魔されたり、オーガジェネラルの呪文抵抗が大成功したり、半竜娘ちゃんの呪文がファンブルすると計算がズレますが、既にクリティカルもファンブルも1回出てるから、もう出ないでしょ、きっと!(根拠のない迷信)
って、ここでまた不意打ちです!!
今度は誰だよ?!
「我が弟の窮地に駆けつけずしては、兄の名折れよ! 【火矢】!!」
あああああああああ!!
オーガジェネラル(長男)んんんんんん!?
お前かよ!!
【火矢】*23*24の行く先は、森人探検家ちゃんの方です! 焼きエルフになっちゃう!
的確に嫌なところ狙って来やがるな!!
射程100mは、狙われる側からはかなりつらい!
しかし幸いにも半竜娘ちゃんは、【力場】の発動準備ができてます!
移動して! 射線を遮るように【力場】の壁を伸ばします!
初めてまともな使われ方したな【力場】くん! ありがとう!
ギリギリセーフ!!
【火矢】をインターセプト!!
【力場】の壁も耐えた!!*25
「ドーモ、オーガ=一ノ若です」
「ドーモ! 一ノ若=サン!! 半竜の術士です!!」
くそっ、なんか虫の知らせとかでこっちに来たのか、森人探検家ちゃんを探してた雑魚ゴブリンどもから何か知らされたのか分からんけど、なんで出てくるんだよ、オーガジェネラル(兄)ぃぃぃぃいい!?
ゴブリンチャンピオンが全速力で近づいて来てますが、まだ射程外ですのでこっちは大丈夫。
最後に半竜娘ちゃん(分身)の2回目の行動です!
でもそこで待ったが入ります。オーガジェネラル(兄)から。
なんぞ?
「この勝負、このワシがあずかる!!」
「なっ、一ノ兄者! それは!」
「黙れぃ、愚弟! こんなところで貴様も爺も失うことはできぬ! 大局を見よといつも言っておろうが!! 貴様等が伝令に来たということは、並ならぬことが起こって、ワシの力が必要なのだろう! 氏族存亡の瀬戸際なのではないのか!!
半竜の術士=サンよ! 貴様も良いな!!」
このままではオーガメイジとオーガジェネラル(三男)を失うと思ったオーガジェネラル(長男)は、そんなことを言い出します。
当然、蜥蜴人的には承服できるものではありませんが……。
「ふん、半竜の術士=サンよ。貴様、護衛の技能など持っておらんのだろう? 足運びでわかるわ!!」
「ギクッ!」
「え、ちょっとほんと!? さっき守るって――」
「こちらに手出しせぬのであれば、ワシらはそこの森人を見逃してやろう!」
「む、むむむむ!」
ここに来た目的は、森人探検家を確保することです。
強敵たるオーガジェネラルとの戦いは魅力的ですが、しかし、森人探検家ばかり狙われても面白くありません。
さまざまなことを天秤にかけ、葛藤し……。
「……よかろう。一ノ若=サンよ、この勝負預けよう。三ノ若=サンよ、決着はいずれ」
「ぐぐ、兄者の顔を立てて、ここは退く! しかし、決着は必ず!!」
そう言い残すと、オーガジェネラル(三男)は全速力で、瀕死のオーガメイジの方に駆けていきました。
オーガジェネラル(長男)も、どうやら約束通りに退いていくようです。
そう、決着はいずれ……!
それを見送っていると、森人探検家が話しかけてきます。
「ふー、間一髪。ありがとうね、助かったわ」
「よいよい。しかし、恩に着るなら、しばらく一党を組んでくれると助かるのう。優秀な野伏が必要だったのじゃ」
「まあ、いいわよ。でも、貴女が【護衛】の技能を身に着けるのが条件ね!」
ビシッと指を立てる森人探検家に、半竜娘(分身)は笑います。
「かかかっ、こいつは一本とられたわ! 約束しよう!」
「じゃあ、決まりね!」
ここに新たな一党が結成されたのでした。
そこに、本体の方の半竜娘がやってきます。
その大篭手は熱で焼かれて、色が変わってしまっていますし、鱗も若干、焼け爛れているところがあります。
死力を尽くしたオーガメイジもまた、あっぱれな強敵でした。
「逃がした敵は惜しいが、仲間には代えられぬ。それは向こうも同じじゃったんじゃろうさ」
「そうね、あの魔術師の人喰鬼が倒れそうになってたのも、大きかったんでしょうね」
「やつらは一廉の武人ではあったが、将でもあったのじゃろう。混沌の奴ばらを血祭りにあげていけば、またいずれ相まみえようさ」
さて、ともかく竜馬に乗って帰ろうかというときに、半竜娘ちゃんズと森人探検家は、無粋な輩の気配をとらえます。
「あー、無粋じゃのう無粋じゃのう。これだから小鬼めらは……。どーせ根拠なく『自分はやれる』とか、『オーガが弱ったから言うこと聞く必要もない』とか、『オーガがやられかけたのに俺は無傷だったから俺の方が強い』とか、そーいうこと思って勝手にやってきておるのじゃろうさ」
「ほんっと、最悪よね」
どうやら、小鬼英雄が遺跡まで引き返す前に、途中で糾合したゴブリンを引き連れて、半竜娘たちの方へとやってきつつあるのです。
森人探検家はその鋭敏な耳で、半竜娘たちは【竜眼】で強化された視覚で、それぞれゴブリンたちを捉えました。
「矢は届くな?」
「もちろん。そっちは?」
「これだけ助走がつけられる広い場所なら、とっておきを見せられるのじゃよ」
「じゃあ期待しとくわ」
…………。
……。
数分後、残されたのは、
生き残ったゴブリンはいなかった。
▼△▼△▼△▼
はい終了ー!
オーガは逃がしちゃったけど、まあ、仕方ない。
そして、遺跡から出てきてたゴブリンはだいたい潰せたけど、遺跡の中にはまだ居るでしょう、おそらく。遺跡の中まで追撃してるとオーガ連中に逆撃される危険もあったので、仕方ないです。
でも、無事に森人探検家ちゃんを仲間にできましたので、目的は達成してます。
あとは辺境の街に帰って休んで、冒険者ギルドへ、オーガの報告をするだけ!
いや、傷を治すのが先ですね。
水精霊のミズチちゃんも呼んで、【命水】を振る舞ってもらって疲労と傷を癒やしつつ、さらに半竜娘ちゃんは自分に【小癒】を使います。
うん、だいたい完全回復!
そんじゃ、使い魔の竜馬(余命2日)に乗って、パカラって帰ります!
森人探検家ちゃん軽いから、2人乗りも余裕です!
分身ちゃん? そうねぇ……。
帰りました!
もう深夜じゃよ!
寝ます! Zzzz。
森人探検家ちゃんも、魔女さんの家に招いて、普段は分身ちゃんが使ってる寝床に寝かせます。
寝床も埋まっちゃったし、今日はもう、分身ちゃんも消したままにしてしまって、出さないことにします。
おっはー! もう午後じゃよー!?
冒険者ギルドにオーガとの交戦&森人探検家の救助を報告!
経験点1500点と成長点3点獲得! 森人探検家ちゃんが因果点回してくれてたみたい?
成長点入ったので約束通り、早速、冒険者技能【護衛(初歩)】を取得します。
1ラウンドに1回まで、近くの仲間を庇えるぞー! 残り成長点は2点です。経験点の方は温存で。
そしてようやく、クスリの後遺症が抜けました! 地味に全判定マイナス2が重かった……。
森人探検家ちゃんも経験点1500点と成長点3点ゲット!
神官(交易神)をレベル2に伸ばしてもらって、残り経験点500、成長点は加算されて5点。
新しく賜った奇跡は、移動力を底上げする【
……これ、半竜娘ちゃんの入れ知恵だな?
とりあえず成長点は保留します。【忍耐】とか【免疫強化】とか【長距離移動】で体力のなさを補うか、長所を伸ばすか、斥候的な【第六感】などを伸ばすか……悩みどころです。
それはともかく報告の続きです。
詳しく遭遇場所だとかを報告していくと、受付嬢さんの顔が真っ青になっているのに気づきます。
どしたん? 受付嬢さん、顔色悪いよ?
……えっ。
ゴブスレさんと愉快なご一行が、今朝ほどその遺跡に向かって出立した?
でも、オーガのことは知らないまま向かってるはず?
オーガとの遭遇情報は重要な情報なので、急いで伝えに行ってほしい?
そうね! 多分もうオーガ長男と三男は撤退しているはずだと思うけど、やつらの帰り道でランダムエンカするとまずいもんね!!
万が一、オーガメイジの看病だとかでまだ奴らが遺跡に残っててもまずいし!
ギルドへの貢献としても見てもらえるし、原作一行に会うのも楽しみだし!
というわけで――
――任されよ!!
はい、今回はここまで。
また次回!
ライバル枠も必要だよね? ということで、オーガ三男生存。(再登場未定)
ついでにオーガ長男も生存(撤退)フラグが立ってます。
【突撃】の最大威力のためにはバフを積まなきゃいけないけど、それを許してくれる状況ばかりではないわけで。そんな話でした。
次は原作一行と接触できるぞー!
呪文に対する装甲値の適用計算ミスってたので修正してます。オーガメイジの爺さんが雑魚になってしまった……すまん……。