ゴブリンスレイヤーTAS 半竜娘チャート(RTA実況風) 作:舞 麻浦
いつも感想ありがとうございます!(大事なことなので(略)) もちろんいつも全部読ませていただいてます!
前話で女神官ちゃんの戦績にオーガを数えてたのを修正しました。
あと、念のため性転換タグつけました。
ご指摘ありがとう御座いました!
1.
地下遺跡から回収した転移門の鏡は、法の神殿の一室に安置されました。
さらには、王国の誇る賢者の手により、その制御が可能になり、ゴブリンたちが再びその鏡から出てくることはなくなりました。
なお、剣の乙女が、万が一にもゴブリンの巣などの混沌勢力の方からは、二度と繋がらないようにと、賢者に念入りなセキュリティ対策を要請したのは言うまでもありません。
いま、その鏡の前には、ゴブリンスレイヤー一党と、鏡の制御を賢者から教わった剣の乙女が立っています。
これから、ゴブリンスレイヤー一党を、辺境の街まで送り返すのです。
「うわー、楽しみ!」耳をピコピコ動かす妖精弓手。「転移門なんて、おじい様のお話でしか聞いたことないわ!」
冒険者になったのはこういう未知に触れるため。
いままさに、冒険をしている! と目を輝かせています。
「でも、良いんでしょうか……私たちが使っても」女神官は、少し遠慮がちです。
「その権利はありましょうや」蜥蜴僧侶は澄まし顔。「引き上げて納めるのには、我らも協力したゆえ」ただし、そわそわと揺れ動くその尻尾を除いては。
「ううむ、しかし改めて見ても凄まじい魔道具じゃ」鉱人道士は術士の観点から、神代の遺物の力に感心しきりです。
「のう、かみきり丸よ。これがあれば、緑の月にいるというゴブリンを殺しに行けるやもしれんぞ」
「そうか」
ゴブリンスレイヤーの面頬の奥の表情は見えません。
そうかと言ったきり、黙り込んでいます。
黙っているのは考えている証拠です。なうろーでぃんぐ、って感じでしょうか。
「緑の月に攻め込むなら、独りでは無理だな」
HUMMMM……と更に考え込むゴブリンスレイヤーは、鉱人道士の言葉を真剣に検討しているようです。
彼は周りの妖精弓手を、鉱人道士を、蜥蜴僧侶を、そして女神官を見ます。
“仲間たち”と、そう呼んでも良いのでしょうか。
やがては緑の月まで、“冒険”にいくとして、それに付き合ってくれるのでしょうか。
あるいはそれは、ゴブリンスレイヤーが初めて、彼自身の使命の終わりを、明確に、具体的に、イメージした瞬間だったのかもしれません。
でも、いまはまだ。
小鬼を殺して村を守る。
緑の月の小鬼を殺し尽くす。
……どちらも大事なことですが、しかし、選ぶなら村の守りを選ぶのが、ゴブリンスレイヤーです。
緑の月のゴブリンを殺す間に、村が襲われるのを看過することなどできないから、彼は、小鬼を殺す者となったのです。
そんな彼を、剣の乙女は、その半ば
●○●○●○●○●
2.押忍!!
ギルドの脇の空き地は、辺境最高の重戦士一党をはじめとして、冒険者たちが訓練をやる場所になっています。
どこだかの廃村を潰して、本格的な訓練場を作る計画もあるのだとか。
そんな空き地で、この日は半竜娘と、女武闘家と、そして蜥蜴僧侶が、稽古をするようです。
蜥蜴僧侶に対して、半竜娘と女武闘家が2人掛かりで挑む陣形の模様。
「久し振りに組み手でもと思うたところ、付き合ってもらってありがたいかぎりじゃ、叔父貴殿」奇怪な手つきで合掌する半竜娘。
「押忍! 蜥蜴人の爪爪牙尾の恐ろしさ、ご指南のほどよろしくお願いします!」折り目正しく礼をする女武闘家。
その2人に対して、蜥蜴僧侶も合掌して返します。
「こちらこそ。……では、存分に参られませい!!」
「「押忍!!」」
先に仕掛けたのは、身軽な女武闘家。素早く飛び出し、連撃を浴びせます。
「アタタタタタタッ!!」
目にもとまらぬ怒涛の連打。
しかし、それを蜥蜴僧侶は無防備に受け止めます。
防御する必要すらない、とでも言うかのように。
「一撃一撃が軽いっ! 魂を込めねば通りませぬぞっ!」
「ぐっ、押忍!」
反撃に振るわれた、蜥蜴僧侶の尾に打ち据えられ、女武闘家は強制的に距離を取らされます。
優れた蜥蜴人の武僧の鱗は、竜のそれに匹敵すると言います。
入れ替わりに半竜娘が、蜥蜴僧侶に肉薄します。
握らず緩く開かれた拳は、その竜爪によって引き裂くための形。
「受けてみい! 構えくらいは取らせちゃるぞ!!」
「その意気や好し!
日頃の鍛錬により鉄のごとき硬さを持つ指、その先の竜爪に、さしもの銀等級も構えをとった。
「イィヤァアアア!!」怪鳥音とともに、半竜娘は、地を這うような体勢から、掬い上げるように爪撃。
「大地の反発力を得ようとは
蜥蜴僧侶は、「踏み込みが足りん!」とばかりに、半竜娘の攻撃ごと上からの振り下ろしのカウンターで叩き潰します。
それはまるで、雷竜のごとき力強さです。
打ち潰された半竜娘を中心に、ズンと、空き地が震動するほどです。
ひたすらに強き一撃を追求し、必倒の一撃を繰り出すのが蜥蜴人の流儀です。
さらに言えば、一撃でダメなら、倒れるまで叩き込むのも、蜥蜴人の流儀。
「ハァッ!!」蜥蜴僧侶は、地に潰れた半竜娘へと容赦のない
半竜娘は亀のように耐えるのみ。
しかしこの稽古は一対一ではありません。
「ハイヤァッ!」女武闘家が、十分に氣を練り上げて、飛び蹴りで急襲!
「むっ!」蜥蜴僧侶に防御を取らせ、その腕を弾き、防御ごと上体を崩すことに成功します。
しかし、蜥蜴僧侶の優れた体幹は、即座に反撃を可能とします!
流れた上半身を引き戻し、それと同時に牙の噛みつき!
まだ空中にいる女武闘家は、手加減されたそれを避けましたが、目の前で牙が「ガチン」と噛み合わされて冷や汗をかくことに。
蜥蜴僧侶が本気であれば、首の肉をごっそりと持って行かれたことでしょう。
その間に、倒れていた半竜娘は反撃行動に移っています。
「セィヤッ!!」
起き上がりに、尾と片足をバネに、伸び上がるように蹴撃!
閉じたばかりの蜥蜴僧侶の顎を蹴り飛ばし、尾と体幹を軸にした横倒しの歯車のように、回転しながら離脱。
三者は一旦離れて……、そしてまたすぐに激突します。
機を伺うよりも、積極的に攻めるべし、です。
特に蜥蜴人は先の先をモットーとします。
強固な鱗のぶつかり合いは、まるで重量級の武器を打ち合わせているかのような轟音を響かせています。
女武闘家も、氣を巡らせて、五体総身を鉄と成して応戦しています。
それを離れたところから見ているのは、青年剣士と新米戦士らを初めとした、駆け出しの面々。
見物人たちの思いは一つ。
(((蜥蜴人こえー、そして職業:武道家ってつえー)))
祖竜術で治せるからと、次第に「死ななきゃ安い」とばかりに過熱していく稽古に、周りは顔を引きつらせます。
ちなみに、最後に立っていたのは、蜥蜴僧侶だけでした。
●○●○●○●○●
3.てぃーえすっ!
蠱惑的な肉体を、悩ましげに頬杖をついて机に預けているのは、泣き黒子が魅力的な女……魔女として知られる銀等級の冒険者です。
机には、神々が四方世界の駒たちを作った際の伝承、肉体を変異させるシェイプシフターたちの生態、鰓人に先祖返りする血筋の只人の手記、魔神が使う肉体変容の術についての文献などが散らばり、そして、さまざまな生き物の解剖スケッチも束ねて置かれています。
また、ここには出していないものの、使い魔との感覚同調や、使い魔を通じた術の行使などについてまとめたノートもあります。
これらは、同居している半竜娘との共同研究で、特に祖竜術【突撃】の威力向上のために行っているものになります。
魔女としても、肉体変容や使い魔の術というのは、研究して損はない内容だったので、引き受けたのです。
そして、アンニュイな様子の魔女ですが、研究が行き詰まっているわけではありません。
肉体変容については、進捗があり、文献から拾い上げた同系統の術の再現に成功しました。
半竜娘の【分身】にそれを使ったところ、狙いどおりの変容を引き起こせました。
用いた真言は、『
どうやら、王子に恵まれなかった太古の王に請われた魔法使いが、生まれたばかりの姫を、王子へと性転換させた秘術だということです。
それぞれの真言を刻んだ古竜の竜鱗を用意し、刻まれた真言をなぞりながら竜鱗を触媒にすることで、術への理解はいまだ不十分ながら、発現させることに成功。
その結果、半竜娘の分身体は、おそろしく凛々しい美男子へと変貌。
大きな図体の割に、若干のあどけなさを残す美少年顔のアンバランスさは、危うげな魅力があります。
魔女が槍使いに惚れていなければ、こちらに懸想してもおかしくなかったくらいに美形で恵体です。
というか、まかり間違って街中に放り出せば、たちまちに道行く街娘たちを虜にしてしまうだろうことは確実です。
変化前よりもさらに美貌に磨きが掛かっているようにも見えます。あるいは、そういう作用もある術なのかもしれません。
「こ、これが
蜥蜴人の二本の雄性器は体内収納されているので、股間には違和感はないようですが、情動面での不安定さを感じている様子。性欲を持て余す……。
「そ ね。特にあなたの年ごろだと、そう なのかも ね」
「ううむ、滾る感じはあるが、あんまりにも
「でも、時間切れまで どのくらいか、計らないと、ね」
「うううう、落ち着かんのじゃぁ~」
からかいたい気持ちを、アンニュイな雰囲気の仮面を被ることで押さえつけ、魔女は経過を観察します。
迂闊に刺激して襲われてもたまりませんからね。とても、とっても、からかいたいんですけども。
…………。
……。
結局、分身が消えるまで、性転換の呪文の効果は切れませんでした。
あるいは真言の通りに、永続的な効果なのかも知れません。
●余談:
副作用というか、何というか。
●○●○●○●○●
4.裏取りは大事
半竜娘が、圃人斥候の悩みを聞いて、望みを尋ね、それを叶えるために術を使ってやった次の日の午前中。
圃人斥候は、己の変化にも気付かず、まだ夢の中です。
一方、半竜娘は森人探検家から報告を受けていました。
圃人斥候の言い分の裏取りです。
なんでも、ローグギルドの方でも、『こいつそのうちドロップアウトするやろ(笑)。今のうちに情報集めとこ』と思われてたようで、既にある程度の素行調査はされていたらしく、すぐに情報は集まったとか。圃人斥候ェ……。
「それで、あの圃人の斥候が言っておったことは、どの程度が客観的に事実だったかや?」
「まあ、嘘はついてない、ってレベルね。元の一党の他のメンツは、呪文書が金食い虫の妖術師、所帯持ちの僧侶、分不相応な装備に手を出した斧使いで、それぞれにお金が必要な手合いだから、売り言葉に買い言葉で
「貧すれば鈍する、か……世知辛いのう。そやつらも金があればそんなこと言うような奴らではないだろうにのう。……他になんぞ気になることはあるかや?」
「んー、斥候としての腕は確かだけど、性格に難あり、ってのが、周りのパーティーからの評判ね。一言で言うと『信用が置けなさそう』」
「手を抜くということかの?」
「いいえ。抜け駆けと、自己中心的性格。あと短気と短慮。自分が賢いと思ってるバカ、結果が出ないのは他人のせいで自分は悪くないという被害者根性。そういうもろもろね」
「こっちとしては、手を抜かねば別に良いが。抜け駆け得意の功名餓鬼というのも、蜥蜴人には珍しくもなし。
しかし、めちゃくそに言われとるもんじゃのう。組んで冒険したわけでもあるまいに」
「まあ、そういう感じの冒険者って珍しいものでもないから、経験で嗅ぎ分けられるようになるみたいよ。それに、駆け出しから中堅になるころには、酸いも甘いも経験して落ち着くのがほとんどだし……それまで生き残ってれば。
あなたが拾ったその圃人も、このパーティーなら金銭的余裕もあるし、あなたがしっかり手綱を握れば問題ないでしょ。このあいだの調子で魔神とかに遭遇していけば、もとのランクの鋼鉄等級にだってすぐ上がるわよ」
「なるほど。…………お主は、パーティーに加えるのは反対するかの?」
「はぁ~。そんな反対はしないわよ、専業の斥候が居た方が、遺跡探索にはありがたいし、腕がいいってんなら、その分、今まで敬遠してたような難易度の遺跡に行けるようになるもの。男ならちょっと考えたかもだけど、今は女になってるし。そいつの性根の矯正だって手も口も出すから安心なさい」
「しかし乗り気じゃなさそうじゃよ?」
「……クソ師匠が圃人だったから、圃人に苦手意識が少しある。少しだけね。ただそれだけよ」
「……であるか」
「そーなのよ。ま、銀等級の小鬼殺しをあげつらって、雑魚狩りで銀まで上がった~とか言ってるくせに、その真似でソロでゴブリン退治したりもせずに、そのくせ自分も楽に等級上げたい~なんて言っちゃうような性根は、気に入らないから、きっちり
「『世の中全部、やるか、やらないか』じゃったか。まあ、小鬼殺し殿が楽して等級上げておると思ったなら、真似して自分もソロでゴブリン退治すれば良かろうものな、
「そうそう、やる奴が一番えらいのよ。だから、あなたみたいな、きちんと『やる』奴と一党組めたのは良かったと思ってるわ」
「
「はいはい。そしたら、あいつが起きたらいろいろと説明しなきゃね。
あと、あいつの元の仲間とかへのフォローも必要だから、そのためのカバーストーリーも作ってきたわ。不整合が出ないように、一緒に見直して、覚えてくれる?」
「おお! 仕事が速いのう! 助かるのじゃ!」
●○●○●○●○●
5.てぃーえすっ!!
圃人斥候は軽い二日酔いに痛む頭を押さえて、寝台から起き上がりました。
昨日は、街でぶつかった半竜の娘に愚痴を聞いてもらいながら、しこたま酒を飲んだのでした。
「うー、水、水……」
そのおかげか、悩みも吹っ切れたような気がします。
自分が出した声に違和感があるのは、喉が酒焼けしてるせいでしょうか。
寝台のそばの机に置かれた水差しから水を飲むと、解毒の水薬でも混ぜてあったのか、二日酔いが治っていきます。
「うーん、水差しにポーションとか、すげえ好待遇だなぁ。こりゃ、あの娘はオイラに惚れたかあ? オイラも罪な男だねえ、ニシシッ!」
調子のいいこと言ってますが、昨晩に自分が泥酔して「半竜の姉御~」なんて言ってたのは、どうも都合よく忘れているようです。
おおかた、その場のノリで生きている手合いなのでしょう。
ちなみに、寝間着なんて庶民は持ってないので、この時期は裸で寝るのが普通です。
いつもの癖で無意識に身体を掻きながら立ち上がると、違和感に気づきます。
あるべきものが、ありません。
勘違いかと思って、もう一度全身確かめます。
髪は柔らかくしなやかになっているような。
指も細く、色白になっているような。
というか、全体的に肌がすべすべになっている気がする。
あと、特に股間を念入りに確認します。
しかし。
それでも、やっぱり。
あるべきものが、ありません。
その代わりに、なかったはずのものがついています。
ふわっとしたふたつのちぶさが。
「!?!!???!? うわああああああああああああ!?!?!?」
…………。
……。
寝起きの叫びを聞きつけた半竜娘と、そのパーティーメンバーだという金髪の森人探検家から、一通りの経緯を聞いた圃人斥候、改め、TS圃人斥候は、当然の権利のごとく激昂します。
どうやら、多少は昨夜のことを思い出したようです。
「おまっ、おまっ、お前ら! も、も、元に戻せよ!!」混乱のあまり、呂律が回っていないTS圃人斥候。
「まあまあ、こっちはこれがベストじゃと思うておるぞ? 不慣れな街でやり直すのではなく、慣れたこの街でやり直せるし、当然冒険者稼業も続けられる。望み通りになるようにしてやったじゃろ?
だいたい、よしんば戻せたとしてじゃな、それでどうするつもりじゃよ」静かな声で半竜娘が諭します。
「そうそう、男に戻ったところで、ギルドの決定は覆らないし。圃人庄から出てきた妹ってことにでもして、やり直しましょうよ?」森人探検家も同調します。
「いやいやいや! どう考えてもオイラは騙された被害者だろ!? 現状回復を要求する! ついでに精神的苦痛による慰謝料もだ!!」自分を被害者の立ち位置に置けそうだと思った途端に、要求を加速させるTS圃人斥候。
そういうとこやぞ、お前。
「まあまあ。女の身体の方がいいぞー、っていうか、そっちだってどうせ『女はいいよなー、適当に媚び売ってたらチヤホヤされてさー。オイラだって女に生まれたかったぜ』とか思っておったんじゃろう? 願ったり叶ったりじゃろ」
「なっ、オイラそんなことまで昨日喋ったのか!?」
「いいえ、でもあんたみたいなのは、いかにもそういうこと考えそうよね。実際、図星みたいだし」
間抜けは見つかったようだな!
「底が浅いんじゃよなあ。あ、これ見るかの? 同業者におけるお前さんの評判をまとめたもんじゃ。上手く性根を隠したつもりじゃろうが、ある程度以上の経験を積んだ者にはバレておったようじゃぞ?」
ほらほら、と森人探検家が裏取りしたレポートをTS圃人斥候に渡す半竜娘。
それに目を通していく内に、段々とTS圃人斥候はしょんぼりしていきます。
「な、な、な、これマジかよ……ええ……まじか……ヘコむわ……」
「男に戻るより、心機一転というか、身綺麗になって、わたしたちとバンバン冒険した方がいいと思うわよ? こんな好条件のパーティーの一員になるチャンスなんか、男に戻って別天地でやり直したって、絶対ないから。うちのパーティーは、まだ等級こそ高くないけど、財力も武力もあるしね」
「それにお前さんの斥候の腕前は、そのレポートの中でも、誰もが認めるところじゃ。その腕前を活かすなら、
「うー、あー、むむむむむ」
「功績を積んだタイミングで、何かの遺跡で呪いを食らって性転換したとか、適当に理由付けて、男に戻ってもいいわけだし」(戻れるとは言ってない)*1
「なあに、先ずは一年間だけでも良いのじゃぞ?」(一年で終わりとは言ってない)
「ぬぬぬ」
「ほらほら、カバーストーリーも用意してるし」
森人探検家が、TS圃人斥候の設定集の束を渡しました。
だんだん受ける方向へと心が動いているのか、TS圃人斥候はそれに目を通していきます。
「なっ、
「そりゃそうじゃろ。バカ正直に、宝物ガメてましたとか言う必要はないが、急に居なくなる不義理するんじゃし」
「詫び金はこっちで立て替えるわよ。あんたも今回のことで、評判ってのがいかに大事か身にしみたでしょ。
兄の尻拭いする苦労性の妹ってポジションなら、前のあんたの悪評がかえってプラスに働くわ」
「【
「ここまで至れり尽くせりしてくれるなんて、なかなかないわよー?」
「装備だって、このあいだ
「そこになくても、必要な装備は共通経費から出すわよ。女になるのを受け入れるだけでこれだけの好待遇! いつ決めるの? 今でしょ!!」
「それだけお前さんの腕前を買っておるのじゃよ! どうか受けてくれんかの? 恐るべき竜に、あるいは英雄英傑に至るために、お前さんの力が必要なのじゃ」
TS圃人斥候の頭の中で、グルグルと損得勘定が回ります。
言われてみれば、悪い話ではないかも?(グルグルおめめ)
装備もかなり上等なのが整うし?
破竹の勢いの気鋭の一党ですし?
半竜娘も森人探検家も美少女ですし?
ここまで求められては悪い気もしませんし?
「うぐぐぐぐ、わ、分かった! そこまで言われちゃ仕方ねえ! 受けてやるよ!」
「おお、それでこそじゃ! コンゴトモヨロシク!」(チョロイな)
「ようこそ! 歓迎するわ、盛大にね! これからよろしくね!」(チョロイわね)
なお、『白磁の新人を教育して、
新人教育は一党の義務だからね! 仕方ないね!
半竜娘ちゃんたちの
●半竜娘
悪ではない。悪ではないし善人なのだが発想がアレ。
中立(ほぼ混沌)・善
※ルールの必要性は知っているし出来るだけルールを守るが、人助けに必要ならルールを破る。
●森人探検家
半竜娘に比べれば常識人。でもマンチの系譜。
中立(混沌寄り)・中庸(善寄り)
※ルールや他人にそこまで関心がない。どうせ全部、永久に続きはしない刹那のものなのだ。
●TS圃人斥候(悪堕ち前かつ矯正前)
三下。
中立(秩序寄り)・中庸(悪寄り)
※既存の枠組みの中でどれだけ上手く立ち回れるかに熱心。バレないことを前提にならルールを破ることもある。
以下、TS圃人斥候のステータスです。
◆名前:TS圃人斥候
圃人斥候の妹……という設定の、圃人斥候本人。年齢は40歳(只人の20歳相当)。表向きは、兄が手紙で寄越す活躍譚に憧れて冒険者になりたいと思っていたところ、兄が家庭の事情で圃人庄に帰ることとなったので、入れ違いに、兄の夢を自分が引き継いで叶えようと思って辺境の街にやってきた、ということにしている。
兄(本人)が急に故郷に帰ることとなった件で、兄の代わりに元の一党の妖術師、僧侶、斧使いに頭を下げて回ったり(+多少の迷惑料を渡した。お金の出所を「実家が太い」ということで誤魔化していた件の既成事実化も兼ねている。半竜娘からの借財扱い)、早速初日からそこそこ大きなゴブリンの巣穴をソロ攻略(半竜娘は督戦のみ、手助けなし)させられたりした。今後も、「抜け駆けで利益を得るより、一党全体のために動いた方が得だ」ということを、また、「世の中に楽で安全な冒険などないのだ」ということを、身体にわからせられていくことになる。
(出自などをダイスで決めたら邂逅:宿敵(ピンゾロ)と、動機:挫折再起(6ゾロ)を振ったので笑ってしまった。境遇(追放→逆恨み→TSして再起)とマッチしすぎなのはダイス神の導きを感じる)
圃人は、縮尺を小さくした感じの種族なので、ロリというわけではなく、2/3縮尺のフィギュア的なイメージをするのが正しいと思われ(身体のパーツの比率だけ見れば只人と変わらない)。ダンまちのリリルカとかと同じ感じ。
性転換の術にそういう効果があったのか、顔面偏差値と体型偏差値が大幅に上がっている。
◆累積経験点 19000点/ 残り経験点0点
◆残り成長点 0点
◆能力値
装備:知力強化の指輪+3、技量強化の指輪+3
能力値 | 体力点 1 | 魂魄点 5 | 技量点 5+3 | 知力点 1+3 |
集中度 1 | 2 | 6 | 9 | 5 |
持久度 1 | 2 | 6 | 9 | 5 |
反射度 4 | 5 | 9 | 12 | 8 |
生命力:【 19(14+5) 】
(体力点+魂魄点+持久度+【頑健】)
移動力:【 27 】
呪文使用回数:【 00 】
呪文抵抗基準値(魂魄反射+冒険者LV+呪文抵抗):【 14 】
◆冒険者レベル:【 5 】
職業レベル:【戦士:3】【斥候:7】
◆冒険者等級:白磁等級
◆冒険者技能 初歩/習熟/熟練/達人/伝説
【機先】 ● ● ● ○ ○
【隠密】 ● ○ ○ ○ ○
【幸運】 ● ○ ○ ○ ○
【武器:片手剣】● ○ ○ ○ ○
【武器:投擲】 ● ○ ○ ○ ○
【体術】 ● ○ ○ ○ ○
【死角移動】 ● ● ○ ○ ○
【手仕事】 ● ● ● ○ ○
【頑健】 ● ○ ○ ○ ○
【忍耐】 ● ○ ○ ○ ○
【観察】 ● ● ○ ○ ○
【第六感】 ● ● ○ ○ ○
◆一般技能 初歩/習熟/熟練
【調理】 ● ○ ○
【犯罪知識】 ● ● ○
【鑑定】 ● ○ ○
◆呪文 なし
◆攻撃
命中基準値(技量集中):【 9 】
職業:【斥候:7】【戦士:3】
技能:【武器(片手剣):初歩(+1)】
【武器(投擲) :初歩(+1)】
近接:【 17 】 弩弓:【 9 】 投擲:【 17 】
◎武器:【 魔法の小剣+3】
用途/属性:【 片手剣軽/斬刺殴 】
命中値合計:【 17+1 】
威力:
片手:1d6+3+斥候レベル7
効果:投擲適用、受け流し(+0)、強打・斬(+0)、刺突(+1)
◎武器:【 投矢 】
用途/属性:【 片手投軽/刺 】
命中値合計:【 17】
威力:1d3+斥候レベル7
効果:投擲専用、この武器は使用すると失われる
◎武器:【 魔法の投矢銃+2 】
用途/属性:【 片手弩軽/刺 】
命中値合計:【 9+6 】
威力:1d6+2
効果:刺突(+1)、「投矢」を消費
◆防御
回避基準値(技量反射+斥候レベル+体術スキル):【 20 】
◎鎧:【 軽鎧】
鎧:魔法の革鎧(+3)(装甲5、回避修正+3、移動修正なし)
属性:【 軽鎧(革)/軽 】 回避値合計:【 23 】
移動力合計:【 25 】 装甲値合計:【 5 】
隠密性:【普通】
盾受け基準値(技量反射+斥候レベル):【 19 】
◎盾:【 小型盾 】
盾:魔法の吊盾(+2)(盾受け修正7、盾受け値5)
属性:【 小型盾(木、革)/軽 】 盾受け基準値合計:【 26 】
盾受装甲値合計:【 10 】 隠密性:【 普通 】
◆所持金
銀貨:100枚(半竜娘に借金あり)
◆その他の所持品 (分身の分を余分に所持)
冒険者ツール
内訳(鈎縄,楔x10,小槌,火口箱,背負い袋,水袋,携帯用食器,白墨,小刀,松明x6)
携帯食×7日分(圃人基準)、衣類
ベルトポーチ ×2
ずた袋 ×2
小袋セット(3枚/1セット) ×2
知力強化の指輪+3 ×1(装備中、借り物)
技量強化の指輪+3 ×1(装備中、借り物)
煙玉 ×2
治癒の水薬 ×2
強壮の水薬 ×1
解毒薬 ×1
鎮痛剤 ×1
燃える水 ×1
火の秘薬 ×1
調理道具 ×1
香辛料 ×1
罠師道具 ×5
トリカブトの毒 ×1
催涙弾 ×3
防毒面 ×1
化粧道具 ×1
臭い消し ×1
投矢帯 ×1(移動力-2)
投矢 ×15
角灯 ×1(腰から吊り下げられるよう改造)
油 ×2
鍵開け道具 ×1
手当道具 ×6
化膿止めの軟膏 ×2
円匙 ×1
筆記道具 ×1
パピルス紙 ×10
知覚上昇の秘薬 ×1
敏捷上昇の秘薬 ×1
◆出自/来歴/邂逅/動機
亭主/平穏/宿敵/挫折再起