ゴブリンスレイヤーTAS 半竜娘チャート(RTA実況風) 作:舞 麻浦
(キリのいいところまで書こうとしたら長くなっちゃいました(悪癖))
●前話:
火吹き山の魔術師「ご褒美たくさんあげりゅ」
半竜娘「わーい!」
火吹き山の魔術師「ついでに脱走者を見物にいかない?」
青年剣士・女武闘家・女魔術師(((いやな予感がする)))
※前話の「黒い蓮の花びらのカード」や、「鮮血呪紋」についての説明に
信じて救出を頼んだ同期がいつのまにか敵として立ちはだかる実況はじまるよっ!
なお半竜娘ちゃんは、立ちはだかる側な模様。
“火吹き山の魔術師”こと“火吹き山P”との会食を終えた半竜娘ちゃん(チャイナドレス装備)。
たくさんのお土産を貰い、いよいよ帰るところでしたが、そこで火吹き山Pから誘いを受けます。
「脱走中の剣奴を見に行かないか」と。
脱走中の剣奴というのは、どうやら辺境の街の冒険者同期である青年剣士・女武闘家・女魔術師の3人のようです。
彼らは、都へ行く道中で騙されて奴隷になってしまい、この火吹き山の闘技場に買われてしまったのです。
たまたま再会した半竜娘ちゃんに、女魔術師は救出を依頼します――女魔術師自身の献身を報酬として。
とはいえ、青年剣士と女武闘家は、仲間に犠牲を強いるのを良しとせず、こうやって自力での脱出を敢行したようですが。
今は、チャイナドレスもそのままに火吹き山Pの導きに従って、彼ら3人の元へと向かっているところです。
「しかしどういうつもりじゃ? 脱出できないように閉じ込めることも十分できるじゃろうに」
「ははは、何のことはない、こういう趣向も面白いかと思ってな。鍵をちゃちなものにすり替えておいたのだ」
「そんで
お互いに対立させて、その葛藤や裏切りに愉悦を覚えるため、とでも言うのでしょうか。
「んー、立ち合いは強く当たってあとは流れで? あ、なんなら協力してこちらに刃向かっても良いが」
「……あー、特に考えておらんのじゃな」
深謀遠慮があるわけではない模様。
「あと、貴殿のお相手はそのうちじゃの。勝ち目はないしの、現時点では」
「ふふふ、まあそのうち挑んで来るといいとも、大歓迎だぞ?」
「
「……君にも
とかなんとかやってるうちに、広間で
2体のマンティコアから攻撃を受けていますが、タンク役の青年剣士は後衛を守ってよく耐えています。
「セイヤァッ!!」
「CRRROOORR!!!??」
あ、女武闘家が壁を蹴って飛び上がり、マンティコアの背中から爪で突き刺すように落下致命攻撃しましたね。
トドメも刺せたようです。
これでマンティコアは残り1体。空を飛んで後衛へと向かわんとしています。
「翼を封じるわ!
「GROO!??」
「よっしゃ、あとは任せろー!! でやああ!!」
「GGGRRRRROOOOOOOOOO!!! ――……!!!」
女魔術師の【
当然、マンティコアは落下!
落下ダメージでふらついたところを、青年剣士が駆け寄って首を刎ねました。
「ほう、上手いもんじゃ」
「良い魔術の使い方だ、やはり見どころがある」
「連携も良しじゃの」
広間の上階から下を伺い、講評する半竜娘と火吹き山P。
まだ、青年剣士たちには気づかれていません。
しかし、敵をすべて倒し終えた青年剣士たちがこちらにやってくるのも時間の問題です。
「では降りるとしようか」
「
「ここまで来たんだ、付き合いたまえよ」
半竜娘と火吹き山Pは、広間に繋がる階段の上から降りるべく、吹き抜けになっている階上に姿を顕します。
「あー! 半竜の! なんでここに、しかもそんなドレスで!?」
「ま、まさか、オーナーを誘惑しに!?」
「そこまでして救出してくれようと……!?」
んー?
てっきり「この裏切り者!」くらい言われるかと思いましたが、そんなことはなかったぜ!
これは半竜娘が信用されてるのと、それ以上に青年剣士くんたちがお人好しなだけですね。
あと、この状況で半竜娘が敵だったら詰むから、無意識に考えないようにしているのかもしれません。
「いや、普通に闘技場で50連勝して最上級闘士になったからじゃが。100枚抜きじゃ!」
「「「ごじゅっ……ひゃくまいぬき!?」」」
「もちろんソロで」
「「「ソロでっ!?」」」
まあ、昼に会ってその日の夜に、さっきの今でそんなことになってるとは思わないですよね。
「ああ、ちなみに彼女は、そのときの褒賞として、君たちの蘇生権を請い願い、それぞれ二回分の……つまり合計六回分の蘇生料金を支払ってくれているぞ。感謝することだ」
「そ、蘇生権? 死んでも生き返れるってこと、ですか?」
礼儀作法をかろうじて修めている青年剣士が、火吹き山Pに確認します。
「そう、その通り。この火吹き山においては、死と魂は、我が掌中にある。どれだけ無惨に死んでも五体満足に蘇生させることなど造作もない」
「すまんのう。解放についても交渉したんじゃが、力及ばずじゃったのじゃ。まあ、流石に合計六回も死ぬ前に、お主らなら解放条件は満たせるはずじゃ! 期待しておるぞ、
「え、ええ~……?」
死んでも生き返るからって、誰も彼も“死んでいいなら安心だな!”とか“死ぬまで頑張ってみるか!”とかは思うわけないんですけどね。
でも蜥蜴人にはそんな機微は分からんのです。
特に半竜娘ちゃんは、日常的に記憶を共有してる【分身】を
実は蜥蜴人の中でもかなり
「“君たちは、このまま部屋に戻ってもいいし、相手に挑みかかってもいい”……さて、どうするね?」
挑みかかったら“
「ちなみに、戻っても脱走のペナルティーはないし、さきほどそこで倒したマンティコアも戦績に数えてやろう、これで解放にも近づく」
「なぜ、そのような大盤振る舞いを? 俺た……私たちは、逃げ出そうとしたんですよ」
「そういう気骨のある若者が好きだからだよ」
うーむ。難しいですね。
素直に引き下がったら、“気骨のある若者”に当てはまらなくなっちゃうかも? そしたら火吹き山Pの気が変わって、殺されちゃうかもしれない……なーんて考えてしまいますよね。
「……どうする?」
「……引き下がったとき約束を守ってくれるのかしら」
「反骨を望むスタンスなら、ここでさらに蛮勇に振る舞うべき?」
「……いや、勝てないだろ……」
「……それは向こうも分かってるでしょうから、落としどころを……」
青年剣士たちは、こそこそと作戦タイムです。
「ふむ、意見はまとまったかね?」
「……はい! こっちだって生半な覚悟で脱走しようとしたわけじゃあないんですよ!」
「とはいえ、オーナーのあなたと戦うのも違うと思います。私たちだって、あなたが私たちに薬を盛って違法奴隷にした本人じゃないのは分かってますし、恨みはそんなにないですから」
「つまり?」
「闘技場の流儀に従います! 確か、解放条件の1つは、1日で3連勝すること、そうでしょう!? 私たちは、“牢番の護衛兵”、“マンティコア”の2連戦は済ませました! 3回戦を希望します!!」
女魔術師の啖呵を聞いて、火吹き山Pは、やがてくつくつと笑い始めます。
「くっくっくっ、ふははははは、あーっはっはっは! なるほど、よく分かっているじゃないか! であればやはりこうするべきだろう」
ははーん、こっちに無茶振りする気だな?
「こちらも最上級闘士を出そう。まあ、
「結局こうなるのじゃなー」
「双方、相手を殺す必要はない。瀕死に追い込めば良いこととしよう。もちろん、死んだとしても蘇生しよう。君たちには蘇生権が付与されているし、最上級闘士にもそれはデフォルトで与えられている」
ほらやっぱりー!
「ふーむ。本調子ではないが、やるだけやってみるのじゃよ」
というわけで、
「もちろん、負けるつもりはないがの!」
フラグ乙。
半竜娘ちゃんは、相手が因果点使ってきたときの理不尽さを知るといいよ!
△▼△▼△▼△▼△▼△
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
まずは状況を整理します。
青年剣士くんたちは、継戦カウンターが7、消耗カウンターが2まで積まれていますが、ペナルティーが生じるほどは疲労していません。
呪文使用回数は、女魔術師が残り1回です。
また、脱走の際に、自分たちの装備を見つけているので、完全武装です。
生命力は減っていないようです。いや、剣士くんだけ少しダメージ受けてますね。
そして因果点は、現在5点です。まだまだダイスの神の加護があります。
この戦いは、いかに上手く因果点を使えるかに掛かっていると言えます。
対する半竜娘ちゃんは、治療やエステで回復したので、継戦カウンター0、消耗カウンター0です。生命力も全回復してます。
しかし呪文使用回数は回復していないので、残り使用回数は0です。
装備は、盾と防具、杖などは置いてきていますし、術の触媒も持っていません。
ドレス着てますが、普通のドレスなので防御力なんかある訳もなく。せいぜい【交渉:魅了】にボーナスが付くくらいです。
アクセサリは、闘技場で気絶したときに身に付けていた『技量強化の指輪+3』と、『体術熟達の腕輪+3』のままです。回避特化の構成ですね。ああ、あとは『真言呪文の発動体+3』のネックレスもつけていますね。
なお、半竜娘ちゃんの方の因果点は既に11点なので、実質使用不能です(6ゾロ出さないと有効化できない)。いや、50連戦のときの相手に、場に出ただけで因果点を積み上げさせる特技:【英雄を憎む】を持ってるのが何体も出てきたんですよ……。
半竜娘ちゃんは、階上から身を翻して飛び降り、剣士くんたちと5メートルの距離を置いて対峙します。
近接攻撃の間合いです。
「まあ、蘇生できるというし、全力でやるのじゃよ!」
「やるぞっ、やるぞっ、やってやるぞ!」
「手加減は……してくれなさそうね」
「全力で行くしかないわ!」
先制順は以下のとおりになりました。
行動順 | 名前 | 先制力 | 備考 |
1 | 女魔術師 | 12 | 2D664+機先2。半竜娘と同値のためさらに比べあい:11で勝利 |
2 | 半竜娘 | 12 | 2D636+機先3。女魔術師と同値のためさらに比べあい:9で敗北 |
3 | 女武闘家 | 10 | 2D645+機先1 |
4 | 青年剣士 | 8 | 2D626 |
おっと、
「竜の爪には火が似合うってね!
「任せて! 絶対に勝つ!!」
女魔術師の杖から
これにより、女武闘家は、攻撃命中時に『4D6-装甲値』の炎属性の追加ダメージを与えます。*1
さらに、魔力によって竜爪バグナウの真の力が励起され、鋭い【
「いくわよー!!」
「受けて立つのじゃ!!」
さらに、女武闘家が因果点を積んで先制順を引き上げます!
女武闘家たちの現在因果点は5。女武闘家の祈念判定:2D653+幸運1=9>5により、祈念成功!(青年剣士一党の因果点5→6)
女武闘家の先制判定を
よって先制力は15となり、半竜娘を上回りました!
女武闘家が走り、炎を纏った竜爪バグナウを、半竜娘へと叩きつける!!
「ハァアアッ!!」
「速い!!?」
女武闘家の【二刀流】技能により、左右の竜爪バグナウが、半竜娘に襲い掛かります。
竜爪バグナウ(右)命中判定:基礎値17-二刀流ペナ4+2D626=21
竜爪バグナウ(左)命中判定:基礎値17-二刀流ペナ4+2D634=20
当たればタダでは済みません。
今は盾にできる
なので回避を試みます。
「なかなか鋭いが、この身を捉えることはできんぞ!」
半竜娘回避判定(対右爪):技量反射9+武道家Lv6+体術2+腕輪3+2D616=27>21
半竜娘回避判定(対左爪):技量反射9+武道家Lv6+体術2+腕輪3+2D643=27>20
「うおっりゃあああ!!」
しかし、女武闘家は諦めません!
因果点を積んで祈念します!(現在因果点6)
祈念1(右爪命中):2D643+幸運1=8>6(因果点6→7)
祈念2(左爪命中):2D623+幸運1=6<7(因果点7→8)
「左手は、見せ札……っ!」
「ッ!? こっちはフェイントかや!?」
「右が本命! 炎の爪よ!!」
祈念の結果、右の爪が命中しました!
「ぐっはあああ!?」
【火与】の効果により、竜爪バグナウ自体の斬撃に加えて、さらに炎の爆発が生じます!
半竜娘ダメージ(対右爪):竜爪バグナウ(1D32+5)+武道家Lv5+発勁1+命中ボーナス2D646-装甲値0(装甲貫通)=23!
半竜娘ダメージ(炎追撃):4D66143-装甲値3(鱗)=11!
合計34ダメージ!
半竜娘の現在の生命力は35*2なので、生命力残り1!
食いしばり発動ぎりぎりラインで耐えた~!!
「ぐうっ、やりおるのう!! じゃが、まだ倒れてはやらんぞ!!」
「うっそでしょ、これ食らってまだ立ってるの!?」
爆発により半竜娘のチャイナ服がはじけ飛び、鱗にも深い傷が刻まれますが、なんとか踏みとどまります。
そして半竜娘の手番です。
「先手で殺しきれなんだのは痛恨じゃのう! 恐るべき竜の威力を知れい! 『
呪文使用回数は尽きていますが、
毒の
威力は『4D62442+竜司祭Lv9=21』で、装甲による軽減は不能。
さらに呪文抵抗に失敗すると、3ラウンドの間、1D6の毒ダメージを受けることになります。
「カアアアァァァァアアアアッッッ!!!」
「「「ウワーッ!!??」」」
青年剣士たちの呪文抵抗は、以下のとおり。
青年剣士:呪文抵抗基礎値7+2D663=16<24 抵抗失敗!
女武闘家:呪文抵抗基礎値6+2D633=12<24 抵抗失敗!
女魔術師:呪文抵抗基礎値7+2D636=16<24 抵抗失敗!
青年剣士は護衛技能を発動し、攻撃を肩代わりしようと試みます。
使える護衛技能は2回分。
しかし、二人とも守ってしまうと、青年剣士は1人で3人分のブレスを浴びることになります。
いくらこの中で一番体力があるといっても、さすがに耐えられないでしょう。
祈念で因果点を積むにしても、これ以上は攻撃を当てるために取っておくべきでしょうし……。
「術士を守って!」と女武闘家が叫びます。女武闘家なら、一撃は耐えられるでしょう。
「武闘家を守って!」と女魔術師が叫びます。呪文を使い果たした後衛を守っても意味はありません。温存するならアタッカーです。
毒のブレスはもう今にも到達します。
(どっちを、選ぶ……?)
刹那の判断。
「うおおおおおおおっ!!」
そして――
青年剣士の【護衛】! 女武闘家をブレスの射程から弾き飛ばした!
女武闘家へのブレスを代わりに受けた……! 21ダメージ!
青年剣士の【護衛】! 女魔術師を後ろに庇った!
女魔術師へのブレスを代わりに受けた……! 21ダメージ!
ブレスの勢いは弱まらない!
青年剣士へさらにブレスのダメージ! 21ダメージ!
青年剣士生命力:21 → 0 → -21(食いしばり発動) → -42 < -28(食いしばり限界)
青年剣士は力尽きた……。*3
「ぐはっ……。――……」
「そんな……っ」「あ、あああああああああっ!!」
崩れ落ちる青年剣士の体を、庇われた女魔術師が受け止めます。
しかし、瘴毒に焼けただれた青年剣士は、既にこと切れていました。
「おおっ、
「「このっ、絶対に許さない!!」」
半竜娘のオーバーキャストによる消耗は、2D625=7。
半竜娘は消耗ランクが1になったため、今後の全判定に-1のペナルティを受けます。
これにて1ラウンド目、終了です。
2ラウンド目の行動順は以下のとおり。
行動順 | 名前 | 先制力 | 備考 |
1 | 半竜娘 | 11 | 2D636+機先3-消耗ペナ1 |
2 | 女武闘家 | 7 | 2D642+機先1 |
3 | 女魔術師 | 6 | 2D613+機先2 |
4 | 青年剣士 | - | 死亡 |
「盾役は潰した! あとは順々に潰す!」
「そうはさせない!」
女武闘家が先制判定に+5しようと、因果点を積んで祈念します(現在因果点8)。
女武闘家の祈念:2D611+幸運1 ファンブル!(因果点8→9)
「……精神の動揺が、足運びにも出ておるぞ!」
「――幼馴染が死んで、動揺しないわけあるかぁっ!!」
蜥蜴人とは違うのです……。
残念ながら女武闘家は間に合いません。
半竜娘は、青年剣士に庇われたために手近に残っている女魔術師に標的を定めました。
「
「あ……」
半竜娘から女魔術師へ、二刀流技能による左右の連撃!
半竜娘の爪(右)命中:技量集中10+武道家Lv6+格闘武器熟達3+2D611-消耗ペナ1-二刀流ペナ4 ファンブル!
半竜娘の爪(左)命中:技量集中10+武道家Lv6+格闘武器熟達3+2D666+クリティカルボーナス5-消耗ペナ1-二刀流ペナ4=31 クリティカル!
「きゃぁっ!?」
「むっ!?」
右の爪は空振りました。
もう動かないはずの青年剣士が、女魔術師を庇おうと動いたようにも見えましたが、まさか目の錯覚でしょう……。
「逃がさん!」
しかし、左の爪からは逃れられません!(女魔術師の回避はクリティカルではなかった)
「シィィィィッ!!」
半竜娘の一閃!
ダメージは、爪(1D31+5)+武道家Lv6+命中ボーナス4D65432-女魔術師装甲値3=23
女魔術師の生命力:15 → -8(食いしばり発動)
「ぐ、ぎっ!!? うぅぅぅぅっ!?」
さらにクリティカルなので痛打表適用!
痛打の効果は2番により、『骨折と出血により消耗カウンター+1D64』。
とっさに庇った腕ごと切られ、さらには半竜娘の馬鹿力で腕の骨が折れてしまいました。
消耗カウンター合計6となり、女魔術師は、消耗ペナルティとして全判定-1となります。
「はぁ、はぁ、骨、折れてっ、血が……――」
「……オーナー! もう瀕死とみなしてよかろう!?」
「そうだな、術士の彼女は、それ以上はレフェリーストップだ」
死亡までの残り生命力(7)が、食いしばり含めた許容ダメージ最大値(30)の30%(9)を下回った(7<9)ため、瀕死とみなされて火吹き山Pからストップがかかりました。
「術士をよくもっ! ……覚悟なさい」
残ったのは、炎に揺らめく竜爪を構えた女武闘家だけです。
「いざ、参られい!」
半竜娘も対峙して、焼けただれた傷から滴る血を振り払うように構えを取ります。
「……ッ!!」
女武闘家の攻撃!
二刀流で攻撃です!
竜爪バグナウ(右)命中判定:基礎値17-二刀流ペナ4+2D625=20
竜爪バグナウ(左)命中判定:基礎値17-二刀流ペナ4+2D612=16
「効かん!」
半竜娘回避判定(対右爪):技量反射9+武道家Lv6+体術2+腕輪3+2D666+クリティカルボーナス5-消耗ペナ1=36>20
半竜娘回避判定(対左爪):技量反射9+武道家Lv6+体術2+腕輪3+2D615-消耗ペナ1=25>16
「このおおお、あああああああああっ!!!」
女武闘家の右手の攻撃は完全に空を切りました。
いくら因果点を積んで祈念しても、こうも見事によけられれば、当たりはしないでしょう。
左手の攻撃に賭けます。
女武闘家は、因果点を積んで祈念!(現在因果点9)
祈念(左爪命中):2D664+幸運1=11>9(因果点9→10)
祈念成功!
「はあああああああああああっ! イヤーッ!!!」
「
竜爪の斬撃と、炎の爆発!
半竜娘ダメージ(対左爪):竜爪バグナウ(1D32+5)+武道家Lv5+発勁1+命中ボーナス1D64-装甲値0(装甲貫通)=17!
半竜娘ダメージ(炎追撃):4D63626-装甲値3(鱗)=14!
半竜娘生命力:1 → -16(食いしばり発動) → -30
死亡までの残り生命力(5)が、食いしばり含めた許容ダメージ最大値(70)の30%(21)を下回った(5<21)ため、瀕死とみなされて火吹き山Pからストップがかかります!
「そこまで! 勝者は、剣士一党!」
青年剣士一党の勝利です!
「見事な闘いであった! これで君たちは、晴れて自由の身だ!
さて、感動の一幕に満身創痍で仲間が欠けていては詰まらんだろう、それっ! 偉大なる勇士が死より帰還する!
“この新たなる生は天使からの贈り物ではなく、目的のために再び戦えという命令である”!!」*4
火吹き山Pが腕を振ると、毒に侵されて死んでいた青年剣士が息を吹き返します。
さらには、その余波で、女魔術師の傷も治っていきます。
「お、俺は死んだんじゃ……!?」
「私の腕の傷が治って……頭目も生き返った!!?」
「よ、よかった~」
勝利をいよいよ実感した彼らは、泣きながら抱き合います。
その首から、奴隷の首輪が外れて床に落ちて、三つの祝福の音を立てました。
「かーっ、負けた負けた! もっと研鑽が必要じゃな!」
「まあ、よくやったさ。50連勝した後の、急な闘いにしてはな。《宿命》と《偶然》が今回は向こうに微笑んだというだけだ」
「向こうも連戦の後じゃ。言い訳にはならんよ」
「そう気にするな。ま、この戦績は非公式ということで、黒星はつけないでおいてやろう」
半竜娘は、爆発で鱗がぼろぼろになってしまった身体を抱えて、
「あー、やっぱり嫌われてしまったかのう……」
「さて、どうかな?」
落ち込む半竜娘。
そんな彼女に対して、火吹き山Pは、ローブの下で意味ありげににやりと笑ったようです。
「おーい! 半竜の! ありがとうな、蘇生権を貰ってくれてて!」
「ちょっと、あんた殺されたのにそんなんでいいの!?」
青年剣士が寄ってきて、半竜娘の手を取って立たせます。
しかし、女武闘家が納得できない様子で詰め寄ってきました。
「……いや、よく考えたらさ、あれ、ほぼ自滅みたいなもんじゃん? 二人分のブレスを肩代わりしないで、どっちか片方にしたりしておけば、全員生き残る方法は、たぶんあったわけだし……」
「だけどっ」
「まあまあ。いいじゃない、結果オーライよ。それにほら、勝ったんだし? みんな生きてるし? 水に流しなさいよ」
「うー、うー……」
女武闘家は憤懣やるかたないという様子で、半竜娘の方に寄ってきます。
「ん!」
そして手を差し出しました。
「……これは」
「水に流す! 仲直りよ!」
「そうか。そうか! おうおう、すまんかったのじゃ! これからもよろしくなのじゃ!」
――BLAM!!!!
竜爪バグナウに付与された【火与】による爆発追撃ダメージ!
ダメージ:4D65511-装甲値3(鱗)=9!
「「「あっ」」」
「げほっ……無念……ばたり」
「「「あああああああ~~~っ!!??」」」
半竜娘生命力:-30 → -39 < -35(食いしばり限界)
死亡確認!!
「“おお、半竜の娘よ。しんでしまうとはなさけない”」
「ちょ、ちょっと、起きて! 死なないでよ!」「わ、わたし、そ、そんなつもりじゃなかったのよー!?」「これ俺と同じく半分は自滅では……いや、それより、そ、蘇生を! 俺らの蘇生料金一回分削ってでも!」
なんたるウカツか!!
というところで今回はここまで。
次は蘇生された半竜娘ちゃんが闘技場で大物と戦います!
半竜娘ちゃんは“火吹き山のチャンピオン”になれるのか!?
ではまた次回!
半竜娘ちゃんはこのあとスタッフがきちんと蘇生しましたよ。
あと、完全に痛み分けになったので、女武闘家ちゃんたちとも無事仲直りできました。
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そのころの森人探検家&TS圃人斥候
森人探検家「おっにくー、おっにっくー」
TS圃人斥候「くんくん。あ、これ痺れ薬入ってる」
森人探検家「……」
厨房へ
森人探検家「この料理を作ったのは誰だぁ!?」
シェフ「ばれちゃ仕方ねえ、薬で痺れさせて奴隷にするつもりだったの……あひん」ドサッ
TS圃人斥候「痺れ薬付きのダーツだぜ、自分の盛った毒で寝てな」
森人探検家「ナイスアシスト」
TS圃人斥候「後衛が敵に突っ込まないでくれよなー」
森人探検家「それより、家探しするわよ。初犯とは思えない」
TS圃人斥候「あいあいまむ」
そして大立ち回りして最終的に違法奴隷商人を壊滅させたのでした。
TS圃人斥候「あ、これあの剣士・女武闘家・女魔術師の証文じゃん」
森人探検家「こいつらの一味に毒盛られたのねえ。じゃあ、こいつらから