ゴブリンスレイヤーTAS 半竜娘チャート(RTA実況風)   作:舞 麻浦

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そして火吹き山含め、素晴らしいシナリオを提供してくださったゴブスレに詳しい人(原作者のKUMO様)にも感謝を!(高レベルPC向けに臨機応変に改変しちゃってますが)
もちろん、拙作を応援くださる読者のみなさまにも特大の感謝を! ありがとうございます!


●前話:
半竜娘「あっ」 KABOOOOM!!!
火吹き山の魔術師「おお、半竜娘(はんりゅうむすめ/ドラむすめ)よ、しんでしまうとは、なさけない。……ぷふーっ」(腹を抱えて笑っている)
爆発オチなんてサイテー!

※獲得称号を【鮮血竜女】→【鮮血竜姫】に変更しています。読み方は“ブラッディドラキュリーナ”のままです。



20/n 火吹き山の闘技場-5(報償品確認)

 はいどーも! 因果点が残っている冒険者(アドベンチャラ―)はやはり強敵でしたね……。

 半竜娘ちゃんはプレイアブルになってからは初黒星ですかね。

 倒されるボスの視点を味わいました……、これ避けられたやろ!? と思ったら当たるし、先手取れたやろ! と思ったらひっくり返されるし。

 相手のダイス目次第では十分勝ち目もあったのですが……。

 まあ、四方世界は“冒険の時代”を迎えていて、“冒険者”たちはある意味、神に愛されし種族と言えますから、シカタナイネ。

 

 流石に最後の爆発は自業自得でしたが。

 火吹き山の魔術師――火吹き山Pもこれには大爆笑。

 ひいひい笑いながらその場では最低限の蘇生をしてくれました。

 

 

 んで、明けて翌日。

 

 わーい、画面が肌色でいっぱいだ~。

 なにごと?

 

「これは一体……」

「うぅん……」

「……なんじゃ?」

 

 悩ましげな声をあげたのは、誰でしょう?

 ……あ、わかった女魔術師ちゃんの声だこれ。

 ついでに、ついつい、肌色のすべすべのたゆんたゆんを揉んでしまいましたが不可抗力ですったら不可抗力です。

 

「あら、目が覚めましたか」

「エステティシャンの神官殿? ああ、そうか、なるほど……」

「ご賢察のとおりですわ」

 

 部屋の扉の方には、浴槽神の()()でもあるエステティシャンさんがいらっしゃいます。

 神官、傷の消えた己の身体、隣に眠る乙女……。

 つまり隣に女魔術師ちゃんがいるのは、処女同衾の奇跡【蘇生(リザレクション)】を使ったからというわけですね!

 おそらく、火吹き山Pに最低限の蘇生をされたあと、残りの回復は、四方世界の奇跡の術である【蘇生】によってなされたのでしょう。

 火吹き山Pの蘇生が最低限だった理由は……半竜娘ちゃんが役得を味わえるようにとか?

 

「ふむ。体調は完全回復じゃな! 流石は処女同衾(どうきん)のちから」

「浴槽神さまの御力ですからね?」

「もちろん、()の神にも感謝を」

 

 神妙に合掌した半竜娘が、上体を起こしてベッドを見れば、傍らには女魔術師と、その反対側に女武闘家も一糸纏わぬ姿で寝ています。

 処女と寝れば死にかけでも(よみがえ)る、聖典にもそう書いてある。実際救命措置だから、淫猥は一切無い、イイネ?

 女魔術師と女武闘家も、疲労が深かったのか、まだ起きる気配は全くありません。

 

「では、ごゆるりと……。お二人が目覚められましたら、湯浴みの準備をしておりますので、そちらの呼び鈴でお呼びくださいませ」

「うむ、焼け焦げた鱗も生え替わっておるし、古い鱗を取ったりなんだりで、また世話になるのじゃ!」

「お待ちしております」

 

 浴槽神の神官さんは、丁寧に礼をして部屋を辞しました。

 さーて、では二人の乙女が起きるまで、まったり添い寝しますかー。

 

 

 …………。

 ……。

 

 

 ……。

 …………。

 

 

 

 というわけで、迂闊にも炎のオーラを纏ったままの武具に握手してしまった半竜娘ちゃんが(はかな)くも死亡し、しかし処女同衾の奇跡で蘇生全快してから数日後。

 

 女魔術師からの救出依頼の達成状況についてですが、結果オーライではあるものの、内実は微妙です。

 まあ、ほぼ自力で出てきてますしね、彼ら。

 半竜娘ちゃんの貢献と言えば、青年剣士くんの蘇生関係くらいです。

 しかし、青年剣士くんの蘇生料金の前払い分を恩に着せるのは、流石に半竜娘ちゃんが下手人でありマッチポンプすぎるのでNG。

 蘇生権付与については、処女同衾で相殺というところでしょう。

 

 半竜娘曰わく、

「負けたからのう、報酬をたかるつもりはないのじゃ。あの者らは自らの力で、解放を勝ち取ったのじゃ! 天晴(あっぱ)れ見上げた者どもよ!!」

 とのこと。

 

 あと、森人探検家とTS圃人斥候が、闘技場の城下で、青年剣士一党を違法に奴隷にしたやつらのアジトを壊滅させてきたらしいです。ものの成り行きで。

 そこから回収した金品のうち、彼ら自身の奴隷としての売値にあたる分を剣士くんたちにカンパしてました。

 剣士くんたちはあとで必ず返すって言ってましたが、万闘券当ててる森人探検家たちにとっては端金なので気にしなくても良いし、そもそも慰謝料を彼らの代わりに取り立てたにすぎませんからね。

 言いくるめてそのまま彼らの懐に納めさせました。

 

 TS圃人斥候や森人探検家たちとも合流してそういった餞別だのを渡し、青年剣士くんたちとはお別れです。

 

「そんじゃあ、弟さんによろしくのー」

「お金はあのクソ奴隷商人からの慰謝料ってことでとっとけよなー」

「リーダーのお世話もありがとねー」

 

「大冒険だったし、弟に自慢するわ」

「ああ、犯人たちをぶちのめしてくれてありがとな!」

「こちらこそ世話になったわ!」

 

 ということで、女魔術師ちゃんたちとも無事に仲直りして、都に行くという彼女らを見送りました。

 奴隷にされたせいで、かなり旅程が遅れてるらしく、急ぎたいみたいですね。

 女魔術師ちゃんの弟さんも心配してるはず。

 

 めっちゃ速い馬車を持ってるので「送ろうか?」と申し出ましたが、断られちゃいました。

 まあ、辺境の街方面(半竜娘たちの帰り道)とは反対方向なので、遠慮する気持ちは分かります。

 

 名残惜しいですが、お別れです。

 

「やっぱり結構気に入ってた? あの子たちのことは」

「そうじゃのう、よき戦士らじゃと思うのじゃ! 次は手前(てまえ)が勝つがの! あとは、あの剣士が女であれば言うことなかったのじゃが。武闘家も剣士と()()()のようじゃしなあ。術師の方は添い寝も満更ではなさそうじゃったし、またの機会にコナをかけてみてもよいかもしれんのう」

「剣士に性転換術式はやめてやれよー? フリじゃねーぞ? あとあいつら二人はつがいどころか、まだ付き合ってもねーと思うぜ」

「そうなのかの? いや武闘家がまだ処女であったし、そうか。あと、性転換術式( アレ )使ったら芋づる式にお主を性転換したのがギルドにバレるじゃろ。今はもうそうそう使えん手になったのう、残念ながら」

 

 だべりながら街中(まちなか)を歩いた半竜娘一党は、宿に戻ります。

 宿の部屋で、お互いの戦利品の御披露目です。

 

「で、これが黒蓮花弁のカードなのね。マナを集めるサポートしたり、ある程度カードにマナを蓄えたりもできるから、その場でそれを解放すれば、1日1回擬似高速詠唱ができるっていう」

「そのとおり! 一枚の花弁を封じてこれなんじゃから、花ひとつや花畑丸ごととなれば、どれほどなのか計り知れんのう」

「でも、呪文を肩代わりするカートリッジってのでも良かったんじゃねーか?」

 

 TS圃人斥候の指摘に、半竜娘は腕を組みます。

 カートリッジ、ねえ。脳缶ですしねえ。

 

「うーむ、いや、さすがにアレは哀れに過ぎる。魔術師的には別に良いのじゃが、竜司祭的にはのぉ……。手元にあったら、即座に輪廻に戻してやらんといかんものじゃ」

「あっ、中身ナマモノなのかよ」

「まあ、使い魔の麒麟竜馬やなんかも、目的に特化した人造生命という意味では同じじゃし、それとなにが違うかというと、そう違わぬ気もするが……手前(てまえ)の中で割り切れるようになったら所望しても良いかもしれんのう」

「無意識に主従逆転の危惧を持ってるんじゃない? いつの間にかカートリッジが上位になってそうな気がするわよ、それ」

 

 あー、SFホラーでありそう。

 それと、アイデンティティクライシス的なのを直感的に感じてるのかも、ですね。

 【分身】の呪文とも違う、ナマっぽさがダメとかそういうあれなのかも。

 

「まあカートリッジは恩恵は大きいのじゃが、いまは止めておくのじゃ」

「いーんじゃね?」

「それより次じゃ! 大図書館の同伴使用権については、まあそのうち同伴を頼むかもしれんから、そのときでええじゃろ。そしたら紋章についてじゃな」

 

 半竜娘はカードをしまい込むと、今度は大篭手を外し、その下の紋章が見えるように掲げます。

 この数日のうちに生命吸収の鮮血呪紋の施術も無事に終わったのです。

 これにより、半竜娘ちゃんの継戦能力がアップしています!

 

「見よ、これが“鮮血呪紋”……殴り散らした敵の生命力やマナを回収できるようになるのじゃよ」

「吸血鬼みてーなことできるよーになったのな、リーダー」

「かっこいいじゃろ!」

「「はいはい、かっこいいかっこいい」」

「むぅ、おざなりじゃのー」

 

 この鮮血呪紋があれば、雑魚敵がたっぷりいる戦場なんかでは、超過詠唱・超過祈祷(オーバーキャスト)の反動で消耗した分を回復しまくりなので、状況が揃えば呪文使いたい放題にできるかも知れませんね。

 

「で、こっちが空間拡張された鞄じゃ! しかも人数分!」

「でかしたわ! 身軽になれるのってとってもありがたいもの」

「うっわー、これすげーよな! 1人馬車1台分も荷物を持ち運べるんだろ? いまの馬車の分も合わせたら4台分!?」

「ちょっとした隊商並みよね! 人里から離れた遺跡にも潜れるようになるわ!」

 

 インベントリは便利、はっきりわかんだね。

 

「そっちの戦利品はどうじゃ?」

「まあ、まだ魔法の巻物とか、いろいろと物色中ってとこね。他にも便利道具……無限水差しみたいのとか、【聖餐】が込められたランチョンマットとか、あと毒とか薬とか。拡張鞄も手に入ったし、かさばって諦めてたのも候補に入るから、またお店を見て回るつもりよ」

「あれ? 森人パイセンが、聖印にごっつい祝福もらってただろ、交易神の神殿で」

「あー、うん、まあね」

「すごかったよなー、大司教様がさ、寄進した金貨の海で泳ぎながら祝福するんだもんな! さすが交易神の大司教様!」

「あー、あー、あー」

「万闘券当てた信徒の聖印ってことで、むしろ逆に聖印を買い取って祀らんばかりだったもんな!」

「あーーーーーー! やめ! この話やめ!」

 

 交易神の神殿の場合、お金を積めば良いもの手に入るから分かりやすいですよね。

 森人探検家ちゃんは、大当たりの御礼も兼ねて交易神の神殿に多額の寄付をし、手持ちの聖印を、『聖印+3(奇跡行使に+4ボーナス)』にアップグレードしたみたいです。ついでに、違法奴隷商人を潰した後始末とか、破落戸(ゴロツキ)にこれ以上(わずら)わせられないように裏社会に話を通してもらったりもしたらしいですよ。

 森人探検家ちゃん的には、そのときの歓迎ぶりを宗派の恥みたいに感じちゃってるみたいですが。

 ……でも君もわりと銭ゲバの片鱗あるからな? ああいや、えらい人はもっとちゃんとしてると思ってた、とかでしょうか。上から下まで銭ゲバだったという、宗派の現実を認めるのに時間が必要なのかもしれませんね。

 

「そ、それより! 結構大々的に広報されてるわよね、あなたの次の試合っ!」

「おう、街中(まちじゅう)至る所にポスターが貼ってあるのじゃ! なかなか美人に描かれておったろう? 故郷にも何枚か記念に送ったのじゃ!」

「まあ、出来は良かったわね。それにしても、“1日目:期待の新人【鮮血竜姫】vs.炎の魔神” “2日目:【鮮血竜姫】vs.宇宙的恐怖:原初の粘体” ですって、勝てそうなの?」

 

 火山(カザン)の闘技場と言えば、名物闘士も居ますが、その一方で、もちろん、怪物の側にも名物となる者が居るのです。

 中下級闘士の登竜門的な怪物としては、マンティコアや象が挙げられます。

 象と戦って勝っていた青年剣士くんたちは、かなり有望な闘士だったわけです。

 

 上級、最上級の闘士にとっての壁となる怪物も勿論います。

 その有名どころ2体それぞれと、半竜娘ちゃんの対戦カードが組まれています。

 

「情報を集めておるところじゃよ。何にせよ、全力を尽くすのじゃ!」

「いま分かってることはどの程度なんだ? オイラたちも情報収集は手伝えるぜ?」

「それはありがたいのじゃ! いま分かっておるのは……」

 

 ということで、半竜娘ちゃんが語り出します。

 

「まずは、1日目の炎の魔神じゃな。こいつは、コーター、あるいは口に出すことの(はばか)られる名で、バル□グと言うそうで……」

「バル□グですって!? 森人の天敵!! そんなものまで従えてるの、この闘技場!? 信じられない!!」

 

 半竜娘ちゃんが口に出した名に、森人探検家が震え上がります。

 

「炎を従える者! 恐ろしい巨体と、両の手に持った炎の鞭と炎の剣! 放った矢は届く前に燃え尽き、あまりの熱さに近づくことすらかなわない! 魔法の武器でなければ傷つけることもできない!」

「そう、まさにそのとおりじゃ! よく知っておったのう」

「さらに言えば、精霊術の優れた使い手で、巨人たちの主でもあるわ。きっと配下として巨人を召喚できるはずよ、オーガやトロールをね!」

 

 年嵩の森人から聞かされたという伝承を(そら)んじた森人探検家は、ぶるりと身体を震わせました。

 

「闘技場じゃから、道具の持ち込みは制限されるし、炎耐性をつけたいんじゃがのう。祖竜術の【竜命(ドラゴンプルーフ)】が使えたら、炎への完全耐性を得られて楽じゃったんじゃが」

「あれ、リーダーはその術は覚えてねーの?」

「覚えておらんのじゃなあ、これが」

 

 残念ながら、自前では炎耐性は得られないようです。

 

「まあ、1日目の炎の魔神(コーター/バル□グ)も強敵じゃし、2日目のやつも強敵じゃよ」

「宇宙的恐怖:原初の粘体、だっけ? なんなんだそれ」

「えーと、竜よりも巨大な、黒く玉虫色に光る粘液体。スライムの親玉みたいなものかの? とにかく再生力が凄まじく、生半可な攻撃はまず効かない。呪文に対する耐性。変身能力もあり、身体から様々な怪物の部位を生やせるようじゃ」

「面倒そーだな、それ」

「……それ、名前は?」

 

 森人探検家が恐る恐る訊ねます。

 

「えーと、たしか……しょぐごす? いや、ショゴス、と読むのかの、これは」

「……ああ」

 

 青ざめた顔で、森人探検家は半竜娘の肩を叩きます。

 

「頑張って生きてかえってきてね……」

「そんなにヤバいのじゃ!? このショゴスとやら!?」

 

 知らぬが仏というものですよ。

 

 

 




残念ながら戦闘には入れませんでした……次回こそ!

コーター/バル□グとショゴスは、『トンネルズ&トロールズ』の『カザンの闘技場』で実際に登場します。モンスターレート(戦闘力みたいなもの)は、ショゴスが1000、コーターが500でツートップ。象が200だったかな。
コーター/バル□グの原典は、指輪物語に出てくるバルログという悪鬼の種族だそうです(ストリートファイターではない)。エルフの勇士たるレゴラスでも名前を聞いただけで震え上がるとか。
ショゴスの原典はクトゥルフ神話系列ですね。
いずれもゴブスレTRPGのルールブックにはデータがないので頑張って作ります(これから)。


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