ゴブリンスレイヤーTAS 半竜娘チャート(RTA実況風) 作:舞 麻浦
●前話:
文庫神官「知識神さま、どうか天啓を……!」(支援マシマシ、因果点使用)
知識神さま「そこまでされちゃあ仕方ないねぇ、いいかい、他の信徒には内緒だよ……?」(出血大サービス)
地母神さま(私も女神官ちゃんに直接声がけできるような奇跡を創っておけば良かった……羨ましい)
はいどーも!
知識神さまの温情で、森の地図が手に入りました!
これでイベントを全部拾いつつ、できるだけ短いルートで森を抜けることができます!
ちなみに知識神さまは、外套で顔を隠した隠者の姿をしており、無明の暗黒を知識という手燭で照らす神様です。麗しい女神とも、厳めしい老爺とも言われますが、その顔を見たものはいません。観測されない限りは不確定なので、お好きなように想像しましょう。
さて、では地図をどうぞー。
今は、
| K | 6 | 2 |
| 3 | 10 | Q |
| 9 | 7 | ⑧ |
| 5 | 4 | 1 |
| ■ | J | ■ |
通過マス数は、6。
森歩きカウンターは、17(内訳:4+4+1+8)。
疲れが出るのは、森歩きカウンターが25を超えてからですから、まだ余裕があります。
さて、8のマスのイベントは……?
「……川じゃな」
「川ね。橋は……迷いの森なんだから、当然あるわけないか」
「小川って感じだから跳んで渡れるか……?」
「……が、頑張ります!」
森の中に、ちょっと深い川が流れ、崖を作っています。
跳んで渡れないこともなさそうですが……文庫神官ちゃんは跳べるかあやしいですね。
鎧も重いし、【跳躍】判定に足せる職業レベルも持ってないですし。*1
「まあ、
「だな。こっちの木に括りつけて、まずはオイラが綱を持って渡ってみるぜ」
持っててよかった冒険者セット。
備えあれば
「へへっ、このくらい楽勝だっつーの!」
TS圃人斥候が木に結んだロープを持って向こう岸に【跳躍】します。
さて……あっ。*2
ファンブルです!
ファンブルですよ!!(デデドン)
(今回のシナリオ、ファンブル出すぎでは?)
「って、ちょ!? なんか引っかかって……ぬわーっ!? 落ちるー!?」
「「「ええっ!?」」」
空中で不自然に動きを止めたTS圃人斥候が、小川に落ちていきます!
どうやら、途中に張られた蜘蛛糸に気づかず、それに引っ掛かって勢いを殺されたみたいです。
「うおっと、ロープを放すんじゃないぞっ! そおりゃっ!」
幸いにもロープを掴んだままでしたから、半竜娘ちゃんが慌ててそれを引っ張って、事なきをえました。
危機一髪!!*3
ってほどでもなく、ひょいっと余裕でロープを手繰ってTS圃人斥候の落下を止めました。
「大丈夫かのー?」
「うおっと、はっ、よっ、とっ。だい、じょう、ぶ!! っと」
TS圃人斥候もうまい具合に膝のバネを生かして、柔らかく崖の側面に足を着きました。
そのまま、ロープを使って器用に上まで登ってきます。
「ふー、危なかった。リーダー、ありがとな」
「なんのなんの」
冷や汗をぬぐって、TS圃人斥候が、礼を述べます。
「いったいどうしたのよ」
「わっかんねー、何かに引っかかった。多分、蜘蛛の糸だと思うんだが」
「先ほどの『厄災幻影の末端蜘蛛』とかいうのの巣でもあったんでしょうか」
細いわりに強度の高い蜘蛛の糸でも張られていたのでしょう。
目を凝らさないと熟練の野伏や斥候でも気づけないほどです。
半竜娘は、腰元からおもむろに『南洋式投げナイフ』を2丁取り出すと、両手に持って構えました。
「ならば、ナイフで蜘蛛糸など切ってしまえばよかろう。――イヤーッ! イヤーッ!」
決断的なスリケン投擲!
空中の糸をスパスパと断ち切って、
「ま、これでいけるじゃろ」
「おっけー。二度目の正直だ、行ってくるぜー!」
TS圃人斥候は、無事に向こう岸に跳躍。
他の仲間もそれに続き、文庫神官ちゃんは張られた綱を頼りに渡り切りました。
「ふう、冷や汗かいたぜ」
「お疲れさまです。綱を張っていただいて助かりました」
アクシデントにより、戦闘に準じた緊張を味わいました。
継戦カウンターを2つ追加です。(継戦カウンター1 → 3)
では、スリケンを回収して次のマスに進みます。
次のマスは……「Q」の絵札ですね。
「あれは……」
「剣、でしょうか」
石の台座に刺さった長剣が、森の中のひらけた場所で、少し西に傾いてきた陽光を反射して輝いています。
どうにも神聖な雰囲気を感じさせるものです。
“退魔の剣”って感じですね。
「……抜くべきか、抜かざるべきか、それが問題じゃな」
「冒険者なら抜く一択でしょ? 森の中の剣とか、“緑衣の勇者”みたいよね!」
森人探検家の耳がピコピコと動きます。
珍しくテンションが上がっているようです。
さもありなん。森人探検家の憧れでもある、緑衣を着た森人の勇者の伝説といえば、その驚異的な弓の腕はもちろんのこと、森の中の退魔の剣を抜いて、それをもって邪悪を封じる話が有名です。
「冒険物語だと、だいたいこういうのは結界や封印の起点で、それを抜くことで邪悪な化け物が目覚める、というのが相場ですけど」
「でも、その剣がないと化け物にとどめを刺せないってのも定番よ?」
まあ、こういう時に慎重論に傾く森人探検家がイケイケになっちゃってる時点で、結論は見えたようなものですが……。
「抜いたとして、誰が使うのじゃ?」
「えーと、剣を使えるのは、オイラとそっちの新入りくらい? 軽い剣ならリーダーも多少は使えるだろうけど」
「結構、重そうよねえ」
この一党って、重い長剣使える娘、少ないんですよねえ。
職業:戦士のレベルを持ってるのは、TS圃人斥候(戦士Lv3)と文庫神官(戦士Lv3)です。
軽い武器なら、職業:斥候でも扱えるので、半竜娘ちゃん(斥候Lv2)でも扱えるんですがね。ああ、でも重装備持つと、魔術が使えなくなっちゃうかもですね。
「そもそも抜けるんでしょうか? こういうのって“選ばれしものが~”って感じですよね」
「……
「なにを~~!?」
見てろよ見てろよ~、と勢い込んで聖剣っぽいのを触ったTS圃人斥候の手が、バチンとはじかれました。
「イッタァァァイっ!?」
「あー」「あー」「あー」
知ってた。
TS圃人斥候は、聖なるパワーに弾かれてしまったので1D65のダメージです。
TS圃人斥候生命力:19 → 14
「これ、たぶんですけど、信仰心がないと触れないのではないでしょうか」
「うーむ、祖竜信仰では弾かれる気がするのう」
「まあ、この剣が秩序の神由来のものなら、祖竜信仰は異教だものねえ」
「――オイラの心配をしろ!!」
抜いたら嫌な予感がする――具体的には生命力が13くらい減った上に消耗までしそう――ですが、どうしましょうか。
おそらく剣を抜くことで、なんかしらの
でも、ボスを倒すのに必要かもしれませんし……。
「抜いてみるかの」
「そうね。というわけで、頼んだわ」
「はいっ、頑張ります!」
「――あの、少しは心配してくれてもさ……」
TS圃人斥候が無視されて凹んでますが、半竜娘はきちんと気にかけていたようで、応急手当て道具を取り出して準備をしています。*4
文庫神官がえんやこらと退魔の剣っぽいものを抜こうとしている傍らで、めちゃくちゃ手際よく手当てしていきます。*5
応急手当により、TS圃人斥候の傷が回復しました。TS圃人斥候 生命力14→19。
「無駄に上手くね?」
「なんか上手くいったのじゃ。完璧じゃろ?」
「全然痛くねえ」
こんな何でもないところでクリティカルするとか、出目が極端すぎる……。
一方で、剣はなかなか抜けないのか、向こうでは退魔の剣(仮)を引っ張る文庫神官を引っ張る森人探検家を引っ張る半竜娘(分身)が、連なって唸っています。
うんとこしょ、どっこいしょ。それでも剣は抜けません。
「手伝いに行くかの」
「いや、適当に周りの太い枝を切って、滑車でもこさえた
さて手伝いに、と半竜娘(本体)とTS圃人斥候が腰を上げたところ。
「ぬ、抜けましたーー!!」
すぽーん、と剣が石の台座から抜けました!
神聖な気配を漂わせるその剣は、おそらくアンデッドやデーモン、混沌の勢力への特効を持つのでしょう。(アンデッド等への装甲点による軽減後のダメージ2倍)
しかしながら、特別な鞘がない限りは、その退魔の気配を隠すことができず、隠密判定にペナルティを受け、また、混沌勢力からは優先的に攻撃されるようになるでしょう。
聖なる力を漂わせるその剣は、威力としては『長剣+3』相当だと思われます。
「ほうほうほう、これは業物じゃのう!」
「ああ、間違いないね! オイラの鑑定眼にもビンビンくるぜ!」
「――ひょっとしたら、本当に“緑衣の勇者”の
「ふわあああああああっ」
文庫神官ちゃんの目がめっちゃキラキラしていますね。
きっと、知識神の天啓は、この剣との出会いのためにあったのだと、そう考えているのでしょう。
それはそれとして、文庫神官ちゃんは、13ダメージと、消耗カウンター1追加です。
文庫神官 生命力:26 → 13。消耗カウンター:0→1。
「つ、疲れました~」
「ふむ、じゃあ
「わ、ホントですか! お姉さま!」
半竜娘ちゃんが手当道具から軟膏や油を取り出して、文庫神官ちゃんの強張った身体をさっとマッサージします。*6
半竜娘の癒しの手腕により、文庫神官ちゃんは完全回復しました。(回復量13。生命力13→26)
「さて、先に進むわよ! なんか不穏な空気が増してきてるし!」
森人探検家の号令で切り替えて、一党は再び森を進み始めました。
やはり退魔の剣が封印か何かの要だったのか、『デクの大切り株』があると思われる方から、ざわめくような不吉な気配が強くなっています。
2のマスは、少し進みにくい藪でした。
まあ、何事もなく通過。
6のマスは、大きな土のゴーレム……の残骸がありました。
先に入った
あるいは、時の流れによって朽ち果てたのでしょうか。
とにかく何事もなく、最後のイベントマス、『K』の絵札のマスに辿り着きました。
そこには、先客がいました。
「ん? 貴公らは……」
「…………」
それは騎士と従者でした。
騎士は、きらびやかな鎧をまとっています。金剛石のような鎧です。
従者の気配は薄く、メイド服を着ているというのに、森の中に溶け込んでいます。
騎士は兜の面頬を降ろしたままなので、表情は
しかし、半竜娘たちは
「このようなところで御同業に会うとはな。なに、私は“しがない貧乏貴族の三男坊”でね、道楽で冒険者をやっているのだ」
そう
これで貧乏貴族の三男坊? ははは、ご冗談を。
その態度は、上に立つものとしてのカリスマを感じさせますし、身に着けた武威は、銀等級や金等級と言っても過言ではないでしょう。
「“貧乏貴族の三男坊”……ま、そういうことであればそう扱おうかの」
「ああ、よろしく頼む」
「こちらこそ良しなに、じゃ」
ですが、彼がそういうことにしたがっているのであれば、それを暴くような野暮はしません。
冒険者の素性は探らないのがマナーです。
銀髪の従者の娘もやれやれと首を振っています。――またこのご主人は……とでも言いたげな風です。
ですが、この従者の存在も、主人たる金剛石の騎士がただものでないことを補強しています。
従者ですら熟練の高レベルニンジャのような、気配もない、隙も無い、凄腕の立ち居振る舞いですから、その主人の格も
さて、名乗られたなら、名乗り返すのが礼儀です。
「
「――ほう」
半竜娘ちゃんが名乗ると、金剛石の騎士は、兜の奥で楽し気に目を細めたようです。
「水の街で転移門の魔道具を献上したという冒険者が、そのような名前だったかな」
「おお! ご存じじゃったか! そう、その水の街の陰謀のころから、この二つ名は吟遊詩人に歌われ広まるようになったのじゃよ!」
「ああ、十分に耳にしている。あの鏡のおかげで、国の上層部では軍の出動や、貴人の往来が随分と簡単になったと聞く。それをもたらした冒険者となれば、覚えもめでたかろう」
なあんで貧乏騎士の三男坊程度がそんなこと知ってるんでしょうかねえ……?
隠す気あるんでしょうかね、この人――このお方。
ほら、銀髪の従者もまた“やれやれだぜ”って感じで首を振ってますよ。
原作をご存じの方には周知の事実ですが、貧乏
政務の合間を見ては、気晴らし、いや、不正蓄財の略奪、ゲフンゲフン、えーと、司法で裁けない王国の闇を暴いて断罪執行するためにですね、こうやって冒険者に身をやつして活動なさってるわけですね。
どうやら、水の街の冒険で剣の乙女さんのとこに納めた『転移門の鏡』によって、この暴れん坊陛下の移動時間が大幅に削減されたようで、かなりフットワーク軽くあちこちに出向いてるっぽい感じですね。
そりゃ『覚えもめでたかろう』(本人)と言ってくれますよ。
やったね半竜娘ちゃん! 名が売れたよ!
どーせ今回も、不穏な情勢の領地に、日ごろの政務で溜めた鬱憤晴らしも兼ねていらっしゃったのでしょう。
迷いの森のギミック(魔力を込めた旋律による結界解除)についても、銀髪の従者が優秀なので、彼女がどこかから情報を得ていたのでしょう。
あるいは、王家にはマスターキーのような魔法の旋律でも伝わっていて、それを使って解除したのかもしれません。
「貴公らはこれから森を出るところかな? この森は空間が歪んでいるのか、結界を解除しても、パーティごとに現れる道筋が異なるようだ。だが、どうやら行く先は同じようであるし、森を出たらまた会えるだろう」
「ああ、その時は共闘出来たら光栄なのじゃ!」
「こちらこそ。――どうにも、先ほどから邪気が強まっているようだ。森を出たら既に戦闘が始まっていることも考えられる。覚悟と準備をしていくことだ」
「ご忠告ありがたく」
金剛石の騎士の助言により、森を出る前に、戦闘開始に備えることができるようになりました。
具体的には敵への攻撃以外で、1ラウンド分の準備ができます。
「ふーむ、では、忠言のとおり準備していくかの」
「といっても、やれることってあるかしら」
「とりあえずは、精霊を呼び出しておくのじゃ。神官の奇跡は――まだ温存でいいじゃろう」
半竜娘ちゃんとその分身が、精霊術で土の精霊を呼び出します。*9
土の大精霊を2体召喚しました。見た目は、この森の影響か、土で作ったミイラを小さくしたみたいな感じですね。*10
精霊は支援に回してよし、【
「見事なものだな」
「お褒めにあずかり恐悦至極、なのじゃ」
ではここで金剛石の騎士たちとはお別れです。
「……惜しい。隠密の素質もあるからそっちで育てても面白かったでしょうに」
銀髪従者の声は、半竜娘たちには届きませんでした。*11
金剛石の騎士たちと別れ、いよいよ半竜娘一党は森を出て、上古の樹人の死骸である巨大な切り株『デクの大切り株』のもとへと辿り着きます。
森歩きカウンターは最終的に25。ぎりぎり、消耗カウンターは乗りませんでした。
通過マス数は10! 日が暮れる前に森を抜けることができましたが、領主の兵団や救援対象の冒険者たちは、先に森を抜けてしまっています。
「む! もう始まっておるか!」
そこでは、6人の冒険者の乙女たちと、領主の兵団がぶつかっていました。
しかし、兵団側後方の様子が変です。
「ぐ、ぐはっ、キサマ、今までワシを操っておったな!? どれだけワシが目をかけてやったと……!」
「フン、もはや用済みよ。どこかの誰かが封印の楔を抜いたようだな。おかげで、必要な生贄の血も随分と少なくて済む。――あとは
「がはっ!?」
黒いローブの参謀風の男が、領主らしき男を突剣で刺し貫いています!
これに驚いたため、兵団と冒険者たちの衝突は、一時止まりました。
「仲間割れしてやがるのか……?」
「領主様が刺されています!!」
「刺してるのは、黒いローブの術士――あれがきっと
「いかん、何か来るのじゃ!!?」
領主らしき男が刺されて崩れ落ちると同時に、黒い瘴気が『デクの大切り株』の内側から湧き出てきます!
その瘴気のオーラは、『手』の
これにはぶつかり合っていた領主の兵団と
「おお、やはり『手』の呪物! これさえあれば、
地面を吹き飛ばした衝撃の中心から飛び出したのは、
巨人の腕だったのか、只人の腕より2倍ほど太く大きな、黒く呪われた
さきほどは、溢れ出る瘴気を固めて巨大な拳として、突き崩したのでしょう。
しかしその一瞬で、両の『手』の呪物は、崩れ落ちた領主らしき男の身体へと突き刺さり、同化しはじめました。
「ぐが、があああああ、GAAAAAAAAHHHHHHHH!!!!」
「自ら依り代を得るつもりか! ちっ」
領主の身体からは、肩のところから3本目と4本目の腕が生えてきています。
身体の内側に入り込んだ呪物が、同化して顔を出しているのです。
手の呪物を2本とも得ようと思えば、領主が変異したこの化け物を討滅する必要がありそうですが、領主の配下の兵たちや冒険者たちがいる中では、そこまでは望み過ぎだと思われます。
「……仕方なし。片方だけで満足しておくか」
闇人の男は、目の前の領主の身体に突き刺さった2本の呪物のうち片方だけでも回収するつもりか、素早く手元の突剣を閃かせ、領主の身体から生えた新たな左腕を切り飛ばしました。
領主の身体から切り飛ばされた左手の呪物は、闇人が取り出した呪符らしきものに更に巻き取られ、その動きを封じられます。
「さて、ではさらばだ――」
そう言って、闇人の男は森の中に身を翻します。
「追うかの?」
「いや明らかにこっちの方がヤバいっしょ、リーダー」
半竜娘は、逃げた闇人の方をちらりと見ますが、TS圃人斥候の言うとおり、こっちに残された領主の身体の方が明らかにマズい状態です。
瘴気に包まれた領主の身体は、逃げ遅れた数人の兵士ももろともに取り込み、その身体をまるで不格好な蜘蛛のように変貌させていきます。幸い、病弱薬師少年から救援を頼まれていた一党は、すでに遠く退避した後のようで、巻き込まれてはいません。
変貌した領主の姿はまるで、かつて『厄災』といわれた魔神王の姿のようです。*12
「あれは、まさか厄災の魔神王!? いや、そうか、わかったわ、この森は!」
“緑衣の勇者”の伝説に詳しい森人探検家が、何かに気づいたようです。
「かつての勇者は、森の中の聖域で、魔神王の分身――幻影*13と対峙したらしいわ。もちろん、勇者は幻影を倒した――でも、その怨念が、影のようにこびりついて残っていたとしたら――」
「厄災の幻影の、そのさらに残影、ということかの」
「魔神王も、『手』に力の紋章を宿していたという話よ、共通点は――
魔神王の、幻影の、残影。
『
「はっ、強敵なんじゃろうさ! じゃが関係ないのう、実体を得たのであれば、殺せば死ぬじゃろ!」
「リーダー!?」
「金剛石の騎士殿に感謝じゃ! 準備は整っておる! いざ!」
半竜娘の分身体が、肩に2体の土の大精霊を載せて、いまだに巨大化しつつある巨大人面蜘蛛のような『
「まずは穴を空ける! 大精霊よ! 【
『REEEDDEEAAADDD!!』
一匹目の大精霊が【隧道】の術で、『
地下50mへの直通通路です!
「そして、重力操作! 【
『GGAAAAHHHHH!!???』
足元の地面がなくなって、ようやく半竜娘(分身)の接近に気づいた『
3倍の重力が、『
「念のため、追撃じゃ! 精霊よ、【
大きな岩が、2体目の大精霊の精霊術で形成され、穴の中へと射出されます。
ダメ押しの追撃です!
もし何かの魔術で空中に浮いてとどまっていても、これを受ければひとたまりもないでしょう……!
落下ダメージは装甲による軽減不能で、『落下距離の50%×重力倍率×1D6』で算出します。
よって、今回のダメージは――25×3×1D63=225ダメージ!
流石に死んだはずです!
「よし、これでやったじゃろ」
――あ、これいわゆる『やったか!?(やってない)』フラグです?
『GGGOOOOHHHHHMMMMAAAAA!!!! キ、サマラァァアアア!!』
「な、まだ生きておったか!?」
生きていた、というのは正確ではなさそうです。
というのも、ガサガサと音を立てて縦穴を這い登って出てきた『
「おそらく、依り代を変えたんです! きっと、この森で遭った『
文庫神官の叫びのとおりなのでしょう。
巨大な甲殻虫は、小さな『
しかも、甲殻虫ベース……インセクトタイプの方が、『手』の呪物との相性がいいのか、しゃべるだけの知性が生まれているようです。
「ええい、うぞうぞと! 精霊よ、【隧道】を閉じよ!」
『『『GGYYAAA!!??』』』
『グヌ、ハラガ チギレタカ!』
登ってきた『
それでも、表に出てきた子蜘蛛――『
しかし、そこに駆けつける者がありました!
半壊した大切り株の上に立つ影あり!
「待てぃ!!」
『!?』
「――悪鬼魔神の残影が、秩序の安寧を脅かすなど許し難し。冥府へ再び返してくれよう。彷徨う魂に道を説く……ひと、それを『引導』という」
切り株の上に立つのは、金剛石の騎士!
『ダレダ、キサマハ!?』
「貴様に名乗る名などない!!」
――トウッ、という掛け声とともに、金剛石の騎士は剣を閃かせて飛び降りてきます。
『ギャアアアアッ!?』
「先ずは一太刀!」
飛び降りざまの一閃が、『
そして、口上を終えた金剛石の騎士のもとに、銀髪従者に引率されて、
彼らは金剛石の騎士の指揮に従って、陣形を組みます。その指揮は、やはり堂に入ったものです。
「雑魚は任せよ! 親玉をやれい、【辺境最大】よ!」
「おう、助太刀感謝! 御武運を!」
「そちらこそな!!」
これでまさか負けるはずもないでしょう!!
というわけで、また次回!
Q.なぜ『マシンロボ クロノスの大逆襲』の主人公ロム・ストール風の口上を?
A.この非公式公開シナリオのタイトル(及びそこからとった今話のサブタイトル)が『
Q.四方世界にクロノス族とか居るの?
A.たぶん神話の時代にそういう超合金ゴーレム生命体みたいのがいて伝説になっているのではないかな。そうだといいな。きっと男の子の憧れで、なので金剛石の騎士も口上を真似したんだ。