ゴブリンスレイヤーTAS 半竜娘チャート(RTA実況風) 作:舞 麻浦
●前話:
金剛石の騎士「待てい!」
厄災残影『ダレダ キサマ!』
金剛石の騎士「貴様に名乗る名などない!」
厄災残影『!?』
はいどーも!
というわけで、いざ、
周囲のザコは、金剛石の騎士の指揮のもとで、領主の兵や病弱薬師の幼馴染冒険者たちが引き付けてくれています。
半竜娘ちゃんたちは大ボスに集中すればいいようです。
怪物知識判定は成功(ファンブルではなかった)。
相手のステータスは、巨大蟷螂のステータスを雑に2倍にして*1、生命力だけ100にしたもののようです。ただし、金剛石の騎士の一太刀により、残り生命力は75になっているようです。
また、爪や鋏角による「3回攻撃(近接距離:10m)」が可能で、蜘蛛糸による拘束も行ってきます。
主行動では『産卵』によって雑魚を一度に5体まで増やせるようです。
さらに、背中から生えた『手』の呪物は、『矢避けの加護』を与えると同時に、手印によって全ての真言呪文の発動が可能です。
さっき【隧道】の精霊術であけた穴に落としたのと同じ戦法も試せますが、また別の依り代を得て復活しかねませんし、よく観察すると、蜘蛛型の胴体の尻から、栞糸が出ており、落下に対して対策を取っているようです。
でも、半竜娘ちゃんたちは加速の効果で先手奪取+2回行動ができたので、これはもう『勝った! 遠征編第三部完!!』って感じですね。(因果点5→7。出目が奮わなかったところで2回因果点を積んで祈念した)
半竜娘ちゃん本体が、『黒蓮花弁のカード』の効果を使って主行動で2回詠唱。
半竜娘ちゃん本体(二回行動の二回目。分身による統率で行動順引き上げ)が、さらにもう一度詠唱。
詠唱呪文は、もちろん、装甲貫通する【
このとき、土の大精霊2体を本体の統率により支援に回しています!
「【
『グオオオオオオォオオォォオ!???』
半竜娘(本体)【力球】行使計算式:基礎値16+上質な【力球】の触媒1+精霊の愛し子1+加速ボーナス6+大精霊支援(5×2)+2D6
【力球】一発目:34+2D645=43
【力球】二発目:34+2D662=42
【力球】三発目:34+2D615=40
そしてさらにこれで最後でしょうから、因果点も大盤振る舞いします!(経験点ボーナス目当て)
祈念も3連続――ですが、出目が足りず、祈念失敗です。(因果点7→10)
相手の呪文抵抗は19+2D6ですが、クリティカルはしませんでしたので、抵抗できません!
そして、【力球】の精霊術の威力は、
43+42+40=125!
「
『ガァァァァアアアアアッ!???』
この2発目の時点で相手は瀕死です。
「
『ぐ、ギ……!???』
三発目は完全に死体蹴りですね。(半竜娘本体呪文使用回数4→3→2→1)
「……まだ動いておるのう」
「まあ、こういうのって、やっぱり聖剣とかそういうのが必要なんだろーな」
異相次元からの衝撃波3連によって、『厄災残影』は瀕死となり、動きを止めていますが、禍々しさが消えません。
「というわけで、知識神のしもべ・退魔の剣の担い手よ! やっておしまいなさい!」
「は、はい! 頑張ります!!」
森人探検家に言われて、文庫神官が前に出ます。
その手には『退魔の剣』。
「古き魔神の残影を祓う力を、どうかお授けください――『蝋燭の番人よ、我らが行く手の無明に、どうぞ一筋の灯火を』――【
知識神に【
かつての魔神王の、幻影の、そのさらに残影。
因縁に決着をつけるべく、退魔の剣が輝きを増します。
剣を大上段に構え――
「成敗! です!!」
ぶち殺しましたのことよ!(完了形)
敵の巨体の甲殻に浮き出た大きな一つ眼を、文庫神官ちゃんの持つ『退魔の剣』が貫きました!
何度か生命力を削り切っても食いしばりしやがるんで、何かギミックがあると思ったら、やっぱりキーアイテムでトドメを刺さなきゃならなかったみたいです。
これが完全にトドメとなって、甲殻虫をベースにした『
「ようやったのじゃ!」
「は、はいお姉さま! ありがとうございます!」
「やるじゃん、新入り!」
「やるわね~! あ、そうだ、あとでその退魔の剣もよく見せてねー!」
半竜娘ちゃんたちは、文庫神官ちゃんを囲んで称えます。
「うむうむ、見事終わったようだな」
周りを見れば、金剛石の騎士の指揮のもと、敵の眷属である『
掃討に協力した冒険者の乙女たちはまだ多少元気ですが、領主の兵団の生き残りたちの顔は暗いです。
まあ、領主が参謀に裏切られて、しかもなんかよくわからないものの苗床にされて墜落死してますからね。そのときに同僚も多くが巻き込まれたようですし。
「まあ、中央には多少の伝手がある。ここの領地のことは悪いようにはならんよ」
伝手()。
まあ、他ならぬ金剛石の騎士様がそうおっしゃるのであれば、そのようになるのでしょう。
次の月から王国直轄領になっても驚かんぞ。
さて、それでは、目的の『手』の呪物を回収しましょうか。
崩れた『
「……触って大丈夫なのかよ?」
「これまでに貯め込んだ呪力は、退魔の剣で祓えたはずじゃ」
ひょい、と半竜娘は無造作にその『手』の呪物を拾い上げます。
「ヨシ、じゃの!」
「その掛け声はなんか不安になっちゃうからやめて」
とりあえず、ずた袋に入れて、空間拡張された鞄に突っ込みます。
半竜娘は『手』の呪像を手に入れた!
この、『手』を
でも、力を使うたびに呪いの力が蓄積され、限界を超えると自律的に動き出し、依り代を侵食して化け物にしてしまいます。
「まあ、自分で使う気はないから問題なしじゃ。これは踏み台に使う気じゃからな」
「“踏み台”?」
「ま、収穫祭のお楽しみじゃ!」
なんか企んでるみたいですね。
「おっ、他にも何か落ちてるぜ!」
「これは……何か神聖な力を感じます……」
TS圃人斥候が目ざとくも見つけたのは、心臓のモチーフを簡素に戯画化したような――ハートの形をした、一抱えほどもある器のようなものでした。
それを拾おうとしたところ――
「ま、待ってください!」
引き止めたのは、病弱薬師少年から頼まれた救援依頼対象である、彼の幼馴染の冒険者でした。
…………。
……。
「なるほどなー、これは“いのちのうつわ”っつーのか……」
「それを使った者の生命力や抵抗力を増強するのですね」
「わあ、緑衣の勇者の伝説にあるやつよね! 本当にあったのね~!」
「しかし使い切りの魔法器なんじゃな」
彼女ら病弱少年の幼馴染たちが、病弱少年の病を治すために求めていたのが、この“いのちのうつわ”だということです。
これによって、病弱少年の体質そのものを改善し、病や呪いを遠ざけるのだとか。*2
「だから、譲ってはいただけないでしょうか」
さて、半竜娘たちの返答やいかに。
「ふむ。雑魚を引き受けてくれたおかげでこっちも首魁に集中できた訳じゃし、こっちは『手』の呪物が貰えれば問題ないわい」
「そもそも、この依頼の発端を考えれば、その“いのちのうつわ”まで取っちまうのは、貰い過ぎってもんだぜ」
ま、妥当なところでしょう。
問題は、もう一組の冒険者である金剛石の騎士主従の意向ですが……。
「ああ、こちらは気にする必要はない。地下の遺跡からいくつか回収する目途があるのでな」
この短い間に、銀髪従者が頑張って回収してきたのか、彼らの足元には宝物が積み上がっています。
ものすごい早業です。これらは崩れかけた地下空間から回収してきたということでしょうか、銀髪従者はトレジャーハントも凄腕のようです。
しかも、黄金の騎士は、積み上がった宝物を、空間拡張されていると思しき鞄にポンポン放り込んでいきます。
そんな高価な装備を持って、“貧乏騎士の三男坊”は無理がありますって。
「ああ、それでは我らはここで帰らせてもらう」
「……また、縁があれば、ね」
金剛石の騎士と、銀髪従者は、すべての宝物を納めると、転がった大切り株の残骸の陰へと歩いていきます。
そして、そのまま
……転移関係の魔道具の恩恵を受けていたのでしょう。*3
やっぱり隠す気ないですよね、これ……。
「……あの方は、一体……」
「
呆然と呟いた病弱薬師の幼馴染冒険者の乙女に対して、半竜娘が答えます。
正体は、いったい何王陛下なんでしょうね。
わからないなあ(棒読み)。
「『手』の呪物を持って行った
「賛成。そっちも、その“いのちのうつわ”を、あのひょろっちい少年に届けてやるんだろ? あっちも心配してたぜ?」
森人探検家とTS圃人斥候の言うとおりです。
後始末もそうですが、これからやるべきことも、まだまだありますからね!
森の外へと出ましょう!
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リザルト!
半竜娘一党は、経験点1500点獲得!
半竜娘一党は、成長点3点獲得!
文庫神官は、『退魔の剣』に担い手として認められた!
経験点500点、成長点2点追加獲得!
文庫神官は、冒険者Lvが4→5になった!
成長点20点追加獲得!
半竜娘は『【手】の呪像』を手に入れた!
半竜娘一党は『コネクション:金剛石の騎士』を獲得した!
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「いやー、あの病弱少年の病気も治ったし、めでたしめでたしじゃのう!」
「そうね! それに今回の冒険では、『退魔の剣』に『いのちのうつわ』……あの“緑衣の勇者”の足跡に触れられて、私もとっても満足だわ!」
帰りの馬車で揺られながら、今回の冒険について感想を言い合います。
まあ、半竜娘ちゃんは、雑魚をブレスで一網打尽とか、墜落攻撃とか、呪文3連射とかで大暴れしたので大満足でしょうね。
森人探検家も、自分で使えるアイテムは得られませんでしたが、憧れの勇者の所縁のものに触れられて満足そうです。
「やっぱり冒険ってのはこうじゃねーとな! ゴブリン退治とかばっかりやっててもダメなんだって! 結界に覆われた森、邪悪な魔神の討伐、太古の遺物の入手! いい冒険だったぜ!」
「地元に封印されていた魔神の残滓を片付けられましたし、お姉さまに拾われてから初めての本格的な冒険で、こんな大仕事ができるなんて、天にも昇る気持ちです。まだ未熟ですけど、この剣にふさわしい担い手になるべく、もっと、もーっと、精進します!」
TS圃人斥候は、自前の冒険メモに今回のことをいろいろと書き込んでいます。冒険らしい冒険でしたものね。
文庫神官にとっては、この冒険は忘れがたい特別なものになったことでしょう。
彼女たちの冒険はこれからだ! って感じですけど、片割れの左『手』の呪物を持って逃げた闇人は、捕捉できていませんし、混沌の芽生えというものはどこにでもあるものです。
人生は続き、冒険もまた続いていくのです。
「辺境の街に戻ったら、そろそろ収穫祭の準備だな!」
「おおそうじゃ! 地母神への奉納演舞だのなんだのがあるのじゃろう? 初めてじゃからの、楽しみじゃ!」
そう、もう秋になり、これから収穫祭の準備で街はあわただしくなります。
辺境の街の収穫祭を体験するのは、TS圃人斥候以外は初めてです。
半竜娘は春に東の前線から西方辺境に来たばかりですし、森人探検家は旅暮らし、文庫神官は王都で活動していましたからね。
「お祭りですね! お、お姉さま、一緒に回っていただけますか!?」
「おお、いいともいいとも、一緒に回ろうぞ!」
「わ、やったぁ!」
文庫神官が抜け目なく、半竜娘と約束を取り付けます。
「オイラも適当に回ろうかな」
「あら、じゃあご一緒してもいいかしら?」
「あ、そっちには
そして分身を活用して、TS圃人斥候・森人探検家とも一緒に祭りを楽しむつもりのようです。
半竜娘ちゃんの贅沢ものめ!
文庫神官ちゃんも、TS圃人斥候も森人探検家も、微妙な顔してますね。
「なんていうか、あれよね。リーダーはいつも楽しそうでいいわね」
「? もちろんじゃとも!!」
女が4人(うち1人は元男ですが)も集まれば、馬車の中の話題は尽きることがありません。
にぎやかな馬車が、街道を麒麟竜馬に曳かれて走っていきます。
というところで今回はここまで!
それではまた次回!
というわけで、現在の各キャラの使用可能な経験点と成長点は以下の通りです。
名前 | 経験点 | 成長点 |
半竜娘 | 2,500点 | 4点 |
森人探検家 | 6,750点 | 12点 |
TS圃人斥候 | 4,250点 | 9点 |
文庫神官 | 2,000点 | 25点 |
遠征編(非公式公開シナリオ編)はここまでで、次は、原作小説3巻の収穫祭編です。
半竜娘ちゃんは、超勇者ちゃんたちと会える……かな?