ゴブリンスレイヤーTAS 半竜娘チャート(RTA実況風)   作:舞 麻浦

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●前話:
分身体『自由への闘争!』
半竜娘「分身のくせになまいきだ。」

 


25/n 収穫祭-4(VS 闇竜娘(ダークドラコ)

 はいどーも!

 なんか半竜娘ちゃんの本体の方が悪役に見えるような気もしないではない、収穫祭(feat.蜥蜴人)実況、始まります!

 

 武舞台の上で、受肉させた分身ちゃん(分竜娘)と向かい合っています。

 戦場イメージは次のような感じです。

 召喚しまくってるからキャラが多くてわちゃわちゃしてますねー。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 武舞台の周囲にいる一党の仲間たちや麒麟竜馬、自由精霊、棘竜牙兵は、音楽を奏でたり歌ったり踊ったりしながら、武舞台の周辺を動き回っています。

 えいやはー、えいやはー。

 

「分身を呪物に侵させ受肉させる! そしてその心臓を捧げる、これ以上の供物があるだろうか、いや、なかろうさ!」

『あまりに傲慢! あまりに驕慢! (オレ)(オレ)のために歩むと決めた――ゆえに! 反逆だ!』

「もとより望むところじゃ! 貴様との戦いも含めて全て、(これ)(すなわ)ち祖竜への供物である!!」

 

 『手』の呪像に侵食された分身体は、半竜娘ちゃん本体の制御を離れてしまっています。

 もともと度重(たびかさ)なる【分身(アザーセルフ)】の行使により、分身体に本体とは別の固有の自我が芽生え始めていたところに、『手』の呪像が侵食することで促進され、完全に独立した自我を獲得したようです。*1

 侵食した『手』の呪像は、分身体の体内で再構成され、三本目の腕として背中から生えています。

 

 侵食された影響か、肌は黒く、髪は白くなっています。

 差し詰め、闇竜娘(ダークドラコ)ってところでしょうか。

 

「さあて、その背の副腕は馴染んだかや? 権能は使えるか? そうでなくば供物としては不十分! 権能ごと喰らい捧げるために受肉させたのじゃからな!!」

『それほど見たくば見るがいい! 百手巨人(ヘカトンケイル)にも通じる『手』の権能! 数多の手は、神威を(あまね)く伝える陽光の象徴!』*2

 

 闇竜娘(ダークドラコ)の背から生えた黒い腕が印を結び、魔力の光を(たた)えます。

 

 ◆怪物知識判定:目標値 怪物(冒険者)Lv9+9=18

 半竜娘:知力集中10+竜司祭Lv9+2D622=23 ○判定成功!

 

 半竜娘ちゃんは鋭い眼光で、闇竜娘(ダークドラコ)を見据えます。

 

(……身体能力にそれほど差はないようじゃ。『手』の呪像を再構成した副腕の権能は――おそらく『真言呪文の知識』と『矢避け』。

 『手』の権能で呪文抵抗は増しておるかもしれぬが、装備はすべて外してあるから、装甲は鱗のみ。

 持ち物がないゆえ、手前も相手も、幾つかの術が使えぬな)

 

 闇竜娘(ダークドラコ)は、半竜娘ちゃんの身体能力に加えて、以下の能力が加算されています。

 ・真言呪文:全呪文使用可能(副腕で手印を切る場合のみ)

 ・矢避けの加護:遠距離武器による攻撃の命中値-8

 ・呪文抵抗:+2のボーナス

 

 また、お互い裸一貫(ボディペイント)なので、祖竜術や精霊術の触媒入れを持っておらず、触媒を要する一部の術が使えません。

 武器防具も外していますが、指輪と真言呪文の発動体はいつものを身に着けています。

 

 ただし、本体の方の半竜娘ちゃんは、『手』の呪像を取り出すために、空間拡張鞄を手にしています。

 これはかなりのアドバンテージですね。

 

 ◆先制力判定!(第1ラウンド)

 1.半竜娘 2D655+機先3=13

 2.闇竜娘(ダークドラコ) 2D645+機先3=12

 

 闇竜娘(ダークドラコ)の黒い副腕にマナが集まり、全てを破壊する魔術の光線が放たれます!

 

『光の御手を見よ! オムニス(万物)ノドゥス(結束)リベロ(解放)!! 【分解(ディスインテグレート)】!!』

 

 全ての原子結合を分解する防御不能の魔術の光線――ディスインテグレートです!*3

 しかし、半竜娘ちゃん本体は、先制判定に勝っているので、その開幕ぶっぱに超反応!

 空間拡張鞄から、一枚のカードを取り出します。ドロー、マジックカード!!

 

蛟竜(ミズチ)姫よ、風の蛇(ククルカン)よ、助力を頼む! 黒き蓮の一片(ひとひら)よ! 備えしマナを解放せよ!」

 黒蓮花弁のカードによる、擬似高速詠唱です。

 さらに、周りで歌っている自由精霊を【統率】技能で支援に回します。

セメル(一時)キトー(俊敏)オッフェーロ(付与)! マグナ(魔術)ノドゥス(結束)ファキオ(生成)!」

 

 速攻魔法(インスタントマジック)、『黒蓮の花びら』。

 効果は1ラウンドで2回の呪文詠唱!(1日1回)

 

 唱えた魔術は、【加速(ヘイスト)】と【力場(フォースフィールド)】です。

 

 ◆半竜娘の真言呪文【加速】行使:

 基礎値20+付与呪文熟達3+精霊支援6+2D661=36

 ○行使成功 ⇒ 加速ボーナス+4

 

 ◆半竜娘の真言呪文【力場】行使:

 基礎値20+創造呪文熟達1+加速4+精霊支援6+2D613=35

 ○行使成功 ⇒ 30点未満のダメージを無効化するバリアーを生成

 

 迫る破滅の光線に対して、魔術による防壁を構築しました。(半竜娘:呪文使用回数7→5)

 

『精霊の助力というならこちらにも権限はあるぞ! 土竜(ムグラムチ)よ、火蜥蜴(サラマンダ)よ!』

 

 ◆闇竜娘(ダークドラコ)の真言呪文【分解(ディスインテグレート)】行使:

 基礎値20+精霊支援6+2D642=32

 ○行使成功 ⇒ ダメージ算出:6D6363216+20+魔術師Lv7+胃石2=50

 

『無駄無駄無駄ァ! 我が(かいな)から放たれた光線を、阻めるものなし!』

 

 魔術防壁に50ダメージ! 耐久限界のため防壁は消失!(闇竜娘(ダークドラコ):呪文使用回数7→6)

 

「ぬぅっ、一撃しか耐えぬか! しかし防いだぞ!」

『寿命が少し伸びただけに過ぎぬわなあ!』

 

 魔術の結束すらも分解した光線の残滓として、渦巻くようにマナの破片が青く輝いて武舞台の上で舞い散りました。

 そして舞台の上の竜の娘たちが、次なる一手に移ります。

 (継戦カウンター 2→3。【加速】の呪文維持判定はファンブルではなかったので成功。)

 

 一党の仲間や棘竜牙兵は、助勢せずに一騎討ちを見守っています。

 

 

 

 ◆先制力判定!(第2ラウンド)

 1.半竜娘 2D626+機先3+加速4=15 ⇒ 12と3に分割

 2.闇竜娘(ダークドラコ) 2D653+機先3=11

 3.半竜娘 2回目行動

 

 

 南の空から暗雲が迫っていますが、この周辺は快晴です。

 

『おお、この気配は……左の『手』の呪像が近くあるようじゃな! 大嵐の権能! (オレ)の陽光の権能と対になる腕!』

「だからなんじゃ? 合流すれば強くなるとでもいうのかの?」

『何事も、1つよりは2つの方がよかろうさ』

 

 軽く言葉を交わし、先手は半竜娘ちゃん本体です。

 

「供物を引き裂く鋭き爪を(こいねが)う! 『伶盗竜(リンタオロン)(かぎ)たる翼よ。切り裂き、空飛び、狩りを為せ!』――【竜爪(シャープクロー)】!」

『触媒なしに使えるものか、ボケたか?』

「触媒となる竜の爪は、既に我が手にあろうがよ!!」

『まさか、いや、そうか、なるほど!』

 

 【竜爪】の術には触媒として竜の爪や牙が必要です。

 今は竜司祭の触媒入れの鞄は外しているため、いつもの触媒は使えません。

 しかし、竜の爪なら自前のものがあるではないですか。

 

 ◆半竜娘の祖竜術【竜爪】行使:

 基礎値21+上質な触媒(自爪)1+精霊支援6+加速4+創造呪文熟達1+2D633=39

 ○行使成功 ⇒ 装甲貫通付与、命中修正+2、威力+2

 

「効果時間が終わると触媒にした爪も無くなるが、勝てるならばその程度問題ないのじゃ!」

『ああ確かに、負けて死ぬ貴様にゃ関係ないことだな!』

 

 半竜娘の爪が大きく鋭く、鎌のように変形します。

 威嚇するように爪を軋り合わせると、ぎぃんと硬質な音がしました。

 (半竜娘呪文使用回数:5→4)

 

「解体してやるのじゃ」

『やってみろ』

 

 次は闇竜娘(ダークドラコ)の手番です。

 

『絶滅的に凍えて死ね。グラキエス()テンペスタス()オリエンス(発生)――【吹雪(ブリザード)】!』*4

 

 ◆闇竜娘(ダークドラコ)の真言呪文【吹雪(ブリザード)】行使:

 基礎値20+精霊支援6+2D661=33

 ○行使成功 ⇒ ダメージ算出:3D6231+6+魔術師Lv7+胃石2=21

 

 闇竜娘(ダークドラコ)の三本目の腕から、氷雪の嵐が発生します。(闇竜娘:呪文使用回数6→5)

 祖竜を滅ぼした低温は、蜥蜴人にとっても弱点です。

 

「ぬぅぅっ!?」

 

 ◆半竜娘の呪文抵抗:

 基礎値20+加速4+2D653=32 < 【吹雪】達成値33

 ×抵抗失敗!

 

 氷雪に包まれ、あっという間に半竜娘が見えなくなってしまいました。

 

『冷凍トカゲの一丁上がりってなァ!』

 

 しかし果たしてそうでしょうか? 本当に?

 

「効かぬわッ!」

『なんだと!?』

 

 次の瞬間、半竜娘は雪を白銀の布のようなもので吹き飛ばしながら、その雪の中から現れました。

 吹雪に包まれる一瞬で、空間拡張鞄の中から『耐火外套(ミスリルめっきグラスウールコート)』を取り出し、自らに巻き付けていたのです。

 

 ◆半竜娘の呪文抵抗(再計算):

 基礎値20+加速4+ミスリルめっき1+2D653=33 ≧ 【吹雪】達成値33

 ○抵抗成功!

 

 半竜娘ちゃんは、大きくその場で回転して、纏わりついた雪を吹き飛ばします。

 

 呪文抵抗成功により、凍結によるペナルティは発生しません。

 ただし、ダメージは半減して通ります。

 

 ◆半竜娘のダメージ(吹雪・抵抗成功):

 ダメージ21/2-装甲(鱗)3-耐火外套2=5

 半竜娘 残り体力 35 ⇒ 30

 

「冬とて知恵を絞ればどうということはないのじゃよ!」

 裸マントと化した半竜娘ちゃんが、クロックアップして突撃します。

「さあ 我が腕の中で 息絶えるがよい!!」

 

 ◆半竜娘の攻撃(両爪・二刀流):

 右爪:基礎値16+加速4+竜爪2+2D662-二刀流ペナ4=26

 左爪:基礎値16+加速4+竜爪2+2D636-二刀流ペナ4=27

 

 さらに、因果点を積んで祈念します!

 

「イイィィィイイヤァアアアアアッッ!!!」

 

 ◆祈念×2:

 祈念2D634=7 > 因果点3

 ○祈念成功! 右爪の攻撃をクリティカル化! 因果点3→4

 

 祈念2D651=6 > 因果点4

 ○祈念成功! 左爪の攻撃をクリティカル化! 因果点4→5

 

 クリティカル化により、命中達成値にそれぞれ+5!

 

(オレ)は、こんなところで……負けてらんねェんだよ!!』

 

 【竜爪】の祖竜術によりもたらされた鋭い爪は、装甲を貫通しますから、防御は無意味です。

 闇竜娘(ダークドラコ)は、避けるしかありません。

 

 ◆闇竜娘回避×2:

 右爪回避:基準値14+2D635=22

 ×クリティカルではないので回避失敗!

 

 左爪回避:基準値14+2D654=23

 ×クリティカルではないので回避失敗!

 

 が、ダメ……っ!

 

「おお、恐るべき竜よ、慈母龍よ! 末裔の戦働きを御照覧あれッ!!」

『GROORRRR!!』『KURRRRRAA!!』

 

 半竜娘は、突撃中に祖竜への祈りを叫ぶと、それに呼応した棘竜牙兵(ドラゴントゥースウォリアー:スピノ)を2体【統率】し、威力と装甲に+6の支援効果を得ます。

 2体の棘竜牙兵が奏でるリズムが激しくなり、半竜娘を鼓舞します。

 

 ◆ダメージ計算(半竜娘 右爪・左爪):

 右爪:素手(1D31+5)+竜爪2+竜牙兵支援6+胃石2+武道家Lv6+命中値ボーナス4D61412-装甲0=30

 左爪:素手(1D32+5)+竜爪2+竜牙兵支援6+胃石2+武道家Lv6+命中値ボーナス4D63311-装甲0=31

 

 合計61ダメージ!

 

 闇竜娘(ダークドラコ)の残り生命力:70 ⇒ 9

 

『ぐぅうううううっ!?』

 

 さらにクリティカル(痛打)のため、痛打表により追加効果!

 

 ◆痛打表(半竜娘 右爪・左爪):

 痛打(右爪):3 ⇒ 攻撃に用いる部位の破壊により与ダメージ半減

 痛打(左爪):6 ⇒ 転倒

 

 半竜娘の右爪が、攻撃を受けた闇竜娘(ダークドラコ)の両腕を深く切り裂きました!

 腕の腱を傷つけたのか、指先まで力が入らないようで、滴る血ともにだらりと力なく指と爪が垂れています。

 

 さらに、半竜娘の左爪の攻撃が、体勢を崩した闇竜娘(ダークドラコ)を弾き飛ばします。

 たまらずたたらを踏んだ闇竜娘(ダークドラコ)は、耐えきれずに転倒してしまいました。

 

「そう、貴様は下で、手前が上じゃ。分身が反旗を翻そうなど、烏滸がましいと思わんか?」

『ごふっ……思わ、ねェな! まだ(オレ)は死んでねえ、勝った気になってんじゃねェぞ!!』

 

 2ラウンド目終了です。

 (継戦カウンター 3→4。【加速】の呪文維持判定はファンブルではなかったので成功。)

 

 

 

 ◆先制力判定!(第3ラウンド)

 1.半竜娘 2D651+機先3+加速4=13 ⇒ 12と1に分割

 2.闇竜娘(ダークドラコ) 2D664+機先3-転倒ペナ4=9

 3.半竜娘 2回目行動

 

 続いて先手を取ったのは、またもや半竜娘ちゃん本体です。

 転倒してなきゃ、ひょっとしたら闇竜娘(ダークドラコ)ちゃんが先手取れたかもしれないんですけどねー。

 これまで全く先手を取れなかったのは不運です。

 

 半竜娘ちゃんは、大きく深く爪撃の傷跡が残る闇竜娘(ダークドラコ)を蹴り転がすと、右手の爪を闇竜娘(ダークドラコ)の胸に突き立てようとします。

 

 ◆半竜娘の攻撃(両爪):

 両爪:基礎値16+加速4+竜爪2+2D621=25

 

 ◆闇竜娘回避:

 両爪回避:基準値14+2D665-転倒ペナ4=21

 ×回避失敗!

 

 それを闇竜娘(ダークドラコ)は身をよじり、転がって避けようとしますが、深く傷ついた身体は機敏な動きができません。

 ついには、逃れられずに、捕まってしまい、【竜爪】によって尖鋭化した爪が、深々と胸に突き刺さっていきます。

 

『あ、ぐぁ、ちくしょうが……』

「ではいざ――」

 

 半竜娘は、突き刺した右手を闇竜娘(ダークドラコ)ごと持ち上げていきます。

 闇竜娘(ダークドラコ)を真上に持ち上げると、傷口から溢れる血を浴びながら、残った左爪を構えました。

 

「――供物としての役目を果たすがいいのじゃ」

 

 左爪が閃き、突き刺さった右爪が蠢き――

 

 ◆ダメージ計算(半竜娘 両爪):

 両爪:素手(1D32+7)+竜爪2+竜牙兵支援6+胃石2+武道家Lv6+命中値ボーナス3D6666-装甲0=43

 

 

 

FINISH HER

 

 

 

「イィヤァアアアッッ!!」

 

 

 

F A T A L I T Y

 

 

 ――闇竜娘(ダークドラコ)の胸から、心臓を()り抜きました。

 

「白亜の園を歩みし偉大な羊よ、永久に語られる闘争の功、その一端なりしへ我が片割れを導き給う……」

『は、は、負けちまったかァ。しかた、ね、ェ、な――』

「貴様の魂は、再び手前の一部になるのじゃ。そして貴様を糧に、手前は竜への階梯を登る。安心せい」

『ふ、は、は。ふがい、ねェ、ざま、みせ たら、つぎは、(オレ)が、食うか、ら、な』

「然り。竜とは、食らうものなれば」

 

 そして半竜娘は、いまだに脈動する心臓に食らいつき、雄たけびを上げます。

「おお、甘露じゃ! オオォォオオオオオオオオッ!!」

 一方で心臓を抜かれた闇竜娘(ダークドラコ)の身体は、光に包まれ、マナへと変換されていきます。

 

「いまここに供犠の儀式は成った!! いざ、いざ、いざ、これよりは霊界にて大物狩りであるぞ!!」

 

 百手巨人(ヘカトンケイル)に所縁のあった呪像を取り込んだ分身の心臓を食らい、捧げることで、霊界への道が開いたのです。

 また、時を同じくして、街の方でも霊威が高まるのを感じます。

 地母神に仕える女神官の祈りが、天に届いたのでしょう。

 この瞬間、霊界と地上界は最接近しているはずです。

 

慈母龍(マイアサウラ)よ!

 我らが母たる慈母龍(マイアサウラ)よ!

 末裔の狩りを御照覧あれ!

 竜とは奪うものなれば!

 古の巨兵を食らい、『手』の権能を奪いせしめて献上しようぞ!!」

 

 マナの光は儀式場の周囲の竜牙兵と麒麟竜馬を巻き込み、さらに輝きを強めます。

 

 やがて目を開けていられないほどに強く光り輝き――それは一条の光となって、天へと突き上がっていきました。

 

「……お姉さま? き、消えた……?」

 

 武舞台には、自由精霊と半竜娘以外の一党の仲間が残され、そこから半竜娘の姿は消えてしまっていました。

 

 

  ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

  ▼△▼△▼△▼△▼△▼

 

 

 光あふれる霊界――アストラル界。

 魂だけになって辿り着けるこの幽冥の世界に、半竜娘は居ます。

 

 その周りには、幾つかの魂が、半竜娘と繋がって浮遊しています。

 

 馬の形の2つの魂は、使い魔である2匹の麒麟竜馬の魂でしょう。

 4つの骨の操り人形のような形の魂は、祖霊と半竜娘の祈りが混交して形成された、4体の棘竜牙兵の魂。

 そして、オーラのごとく半竜娘を取り巻き脈動しているのは、先ほど食らった闇竜娘(ダークドラコ)の魂。

 

 いずれも使い魔契約や祈り、供犠により、半竜娘と繋がりがある者です。

 ゆえにその繋がりにより、アストラル界まで、半竜娘に引きずられて登って来たのです。

 

 特に、重なるように存在する闇竜娘(ダークドラコ)の魂は、もとが同一存在であったこともあり、脈動と同化の度合いを強めていきます。

 

「うむ。“我に勝算あり”じゃ」

 

 ――そう、今の半竜娘ちゃんは、魂のツインドライブ状態!

 その出力は、一時的に2倍……いえ、2乗にもなるでしょう!

 

 半竜娘が挑むように見上げた先には、巨体から大小無数の手を生やして枝分かれさせた異形の姿が。

 

 あれこそが、嵐の巨人『百手巨人(ヘカトンケイル)』の本体です!

 

「喰いでのありそうなヤツじゃな!」

 

 超勇者ちゃんが来るまでに、さてどれだけ喰えるか……。

 あるいは逆に捕まって握り潰されてしまうのか。

 

 というところで、今回はここまで!

 また次回!

 

 

 

*1
分身の独立:セッション中に別のPLが分身PCの操作を手伝ってくれたら、やたらキャラが立っちゃったりしてね……。あるよね? ない?

*2
百手は陽光の象徴:ヘカトンケイルはエーゲ海の嵐の神とされるが、近隣の神話における太陽神を零落させて取り込んだという説もある。その場合、百の手は陽光の象徴とされる。今回の話では、右手の呪像(闇竜娘所持)が陽光の側面、左手の呪像(闇人所持)が嵐の側面と解釈した。原作小説で、ヘカトンケイルの召喚に伴い嵐が生じたのは、ギリシャ神話のヘカトンケイルがエーゲ海の嵐の神であるからであろうと思われる。

*3
分解ディスインテグレート:上級の真言呪文。射線上のものに装甲点無視のダメージを与える光線を放つ。また、構造物を熔解させて穴を空ける。ちなみに基本ルールブックには記載がない呪文。ここでは【戦槍(ヴァルキリーズジャベリン)】を光線化し、装甲貫通効果を付与したデータとして扱う。

*4
吹雪ブリザード:被弾したとき呪文抵抗に失敗すると、ダメージに加えて凍えによるペナルティを受ける。




祖竜の権能を増やすために他の神格に戦を仕掛けて奪おうとする巫女の鑑。
祖竜信仰って四方世界では異端の新興宗教(他と比べて)なわけで、じゃあ、祖竜の権能は何処から来たかというと、蜥蜴人の英雄が昇天したものと、他から奪ってきたものがあるんだと思うんですよ。「竜とは奪うもの」であるがゆえに、ですね。

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Q.闇竜娘(ダークドラコ)の勝ち筋は?
A.負けたのは先制判定のダイスの出目が腐ったのが大きいですが、戦おうとしたのが実はそもそも良くなかったのです。
 初手で【脱出(エスケープ)】の真言呪文使って逃げ出すのが最適解。闇竜娘の勝利条件は、『生きる』ことなので、わざわざ戦う必要はないのです。
 ちなみに半竜娘ちゃん本体の方がピンチになると、周りの仲間が支援を始めます。闇竜娘(ダークドラコ)にとっては、圧倒的アウェー……! しかも本体の方はアイテム袋も持ってるしね。
 逃げるが勝ちってはっきり分かんだね。

Q.闇竜娘(ダークドラコ)も【加速】したら良かったのでは?
A.新しい力手に入れたら使ってみたくなるし(【分解】ブッパ)、弱点属性突けるなら突きたくなっちゃう(【吹雪】ブッパ)。あと『手』の呪像に侵食された影響で戦闘IQ下がってた可能性は否めない。


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