ゴブリンスレイヤーTAS 半竜娘チャート(RTA実況風) 作:舞 麻浦
●前話:
半竜娘「プロテクション便利じゃの……。やはり地母神との習合を……」
文庫神官「まあまあお姉さま、足りないところを補うために仲間がいるんじゃありませんか! もっと私たちを頼ってください!」
半竜娘「おお……そうじゃの! 仲間とはまこと有り難いものじゃな!」
地母神(ほっ)
鱗が生える羽目にならずに安堵した神様がいたとか居ないとか。
はいどーも!
前回は“このように稼ぐのだ!”な感じで素材獲得兼訓練の風景をご覧いただいたところまででしたね。*1
その後、最上級のエステも受けて、体調も万全になった一党でした。いやー、みんなの蕩け顔をお見せできなかったのが残念です。TS圃人斥候に女の体の良さを叩き込んでやろうという半竜娘ちゃんの粋な計らいも感じられます。*2
そして半竜娘ちゃんの装備も仕上がったので、本番の興行も幾つかこなしてきましたよー。
特に、『ドキッ! 巨大種だらけのバトルロイヤル! ポロリもあるよ!!』は酷かったですね~。*3
そのタイトルの酷さもさることながら、モツだの手足だのがポロリしまくるという修羅の
半竜娘ちゃん含む重量級の獣人種の最上級闘士たちがガチンコでぶつかり合うのは凄い大迫力でしたし、半竜娘ちゃん以外にも【巨大】化の呪文の使い手がいたので、さらに超弩迫力!
怪獣大決戦って感じでしたね。半竜娘ちゃんは半竜娘ちゃんで、分身してツープラトンアタックしたりと、やりたい放題でしたし。
最終的には【加速】して【巨大】化して【竜翼】生やして【突撃】で上空へ垂直発進して飛び出したあとに急降下大激突して何もかも吹き飛ばすという暴挙に出た半竜娘ちゃんが全部持っていきました。“そらをとぶ”じゃなくて“ゴッドバード”だよそれもう。*4
闘技場と観客席を隔てる結界がなきゃ、闘技場ごと吹っ飛んで地形が変わってましたね、きっと。
その日の号外では、
みたいな見出しが躍りました。
あと、そのときマッチングした恐鳥系の鳥人から、【竜翼】発動中に使える足技系の格闘技をラーニングしたりできたのもいい収穫です。*5
【竜翼】発動中は手が使えませんからね、足技を覚えられたのは助かりました。
鳥人の足技の流派もあるそうですが、まあ機会があれば入門するなり道場破りするなりしてみてもいいかもしれません。
それで今は、闘技場オーナーの魔術師と会食中です。
「くくく……いやはや、面白いものを見せてもらった。くっくっくっ……。障壁の内側が吹き上がる土砂でまるで逆流れの滝のようだったぞ」
「こちらこそ、闘技場の結界を信用しとるからこその大盤振る舞いじゃからな、感謝しておるのじゃ! バラバラに耕された対戦相手も復活できたのは驚いたが」
「この闘技場では、全ての『死』は我が掌中よ」 火吹き山の
稀に見る派手な興行になったので、
ちなみに、半竜娘ちゃんはサイズが大幅に変わったので、以前の中華風なドレスではなく、今度は竜革のパンキッシュなドレスを着ています。
もちろんこのドレスも会食にあたっての闘技場からのプレゼントです。
「して、今回の褒美は何がいいかな、【
上機嫌に尋ねる火吹き山P。会食の場は、この恐るべき魔術師に褒美をねだれる場でもあるのです。
「うむ、それなのじゃが、魔道具作りを学びたいのじゃが、独学ではどうにもならぬこともあるし、師事できる者を紹介してほしいのじゃ」
「ほう、魔道具作り――付与術や錬金術も含まれるが、それらを修めるには生半なことでは難しいぞ? 極めようと思えばなおさらだ」
「もちろん承知しておるさ」
「ふーむ……」
少し思案する火吹き山P。
闘士としての道を捨てられても困りますから、なんとか冒険稼業と闘技場興行に支障のない修行先があればいいのですが。
「ああ、そうだ。これならよかろう」
そして思いつくと、火吹き山Pは、虚空から何やら枕を取り出しました。
「枕、かの?」 それを見て首をかしげる半竜娘ちゃん。
「うむ、これで寝れば、誰かの忘れたい記憶を追憶できるという代物よ。いま、うむ、魔道具職人の記憶を封じたから、これを使うといい」 火吹き山Pはやはり虚空を掻き混ぜるようにすると、それで因果の糸でも絡め取ったのか、漂う何かを掴んで枕に放り込む仕草をしました。
半竜娘は、『夢拾いの枕』を獲得した!*6
「まあ、睡眠学習のようなものだな。“夢は単に苦悩の一つの形に過ぎない”し、“ある者は自分が見た恐るべきものを懸命に忘れようとしたが、別な誰かはそこに鋭く興味を持った。”ということもある……誰かの悪夢は、誰かの吉兆だ。しかし、夢の中のことというのはすぐに忘れてしまうものでもあり、“夢の中の富は長続きしない。”とも言う。君がうまく使えることを祈っておこう」*7
「かたじけない! そして使いこなして見せようぞ!」
半竜娘は渡された魔法の枕を喜色満面で受け取りました。
でも、夢の中でまで修行で自己研鑽とか、ホントに休む暇ないな、半竜娘ちゃん。
いやまあ、自己研鑽、自己鍛錬自体が趣味みたいなところがありますけどね、半竜娘ちゃんは。
蜥蜴人って、自分たちは鍛えれば鍛えただけ強くなるとか、長生きすればするだけ大きくなると信じてるっぽいですし、種族的にそういう気質はもとからあるのかもしれませんね。TASさんに魅入られるだけあります。
「さて、それでは君の冒険の話でも聞かせてもらおうかな。こんなに急に成長するとは、何をどうやったのか気になっていてね」
「そうじゃのう、それを語るにはまず、上古の樹人が封印した忌まわしき『手』の呪物のことから触れねばなるまいて――」
火吹き山Pに水を向けられた半竜娘ちゃんは、嬉々として自分の武勇伝を語り始めました。
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では火吹き山での活動はひと段落したので、半竜娘ちゃんたち一党の成長についてお知らせします!
半竜娘一党は、経験点1500点、成長点3点獲得!
半竜娘一党は、『【粘糸】の杖』をそれぞれ購入した!*8
半竜娘一党は、『【支配】の手綱』を1つ購入した!*9
半竜娘一党は、空間拡張鞄(容量:背負い袋2つ分程度)を1つ、【聖餐】のランチョンマットを3つ購入し、文庫神官に与えた!
文庫神官ちゃんだけ空間拡張鞄を持ってなかったので、他のメンバーより容量は劣りますが新しく空間拡張鞄を一党の経費で一つ買って、貸出しました。
あとは、ロープ代わりにも使える『【
森人探検家は、冒険者レベル6→7に上昇! 成長点25点追加獲得!
森人探検家は、神官(交易神)Lv4→5に上昇! 成長点5点追加獲得!
森人探検家は、新たに交易神から【
森人探検家は、冒険者技能【機先】を第3段階の熟練段階に伸ばした!(先制力+2→+3、成長点15点消費)
森人探検家は、交易神殿にお布施して奇跡を賜ったみたいですね。
覚えたのは【
ついでに先手を取りやすくなるように【機先】技能を伸ばしました。
TS圃人斥候は、魔術師Lv5→6に上昇! 成長点7点追加獲得!
TS圃人斥候は、新たに【
TS圃人斥候は、冒険者技能【幸運】を第2段階の習熟段階に伸ばした!(因果点祈念時ボーナス+1→+2、成長点10点消費)
TS圃人斥候は魔術師レベルを伸ばして、【
……この呪文、なんとなく、辺境の街で歓楽街の用心棒をしている間に夢魔のおねーさんたちから手ほどきを受けた気配を感じますね。
あと、TS圃人斥候の【
あとは真言呪文を唱えたときに、因果点を積んで大成功に変換して、敵の呪文抵抗を貫通させたいので、『幸運』技能を上げました。
半竜娘ちゃんと文庫神官ちゃんは、特に職業・技能の変動はありません。
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さて。
半竜娘ちゃんが火吹き山で興行をしている間、無限湧きの訓練場で稼いだ素材や、それと引き換えに得た加工済み資材や機材――錆びない配管や断熱材の
そしてやがて冬も本番になるころ、
というのも、そろそろ、山間の村々まで、収穫祭のころから予約を受けていた食糧救援依頼をこなしに赴かなくてはならないからです。
山間の村々で人々が、冬至・新年を、少し贅沢に迎えるためにも、また、方々で餓死者を出さないようにするためにも、これらの救援依頼は実際重要です。
「まあ、最悪、手前が翼を生やしてひとっ飛びすればいいのじゃが」
確かに、空間拡張鞄を提げた半竜娘ちゃんが大きく初速を得て飛んでいけば、あっという間に配達できます。
……モンスターと間違えられて大騒ぎになる未来しか見えませんが。
「折角、
森人探検家は、今も着ている新しい防寒具を指して正攻法を勧めます。
もちろん、馬車を使った方がたくさんの荷物を運べるからということもあります。
交易神の神官である彼女としては、商売に妥協はありえません。
「冷静に考えると、航空輸送できるからって冬の雪山を延々と街に戻らずに梯子するのは、割と狂気の沙汰だよなあ」
TS圃人斥候が呆れています。
山間の寒村を行脚するというのは、実際、一歩間違えば自殺行為です。
雪山をなめてはいけません。
村が冒険者に依頼するのは、もちろん、それだけの危険があるからです。
冬の雪山特有の凶悪なモンスターだって出てくるのですから。
「でも、そこに食糧や薬などを待っている方たちがいらっしゃるなら、行かない選択肢はありません! こうやって冬も依頼をこなして多くを救おうとなさるとは、さすが慈母龍の加護篤きお姉さまです!! ……私は空は飛びませんけど、絶対飛びませんけど、ええ」
一党の中でも最も神官らしい神官である文庫神官は、この一連の食糧救援依頼にかなり乗り気です。
空間拡張鞄によって、薬や食糧、塩、燃料もたくさん運ぶことができます。仕入れも火吹き山でたっぷり済ませてきましたし、準備は万端です。
冬の寒さは、この辺境の地では人の命をたやすく奪うものです。
それを思えば、この救援依頼は、相当に意義のあるものなのは確かです。
そうこう話すうちに、辺境の街から少し北に離れた、半竜娘ちゃんたちの屋敷の建設場所にやってきました。
かつては異端の術士が住んでいた庵があった場所です。*12
さて、工事の進捗はどんなもんでしょうかね。
「おお~~、結構出来上がっとるもんじゃな! 前に見たときは地下室やら機材設置用のピットやら、浄化水槽用の穴を掘っておったところじゃったがのう」
「まあ、
「途中で、火吹き山で買った小型起重機もパーツに解体して送ったんじゃなかったか?」
「職人さんたちが頑張ってくださったんですね!」
半竜娘、森人探検家、TS圃人斥候、文庫神官が見る先には、ほぼ形が出来上がった屋敷と工房がありました。
とはいえ、まだ作業が続いているのか、トンテンカンテンと音がしています。
大まかな概要図は次の図の感じです。あ、地下や二階とか柵とかその他細かいところは省略しています。
街の外だからってかなり贅沢に土地を使っていますね。
屋敷っていうか、まあ、どっちかというと、大きな工房って感じですが。
工房区画には、鍛冶や機械いじりをするガレージ区画、使い魔作成などの生体実験区画、錬金・魔道具作成の区画、そして雨の日も鍛錬できる訓練場が備えられ、環境に配慮した廃棄物・排水処理施設も充実しています。
この時代に環境への配慮をしているのはおかしい? いや、精霊が文句言ってきますからね、垂れ流しだと。
書庫とかは居住区画の二階にあります。床は抜けないように補強済み。
森人探検家の部屋は、木と一体化している南側の個室でしょうかね。
しかしこんなに大胆に開拓しちゃって大丈夫?
あとで怒られない? 受付嬢さんとかに。
「その辺の手続きは、わたしがギルドと詰めておいたから、街の政庁の方にも通ってるはずよ」
森人探検家ちゃん、さすが!
エルフのわりに世慣れてる!!
「なら安心じゃな。そして、まだ完成まではもう少しかかりそうじゃの」
半竜娘は大工衆の仕事ぶりを見ながらそう判断します。
「きっと、山村に食糧を配給して回って帰ってきたころには出来上がっていますわ! お姉さま!」
「そんじゃあ、進捗も確認できたし、早速、出発しよーぜ」
TS圃人斥候ちゃんは、実際どのくらいこの家に帰ってきますかね。
家に帰らず、用心棒先の歓楽街に入り浸ってるイメージがあります。
「おぉーーい!」
街の方から、独立懸架式突撃機動馬車が、二頭の麒麟竜馬に曳かれてやってきました。
別行動させていた半竜娘の分身体が(窮屈そうに)御者を務めて運転してきたのです。
ではいざ、
『地獄界の夢/Underworld Dreams』 夢は単に苦悩の一つの形に過ぎない。
『夢の回収/Dream Salvage』 アウィラは自分が見た恐るべきものを懸命に忘れようとしたが、別な誰かはそこに鋭く興味を持った。
『夢での貯え/Dream Cache』 夢の中の富は長続きしない。――スークアタの格言
次回かその次から、雪山ゴブリンズクラウンです!
既にゴブスレさんたちは令嬢剣士(のちの女商人)のところへ向けて出発済みですが、徒歩なのでまだ到着できていません。馬車の半竜娘ちゃんたちの方が機動力は高いですから、配達の村々を回ったとしても、いい感じのタイミングで追いつくでしょう。
◆没エピソード
火吹き山P「褒美は何がいい?」
半竜娘「自在に小さくなれると便利なのじゃ! 背がつっかえると遺跡にも入れんしのう。なんぞ呪文や魔道具はないかの?」
火吹き山P スッ…… (DRINK ME! とラベルされた飲み物)
手乗り半竜娘ちゃんとか、1/16フィギュアサイズ半竜娘ちゃんとかもカワイイと思うんですけどね~。
そのうち真言呪文研究パートで『
半竜娘ちゃんが乗れる騎馬がない問題も、新しい使い魔かゴーレムを作るか、分身体を